不登校がきっかけで田舎で暮らすことになった主人公。自分はひとりぼっちだと感じていたが、周囲の人たちから見守られていたことに気づく。

問一　学校には通っていないが、学校帰りに遊びに寄ってくれている友達が夏休みになったら来てくれなくなるかもしれないと考えると、夏休みが自分に関係ないとは言えなくなってしまう。

問二 　Ａ.　「そのことはヨシエから聞かされて知っている」の「そのこと」は正治が言っ
　　ている「昔は学校へ行けるだけでもありがたかった」といった内容と同じであると考え
　　られる。
　　　Ｂ.　Ａを受けて、たしかに今は恵まれていると理屈では理解している。
　　　Ｃ.　Ｂを受けて、でも悩みだってある、と反論している。
　　　Ｄ.　さらに事情の違いも付け加えている。

問三　急に話に割り込んできたので、「面」食らった(不意のことで慌てた)。

問四　美由紀がアレルギーの話で伝えたいのは、アレルギーは現代社会の問題で個人の力ではどうしようもないことなので、昔を引き合いに出してくらべるのは無理がある、と言うことである。これを主人公の場合に当てはめて、いじめや不登校の問題は個人では解決が難しい現代の問題なのに、昔と比べて諭されても主人公が気の毒だ、などとまとめればよいだろう。

問五　「自分がこんなことを言うのはえらそうに聞こえるかもしれないが、正治を見直す気持ちになった」と、はるかに年長である人に対する自分の上から目線を自分でも「えらそう」と感じたのであろう。

問六　アレルギーの話にすり替えて自分の偏狭なものの見方を指摘してくれた美由紀の機転をほめる意味を含めた、正治の「ずない」だったのである。

問七　相手の言うことはもっともだが完全に納得はしていない、という含みがある返事の仕方である。少し後の「誰かから『恵まれている』と、～それでもつらかった。」の部分が、抜き出せる。

問八　「だれだってつらいことはある」と正治は言いたいようである。そのことを方言で「てっくりけえっちまうこと」と表現している。「てっくりかえる」は北海道地方の方言で「転ぶ・転倒する」といった意味で、「人生でつまずくこと」といった意味で使っているのだろう。

問九　ア. ひとりぼっち　　イ. わかってくれない　　ウ. 自分　　エ. 視線

問十　a. ちぢ(んで)　　b. こんなん　　c. せ(め)　　d. しまつ

目が見える人は視覚の特性や文化的なイメージにより対象を平面化する傾向があるが、目が見えない人は物事のあり方を俯瞰的・抽象的に三次元的に理解している、と説明している。

問一　「その理由は、言うまでもなく…」以降に、絵本・イラスト・絵画などで示されてきた文化的なイメージの影響だと述べられている→選択肢ア。

問二　過去に見てきたイラストや絵画での月の描かれ方と同じイメージで、現実の月を平面のように見てしまうのである。

問三　目が見えない人でも、色がどんな物体の属性に関係し、人が色からどんな意味を受け取るかなどを理解できる、とある→選択肢エが合う。

問四　具体的なものと結びつけて色の概念を理解しているので、それが「混ざる」という視覚によるイメージがわかないのだと考えられる。

問五　視覚には三次元を二次元化するという大きな特徴があることに加えて、絵画などで文化的に見せられてきたイメージの影響を受けてしまうのである。

問六　少し後で、それは「俯瞰的で抽象的なとらえ方」であり、見えない人特有の「三次元的な理解」なのだと再び言及している。

問七　Ⅰ.　視点とは自分がいる場所である。もちろん、「実際にその場に立っている必要」はなく、写真や絵でもよい。
　　　Ⅱ.　「たとえば」同じ部屋でも、視点が異なれば見えてくる風景も違う。
　　　Ⅲ.　空間をそれが実際にそうであるとおりに三次元的にはとらえられない。「それは自分の視点から見た空間でしかない」のである。

問八　(あ)　見ようとすると、必ず見えない場所＝死角が生まれてしまう。つまり、「見えない」人には死角ができようがないのである。
　　　(い)　「見える」人には死角ができてしまう。
　　　(う)　「見えない」からこそ、想像が働く。
　　　(え)と(お)　「見えない」もの(死角)についてよく考えているのは、「見える」人の方なのである.

問九　Ａ.　まんまるで盆のような月、「つまり」厚みのない円形。
　　　Ｂ.　絵本やさまざまなイラスト、「あるいは」浮世絵や絵画。
　　　Ｃ.　その色をしているものの集合を覚えることで、色の概念を獲得する。「たとえば」赤はりんご・いちごなど。
　　　Ｄ.　目が見える人なら混色を知っている。「ところが」全盲の人にとっては納得できない。

問十　a. 提供　　b. 一役　　c. 模型　　d. 定義