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法政大学中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「法政大学中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題の構成

大問2つに文学的文章と説明的文章が割り当てられる形式が続いている。漢字やことばの知識も合わせて出題される。
素材文の文量は例年9000字ほどだったが、2025年度では約13000字と大きく増えた今後の傾向に注意しておかれたい。総解答数は35~40問ほどとなっている。
設問は選択肢・書き抜きを中心に、記述問題も4~5問出題されている。記述は40~50字、あるいは字数指定のないものがある。

文学的文章の読解

小説や随筆文が用いられている。4000~5000字ほどだが、内容は小学6年生にも読みやすいものが多い。
記述問題は人物の心情やその理由を問うものが多い。文中の手掛かりをもとにまとめられる場合が多いので、読解がしっかりできていれば困らないだろう。
文学的文章の読解のポイントをつかんでおこう。

人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

説明的文章の読解

人文科学・社会科学分野の文章が多い。字数は4000~5000字程度。その分野の専門的な話が多いので、自分が知らない分野だと難しく感じるかもしれない。
論理的文章の読解なので、理由や原因を訊かれることが多い。記述問題も同様なので、傍線部の内容について理由・原因を探しながら読むようにしよう。
説明的文章の読解のこつをつかんでおこう。

段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。

要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。

要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。

ことばの知識

問題数はわずかだが、表現技法や文のつくり・品詞などの問題も出されている。説明的文章の読解では接続詞の問題が毎回見られる。漢字と合わせて一通りは頭に入れておこう。

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2025年度「法政大学中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数42問で、40字の記述問題が計2問出されている。素材文は約13000字と前年より大幅に増え、今後の傾向かもしれないので注意が必要である。
記述問題以外はそれほど時間を取られないので、読むスピードに注意して他の問題を手早くこなし記述問題に十分時間を残して、しっかり得点したい

【大問一】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

母を亡くし失意に打ちひしがれる主人公は、書店で一人の少女と出会い、お薦めの本を教えてもらうようになる。彼女が料理本を薦めたことで、主人公は家族のために料理をしてみようと決意すると同時に、少女が若い頃の母親だったことに気づくが、次の瞬間には少女の姿は消えてしまっていた。

問一 「前はどうやって時間を過ごしていたのだったか、もう思い出せなかった」のだが、「本屋」を目にしたとき「自分は本が好きで、よく本屋に行った」という「前」のことを思い出している。この「前」は、母親が生きていた頃という意味である。

問二 本屋に入ってみたものの、母親のことを思い出して涙で視界が滲んでしまい、本を見つくろったり読んでみようと思ったりできなくなってしまった。

問三 
 A. 「ふと」顔を上げると……。
 B. (目が合うのが恥ずかしくて)「またすぐに視線をおとす」。
 C. はずかしい、「それなのに」気になってまた見てしまう。
 D. 彼女は「最後に」一度振り返ってから、その場を離れた。

問四 ……疑問が浮かんだ→妹がいることを話したっけ→話していない、と瞬時に思う→妹に限らず、家族のことは話していなかった→だって家族の話をしたら、母さんのことを話さなければならなくなってしまう…という流れである。

問五 彼女はこの辺の人の顔をしている、つまり「母さんとどことなく似ている(十三字)」のだ。

問六 
 Ⅰ. 「肯定的な気持ち」であるから、「たのしい」。
 Ⅱ. 「身を縮めたくなるような感情」であるから、「はずかしい」。

問七 親しげに話しているところを見られたら、上別府にあらぬことを詮索されそうな気がしたので、わざとつれない態度をとった。

問八 彼女に料理の本を薦められたときに、家に母親が使っていた料理本があることを思い出し、彼女の薦めに応えて「家族のために料理を作ってみよう」と考えている。

問九 あ. 背格好  い. おかあちゃん  う. 太一  え. 制服

問十 a. 毎晩  b. 翌週  c. はぶ(い)  d. くちょう 

〔ワンポイント!――素材文が長く、時間が足りないと記述問題を諦めがちになるが、配点が大きいので何も書かないのは損である。部分点だけは狙えるように、記述の時間を確保できるよう、スピードを意識して過去問を練習しよう。〕 

                                   <時間配分目安:25分>

【大問二】論説文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

ヒトにとって音楽は、外界認知の物差しとしてうまく働いた時は快を感じさせ、ヒトを有利にし、150人規模の個体同士のつながりを維持するものである、と筆者は述べている。

問一 多くの霊長類では群れの中の個体同士のつながりは主に毛づくろいで維持されている。ヒトにとってその毛づくろいに代わるモノが音楽なのである→選択肢ア。

問二 獲物がいる場所・獲物が前を通り過ぎるタイミングを把握し予測する→空間・時間についてある〝単位〟の何倍かを分析して割り出す(ア)→その〝単位〟を想定し何倍かを分析する過程がリズムである(ウ)→時間のリズムの場合は次のように想像してみる(エ)→車が行き交う信号のない道路を、向こう側へ横断しようとしている(イ)→そんなとき、頭でリズムを刻みながら飛び出すタイミングを決めている……というつながりである。

問三 あ. 一貫性  い. 自分  う. 有利  え. 美しさ

問四 A. イ  B. ア  C. イ  D. ア

問五 ヒトは対象把握に際して、リズム・対称性・バランス・秩序などを時間的・空間的な「物差し」として用い、成功した場合に美しさと快を感じるようにプログラムされているのである。

問六 前段落・前々段落に書かれていることをまとめる。端的には「対象の中にリズムを見出したとき快を感じる」という特性があるということである。「リズム」は「対称性・バランス・秩序」とも言い替えられるので、これらを使ってもよいだろう。

問七 問一を参照。

問八 (1) エ  (2) イ  (3) ア  (4) ウ

問九 
 Ⅰ. リズムは時間・空間を把握するときの単位であるが、対象自体がリズムを持っている場合には、「なおさら」把握しやすい。
 Ⅱ. 対象の背後に把握を助ける原理・総則を見出したとき、ヒトは美しいと感じ快を感じる。「たとえば」アインシュタインの世界一美しい数式と言われるE=mc²である。
 Ⅲ. ここまで話した上で、「改めて」、先の質問に向き合ってみたい。
 Ⅳ. どれほど正確かはわからないが、「少なくとも」音がない時よりは推察が可能になる。

問十 a. こころよ(さ)  b. 刻(み)  c. 組織  d. さかて

〔ワンポイント!――漢字が各大問の最後に配置されるので、まず漢字から片づける。同音異語で迷ったら、読みながら確認しよう。〕

                                   <時間配分目安:25分>

攻略のポイント

読解がしっかりできていれば答えられる。実力が素直に測られる試験である。
文量は多めなので速読は得意になっておくべき。選択肢や書き抜きの問題を素早く済ませ、配点の高い記述問題をしっかり書いて得点を積み増ししたい
字数指定の無い記述は書き過ぎないように注意。だいたいの行数を数えて計算できるので過去問で練習しておこう。
数問あることばの知識も地味に得点差がつく部分なので、文法も一通りでよいので頭に入れておくこと。

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