東京農業大学第一高等学校 入試対策
2015年度「東京農業大学第一高等学校の国語」
攻略のための学習方法
[解法]
一筋縄ではいかない「多種多様な設問」が出題される「農大一高の現代文」で勝利するための基本は、「解法」をいかにうまく使うかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)独自の「解法」と全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。
そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解法」が定まっていない証だからだ。そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか？ その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。
[知識]
「出題比率」が高く、「本文読解」等でも必然的に問われることになる農大一高の「総合的知識問題」。
いかなる「学習法」があるのか？ 「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ。確かに、そうした側面はある。だが、そこで思考停止してしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。先ずは、「己が実力」を悟ること(「己が」＝「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも５年分以上)、「５割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「５割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。
さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されているし、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。
なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・文法630」(「文法」含む)や「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字」(共に旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら「中学入試レベル」から再スタートの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(ＨＰから購入可能)等がオススメ。
[記述]
「農大一高の記述対策」は「問題解説」及び「攻略ポイント」のとおりだが、その前提としてなすべきことがある。それは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。最初は時間がかかってもいい。厭わずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要があるからだ。
では、何を「書く」か？ 「練習問題」や「過去問」にある「記述設問」は勿論だが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。40～50字程度で書いてみる(農大一高の典型的な「指定字数」の練習にもなる)。無論、内容は先生などに確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一挙両得。次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。
書きたい内容は何文字くらいになるのか？ 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要。その際、20～30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。「記述設問」で得点を左右する「重要な要素」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要な要素」を「文末」にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく。
[速読]
大学入試にも匹敵するボリュームの問題文を読まなくてはならない。全体で7000字程度。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。
農大一高の出題は原則的に「論説文」(説明文)なので、「Ｎの法則」を活用する。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。農大一高に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。
[古典]
「公立中学」の「国語」でも「古典」は扱う。「古文」「漢文」は必修カリキュラムだ。しかし、「指導要領」上はほんの導入部分だけで、本格的な学習はしない。「文語文法」等を体系的に学ぶこともない。が、農大一高などの「中高一貫校」ではそれらを中学時点で学び始めている。従って、「高校入試」で出題されることになる。明らかに「ハンディ」だが、仕方がない。前述のとおり塾での学習でも不十分なので、「独習」をする他ない。「古文単語」では「大学入試基礎レベル」(300語程度)を定着させ、「文語文法」は「動詞」「形容詞・形容動詞」は当然として、「助動詞」「助詞」の「意味・用法・接続」、さらに「敬語」までも理解しておく必要がある。そして、できるだけ多くの「古典作品」に触れて慣れておくことが重要だ。
なお、「古文」強化用のテキストとしては、「高校用」の「ステップアップノート30——古典文法基礎ドリル」(河合出版)や、「古文単語」定着用として「重要古文単語315」(桐原書店)などが推薦できる。
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2015年度「東京農業大学第一高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問一は｢論説文｣、出典は入江昭｢歴史家が見る現代世界｣所収の｢普遍的な『人間』の発見｣(文字数約4300字)。小問は全10問(解答数18)｡｢選択肢｣(｢不適切｣あり)｢空所補充｣｢脱文挿入｣、｢漢字の書きとり｣(５問)｢総合的知識問題｣｡問題文は６分ほどで読み切り、設問を15～16分で解きたい。
大問二も｢論説文｣、出典は橋本治｢敬語への自覚。他者への自覚｣(文字数約2000字)。小問は全４問(解答数５)｡｢選択肢｣、｢説明記述｣(｢30字以内｣と｢40字以内｣指定の各１問)、｢総合的知識問題｣｡問題文は３分弱で読み切り、設問を17分ほどで解きたい。
大問三は｢古文｣、出典は作者不詳｢大鏡｣(文字数約1000字)。小問は全６問(解答数６)｡｢選択肢｣｢空所補充｣｡７～８分で解きたい。
【大問一】
- 時間配分：
｢現代｣はいつから始まったのか？ ｢近代｣と｢現代｣は何が変わったのか？ 近年、急速に変化してきた歴史学の潮流に対峙し、視野の狭い国別の歴史にとらわれず､世界規模で進む大きな歴史のうねりを論じている。
本文では、第二次世界大戦後に｢普遍的な『人間』｣が再発見され、｢人権｣の概念に基づく様々な運動が広まったが、それらが意味するものは、世界規模での人々のつながりであると述べている。｢国際政治論｣であり、専門用語の理解がやや難しい。
｢不適切選択肢設問｣｢脱文挿入｣｢空所補充｣などの多彩な設問に､本校の特徴が現出している。
以下、いくつか確認したい。
[問一] ｢漢字の書きとり｣(全５問)｡
傍線部①～⑤を｢漢字｣に直す｡
①｢ツイズイも許さない｣＝｢追随｣、
②｢ゾウオ､差別｣＝｢憎悪｣、
③｢ヤバン行為｣＝｢野蛮｣､
④｢人間としてのソンゲン｣＝｢尊厳｣、
⑤｢動きにショクハツされ｣＝｢触発｣｡
一瞬、戸惑うものがあるかも。
本校では｢高度な漢字力｣が求められる。しっかりと確認しておくこと。
＜時間配分目安：１分半＞
[問三] ｢語句の意味の選択肢｣(５択)。
｢総合的知識問題｣｡二重線部(Ｘ)｢台頭｣の｢意味｣を答える。
｢基本的語彙｣なのだが、選択肢が紛らわしいので要注意だ。
｢台頭｣＝｢頭をもたげること。勢いを増してくること｣だ。なので、｢答え｣は選択肢(１)の｢勢力を得てくること｣になる。
直前に｢アジア･アフリカ諸国の｣とあるので、それに引きずられて｢発展してくること｣の(４)にしないこと。
｢文脈｣から判断することは重要だが、｢原意絶対優位の原則｣(｢設問｣｢傍線部｣等の｢原意｣、要は｢本来の意味｣を最優先に考えること｡
これは｢最重要解法｣)は絶対に無視してはいけない。
＜時間配分目安：30秒＞
[問五] ｢空所補充選択肢｣(２問/各５択)。
本文中の空所 Ⅰ ・ Ⅱ に｢当てはまる語句｣を答える。
｢傍線部(空所部)一文一部の法則｣(｢傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部(空所部)以外が重要｣という｢重要解法｣)で｢手がかり｣を探していく。
先ずは Ⅰ ､直前から｢グローバル化しつつある諸国｣の｢一つの目標｣のことだと分かり、直後からは｢従来の国家単位の世界とは違うもの｣だと判断できる。
ここで、各選択肢を確認する。
(１)｢国際主義｣
(２)｢地域主義｣
(３)｢世界主義｣
(４)｢超国家主義｣
(５)｢社会主義｣｡
無論、(１)(３)以外は即｢消去｣できるはずだ。
次に｢同一意味段落｣を確認する(｢論説文では同一意味段落に根拠あり｣｡｢重要解法｣のひとつだ)｡
次段落に､｢グローバリズムは国単位｣ではないので｢世界主義という翻訳が適当｣とある。
従って、｢答え｣は(３)の｢世界主義｣になる。
次に Ⅱ ､直前直後は｢これらの事例は明らかに Ⅱ の精神に反していた｣となっている。
｢指示語｣なので開く(｢指示語｣が出たらすぐに開くこと)｡
｢これら｣＝｢さまざまな差別｣だ｡ということは……､各選択肢を確認する。
(１)｢人権宣言｣
(２)｢公民権運動｣
(３)｢世界平和｣
(４)｢民主党｣
(５)｢女性解放運動｣｡
どうだろうか？ ｢精神に反する｣のだから、｢答え｣は(１)｢人権宣言｣だと判別したい。
｢解法｣を使い､｢文脈｣に則して｢空所の内容｣を把握すること。
＜時間配分目安：２分＞
[問七] ｢脱文挿入選択肢｣(５択)。
示されている｢脱文｣(｢世界人類の共通性と多様性というテーマは、決して最近になって現れたものではなく、古代から存在していたのである｡｣)は、本文中〈Ⅰ〉～〈Ⅴ〉の｢どこに入るか｣を答える。
｢脱文挿入｣では｢接続詞･指示語、そして内容｣に着目すること。
ここでは、｢接続詞｣｢指示語｣がないので、｢内容｣で確認していくことになる。｢世界人類の共通性と多様性｣ということだ。｢挿入｣するのだから当然、〈Ⅰ〉～〈Ⅴ〉の｢前後｣に着目したい。
〈Ⅲ〉の直後に｢しかし、人類の持つこの共通性と多様性｣とある。｢この｣という｢指示語｣⇒直前に｢共通性と多様性｣が説明されているはずだ。従って、｢答え｣は｢〈Ⅲ〉｣になる｡
｢脱文挿入｣では、｢前後の文脈的つながり｣(特に｢接続詞｣｢指示語｣等)に十分に留意すること。
＜時間配分目安：１分半＞
【大問二】
- 時間配分：
これからの日本語にとって重要なのは｢敬語への自覚｣だと指摘し、説明を必要とする他者の存在が希薄になり､劣化した現在の日本語を修復するためには｢敬語｣という｢他者への認識への自覚｣が必要だと論じている。
表現は平易で内容も理解しやすい。いかにも本校らしい｢説明記述｣と｢総合的知識問題｣が待ち構えている。
以下、いくつか検討しよう。
[問一] ｢語句の意味の選択肢｣(２問/５択)。
｢総合的知識問題｣｡
傍線部(Ａ)｢水くさい｣及び(Ｂ)｢パラドックス｣の｢意味｣を答える。
(Ａ)は何ら問題ないはずだ。｢答え｣は選択肢(１)の｢他人行儀なこと｣｡
(Ｂ)はどうか？ 選択肢(１)の｢逆接｣という意味だと定着していたいが、仮に失念していても｢傍線部(空所部)一文一部の法則｣を用いて判別できる｡
｢原意絶対優位の原則｣に則しながら、｢文脈｣を読み取ることも肝要だ。
＜時間配分目安：１分以内＞
[問二] ｢条件付き理由説明記述｣(｢30字以内｣指定)。
傍線部(ア)｢これからの日本語にとって重要と思われるものは、私の場合、『敬語への自覚』である｣について、｢筆者がそう考える理由｣を説明する。
｢条件｣は､｢敬語への自覚は､｣に続けること。傍線部は｢序論部分｣の段落冒頭だ。
であれば、｢論説文｣の｢最重要解法｣である｢Ｎの法則｣を活用したい(ここでは｢段落のＮの法則｣＝｢段落冒頭と最後は対応している｣)｡
段落の最後を確認する。
｢つまらない不幸を防ぐためにも、『他人との間の距離』を再確認すべきだろうと思い、そのために敬語の存在を自覚するべきだ｣とある。
つまり、｢敬語の存在を自覚する｣⇒｢『他人との距離』を再確認できる｣⇒｢つまらない不幸を防ぐ｣という｢文脈｣だ。
以上を｢条件｣に合わせてまとめていけばいい。たとえば、｢[敬語への自覚は､] 不幸を防ぐための『他人との間の距離』の再確認になるから｡｣といった｢答え｣になる｡
｢解法｣を的確に使うことで難なく解けると心得よ。
尚、｢説明記述｣では、正否の分岐となる｢最重要要素｣(｢理由説明｣では｢直接的理由｣)を必ず｢文末｣にすること。
＜時間配分目安：２分半＞
[問四] ｢内容説明選択肢｣(５択)。
傍線部(ウ)｢言葉の罠｣について、｢どういうことか｣を答える。
｢選択肢設問｣は｢消去法｣が原則｡先ずは｢原意消去｣をしたい(｢原意絶対優位の原則｣)｡｢言葉の罠｣の｢原意｣と､各選択肢の｢文末｣(｢選択肢｣の説明で最も重要な要素は｢文末｣に記されている)とが結びつかないものを｢消去｣していく。
(１)｢方言という特殊な言語を話す必要を認めなくなること｣、
(２)｢自分を語る思想的な言葉を多く話すようになるということ｣、
(３)｢流行語をしゃべり出すこと｣、
(４)｢言葉に対して無頓着になるということ｣、
(５)｢自分への告白を好むようになるということ｣｡
さあ、どうか？ ｢罠｣という｢比喩表現｣での｢原意消去｣は難しいが、｢言葉｣なのだから、(２)(４)以外は｢消去｣できなくてはいけない。
次に｢傍線部(空所部)一文一部の法則｣で考える。直前は｢その｣という｢指示語｣なので開く(｢指示語｣が出たらすぐ開くこと)｡
｢その｣＝｢この特殊な言葉｣＝｢若者言葉｣だと分かる(二重、三重……の指示語は全て開く)｡ということは、(２)の｢思想的な言葉｣ではなく､単に｢言葉｣となっている(４)が残ると分かるはずだ。他の部分も特に誤った説明はないので、(４)が｢答え｣だ。
｢選択肢設問｣では、｢解法｣に則して段階的に｢消去｣していくことが重要。
＜時間配分目安：２分半＞
【大問三】
- 時間配分：
平安時代後期成立の歴史物語。全６巻(ただし、｢流布本｣は通常８巻)。文徳天皇から後一条天皇まで 14代 176年の歴史を列伝体で物語風に叙述し評論している。
本文は、藤原道長を頂点とする藤原氏の｢寺院建立｣にまつわるエピソード。
｢基礎的古文単語の意味｣｢内容解釈｣､｢文学史｣などの多様な設問が続く。
以下、いくつか考えてみる。
[問二] ｢指示語の選択肢｣(５択)。
傍線部(Ａ)｢これ｣について、｢指示する内容｣を答える。
｢指示語｣を開く問題だ。｢傍線部(空所部)一文一部の法則｣で確認すると、直後に｢求め出でたらむ所には(＝探し出したような所には)｣とある。
つまり、｢これ｣＝｢探し出すもの｣ということだ。何か？ ｢文脈｣から読み解いていく。
前の部分に、
｢琴弾く人｣が｢別の爪｣を｢指にさし入れて｣｢弾くことにてはべりし(＝弾くことでありました)｣､
それで
｢帝｣も｢爪｣を｢持たせたまひたりけるを､落としおはしまして(＝持ちなさっていらっしゃいましたが、それを落としなさって)｣､
｢幼くおはします君にしも、『求めてまゐれ』と仰せられければ(＝幼くていらっしゃる君[昭宣公]に、
[帝が]『探してきなさい』とおっしゃったので)｣
と説明されている。
要は、帝が落とした琴を弾く爪を､昭宣公に探させたということだ。従って、｢答え｣は選択肢(２)の｢爪｣になる。
｢解法｣を用いて｢文脈｣を読み解くということは、｢現代文｣と同じだと心得よ。
＜時間配分目安：２分＞
[問四] ｢語句の意味の選択肢｣(６択)。
傍線部(Ｂ)｢やむごとなく｣について、｢意味｣を答える。
｢古文最重要単語｣のひとつ。
｢やむごとなし｣＝｢打ち捨てておけない。特別だ。高貴だ｣という意味の｢形容詞｣｡当然、知っていなくてはいけない。よって､｢答え｣は選択肢(２)｢高貴な身分に｣となる。
｢古文重要単語｣は必ず定着させておくこと。
＜時間配分目安：30秒＞
[問五] ｢内容解釈の選択肢｣(５択)。
傍線部(Ｃ)｢我はしかじかのことのありしかば､そこに建てむずるぞ｣について、その｢内容｣を答える。
先ずは、傍線部の現代語訳だ。
注意したいのは｢しかじか｣と｢ありしかば｣｡
前者は｢然然(しかしか)｣という｢副詞｣で｢これこれ｣という意味(一種の｢指示語｣)｡
後者は、｢動詞｣の｢あり｣の｢連用形｣＋｢過去の助動詞｣の｢き｣の｢已然形｣＋｢接続助詞｣の｢ば｣⇒｢ば｣は｢未然形接続｣で｢順接仮定条件｣(＝｢～ならば｣)､｢已然形接続｣で｢順接確定条件｣(＝｢～ので､～と｣)｡
なので、｢私はこれこれのことがあったので、そこに建てよう｣といった訳になる。従って、｢答え｣は｢私は昔の因縁により別の場所に寺を建てることになっているので｣とある選択肢(５)になる｡
無論、｢文脈｣から内容を把握することもできるが、｢文法｣に基づき｢解釈｣ができると圧倒的に有利になる。
可能な限り、基本的な｢文語文法｣は習得しておきたい。
＜時間配分目安：２分＞
[問六] ｢文学史の選択肢｣(５択)。
｢総合的知識問題｣｡本文である｢大鏡｣と｢同じジャンルの作品｣を答える。
平安時代後期成立の｢歴史物語｣だが、意外と未定着か？ 難問だ｡
各選択肢を確認する｡
(１)｢源氏物語｣＝平安時代成立の｢物語｣、
(２)｢栄華物語｣＝平安時代成立の｢歴史物語｣、
(３)｢土佐日記｣＝平安時代成立の｢日記｣、
(４)｢枕草子｣＝平安時代成立の｢随筆｣、
(５)｢平家物語｣＝鎌倉時代成立の｢軍記物語｣｡
無論、｢答え｣は(２)。
本校ではディープな｢文学史｣も頻出なので、しっかりと定着させておくこと。
＜時間配分目安：１分以内＞
攻略ポイント
●｢抜き出し｣｢空所補充｣｢脱文挿入｣といった一筋縄ではいかない｢多種多様な設問｣、果たして｢攻略｣可能か？ ｢設問内容｣や｢条件｣を的確に捉え、それぞれに応じた｢解法｣を適切に用いることが最優先だ。
基本的｢解法｣を完全に習得し自分自身の｢ツール｣としておくことが重要。
それによって、｢失点｣を防ぎ、｢得点力｣を安定させなくてはならない。
●｢総合的知識問題｣も侮れない。
｢文法｣｢文学史｣も含めてあらゆるものが直接出題されるだけではなく、問題文の内容理解でも｢高度な語彙力｣が問われる｡
独自に｢幅広い知識｣を習得していくことが重要。学校や塾での学習だけでは全く不十分だ｡
●｢説明記述｣。どう｢攻略｣するか？
愚直に｢記述｣の｢練習｣を続けるのみだ。
先ずは、正否の分かれ目となる｢最重要要素｣を｢文末｣として他の｢必要要素｣を積み上げていくという手法を完璧にマスターする。
そして、｢内容｣から優先度を特定し、高いものから積み上げていく。
それぞれの｢要素｣を｢20～30字程度｣でまとめられるように徹底的に練習すること。本校では｢30～50字程度｣の｢字数指定｣が多いので、２つ程度の｢要素｣でまとめることに慣れておきたい。
●｢古文｣はどうする？
｢中学レベル｣の学習ではとても追いつかない。一般的な｢私立高校対策｣でも難しい。
中堅クラスの｢大学入試｣に対応できなくてはならない。｢重要単語｣や｢文語文法｣、｢古典常識｣まで幅広い｢知識｣を徹底習得しておくこと。
●試験時間は50分。時間配分にも細心の注意をすること。問
題文は7000字程度。他校と比較してやや多い。当然、速く正確に読み取ることが求められる。分速700字以上を目標に｢読む練習｣を常にすることが重要だ。