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昭和学院秀英高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2015年度「昭和学院秀英高等学校の国語」
攻略のための学習方法

国学院久我山の国語について、志望者が意識して身につけておきたいものは4つある。
 
[解法]
ネックとなる「選択肢」に限らず、「昭和秀英の国語」で勝利するための基本は、「現代文」の「解法」をいかにうまく用いるかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」(随筆)、それぞれに応じた特有の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解法」が定まっていない証だからだ。そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか? その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。
 
[記述]
「昭和秀英の記述対策」は「問題解説」及び「攻略ポイント」のとおりだが、その前提として為すべきことがある。それは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。最初は時間がかかってもいい。厭わずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要があるからだ。では、何を「書く」か? 「練習問題」や「過去問」にある「記述設問」は勿論だが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。40~50字程度で書いてみる(昭和秀英の典型的な「記述」の練習にもなる)。無論、内容は先生などに確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一挙両得。次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。書きたい内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要。その際、20~30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。「記述設問」で得点を左右する「重要な要素」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要な要素」を「文末」にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく。
 
[速読]
「現代文」全体で5000字程度を読解しなくてはならない。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックし、「心情表現」を拾って素早く読んでいく。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。昭和秀英に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。
 
[知識]
「高度な語彙力」だけではなく、「国語常識」も含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる「昭和秀英の国語」(直接出題だけではなく、「本文読解」等でも必然的に問われる)。「攻略」するにはいかなる「学習法」があるのか? 「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ。確かに、そうした側面はある。だが、そこで思考停止してしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。先ずは、「己が実力」を悟ること(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されることがあるし、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・文法630」(「文法」含む)や「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字」(共に旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら「中学入試レベル」からの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。
 
[古典]
「公立中学」の「国語」でも「古典」は扱う。「古文」は必修カリキュラムだ。しかし、「指導要領」上はほんの導入部分だけで、本格的な学習はしない。「文語文法」等を体系的に学ぶことはない。が、昭和秀英などの「中高一貫校」ではそれらを中学時点で学び始めている。従って、「高校入試」で出題されることになる。明らかに「ハンディ」だが、仕方がない。塾での学習ないし「独習」をする他ない。最重要な「古文単語」(200語程度)を定着させ、基礎的な「文語文法」は「敬語」も含めて理解しておかなくてはならない。そして、できるだけ多くの「古典作品」に触れて慣れておくことが重要だ。なお、「古文」強化用のテキストとしては、「古文完全攻略63選——入試頻出問題厳選」(東京学参)や、「古文単語」定着用として「マドンナ古文単語230」(学研)などが推薦できる。

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2015年度「昭和学院秀英高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「論説文」、出典は鷲田清一「だれのための仕事 労働va余暇を超えて」(文字数約2900字)。小問は全9問(解答数14)。「選択肢」「空所補充」「抜き出し」、「説明記述」(「60字以内指定」1問)、「漢字の書きとり」(3問)。問題文は4分ほどで読み切り、設問を15~16分で解きたい。
大問は「小説」、出典は井上靖「天平の甍」(文字数約2800字)。小問は全7問(解答数12)。「選択肢」「空所補充」、「説明記述」(「75字以内指定」1問、「字数指定なし」2問)、「漢字の読み書き」(3問)。問題文は4分弱で読み切り、設問を16分強で解きたい。
大問は「古文」、出典は本居宣長「玉勝間」(文字数約450字)。小問は全7問(解答数7)。「選択肢」「抜き出し」、「事項記述」「説明記述」(「15字以内指定」1問)。10分弱で解きたい。

[大問1]

  • 時間配分:

「仕事/遊び」「労働/余暇」という従来の二分法が意味を消失した現代社会にあって、私たちが生きることと、「働く」「遊ぶ」こととはどのような関わりがあるのか――人間性の深みまで掘り下げて「労働観」「余暇観」を論じている。
本文では、「遊び」には「出現/消失」と「緊張/弛緩」というふたつの要素があると指摘し、「遊び」にこそ「人間のアイデンティティの根拠を賭けるような真剣さがある」と述べている。
「哲学論」で専門用語も多く、内容は理解しづらい恐れがある。「空所補充」「説明記述」などに本校らしさが垣間見られる。
以下、いくつか確認したい。

[問1] 「漢字の書きとり」(全3問)。
点線部(A)~(C)を「漢字」に直す。
(A)「キョウソウ、偶然、模擬、眩暈」=「競争」、
(B)「わずかなヘダたり」=「隔(たり)」、
(C)「ジュウジュンである」=「従順」。
若干「同音異義語」で悩むかも知れないが、基本的なものばかりなのでしっかりと確認しておくこと。

<時間配分目安:1分以内>

[問3] 「空所補充選択肢」(2問/各4択)。
本文中の空所《  a  》・《  b  》に「当てはまる言葉」を答える。
「傍線部(空所部)一文一部の法則」(「傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部(空所部)以外が重要」という「重要解法」)で「手がかり」を探す。
先ずは《  a  》、直前に「つまりそういう」とある。「指示語」があるので開く(「指示語」がだたらすぐ開くこと)。「そう」=「出現/消失と緊張/弛緩」だと分かる。
また、「接続詞」の「つまり」があるので、その前の「換言」だと判断できる(「接続詞」は常に意識すること)。ということは、《  a  》=「出現/消失と緊張/弛緩」だ。
各選択肢を確認する。
(ア)「自己の解放という喜び」、
(イ)「精神と肉体静止」、
(ウ)「感動の瞬間反復」、
(エ)「存在の開閉という運動」。
「出現/消失」「緊張/弛緩」という「動き」なのだから、(エ)が「答え」だと分かるはずだ。
次に《  b  》、直前直後は「このとき『《  b  》』という表現が適切な状態にある」となっている。
またして「指示語」、「この」=「身体が『わたしの奴隷』になってくれる」。
さらに、次文には「わたしの存在と身体の存在がぴったり一致してしまう」とある。
選択肢
(ア)「身体は遊びである」、
(イ)「わたしは生きている」、
(ウ)「わたし身体である」、
(エ)「身体が消えている」。
無論、瞬時に「答え」は「(ウ)」だと判別できる。
「文脈」に則して「空所の内容」を捉えていくことが肝要。

<時間配分目安:2分>

[問5] 「条件付き換言説明抜き出し」(「10字」指定)。
傍線部②「身体の存在そのものが遊びではないのか」について、「『遊び』である『身体の存在』とはどのようなものか」を「はっきり表現している言葉」を本文中から抜き出す。
「条件」は「【  】の範囲内から探す」こと。
「抜き出し」では、「抜き出すべき内容」を特定した上で「抜き出し範囲」を絞っていくことが鉄則。
「内容」は、「遊び」と「身体」の共通性だ。「範囲」は指示されている。
確認する。「遊び」と「身体」の共通性について述べているのは、【  】の中では最終段落のみだ。
そこでは、「遊戯に欠かせない契機」は「身体というもののもっともベーシックな存在様態」で、「曖昧な領域としての身体といってもいいし、緩衝地帯としての身体といってもいい」と説明されている。下線部は「並立」で共に「内容」は合致するが、「指定字数」から後者、「緩衝地帯としての身体」が「答え」になる。
当然ながら、「設問条件」は「手がかり」「ヒント」ということだ。

<時間配分目安:1分>

[問6] 「理由説明選択肢」(4択)。
傍線部③「いや、長く続くと危ない」について、なぜ「危ないのか」を答える。
「選択肢設問」は「消去法」が原則。
先ずは「原意消去」をしたい(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)。
ここは「理由説明」なので「直接的理由」での「消去」なのだが、何が「長く続く」のか分からないのですぐには「消去」できない。
「文脈」から読み取る。前の部分から、「わたしの存在と身体の存在とがぴったりと一致」し「硬直し痙攣している状態」だと分かる。
各選択肢の「文末」(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)を確認する。
(ア)「両者結びつきを求めるようになるから」、
(イ)「両者ともに崩壊する恐れが生じるから」、
(ウ)「他者傷つけかねないから」、
(エ)「自分という意識を失うから」。
「わたし」と「身体」が「一致」して「硬直し痙攣している」のだから、無論、(イ)以外は「消去」できなくてはいけない。他の部分も特に誤った説明はないので、(イ)が「答え」になる。
「選択肢設問」では、「解法」に則して段階的に「消去」していくことが肝要だ。

<時間配分目安:2分半>

[問9] 「条件付き内容説明記述」(「60字以内」指定)。
「筆者が考える『わたし』という意識と『身体の存在』の関わり」を説明する。
「条件」は「『遊び』という語を使う(『遊ぶ』『遊んだ』など形を変えてもよい)」こと。
「傍線部設問」ではなく「筆者の考え」を問われているので、「論旨説明」ということになる。
「論旨」は最終段落で述べられていることは分かるはずだが、その後が……? これは難問だ。
本文末から2文目が肝となる。「人間の活動についていえば、〈遊び〉にこそ、アイデンティティを揺さぶるような、あるいはアイデンティティの根拠を賭けるような真剣さがある」となっている。「人間の活動」=「身体」が行うもの、「アイデンティティ」=「『わたし』という意識」と捉えることができる。
また、「問5」で確認したが、「遊び」に欠かせないのが「身体のベーシックな存在態様」だ。こうしたことをまとめていくことになるのだが、注意するのは「揺さぶるような」「根拠を賭けるような真剣さ」といった「比喩表現」は使えないということだ(「説明記述」では「比喩表現」は使わぬこと)。
たとえば、「『わたし』という意識は、身体が遊んでいるというベーシックな存在態様であることによってこそ確かなものとして呼び覚まされる。」といった「答え」になる。
「小問」どうしが連関していることも意識すること。
尚、「説明記述」では、正否の分岐となる「最重要要素」を必ず「文末」にすること。

<時間配分目安:3分半>

[大問2]

  • 時間配分:

天平の昔、遣唐使として荒れ狂う大海を越えた若い僧たち――鑑真来朝という史実に基づき、極限に挑み木の葉のように翻弄された僧たちの運命を描いた歴史小説。
本文は、ただひとり故国の土を踏んだ「普照」が、唐で妻帯者となった「玄朗」の日本への帰国を画策する場面。難解な語句や歴史用語などがあり、内容は理解しづらい(「※注」が12も付されている)。その「内容解釈」が多く問われているのでなかなか厄介だ。
以下、いくつかを検証する。

[問1] 「漢字の読み書き」(全3問)。
点線部(A)~(C)の「カタカナを漢字」「漢字をひらがな」に直す。

(A)「面影はなかった」=「おもかげ」。
知らないことは許されないと心得よ。
(B)「ヤッカイなもの」=「厄介」。
上記の「大問解説」で記したが、知っていて当然。
(C)「カミヒトエであった」=「紙一重」。
問題ないはず。

全問正解が必須だ。

<時間配分目安:1分以内>

[問3] 「理由説明選択肢」(4択)。
傍線部①「普照も返す言葉はなかった」について、その「理由」を答える。
先ずは「直接的理由」での「原意消去」。
各選択肢の「文末」を確認する。
(ア)「普照考えたから」、
(イ)「普照考えたから」、
(ウ)「普照考えたから」、
(エ)「普照考えたから」。
(ア)以外は全て同じだ。であれば、(ア)が「答え」か「消去」だ。傍線部は「普照も返す言葉はなかった」と「同意」しているのだから、「答え」になる。
以上、終了だ。えっ!? と思うかもしれない。
念のためにもう少し確認してみる。(ア)は「玄朗」の「帰国の希望を実現することは簡単にはいかないと普照も考えたから」となっている。
そして、傍線部の次文には「妻子同伴での帰国となると、玄朗の立場は厄介なものであった」とある。内容も合致しているので問題ない。瞬時の「一発消去」。
「原意消去」(「直接的理由」)、大いに活用すべし。

<時間配分目安:1分以内>

[問4] 「内容説明選択肢」(4択)。
傍線部②「一個の人間としてみると、少しも難ずべき点はないようであった」について、その「説明」を答える。
無論、先ずは「原意消去」だ。
「人間として」「難ずべき点はない」の「原意」と、各選択肢の「文末」とが結びつかないものを「消去」したい。
(ア)「否定的にとらえる材料は何一つ存在しないということ」、
(イ)「妻子を棄ててでも帰ったであろうということ」、
(ウ)「人の道としてはずれていないということ」、
(エ)「人の道としてはずれていないということ」。
「人間として」「難ずべき(=非難すべき)点はない」のだから、(ウ)(エ)以外は即「消去」だと分かるはずだ。
次に「同一場面」を確認する(「同一場面の直前直後に根拠あり」は「小説」「随筆」の「最重要解法」)。直前から「玄朗の生き方」についてだとすぐ分かり、次段落には「(玄朗は)妻や子供を故国の自然や人情の中へ置こうとしているのではないか」とある。
従って、「妻子とともに帰国することも容易なことではない」となっている(エ)ではなく、「帰国についても妻子の同伴を望んでいる」の(ウ)が「答え」となる。
「選択肢設問」では「解法」に則しての「段階的消去」も肝要だ。

<時間配分目安:2分>

[問6] 「内容説明記述」(2問/「字数指定」なし。各15字ほどの解答欄)。
波線部X「妻子を同伴して日本へ帰りたい」という「玄朗のために普照が取った対応」とは「どのようなものか」を「二つ」説明する。
波線部は直接関係ないので、この後の本文内容全体から読み取る必要がある。手間のかかる設問だ。
確認していく。すると、「空所  Ⅱ  」の部分に「玄朗の件は普照が案じていたほどのことはなく」「帰国の手続きを取ることができた」とある。
また、「空所  Ⅲ  」の前段落は「普照はぎりぎりまで玄朗を待って第三班の船で揚州を離れるつもりであった」「玄朗のためにぎりぎりまで揚州に留まっていてやることにした」となっている。
これらが、「玄朗のために普照が取った二つの対応」になる。従って、「過不足なく」まとめといけばいい。たとえば、「帰国の手続きを取ってあげた。」と「乗船のぎりぎりまで待ってあげた。」といった「答え」になる。
「小説」ではこのように本文全体を検討しなくてはいけない設問がある。
時間配分には十分注意して、あまりにも手間取るようであったら、「捨て問」にするということも「戦術」のひとつとして考慮すること。

<時間配分目安:3分半>

[大問3]

  • 時間配分:

江戸時代後期の随筆集。全14巻で1001項目を収録。「文学」「芸能」「言語」「古学」「漢学」など、多方面にわたっての考証・論評が行われており、国学者・本居宣長を知る上で好適な資料となっている。
本文では、「学問をする人」どうしで「本の貸し借り」は大いにすべきなのだが、なぜか「本」は他のものとは違って、読み終わった後に返さない人が多いと嘆いている。「古文の基礎」から「内容解釈」、「文学史」まで多彩な設問が並ぶ。
以下、いくつか検討してみよう。

[問1] 「読みの記述」。
波線部「にはかに」の読みを「現代仮名遣い」で答える。
「古文」の基礎中の基礎だ。即座に「にわかに」と答えられて当然だ。
「基礎的事項」は「古典常識」も含めて、完全に習得しておくこと。

<時間配分目安:30秒>

[問2] 「条件付き換言説明記述」(「5字以内」指定)。
傍線部①「同じ志」について、「どのような志か」を答える。
「条件」は、「文中の言葉」を用いて「(5字以内)志」という形で答えること。
「傍線部(空所部)一文一部の法則」で確認すると、直後に「同じ志ならむ人には(=同じ志であるような人には)」、さらに、一文の最後には「物学ぶ人のあるまじきことなり(=学問をする人にはあってはならないことだ)」とある。
ということは、「答え」は「物学ぶ(志)」になる。結局は「抜き出し」だったということ。
「古文」であっても、「現代文」と同様の「解法」で考えていくこと。

<時間配分目安:1分以内>

[問3] 「内容解釈の選択肢」(5択)。
傍線部②「かたみにやすく貸して」について、「解釈」を答える。
要は「古文単語」の知識問題だ。
「かたみに」=「互いに」という意味の「副詞」、
「やすく」=「心穏やかに」「気軽に」といった意味の「形容詞『やすし』」の連用形。
共に重要単語だ。「答え」は選択肢(オ)の「お互いに遠慮することなく貸して」となる。
「古文重要単語」は必ず習得しておくこと。

<時間配分目安:1分>

[問7] 「文学史の選択肢」(5択)。
「総合的知識問題」。本文である「玉勝間」と「同じジャンルの作品」を答える。
「玉勝間」が江戸時代成立の「随筆」であることは誰でも知っているはずだ。
各選択肢を確認する。
(ア)「宇治拾遺物語」=鎌倉時代成立の「説話集」、
(イ)「源氏物語」=平安時代成立の「物語」、
(ウ)「今昔物語集」=平安時代成立の「説話集」、
(エ)「枕草子」=平安時代成立の「随筆」、
(オ)「紫式部日記」=平安時代成立の「日記」。
当然、「答え」は(エ)だ。
「文学史」は頻出、しっかりと習得しておくこと。

<時間配分目安:30秒>

攻略ポイント

●本校の特徴である紛らわしい「選択肢設問」。どう攻略するか?
要は、できるだけ単純な方法で「選択肢」を「消去」しておくということ。
そのために有効なのが「原意消去」。どれほど「紛らわしい選択肢」でも、絞り込むほど誤答の可能性が減少するのは自明の理だ。
本校の「合格ライン」は6割程度(本年度の「合格者平均」は62.2%)。だからこそ、「選択肢設問」での「失点」を防ぎ、「得点力」を安定させたい。

●分かっていながら得点につながらない「説明記述」。
うまくまとめるのは至難の業だ。どうするか?愚直に「記述」の「練習」を続けるのみ。
正否の分かれ目となる「最重要要素」を「文末」として他の「必要要素」を積み上げていくという手法を完璧にマスターすること。
そして、「内容」から優先順位を特定して記述していく練習を徹底的にすることが必要だ。

●「総合的知識問題」も決して侮れない。
「高度な語彙力」だけではなく「あらゆる知識」が問われる。学校や塾での学習だけでは全く不十分。独自に「幅広い知識」を常に習得していくことが重要だ。

●「古文」の「攻略法」は?
重要な「古文重要単語」の定着はもちろんだが、「内容解釈」も求められるので「基礎的文語文法」は押さえたい。
また、「古典常識」にもなじんでおくこと。

●試験時間は50分。時間配分にも細心の注意をすること。
問題文は「現代文」で5000字程度(本年度は増加して約5700字)。速く正確に読み取ることが求められる。分速700字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

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