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渋谷教育学園幕張高校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「渋谷教育学園幕張高校の国語」
攻略のための学習方法

論理的な思考力を付けて、本問のような論説文の入試問題で高得点を取るにはどうしたらよいか。いくつかのポイントをあげておこう。第一に『文章を書く』ということである。何も考えなしに闇雲に文章を書いてみても、入試問題における論説文対策にはあまり効果が期待できないだろう。おすすめは「論説文の要旨をまとめる」ということである。受験生にとって一冊の論説文〈岩波新書など〉を読んで要旨をまとめると言っても、その様なことを行う時間的余裕はないはずである。そこで提案したいのは、論説問題の文章をまとめてみよう、ということである。それも、文章でまとめるのではなく、『箇条書き』で『単語』としてまとめていくということである。そうすれば、文章を書くという時間的な負荷も軽減され、なおかつコンパクトに論説文の内容、論旨の流れなどが手に取るように理解できるはずである。第二に『論点を明確にする』ということである。『論点』を『筆者の主張』と置き換えてもよい。つまり、筆者は何がいいたいのかということを明確に把握するということである。具体的には、本文中で筆者が繰り返している部分や、「つまり」や「したがって」という接続詞でつないでいるような箇所は要注意である。
また、筆者の考えを丁寧に辿ることである。「丁寧」といっても時間をかければよい、というわけではない。いうまでもなく試験時間は限られており、その時間的制限の中で的確に筆者の考えや論理展開を把握しなければならない。そのためにも、文章を読むスピード、内容を把握する力、把握した内容をまとめる要約力など、求められる「力」は相当なレベルである。これをしっかり満足のいく程度にブラッシュアップさせるためには、日頃から自分の言葉でしっかり考え、文章を書くということである。
次に、小説に関する設問についてのアプローチを考えてみよう。まずは、心情の読み取りである。直截的に「私は……と思う」とは描写されない。人物の心の中は、情景描写であったり、その人物の一挙手一投足に現われる。そのような表現をしている部分を選び出し、人物と人物の間の精神的葛藤や同調する部分をしっかり理解しよう。そのような作業を行うことなく、小説に描かれている『人物』の内面の本質的な部分を理解するのには時間がかかるであろう。さらに、注目すべきは『会話』である。会話のやり取りを読み進めるうちに、人物同士が相手に対してどのように感じているか、心理的駆け引きは行われているのか、といった事柄も見えてくる。全体的な内容をしっかり理解するには、そのような面の理解と分析が不可欠である。いずれにしても、学校で扱う小説や過去問で挑戦する小説の問題に対して、人物の心情を中心に読み進める癖をつけるように心掛けること。これをうまくマスターすれば合格点は取れる筈である。

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2022年度「渋谷教育学園幕張高校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】哲学的分野(倫理)の論説文に関する読解総合問題である<22分>。漢字の書き取り問題、記述問題(字数指定はなし)と選択肢問題である。
【大問2】小説の読解問題である<21分>。漢字の書き取り、心情把握(選択肢問題)、内容理解問題である。
【大問3】古文読解総合問題である<17分>。基本的な文法事項や古語知識は不可欠である。文学史も押さえておくこと。

【大問一】哲学的分野(倫理)に関する論説文の読解問題

  • 時間配分:22分

出典:「連帯論」(馬渕浩二著)
(問一)漢字の書き取り問題である<2分>。
漢字の書き取りは「資力」「受益」「命脈」、漢字の読みは「にょじつ」、「ばんじゃく」である。どれも標準レベルの問題であるので完答を目指そう。
(問二)内容把握選択問題である<5分>。
「連帯としての本来の姿」がどのようなものであるかを確実に把握すること。つまり「目の前にいる困窮者を支援する」ということである。そのような「支援」における連帯の意識が失われていくということが「本来の姿が、さらに遠退いてしまう」ことなのである。
(問三)慣用句選択問題である<1分>。
一面では非常に有用で役立つが、他方ではダメージが大きく損失を与えてしまうような事象である。それを「諸刃の剣」という。読み方は「もろば」ではなく「もろは」であるので注意すること。
(問四)内容把握記述問題である<8分>。
「この福祉エゴイズム的なエースト」とは、直前にあるように「福祉エゴイズムの原則とは、…『多く要求し少なく貢献する』という原則」のことであるが、「連帯という点から見て、福祉エゴイズムは問題含み」である。その問題とは、「全員が福祉エゴイズムの原則にしたがって行動するとき、支えられようとする人々は増えるが、支えようとする人々は減少し、相互扶助が成り立ち難くなる」のである。さらに「逆説的」という意味を「福祉国家における連帯の存在意義」について考えをまとめること。つまり「福祉エゴイズムの拡大は連帯を枯渇」させてしまうのである。
(問五)内容把握選択問題である<6分>。
「たとえ現下の福祉国家が様々な不都合を抱えているとしても、そのことによって福祉国家が培いうるかもしれない連帯の可能な在り様を福祉国家とともに否定」してしまうと、「福祉国家という制度の下に埋もれているかもしれない連帯の可能性」を失うことにもなってしまうのである。

【大問二】小説の読解総合問題

  • 時間配分:21分

出典:「水」(佐多稲子著)
(問一)漢字の書き取り・読み取り問題である<2分>。
漢字の書き取りは「危篤」、「挨拶」である。漢字の読み取りは「とうじ(=湯治)」である。
(問二)語句問題である<1分>。
「狡猾」とは、「ずるがしこいこと、またはそのさま」を表わす言葉である。
(問三)文章把握選択問題である<3分>。
「そういうとき」とは直前にある「お前さんも脚さえ悪くなきゃね」という発言をされるようなときである。幾代は本当は負けん気が強い性格であるのだが、障害のある自分の脚のことを言われても、そのような他人の奇異な視線も受け入れようとしていたのである。
(問四)内容把握記述問題である<6分>。
一見親身になってくれていると思った主人が、「ハハキトクスグカヘレ」の電報が来たとき、幾代にすぐ帰るように言わなかったところに「主人の他人」を感じたのである。
(問五)心情把握選択問題である<3分>。
本文の「それ」とは幾代の母が死んだ知らせに幾代がすぐにでも帰ろうとしたとき女主人の「…あんたが帰ったって、死んだものがいきかえるわけでもないしねえ」という発言である。母が危篤であるという知らせのときも帰ることを許されなかった幾代は、母が死んだという知らせを受け今度こそは誰が何と言おうと絶対に帰る、という強い意思を抱いたのであり、それが「固い顔」という表現になったのである。
(問六)内容把握選択問題である<3分>。
「水道のそばを通り抜けぎわに、蛇口の栓を閉めた。…それは無意識」に行われたのだった。なぜ「無意識」に行われたかを考える。幾代は台所仕事を日常的に行ってきたのであり、たとえ家ではなくとも(実際には駅員詰所の先の水道)出っぱなしの水道の栓を普段の習慣から「無意識」的に止めてしまうのである。
(問七)内容把握選択問題である<3分>。
母の危篤のときに主人から帰ることを許されず、母の死に目にあうことができなかったことを悔やんでいるのであり、主人に了解を得なくとも帰ればよかったという後悔の念と、母が死んでしまい本当に頼れる人がいなくなった悲しみに幾代は打ちのめされているのである。

【大問三】古文読解総合問題

  • 時間配分:17分

出典:「徒然草」(兼好法師著)
(問一)四字熟語問題である<1分>。
「因果」とは原因と結果のことである。過去の言動によって現在の幸・不幸が決定する考え方を「因果応報」という。
(問二)内容理解問題である<3分>。
直後に「…なべてこの事あり」とある。「この事」とは、乗馬を習うことと「酒など進むる事あらんに、法師の無下に能なきは、檀那すさまじく思ふべし」として「早歌」を習ったことである。そして、「この法師」は「説経習ふべきひまなくて、年よりにけり」なのである。つまり、「その道にのめりこんでいった」のである。
(問三)内容把握記述問題である<4分>。
「法師」は何のために法師になったのかを考える。それは「教へのままに説経師」になるためであり、この事が「第一の事」である。ところが、乗馬や早歌を習い始めそれらにのめり込んでしまい、肝心の「説経師」となるための暇もないまま「年よりにけり」なのである。したがって、「その外」とは「乗馬や早歌」の事である。
(問四)内容把握選択問題である<2分>。
「碁をうつ人」において、「十を捨てて、十一につく事はかたし(=難しい)」とあるので、この空欄は「三つの石を捨てて、十の石につくことはやすし」が適切である。
(問五)内容把握選択問題である<2分>。
「一時の懈怠」とは、「京に住む人、急ぎて東山に用ありて、既に行き着きたりとも、西山に行きてその益まさるべき事を思ひ得たらば、門より帰りて西山」へ行くべきところ、行かなかったことである。
(問六)内容把握選択問題である<3分>。
登蓮法師は、大切なことは今すぐにしなければならないことを意識していたのであり、論語の文を引用しながら「敏き時は則ち功あり」という姿勢(大切な事には迅速に対応する)をとった登蓮法師の行動力を素晴らしいと評価しているのである。
(問七)文学史問題である<2分>。
兼好法師の書いた随筆は「徒然草」である。

攻略のポイント

全体的に、現代文(論説文・小説)の読解、古文読解が中心である。この出題傾向は例年変わらない。設問内容としては内容把握・心情把握が問われている。また、漢字、文学史、語句、古典文法などの知識問題は確実に得点できるように事前準備を怠らないように。さらに、字数指定がない(説明しなさいという設問形式)記述問題も全得点に占める比重が高いので、短時間で自分の考えを本文に沿って文章に纏め上げるスキルも身に付けなければならない。対策としては、とにかく記述式問題で徹底的に文章を書くことである。この対策を怠ると、本番で徒に時間だけが過ぎてしまい、満足のゆく答案に仕上げることができないであろう。

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