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出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「立教新座高等学校の数学」
攻略のための学習方法

全体的に見てみると標準問題が圧倒的に多い。2次関数、平面図形、立体図形は要注意であり、徹底した演習が必要である。

2次関数に関しては、直線(1次関数)との関連の問題は必須である。同じ概念でも使われているジャンルによって意味合いと扱い方が異なってくる、ということに気を付ける。
例えば、「変化の割合(=グラフの傾き)」は直線と放物線とでは概念的内容については、当然ながら同じであっても、実際の問題になると設問へのあてはめ方及び処理の仕方が異なってくる。
1次関数においては直線のグラフとなり、当然ながら、変化の割合(グラフの傾き)は一定である。これに反して、2次関数の放物線においては、放物線上のどの2点を選択したかで変化の割合(グラフの傾き)はプラス(右上がり)になったり、マイナス(右下がり)になったりする。
特に、放物線上の異なる2点を結んでできる変化の割合は、その2点の間隔を限りなく「ゼロ(0)」に近づけてゆくと、高校数学で学習する「微分」の世界へと入ってゆく。放物線に関しては必ず出題されると考えた方が良いし、高校数学への導入としての役割も担うと認識したうえで、しっかりと概念的な理解を深めてゆきたい。

確率の問題も近年、上位高を中心に頻出傾向にある。しかも、出題傾向は年々難易度を上げているようである。標準的問題集にあるような、場合分けのパターンが単純なもの(複雑といってもせいぜい「~の場合が2回以上ある場合」)ではなく、他の数学の分野との融合問題である場合が予想される。
例えば、確率と図形の融合問題である。サイコロを振って偶数の目が出たらⅹの方向に目の数だけ進み、奇数が出たらyの方向に目の数だけ進むという条件で進んだ場合に、座標面上にあるグラフ(直線の場合もあれば放物線の場合もある)との関係で設問の条件を満足する場合の確率を求めよといった問題である。
このような場合に、ひたすら「場合と確率」だけを演習すればよいというわけでは決してない(勿論、しっかりした「場合と確率」の知識と演習量が求められるのは大前提ではあるが)。座標平面の特性やそこに存在するグラフ(直線又は放物線)の特徴を踏まえて問題を解けるかどうかが合否のポイントであろう。
さらには、そのようなサイコロの出た目の数字の分だけ立体図形の辺の上を移動させるなどの条件設定で作問も可能である。しかも、サイコロの目の数だけ動く点(動点)はどのような動きをするか、また設問にある一定の条件の下で、指定された点を結んだ場合にどのような平面図形ができるか、そしてその平面で立体図形を切り取った場合における、切り口の形状や面積など、さらには切り取り後における指定された点を含む立体の体積を求める問題にも慣れておいて欲しい。

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2016年度「立教新座高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】独立小問問題<14分>。式の値、規則性、関数、確率、図形など全ての問題から出題されている。
【大問2】平面図形(角度・面積)に関する問題<10分>。円周角や直角三角形の性質を利用する。
【大問3】確率の問題<8分>。点の移動に関連した確率の問題である。
【大問4】関数に関する問題<7分>。1次関数(直線)における三角形などの図形の特性を利用した問題である。頻出問題であり、完答を目指したい。
【大問5】空間図形(立方体)の問題<9分>。標準的問題であるので取りこぼしのないようにしたい。
【大問6】四角台錐に関する空間図形の問題<12分>。平面図形の定理(相似、三平方の定理)や図形の対称性の特性を使って取り組む問題である。

【大問1】

  • 時間配分:

(1)は式の値問題<2分>。
まずは解の公式を用いて方程式の解を具体的に求める。

(2)は規則性の問題<2分>。
題意のイメージを膨らませ(具体的に列挙する)が先決。

(3)は図形の面積に関する問題<2分>。

(4)は場合の数の問題<2分>。
題意を素早く把握し、具体的に考える。

(5)は2次関数に関する問題<2分>。
内容的には、すでに演習済みの問題であろう。手際よく解答し完答したい。

【大問2】

  • 時間配分:

(1)は平面図形における角度の問題<2分>。
円周角の考え方や二等辺三角形の特性を活用しながら解く問題である。

(2)は特別な直角三角形の面積を求める問題<4分>。
与えられた図形の中に正解へたどり着く図形だけを注目する。

(3)は三角形の面積を求める問題<4分>。

【大問3】

  • 時間配分:

(1)確率の問題<2分>。
立方体の辺上の動点の動きと設問にある条件を満たす場合の確率の問題である。

(2)確率の問題<3分>。
前問の考え方をさらに一歩深めた設問である。条件整理の手際よさが大切である。

(3)確率の問題<3分>。
前2問から傾向性を導き取り組みこと。この傾向性を見抜ければそれほど厄介な問題ではないであろう。

【大問4】

  • 時間配分:

(1)1次関数の式を求める問題<1分>。
B、Cそれぞれの座標を求め、傾き、切片の順に数値を求める。

(2)三角形の面積を求める問題<2分>。
△ABC=△CAD-△BADである。

(3)1次関数の切片に関する問題<①と②を合わせて4分>。
①切片を求める問題<2分>。
切片の意味(x座標の値が0のときのy座標の値)をしっかり理解し、アプローチを行う。

②△の面積を2等分するということの意味をしっかり理解し、どのような条件と原理をあてはめるかを考えること。

【大問5】

  • 時間配分:

(1)設定された条件に下での三角錐の体積を求める問題<3分>。
P、Q、Rの各点の動きをしっかり理解すること。そのうえで、44秒後の立体を考えること。

(2)立体の体積を求める問題<3分>。
前問同様に56秒後の立体をイメージする。前問とどこが違ってくるかを意識すること。

(3)切り取った立体の体積を求める問題<3分>。
立体の切り取りの問題も絡んだ求積の問題。しっかりイメージをつかむ(コツは、立体をある一定の方向-正面や真上-から見た平面図を考える)ことが大事である。

【大問6】

  • 時間配分:

(1)は三平方の定理を用いて辺の長さを求めて立体の体積を求める問題<2分>。

(2)三平方の定理を用いて辺の長さを求める問題<2分>。
着眼点を見誤らないように。

(3)相似の概念を用いて辺の長さを求める問題<4分>。
与えられた図形の中から相似の三角形の組を見つけること。

(4)体積を求める問題<4分>。
与えられた立体を単純な複数の立体に分割すること。

攻略ポイント

全体的には標準レベルの問題である。事前の準備としては標準的な問題を徹底して繰り返し演習することである。
特に、2次関数に関しては様々な出題パターンを想定して準備をして欲しい。放物線(2次関数)に関する問題は高校入試の数学において、メインテーマの一つである。直線がからんでくると交点の座標は2次方程式の解を求める考え方が必要であるし、その際に中学校では絶対に学習しない(塾等では当然のように学習する)。『解と係数の関係』の考え方を応用すると迅速かつ確実に正解へたどり着ける。
また、図形編では空間図形は必須と考えて欲しい。空間図形に平面図形で使われる各種の定理(中点連結定理、三平方の定理、特定三角形(三角定規)における三辺の比など)をしっかり当てはめられるかどうかが、合否の分かれ目といっても過言ではないであろう。
また、確率の問題にもしっかり対応できるように、事前に十分な演習が必要である。確率で大事なのは『発想の豊かさ』である。場合分けで行くのか、または与えられた条件ではない場合を想定し全体からその場合の数を引いて求めたい場合の数を求めるのか、といった手法の選択を的確にすることである。

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