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慶應義塾志木高等学校 入試対策

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2025年度「慶應義塾志木高等学校の数学」
攻略のための学習方法

難関校の数学の入試問題において、如何にしたら合格点を取れるのかについて考えてみたいと思います。そもそも、なぜ「数学」を学習しなければならないのでしょうか。数学が大嫌いで「世の中から数学がなくなればよい」と心底思っている受験生もいるのではないでしょうか。そのような受験生は、方程式の応用問題や、放物線などの関数に関する問題が解けたからといって「自分の生活の一体何が変わるのか」と素朴な疑問を抱いているかもしれません。社会人になって世の中には数学のように、スッキリ答えの求められない問題もあるということを初めて自覚する場合もあるでしょう。むしろ、そのような問題のほうが多いかもしれません。また、答えが複数ある場合もあるでしょう。

そのような状況の中で、改めて考えてみたいと思います。なぜ「数学」を学習しなければならないのでしょうか。それに対する明確な答えは一つではありません。ただ、一つだけ理解しておいてほしいのは、数学の醍醐味は「物事を論理的に考え結論を導くことの楽しさ」であり「論理的な思考の道筋を整えること」であると思います。

そのような数学の醍醐味を習得するために、「何をどのように」行えばよいのでしょうか。具体的には「自分の頭で考え抜く」ということです。数学の問題を解いている過程で、考えに行き詰まるとどうしても「解答・解説」を見たい誘惑に負けてしまいます。そのような誘惑をグッと堪えて、たとえ正解でなくとも「自分の答え」を導くことである。その際に、安易に公式等を利用するのではなく(もちろん、数学的思考基盤がしっかりした後は公式も活用し解答時間の短縮を図ることも可)、与えられた条件の中で「何が言えて」「何が言えないのか」を明確にしたうえで、式を考え論理的に思考を巡らして結論に至るという作業が大切である。そのような作業こそが「公式」を導くプロセスなのであり、そのようなプロセスを習得することで、根本的な「数学的思考力」が身につくのです。そのような「思考力」を体得することで、多少目先を変えられたり解法の切り口に変化が与えられたりしても自在に対応が可能になるのです。

いずれにしても重要なことは、柔軟な発想力と論理的な思考力を培うことです。そのためにも、標準以上の問題に対しじっくり考え、安易に妥協せずに最後まで問題を自分の頭で考えぬくことです。そのような作業の繰り返しの中で、真の数学力が養成され磨き抜かれて行くことを忘れないでもらいたいと思います。

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2025年度「慶應義塾志木高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、小問集合問題<5分>。
確率(玉を使用しての確率の問題)、数の性質に関する問題である。

大問2は、平面図形(直角二等辺三角形)<7分>。
三平方の定理を用いた辺の長さを求める問題である。

大問3は、場合の数に関する問題<10分>。
場合の数を求め、さらに条件にあうnの数値を求める問題である。

大問4は、空間図形(三角柱)に関する問題<6分>。
線分の長さを求め、指定された立体の体積を求める問題である。

大問5は、連立方程式に関する文章問題<7分>。
速さに関する連立方程式の文章題である。

大問6は、関数と図形に関する問題<10分>。
xy座標平面で与えられた条件に従って作図を行う問題と、xy座標編面上に円があるときのx座標を求める問題である。

大問7は、関数(1次関数と2次関数)に関する融合問題<15分>。
1次・2次関数の融合問題で2点間の線分の長さを求める問題や、xy座標平面上にできる三角形の面積を求める問題である。

【大問1】小問集合問題

  • 時間配分:5分

(1)<3分>確立に関する問題
Kと書いてある玉が1個、Eと書いてある玉が2個、Iと書いてある玉が3個、Oと書いてある玉が4個袋に入っている状態である。本問のポイントは、同種の玉を各々が異なる玉として考えられるかどうかである。例えば、2個のEをE1、E2と認識し条件に合う場合の数を考える。IもOも同様にしてI1~I3、O1~O4とすべて異なる玉として考える。

(2)<2分>数の性質に関する問題。
求める分数をとして条件に従い立式し、m、nが互いに素であることを手掛かりにm、nを求める。

※以下の類似問題に挑戦しよう。

 次のような規則にしたがって並べられた数がある。
   f(1)=1×3+2×4=11
   f(2)=3×5+4×6=39
   f(3)=5×7+6×8=83
   f(4)=7×9+8×10=143
       ・
       ・
       ・
       ・
(1)第50番目の数f(50)の値を求めよ。  
       (解答)20199

(2)f(n)=839となるときのnの値を求めよ。  
       (解答)n=10

(3)f(n)とf(n+1)との差が1000を超えるnの最小値を求めよ。 
     (解答)n=62

【大問2】平面図形(直角二等辺三角形)に関する問題

  • 時間配分:7分
(1)<3分>辺の長さを求める問題。
求める辺CE=xとすると、△CEFは直角三角形であるので三平方の定理よりxに関する2方程式を解きxの値を求める。
 
(2)<4分>辺の長さを求める問題。
DよりAC、BCにそれぞれ垂線DG、DHを引く。図形の折り返しの特性を利用するとDHCGは長方形である。△DHF、△DEGに三平方の定理を当てはめDEの長さを求める。
 
※以下の類似問題に挑戦しよう。
 
 右図の台形ABCDは、AD=4㎝、BC=12㎝、AB=17㎝、∠C=∠D=90°である。辺AB上に点Pを、辺CD上に点Qをとり、AD∥PQ∥BCとなるようにする。
 
(1) 辺CDの長さを求めよ。  
    (解答)15㎝
 
(2) AP:PB=3:2のとき、台形APQDの面積は台形ABCDの面積の何倍か。
    (解答)
 
(3) 台形APQDと台形PBCQの周の長さが等しいとき、AP:PBを最も簡単な整数比で表せ。  
    (解答)5:3

【大問3】場合の数に関する問題

  • 時間配分:10分

(1)<3分>場合の数を求める問題。
〇と△が書かれたカードがたくさんあり、同種のカードが隣り合わないように横に4枚カードを並べるときの場合の数を求める問題である。計算で求めるまでもなく、具体例を書き出して調べてみる。

(2)<3分>場合の数を求める問題。
カードを並べる条件は(1)と同様で、横に5枚並べるときの場合の数を求める求める問題である。一番右が〇の場合と△の場合に分けて考えること。

(3)<4分>指定条件に適合するnの値を求める問題。
n枚のカードを本問の条件に従って並べたとき、場合の数が初めて200通りを超える場合のnの値を求める問題である。(1)、(2)は本問の誘導問題になっている。本問の条件に従って、横に6枚、7枚、8枚、…と並べたときに考えられる規則性を考え、題意に合致するnを求める。

※以下の類似問題に挑戦しよう。

 袋の中に、5個の赤玉と3個の白玉が入っている。袋から1個の玉を取り出して赤玉であればかわりに白玉を入れ、白玉であればかわりに赤玉を入れることにする。さらに、袋の中をよくかき混ぜたのち、もう一度袋から1個の玉を取り出したとき、それが赤玉である確率を求めよ。  
   (解答)

【大問4】空間図形(三角柱)に関する問題

  • 時間配分:6分

(1)長さを求める問題<2分>。
AD⊥△ABCであるので、△PQD∽△MADとなる。△ABCは二等辺三角形であり、MはBCの中点であることから△ABMにおいて三平方の定理を当てはめる。同様に、△MADにおいても三平方の定理を当てはめ、MQの辺の長さを求めるために必要な辺の長さを算出する。

(2)体積を求める問題<4分>。
QからBEFCに垂線QHを引く。求める立体の体積は底面を△MEFとする三角錐Q‐MEFの体積(以下、V)であるので、となる。また、2角相等により△MQH∽△MDIであることより、対応する辺の比例式よりQHの長さを求める。

※以下の類似問題に挑戦しよう。

 右図のようなAE=2、EF=EH=4直方体がある。2点P、Qをそれぞれ辺EF、EH上にEP=EQとなるようにとる。次に3点C、P、Qを通る平面でこの直方体を切った。このとき、PQとEGの交点をTとするとGT=GFとなっていた。

(1)QPの長さを求めよ。  
      (解答)8(√2−1)

(2)この平面と辺BF、DHとの交点をそれぞれR、Sとするとき、CR+RPの長さを求めよ。  
      (解答)6

(3)図の五角形CSQPRで、3辺CS、QP、RCに同時に接する円の半径を求めよ。
      (解答)

 

【大問5】連立方程式の文章題に関する問題

  • 時間配分:7分

速さに関する連立方程式の文章題である。速さに関してはダイヤグラムを用いてそれぞれの関係性を把握する解法もあるが、線分図を用いて与えられた条件整理をするのが一番である。少し条件が複雑ではあるが、速さ・時間・道のりの要素のうち、どれが同じであるかをしっかり把握すること。このような方程式の問題は早慶レベルでも出題されるため、同レベルの問題を事前にしっかり演習しておくこと。

※以下の類似問題に挑戦しよう。

 Aさんは出迎えの自動車で午後6時に会社を出て、帰宅する予定であったが、仕事の都合で出迎えの時間を50分遅らせるように自宅へ連絡した。ところが、実際はx分の遅れですんだので、会社から毎時4㎞の速さで歩いて自宅に向かった。途中、自宅より手前8㎞の地点で出迎えの自動車に出会い、それに乗って予定の帰宅時間より、46分遅れて自宅に着いた。自動車は常に一定の速さ毎時48㎞で走っているものとし、会社から自宅までの距離はy㎞とする。このとき、x、yの値を求めよ。 
 (解答)x=24分  y=9.6㎞

【大問6】関数(関数と作図)に関する問題

  • 時間配分:10分

(1)<4分>作図に関する問題。
作図の問題である。条件を整理して、垂直2等分線や角の2等分線の特性を使えるかどうかを判断する。また、円CはQでy=2xと接していることの幾何的意味を考える。

(2)<6分>x座標を求める問題。
円Cの中心がy軸上にあるとき、y=2xとの接点Qのx座標を求める問題である。Qよりy軸に垂線QHを引き相似な三角形を見つけ出し、対応する辺に関する比例式を考える。最終的には、2次方程式を解く形になるが、求めた解が本問の題意に適合するかどうかの検証を忘れないようにすること。Qのy座標が1より大の場合と1より小の場合で分けて考える。

【大問7】関数(1次関数と2次関数の融合)に関する問題

  • 時間配分:15分

(1)<3分>x座標を求める問題。
B(b、b2)、C(c、c2)とし、BCの中点Mのx座標はとなる。また、BCの傾きをb、cを用いて表し、それが-1であることよりb+cの値が求められる。

(2)<3分>辺の長さを求める問題。
Bを通りx軸に平行な直線とCを通りy軸に平行な直線の交点をHとすると、△BCHは直角二等辺三角形となる。BCの傾きは-1であり、BCとy軸との交点が(0、k)であることよりkに関する2次方程式を解く。

(3)<4分>文字式を利用する問題。
xy座標平面上の図形の特性に注目すること。△BCHは直角二等辺三角形であり、AMはBCの垂直二等分線であることよりAMはHを通ることがわかる。また、MからHBに垂線MIを引くと△MHIも直角二等辺三角形となる。AMの傾き=1となることや平面図形における図形の特性を利用して答えを導くこと。

(4)<5分>x座標を求める問題。
△ABCは正三角形であるという条件より、△ABMは3辺の長さの比が1:2:√3となる直角三角形である。△ABCは正三角形であり、△ACMと△ABMはともに3辺の長さの比が1:2:√3となる直角三角形であるので、√3BC=2AMであることや(3)の結果を用いること。

※以下の類似問題に挑戦しよう。

 右の図のように、放物線y=ax2と直線ℓが2点A(−1、1)、B(2、4)で交わっているとき、次の問いに答えよ。         
(1)aの値を求めよ。  
     (解答)1

(2)x軸上の点P(t、0)から直線ℓに垂直な直線を引き、その交点をQとする。また、△OPQと△OBQとが重なる部分の面積をSとする。この場合のQの座標とSをtの式で表せ。ただし、0<t<6とする。  
     (解答)

(3)(2)のSの面積が△AOBの面積の になるときのtの値を求めよ。
      (解答) 3±√3

攻略のポイント

全体的には、難問の類の設問はない。一度は演習したことのある問題ばかりである。難関校用の受験数学問題集を丹念に仕上げた受験生にとっては75%の得点は可能であろう。標準問題であるゆえに、少しのミスも命取りになってしまう。単純な計算ミスや「勘違い」をなくすような日頃の学習態度が重要である。特に、計算問題(式の値、方程式、平方根)、関数(1次・2次関数)、確率、平面図形(円に関する定理、三平方の定理)、空間図形(平面図形の定理の応用)などの分野は、徹底的に演習しておいてほしい。また、新傾向として、数の性質と確率の融合問題、統計などは今後も出題される可能性は極めて高いのでしっかり押さえておこう。

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