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吉祥女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「吉祥女子中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

文学的文章・説明的文章の2題の長文読解と漢字の読み書きから成る。素材文はここ数年ほどは10000~12000字ほどにもなり、文量が多くなっている。

漢字は5~6問で読みが1問含まれ、試験の最後に配置されている。総解答数は30~35問ほど。

設問は、記号選択・書き抜き・記述問題とバランスよく出題されている。選択肢問題は四択だが文字数が多く、本文の長さと相まって読む文量の多い試験であることが大きな特徴になっている

記述問題は40~50字・80~100字ほどで2~3問出題される。

長文読解

文学的文章と説明的文章は文量も配点もほぼ均等で、同じ力配分になっている。ここ数年ほどは10000字超と特に文量が多くなっている点、要注意である。選択肢の問題も文字数が多いものがあり、設問も含めてかなりの文量を読まなければならないので、速く読める練習を十分に積んでおきたい

文量の多さと比べて、難易度は多少抑え目である。難問もいくつか見られるが、全体としては極端に難しい問題にはなっていない。

記述問題は「具体的に答えなさい」など、文中の重要点を抽出して答えられるものが多く、選択肢問題もそれぞれの選択肢の内容がわかりやすく、あまり迷わずに選べるようになっている。ただし、80~100にもなる記述問題をうまくまとめるには相当の訓練が必要であるし、文字数の多い選択肢を的確に読み取るには注意力・集中力が求められる。本校の「量の多さ」に対する備えをしっかりしておくことが肝要である。

まずは長文読解の基本的な力を養う。

物語文であれば、場面分け。時間・場所・登場人物などに注目し、どんな場面かを簡単にまとめ、分けておく。人物の言動などからそれぞれの性格を把握し、情景も手がかりに心情を考える。気持ちに変化があった場面は特に注意する。

説明的文章であれば、段落の整理。形式段落→意味段落へとまとめ、意味段落の内容を小見出しにしてつけてしまうとわかりやすい。各段落の要点と細部を区別し、目立つようにしておく。要点をまとめ、要旨を把握する。

本校の文量の多さを考えると、一定のスピードで、キーワード・要点などの重要点を傍線・矢印などで目だつようにしたり、関連をわかりやすくしたりしておく手際の良さは大事であろう。

記述問題は、100字であれば3~4つの内容が書けると計算し、字数でまとめてうまく組み合わせる練習を繰り返す。幸い、本校の過去の試験問題を見ると傾向がほぼ一定なので、第二回・第三回の問題も含めれば練習問題には事欠かない。選択肢問題も充分練習できるであろう。

漢字・その他

ここ数年は試験の最後に5~6問、読みの問題が1問だけ含まれて出題されている。

標準レベルの問題がほとんどなので、基本~中級レベルの漢字教材をしっかりこなしておけば心配ないだろう。ことばの知識は長文問題に混じって数問出されるくらいである。

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2023年度「吉祥女子中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

2023年度の素材文も10000字ほどと例年どおりで、やはり本文の長さと設問の文量の多さ、年度により100字にもなる記述問題が時間を取られるところである。全体として速さが必要になる試験なので、あまりに時間がかかりそうな問題は断念する勇気もいるかも知れない。とにかく全体に一度は目を通せるようなペースをつかむこと。

【大問一】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:24分

先入観で生徒の可能性を否定するような発言をする久留米先生を翻意させようと、主人公たちは野球教室でプロ野球選手に草壁を褒めてもらうべく直談判をする。

問一  様になる――それらしい体裁になる・見た目に違和感がない。

    一瞥――ちらっと見る・ちょっと目をやる。

    太鼓判を押す――間違いないと保証する。

問二 特に草壁のことを何をやっても駄目だと辛辣に決めつける久留米先生に対して、プロに褒められるところを見せて、「先入観をひっくり返」したいと考えている。

問三 . 褒めてあげることはできるが嘘はつけないので、「才能がある」とまで言う約束はしたくないと、安斎たちの申し出に少し困っている。

問四 素質があるかなんて誰にも分らないと主張する安斎に対し、「素質や才能は一目瞭然だ」と、プロが見れば才能のないことはすぐわかってしまうという厳しい現実を突きつけている。

問五 . 「少し褒めるだけでも」と言われたので、その程度でいいならと引き受けた。

問六 学生時代は野球部で鳴らしていた、とあるので久留米は野球に関しては相応の自信を持っていたのだろうと考えられる。

問七 自分たちが反感を持っている久留米先生が周囲からほめられているので、いい気持がしない。

問八 . 嘘でもとにかく褒めてくれという昨日の半ばむりやりの要請を思い出し、圧力を感じている。

問九 「むっとしているかどうかもわからない」とあるので、選択肢のような「怒り」までは感じていないと思われる。突然の安斎の抗議の真意を量っているのであろう。

問十 ただ褒めてもらう程度でもいいと考えていたが、「才能がある」という望み通りの言葉を得られたので嬉しくなった。

問十一 「乗りかかった船」は、始めた以上途中でやめるわけにはいかないという意味。

問十二 相手に自分の考えがしっかり伝わるように、先生に対してでも自分は違う意見であるということをはっきりと落ち着いて言葉にしている。

問十三 普段、久留米から否定的な言葉を向けられている草壁が、プロ野球選手からの言葉に後押しされ、久留米の決めつけに抵抗して自らの可能性を信じる気持ちをはっきりと言葉にしていることがとても嬉しかった。

【大問二】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:24分
  • ★必答問題

触覚や嗅覚などの複合的な感覚経験が、芸術作品を鑑賞するという視覚体験をも豊かにすることが語られている。

問一 . 落とし穴を掘った「しかし・でも」人が落ちることはめったになかった

   . 作品を観るとき「たとえば」油絵

   . 「不在」のアートで感じられる存在感「いっぽう」絵を重ねることの動きのリアルさ

問二 選択肢は「獲物を穴に誘い込むおとりとして自分が落ちるふりをして」が合わないので、選択肢がよい。

問三 「五感をフルにつかって全身で世界と関わり合う」のだから、選択肢のフィクションを読んだ際の心の動きは当てはまらない。

問四 子どもの泣き顔を見て、自分が過去に同じように砂を食べた時の不快な感覚が思い出された。

問五 こどもはまず「触覚が最初に発達する」ため口で触れていろいろなものを知ろうとするが、成長すれば経験が蓄積し「直接触らなくても、見ただけで」質感も認識できるようになる。

問六 「~石ころのように」掘りおこされたのは「子どものころの記憶」である。

問七 モネの睡蓮は「大胆な表現なのにリアルさを感じる」例として挙げられている。雪松図については「大胆な筆致のリアルさ」と、モネの絵と共通するリアリティとして「からだが作品に入り込む感覚」が述べられている→選択肢

問八 不在のアートとアニメーションの鑑賞に共通する事象として「想像力の補完」が挙げられている。

問九 選択肢は似ているが、「言葉で表現できるようになった最初の記憶」が本文の内容と合わないので1を選ぶ。

問十 絵画・映像などを「見る」体験が、過去でもその後でもよいので実際に身体的に経験したことで豊かになったという事例を挙げればよい。描かれている風景に似た場所に行ったことがある、映像に出てきたものに触れたことがあるなどの自分の体験を書けばよいだろう。

【大問三】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:2分

. 講評 

. 宇宙

. 延(ばす) 

. 胃腸 

. 浴(びて) 

. 登録

攻略のポイント

どの問題に限ってということではなく、全体として速さを求められる試験である。1年度3回分の過去問を活用して、読むスピード・設問を処理するスピード・書くスピードに慣れておいていただきたい

本校の偏差値からすると問題の難易度自体は抑え目であるので、ともかく最後まで目を通し、答えられそうな問題には全て答えるようにしたい。100点を目指す必要はないので、時間がかかり過ぎると感じた問題は諦めるのも手である。文章量の多い同じ傾向の学校の過去問も利用したい。

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