高校受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
高校受験専門プロ家庭教師が語る

中央大学高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「中央大学高等学校の国語」
攻略のための学習方法

解法

特有の「説明文問題」だけではなく、「選択肢」「抜き出し」「空所補充」、その他の問題も含め、「中附の国語」で勝利を手中に収めるための基本は、何度も指摘している通り、いかに「解法」をうまく使うかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた独自の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。

そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解法」が定まっていない証だからだ。

そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか? その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。

それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

速読

大学入試にも匹敵、否、それ以上の問題文を読まなくてはならない。全体で15000字程度。解答時間は60分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。
「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。
「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックし、「心情表現」を拾って素早く読んでいく。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。中附に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速750字以上(できれば800字近く)で「速読」できるようにしたい。

知識

「高度な語彙力」だけではなく、「文法」なども含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる「中附の国語」(直接出題だけではなく、「説明文問題」等でも不可欠)。いかなる「攻略法」があるのか? 「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ、かも知れない。が、そこで諦めてしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。

先ずは、「己が実力」を悟ることだ(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。

さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されることがあるし、「問題文理解」にも不可欠だ。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。

なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・語句・文法1500 四訂版」(旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら「中学入試レベル」から再スタートの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2020年度「中央大学高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「漢字問題」、小問なし(「書きとり」と「読み」の各5問)。2分以内で丁寧に終えたい。大問は「論説文」、出典は加藤重広「言語学講義――その起源と未来」(文字数約4100字)。小問は全10問(解答数11)。「選択肢」(「空所補充」、「脱文挿入」、「本文内容合致」あり)、「抜き出し」(2問)、「説明記述」(「35字以内指定」1問)、問題文は5分程度で読み切り、設問を10数分で解きたい。大問は「小説」、出典は伊坂幸太郎「逆ソクラテス」(文字数約5200字)。小問は全9問(解答数12)。「選択肢」(「空所補充」、「総合的知識問題」あり)、「抜き出し」(1問。空所補充)、「語句記述」(3問。総合的知識問題)、「説明記述」(「40~50字以内指定」1問)、問題文は7分弱で読み切り、設問を13~14分で解きたい。大問は「古文」、出典は露の五郎兵衛「露休置土産」(文字数約430字)、小問は全4問(解答数6)。「選択肢」(「空所補充」、「文法」あり)、「語句記述」、「仮名遣い」。5分程度で解きたい。大問は「漢文」、出典は「Ⅰ」が「荘子」(文字数7字)、「Ⅱ」が「孟子」(文字数10字)。小問は全3問(解答数3)。「記述」(書き下し文)、「返り点記入」、「総合的知識問題」(四字熟語)。3分弱で解きたい。大問は「総合的知識問題」、小問全3問(解答数5)。「文学史」「口語文法」「敬語」。2分ほどで解きたい。

【大問一】

  • 時間配分:2分以内

「漢字の読み書き」(全10問)。例年よりやや難易度が高い。しかし、失点は許されないと心得よ。「文脈」も確認しながら熟語を特定していくこと。(1)「技術のカクシン」=「革新」⇒これはできて当然、(2)「コウミョウな罠(わな)」=「巧妙」⇒「同音異義語」に要注意、(3)「彼はカンヨウな態度で許してくれた」=「寛容」⇒「文脈」を的確に捉えること、(4)「渾身(こんしん)の出来バえだ」=「栄(え)」あるいは「映(え)」⇒「でき上がりの様子(が見事なこと)」という意味も押さえたい、(5)「お菓子をソナえる」=「供(える)」⇒これは定番、(6)「任務を遂行する」=「すいこう」⇒「読み」は常識、「書きとり」でも必須、(7)「言質を取られている」=「げんち」⇒これは難問か? 「あとで証拠となる言葉」という意味も定着させよ、(8)「日本人の三大疾病」=「しっぺい」⇒できて当然、(9)「布を裁つ」=「た(つ)」⇒基本中の基本、(10)「空気が凍(る)」=「こお(る)」⇒「かなづかい」に要注意。本校が求める「ハイレベルな語彙力」に対応するためには相当な努力が必要だと心得よ。

【大問二】

  • 時間配分:

時代とともに進化し続ける「言語学」。「国家戦略」「AI」「滅びる言語」……、現代に即した切り口を交え、ことばの研究の起源から最新言語学まで、全体像と各論点を考察している。本文では、現在急速に進歩している「AI(人工知能)翻訳」について、人間が他者からの承認を求めたり、共感し合うことを求めたりするパトス(=情動)に関わる部分を処理する効果的な戦略を準備できれば、かなり高度なやりとりが可能になると論じている。「言語学」に関する論述ではあるが、具体例が多く内容は理解できるはずだ。いかにも本校らしく、多種多様な小問が並んでいる。迅速に解き進めていきたい。以下、いくつか検討してみる。

[問一] 「脱文挿入の選択肢」(5択)。示されている「一文」が入る「適切な箇所」を本文中の  (  ア  )~(  オ  )の中から答える。「一文」は「言語学では、記号の経済性という考え方をするので、できるだけ少ない規則でスマートに記述したり分析したりする方が優れていると見る。」だ。「脱文挿入」では、「脱文冒頭」の「接続詞」「指示語」などに着目して、「入る箇所」との繋がりを捉えることが最優先だが、残念ながらここではどちらもない。したがって、「内容」だけで判断することになる。「入る箇所」の候補は全て形式段落の最後なので、それぞれの段落で「言語学の考え方」について論じているものに絞り込めるはずだ。確認する。(  ア  )~(  ウ  )は「AI翻訳」、(  オ  )は「人間の知能」について論じていると読み取れる。残るのは(  エ  )だけだ。「内容」をしっかりとチェックする。同段落では、「言語学の基本的な考え方」として「少ない規則と少ない情報で効率的に記述」することが述べられている。「脱文」に的確に結びついているのでOK。「答え」は「(  エ  )」になる。尚、「選択肢」ではない「脱文挿入」では、「形式段落の最後」に「挿入」されることがほとんどだと心得ておきたい。 
<時間配分目安:1分半>

[問四] 「語句の空所補充選択肢」(4問/4択)。本文中の空所[  Ⅰ  ]~[  Ⅳ  ]にあてはまる「適切な語」を答える。選択肢は「接続詞」と「副詞」、本校に限らず定番の問題だ。「接続詞」では「逆接」以外には十分に注意しなくてはいけない。「逆接」以外だと、どれもあてはまってしまう可能性があるのだ。単純に前後を読みつなぐだけではなく、それぞれの「接続詞」の「意味・用法」を的確に押さえた上で、「文脈」を確認する必要がある。また、段落冒頭の「接続詞」は前段落全ての内容を受けているので注意すること。各空所の「答え」を確認してく。[  Ⅰ  ]には「今まで述べてきたことをまとめれば」という意味の「副詞」である選択肢(エ)「要するに」、[  Ⅱ  ]には「逆接」の「接続詞」である(ア)「しかし」、[  Ⅲ  ]には「例示」の「副詞」である(イ)「例えば」、[  Ⅳ  ]には「論じる必要のないほど、はっきりしているさま」を表す「副詞」の(ウ)「もちろん」がそれぞれあてはまる。「接続詞」「副詞」などの「空所補充」は必出だ。失点は致命傷になると心得よ。
<時間配分目安:1分半>

[問五(1)] 「主部判別の選択肢」(4択)。傍線部(2)「現実的には必要のないことだ」について、「主部」として「適切なもの」を答える。「傍線部(空所部)一文一部の法則」(「傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部(空所部)以外が重要」という「重要解法」)で直前を確認する。「そもそも『わかる』ことや『覚えている』ことには感情が関与していることが近年指摘されているから、人間と同じしくみで知能を持つことは不可能であり、現実的には必要のないことだ」となっている。傍線部を「述部」として「文法的」に「主部」を読み取れば、「人間と同じしくみで知能を持つこと」になる。各選択肢は、(ア)「学習能力があること」・(イ)「感情を持つこと」・(ウ)「結果を出すこと」・(エ)「わかること」。あれれ、「知能を持つこと」が存在しない。どうする? 「人間の知能」の「内容」を読み取る他ない。「同一意味段落」を確認したい(「論説文」「説明文」では「同一意味段落」に「根拠・手がかり」がある)。傍線部の段落の2行目に「(人間のように)わかって考えている」とある。ということは、ここでは「人間はわかっている」ことを「人間の知能」と捉えていると考えられるはずだ。よって、「答え」は(エ)だ。「主部」を問いながら「文法」では解けない。何とも不思議な問題だ。やはり、本校では一筋縄ではいかぬ設問があると心得よ。
<時間配分目安:2分>

[問七] 「理由説明記述」(「35字以内」指定)。傍線部(3)「簡単なようでそれほど簡単ではない」の「理由」を「三十五字以内」で説明する。先ずは「何が(は)」が分からなければ、考えようがない。直前から、「『今日は結構暑いよね』という人に対して、『窓を開けようか』というか『エアコンをつけようか』というか、『冷たい麦茶でも飲む?』というか、『明日も暑いらしいよ』というか、『そうだね』とだけ応じるか」は「簡単なようでそれほど簡単ではない」と分かる。「具体例」で煩雑だが、ともかく「同一意味段落」からその「理由」を読み解いていきたい。相手の発言に対して何と応じるかについて、傍線部の次段落で「人間、特に大人が適切に判断できるのは、周囲の状況などを踏まえて経験知から推論ができるから」だと述べられている。ここから、「簡単なようでそれほど簡単ではない」ことの「理由」として、簡潔にまとめていくことになる。たとえば、「周囲の状況などを踏まえて、経験知から適切に推論しなくてはならないから。」(35字)といった「答え」になる。「具体論」と「一般論」の双方を行き来して、的確に読み解いていくことが求められる。
<時間配分目安:2分半>

[問九] 「換言説明の抜き出し」(「2字」指定)。傍線部(4)の「『どうしてかな』に『どうしてかな』と答えること」を「何と言うか」を「二字」で抜き出して答える。「抜き出し」では、「抜き出すべき内容」を特定した上で「抜き出し範囲」を絞っていくことが鉄則。「内容」は問題文のとおりだ。「範囲」は無論、「同一意味段落」になる。ここでは傍線部の段落とその前段落だ。丁寧に探していくと、前段落冒頭に「『今日は結構暑いよね』という発話に対して私たちは『結構暑いね』と答えたり」とあり、その後で「このときの応答は……、一種の共感形成反応である。『共鳴』と呼ぶこともある」と説明されている。まさに、「内容」も「字数」も合致する。他に「候補」も見当たらない。したがって、「答え」は「共鳴」となる。「抜き出し」では「内容」と「範囲」の絞り込みがポイントだ。尚、「抜き出し候補」はひとつとは限らないので、必ず「範囲」の全て隈なく、そして漏れなくさがすこと。
<時間配分目安:1分弱>

【大問三】

  • 時間配分:

敵は、先入観。世界をひっくり返せ!―― 全ての主人公が小学生という少年たちの物語全5編の一篇。本作は、カンニングから始まった作戦が、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎え、逆転劇なるか!? といったお話。本文では、転校生の「安斎」と「僕(加賀)」が、児童公園で話している場面から始まる……。内容は難なく理解できるはず。【大問】同様に多彩な小問が展開しているが、特に「総合的知識問題」の出題が目立つ。以下、いくつか確認しよう。

[問一] 「換言説明選択肢」(4択)。傍線部(1)の「そういった思い」の「説明」を答える。「選択肢設問」は「消去法」が原則で、「原意消去」をしたいが(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)、ここは典型的な「指示語換言」なので、先ずは「指示語」を開く。「傍線部(空所部)一文一部の法則」で確認すると直前から、「そう(いった)」=「ゲームの裏技を教えてもらうような、校長先生の物まねを伝授されるような(といった)」だとすぐに分かる。無論、「比喩表現」だ。この「比喩」の「原意」と結びつかない「思い」を「消去」することになる。各選択肢の「文末」と照合する(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)。(ア)「予感」、(イ)「嬉しさ」、(ウ)「期待」、(エ)「優しさ」。さあ、どうか? 「感覚」と「思い」は違うので(ア)はそのまま「消去」した上で、「ゲームの裏技」「校長先生の物まね」⇒「小学生」なら誰でも知りたいに決まっている⇒それらを「教えてもらう」「伝授される」となれば、そう、「期待」以外は「消去」できるはず。「同一場面」を確認して(「小説」では「同一場面の直前直後に手がかり・ヒントあり」が「解法」の大原則)、

他の部分の説明も特に誤ってはいない。したがって、「答え」は(ウ)だ。やや変則的ではあったが、結果として「一発消去」ではないか。畏るべし! 「原意消去」は必ず使いこなせるようにしておきたい。
<時間配分目安:1分強>

[問二] 「条件付き語句の空所補充記述」(全2問/ともに「2字」指定)。「総合的知識問題」。「対義語」だ。傍線部(2)「『加賀の親父は無職だ』とは言えるけど、『情けないかどうか』は分からない」について、その「理由説明」として示されている文中の2箇所の空所にあてはまる「二字熟語」をそれぞれ答える。「条件」は「対義語となるものにする」こと。示されている文は「『加賀の親父は無職だ』は  ①  的な事柄だが『情けないかどうか』は  ②  的な事だから。」となっている。ここで瞬時に「答え」が出せるかどうかが、本校の求める「語彙力」をクリアしているかの試金石となる。もちろん、  ①  =「客観」・  ②  =「主観」だ。万一、答えられなかった諸君は、改めて「知識習得」に精進する必要がある。
<時間配分目安:全問で1分弱>

[問三] 「語句の空所補充記述」(「2字」指定)。「総合的知識問題」。「四字熟語」。傍線部(3)の「   Ⅰ   直入」が適切な「四字熟語」になるように、   Ⅰ  に入る「二字熟語」を答える。基礎的な「四字熟語」だ。無論、「答え」は「単刀(直入)」だ。本校では、「四字熟語」は当然のこと、「慣用句」「故事成語」「ことわざ」等も完全定着させておくことが不可欠だ。
<時間配分目安:30秒弱>

[問四] 「語句の空所補充選択肢」(全3問/5択)。本文中の空所  A    C  にあてはまる「適切な語」を答える。それぞれの空所前後の「文脈」と「語句」の「原意」とを結びつけて、選択肢を特定していきたい。確認する。「校長先生は  A  的な言い回しを口にし、『どうして大人はよくそう言いたがるのかな』と疑問に感じた」⇒「よくそう言いたがる」⇒「その類の特徴をよく現しているさま」を意味する「典型的」⇒「答え」は(イ)の「典型」。「打点王氏は真面目な人だったのだろう。  B  的にふらふらと歩き回り指導のふりをするのではなく、一人一人のフォームを見ては、丁寧にアドバイスをした」⇒「指導のふりをする」⇒「形式だけを重んじ、内容を問題にしないさま」を意味する「形式的」⇒「答え」は(オ)の「形式」。「久留米が  C  的に言ったとは思わぬが、確かに、そういった発言により、他の生徒たちが、『草壁のことを下位に扱っても良し』と決めている節はある」⇒「目的」があったとは思わないが、「結果的」には「生徒たちが決めている」⇒「ある目的を持って、わざとそうするさま」を意味する「意図的」⇒「答え」は(エ)の「意図」。「文脈」を把握できても、「原意」を押さえていなければ判別できない。こうした問題でも、総合的な「知識」が求められていると心得よ。
<時間配分目安:全問で1分半>

[問五] 「語句の意味の選択肢」(4択)。「総合的知識問題」。傍線部(4)「鳴らしていた」の「意味」を答える。各選択肢は、(ア)「目立つ活躍をしていた」・(イ)「厳しい指導を受けていた」・(ウ)「コーチを務めていた」・(エ)「熱心に練習していた」。「鳴らす」=「音が出るようにする」にあてはまるものがない。どうする? 無論、「文脈」を確認したい。「学制時代は野球部で鳴らしていた」となっている。ここで的確に、「鳴らす」には「あるすぐれた能力によって評判をとる」という意味があることを思い出したい。よって、「答え」は(ア)だ。改めて、「多義語」には要注意だ。
<時間配分目安:1分弱>

※[問二]から[問五]まで、実質的に全て「総合的知識問題」だった。本校が如何(いか)に「知識」を重視しているかの証左だと記銘せよ。

【大問四】

  • 時間配分:

江戸時代前期の落語家である作者による「噺(はなし)本」(笑い話・小噺などを集めた本)。本校の定番ジャンルだ(6年連続で「お笑いネタ」の出題)。本文は、ある文字の読めない父親が漢字の「音読み」と「訓読み」を取り違えて、とぼけたことを言うという笑い話だ。例年と同じように、「古文の基礎的知識」が問われている。以下、いくつかの設問を検討する。

[問一] 「内容説明の選択肢」(5択)。傍線部(1)「こゑとよみ」の「説明」を答える。前後の「文脈」を読み解いていく。「この字(=月)をば、つきともぐわちとも読みまする。こゑとよみも同じ事でござる。又この机も、つくゑとも、しょくとも言ひまする」⇒「月」を「つき」とも「ぐわち(=がち)」とも読み、「机」を「つくゑ(=つくえ)」とも「しょく」とも読むことと、「こゑとよみ」は同じだと読み取れる。よって、「答え」は(ア)の「音読みと訓読み」だと判別できるはずだ。「古文」といっても、「現代語訳」をした上で「文脈」を読み解いていくことが基本だ。
<時間配分目安:1分>

[問三] 「仮名遣いの変換記述」。傍線部(2)「かはり」を「現代仮名遣い」に改める。誰もが知っていなくてはいけない「歴史的仮名遣い」の基本。「語頭」以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」→「わ・い・う・え・お」は常識。「答え」は「かわり」だ。また、「母音」と「母音」が直接つながった場合の変換も知らなくてはいけない。「au」→「ou」、「iu」→「yu()」、「eu」→「yo()」がある。「仮名遣い」は本校に限らず頻出なので確実に定着させておくこと。
<時間配分目安:30秒>

[問四] 「語句の訂正記述」。傍線部(3)「ぐわち倒す」は「間違った言い方」なので、本文の内容を踏まえて、「正しい言い方」を答える。「文脈」を読み解き「状況」を確認する。直前で、「人々」が「文字の読めない父親」を「つき倒しければ」(=突き倒したというので)、その「父親」が「人々」に対して「めったに人をぐわち倒すか」(=むやみに人をぐわち倒すか)と言っている「状況」だと分かる。そして、この「父親」は子どもから[問一]で確認したように、「この字(=月)をば、つきともぐわちとも読みまする」と教わったばかりだ。であれば、「ぐわち」は「つき」の言い間違いだと考えられる。したがって、「答え」は「つき倒す」になる。ここでも、「文脈」を読み解きがポイントだった。
<時間配分目安:全問で1分>

【大問五】

  • 時間配分:

「Ⅰ」は中国戦国時代の思想家で、「道教」の始祖の一人とされる「荘子」の著書。「Ⅱ」は中国戦国時代の儒学者・思想家で、「性善説」を唱えた「孟子」の言行をまとめた書(昨年度も出題された)。「返り点」「書き下し文」といった本校お馴染みの「漢文の基本問題」。一気呵成に得点すべき大問。以下、2問だけ確認する。

[Ⅰ-問二] 「書き下し文記述」(「漢字・仮名交じり文」指定)。「Ⅰ」の傍線部(2)「不(ず)足(ラ)二以(テ)為(スニ) 一大(ト)」(*「」「二」「一」は「返り点」。「平仮名」は「読み」、「カタカナ」は「送り仮名」)を、「書き下し文」(漢字・仮名交じり文)に改める。一昨年度は「全て平仮名指定」という曲者だったが、本年度は例年並みの難易度。「不」は「助動詞」なので「平仮名」にすること。「返り点」の「一」→「二」→「」となる。したがって、「以て大と為すに足らず」が「答え」となる。「返り点」「書き下し文」は「基本のキ」なので、しっかりと習得しておくことが肝要。尚、「書き下し文」では「付属語(助動詞・助詞)」を「平仮名」とし、当然、「歴史的仮名遣い」で表記すること(「書き下し文」は「文語」だ)。
<時間配分目安:1分>

[Ⅱ-問一] 「返り点記入」。「Ⅱ」の傍線部「為(サバ)後(ニシテ)義(ヲ)而先(ニスルヲ)利(ヲ)」に、「書き下し文」の「義を後にして利を先にするを為さば」を参考にして、「返り点」を記入する(「読み仮名」「送り仮名」は不要)。ここで注意したいのは、「而」は「置き字」なので読まないということ。「義(ヲ)」→「後(ニシテ)」→「利(ヲ)」→「先(ニスルヲ)」→「為(サバ)」の順だ。よって、「答え」は「為二  後 義 而 先一 利」(*「二」「」「一」が「返り点」)となる。「返り点」は十分に練習しておくこと。
<時間配分目安:1分>

【大問六】

  • 時間配分:

「総合的知識問題」。「文学史」「口語文法」「敬語」だ。難易度はさほど高くない。短時間でこなしていきたいが、焦っていると「失点」する可能性があるので要注意。「口語文法」と「敬語」を検証する。

[問二] 「文法的説明の選択肢」(全2問/9択)。示されている文中の傍線部(1)・(2)の「文法的説明」を答える。「品詞」および「活用語」の「活用形」が問われている。「口語文法」の基礎だ。確認する。(1)「テストを解き終わらないうちに」=「ない」の判別は定番中の定番。ここは「付属語」なので「助動詞」、「活用形」は「うち」という「名詞」(体言)が接続しているので「連体形」⇒「答え」は選択肢(カ)、(2)「嬉しいこと」=「形容詞」だと即決でき、「こと」という「名詞」(体言)が接続しているので「連体形」⇒「答え」は(イ)。本校では、「付属語(助動詞・助詞)」も含め「口語文法」の徹底した「理解・習得・定着」が必須。
<時間配分目安:1分弱>

[問三] 「敬語の常語記述」。示されている(1)・(2)の文中の傍線部の「敬語」を、「例」を参考に「敬語ではない形」に直す。「例」は「社長はいつも無理なことを気軽におっしゃる」⇒「答え」は「言う」。それぞれを確認する。(1)「先生は上品な羽織をお召しになる」⇒「羽織」なので、ここでの「お召しになる」は「着る」の「尊敬語」⇒「答え」は「着る」。(2)「御社には五時までに伺う予定です」⇒「伺う」は「聞く」「尋ねる」「訪問する」の「謙譲語」⇒ここでは「御社に伺う」なので、「答え」は「訪問する」。本校では「敬語」が頻出だ。「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」を的確に判別できるようにしておくこと。
<時間配分目安:1分弱>

攻略のポイント

●「ハイパーな時間勝負」となる。どう「攻略」するか? 「解答順」が最重要。「得点できる問題」を「時間切れ」で逃すのは最悪だ。「現代文」「古文」「漢文」「漢字」「総合的知識問題」、どの大問から解くか? 「漢字」「知識」を最初にこなすのは当然だが、他は自分自身の特性に応じて事前に決めておくこと。要は「取れる問題を確実に押さえる」ことだ。逆にいえば「捨て問」という覚悟も求められる。「国語」の「合格者平均得点率」(2019年度までの5年間平均で70.8%。昨年度は何と82.6%)は3科合計の「合格者最低得点率」(同5年間平均で56.9%)を大幅に上回る。したがって、「国語」での「失点」は致命的になると肝銘せよ。

●「説明記述」の対策は? 実直に「記述」の「練習」を続ける他はない。正否の分かれ目となる「最重要要素」を「文末」として他の「必要要素」を積み上げていくという手法を完璧にマスターすること。「内容」から優先度を特定し、高いものから積み上げていく。徹底的に練習することが必要だ。

●「多様な設問内容」にはどう対処するか? いかに「解法」を的確に用いるかがポイントだ。「設問内容」に応じた「解法」に則して段階的に解いていくことが肝要。そのためにも、基本的「解法」を完全に習得して、適切に応用できるようにしておく。

●配点比率が高い「総合的知識問題」も無論、侮れない。「高度な語彙力」は勿論、「文法」「文学史」等まで網羅した「あらゆる知識」が必要なので、独自に習得していくことが重要だ。

●「古文」の「攻略法」は? 重要な「古文単語」の定着はもちろんだが、「内容理解」も求められるので「基礎的文語文法」は押さえておきたい。また、「漢文」でも「返り点」「書き下し文」などの基礎は必ず定着させておくこと。

●試験時間は50分。問題文は「現代文」だけでも7000字程度(本年度は一気に増加して約9300字)。無論、速く正確に読み取ることが求められる。分速800字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

中央大学高等学校の科目別
入試対策一覧

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。