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開成高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「開成高等学校の国語」
攻略のための学習方法

現代文に関しては、かなり高度な文章が出題される。では、『高度な文章』とはどのような文章のことをいうのだろうか。結論から言えば、『抽象的で極めて論理的な文章』ということである。論理的文章であるので、しっかりと文脈を辿っていく文章読解力があれば、論点が何なのか、筆者の論証の進め方、つまり「筆者の考え方」の軌跡を明確にすることは、それほど困難ではないであろう。

その際には、何度も反復して使用されている『単語』が重要になってくる。特に、『名詞』は重要であり、抽象名詞は筆者の考え方を補完するうえでその有用性は極めて高い。本文を一読する過程の中で、「これは」と思う『言葉』はマルで囲んだり、傍線を引いたりしておく習慣を日頃の学習においても定着させるべきである。

また、各設問に解答する場合には、設問の対象となっている個所の前後をしっかり読み込むことが不可欠である。また、キーワードは何か、繰り返し使用されている「言葉」が、文章全体の中でいかなる役割と意味を持たされているのかを見抜く力が必要である。

その力を習得するためには、論理的文章に読み親しむことである。例えば、各出版社で販売している「新書」を読むことも論理的文章読解の力を養成するには最適であろう。「新書」はさまざまなジャンルを扱っているので、読む場合には「自分の興味のあるジャンル」を選択することが基本である。長期休暇とか土日など、時間に比較的余裕のある時期に読み込もう。

秋以降になって時間的に余裕がなくなってきた場合には、そのような「新書」を読むことは得策ではない。では、どうすれば論理的文章の読解力を向上させることができるのか。

その場合には、高度な論理的文章読解の演習を通じて、課題文である本文をじっくり読み込むことである。少なくとも、入試問題として出題される文章であるので、論理的分析に耐えられない文章ではないことだけは間違いないはずである。

したがって、入試までに時間的余裕のない状態で、論理的読解力を高めようとする場合には、演習の問題文を徹底的に分析することである。

また、小説問題に対する対策にもここで触れておきたい。ポイントは、登場人物の心情把握をいかに正確かつ迅速に行うかである。そのためには作者がその人物をどのように描写しているかを素早く見極めることである。

例えば、性格的に明朗なのか陰湿なのか、発言内容を通じてその人物の考え方や価値観などを把握するということである。そのような総合的な分析作業を経て、登場人物の人格やキャラクターを鮮明にすることが可能になるのである。

特に、小説の場合には、間接的な情景描写を通じて人物の心情描写を行なう手法を用いるのが一般的である。入試問題においても、そのような情景描写を把握し、そのような描写を通じて、作者が登場人物をどのような特性・人格として描こうと意図しているのかを理解することがカギとなる。

いずれにしても現代文については、本文の分量もかなり多く内容的にも高度(特に論説文)であり、設問内容も記述式であるため、正確な文章読解力は当然のこととして、その上で「高度な文章表現力」を高校側が求める『力』であるということを十分認識するべきである。

その様な要求に対応するためには、過不足なく簡潔にしかも説得力をもった文章を手際良く書き上げる練習を行わなければならない。そのような文章表現力を磨くには、自分が書いた文章を誰か他人に「添削」してもらうことである。他人の客観的評価が加わることで文章作成能力は飛躍的に向上する。

古文についても、設問はほとんどが内容把握に関する問題であるので、古典(当然ながら漢文も含む)文法などの知識だけではなく、内容把握(当然ながら人物描写や心情描写の把握と理解)をしっかり行えるように近世の古典作品を扱った問題演習をしっかり行うことである。

将来的な大学入試を考えた場合、大学側が、というより社会が求める人材像の要件は、『自分で考え、説得力ある自分の言葉でいかに相手に自分の考え方を伝えられるか』ということである。そのような意味では、現代文の問題文をじっくり読み込む作業を通じて自身の論理性を鍛えてもらいたい

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2021年度「開成高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】は、「自由」に関する2つの論説文の読解問題である<30分>。漢字の書き取り問題以外はすべて記述式問題。この出題形式は例年と変わらない。本文の本質を読み取り、的確に答案をまとめ上げる記述力と論理性が求められる。

【大問2】は、古文読解問題である<20分>。御伽草子の中の一寸法師に関する出題である。基本的な古典文法、古語の現代語訳はしっかり押さえておきたい。

【大問一】哲学的分野からの論説文2題に関する読解総合問題

  • 時間配分:30分

出典は、「『自由』の意味」(鈴木大拙著)、「アフリカ出身サコ学長、日本を語る」の中の「『自由』を問い直す」(ウスビ・サコ著)。ちなみに、ウスビ・サコ氏はマリ共和国出身の京都精華大学学長である。

(問一)<5分>内容把握記述問題である。

筆者が考える「自由」とは何かを問う問題。筆者によれば、「『自然』と同じく『自由』には、東洋伝来の思想系統が、深く根を下ろしている」のであり、「『自由』の自」には「自他対立の意味を含まない」のである。

(問二)<5分>内容把握記述問題である。

本文前半に「『自由』は、積極的に、独自の立場で、本奥の創造性を、そのままに、任運自在に、遊戯三昧する義をもっている」のである。すなわちそのはたらきは「遊戯自在」ということである。

(問三)<7分>内容把握記述問題である。

大学の学長でもある筆者が大学内における「自由」というものが「無責任」に置き換えられ「好き勝手にしていい」と誤解されていることを憂慮しているのである。

(問四)<10分>内容把握記述問題である。

「自由」に関する2つの論説文における「自由」の考え方に関する相違を論じる問題。Aで論じられる「自由」とは、何にも拘束されない、東洋的思想(心の赴くままに振る舞うこと)をベースとしている。他方、Bにおける「自由」とは、「戦って」「獲得」するものであると論じている。これらの立場の違いを手掛かりに考えをまとめること。

(問五)<3分>漢字の書き取り問題である。

3題出題されているが、すべて標準レベルであるので完答したい。

【大問二】古典に関する総合問題

  • 時間配分:20分

出典は、御伽草子の中の『一寸法師』。

(問一)<5分>なぜ一寸法師二な状況に至ったかに関する記述問題。

十二、十三歳になっても背が伸びない一寸法師のことを親たちはどのように思っていたのか。そのような親の「気持ち」が一寸法師を家から出てゆく決意を促したのである。

(問二)<8分>一寸法師が姫君を女房(=妻)にしようと考え、「はかりごとをめぐらし」たのである。Bの本文を的確に読解すれば、適切な答案を記述することができるであろう。

(問三)<3分>「あらいたはしや」に関する解釈問題である。この古語の意味は「何ともいたわしいこと」であり、Aより同様の表現を抽出するならば「見る目も不便なり」(=見るからに哀れである、気の毒である)となる。

(問四)<2分>現代語訳に関する問題である。本文にあるそれぞれの「ば」の訳し方を考えると、「~と」と「~ので」と2種類の訳し方になる。

(問五)<2分>本文内容把握に関する選択問題であるが、B・Cの本文に「あはれ、このことをとどめ給えかし」とあり、この個所から宰相殿の心情を読み取り正解を絞り込む。

攻略のポイント

【大問1】に出題された2つの論説文は、「自由」という概念に対するそれぞれの立場から論じた文章である。一方は「自由」とは、何ものにも「拘束」もされない、つまり縛りのない自身の心の赴くままに行動することの規範として捉えている。他方においては「自由」とは、戦って勝ち取るものであるという認識に立っている。これら2つの論説文における「自由」に対する立ち位置(=視点・観点)の違いについて本文を読み込みしっかり把握することが重要である。

【大問2】の古文問題は、一寸法師に関する読解問題である。内容的には馴染みのある話題ではあるが、受験生の皆さんが日本昔話として知っている「一寸法師」とは若干乖離しているかもしれない。本文を正確に読み込むためにも、基本的な古文文法、古語の現代語訳などに関する知識を明確に習得しておくことが必須である。

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