法政大学中学校 入試対策
2025年度「法政大学中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇[問題構成]
大問3つに、地理・歴史・政治経済の各分野が割り当てられる形式が続いている。問題数は地理・歴史が各12~15問ほど、政治経済が5問ほどと地理・歴史が多めの配分になっている。設問は記号選択・適語記入を中心に、各分野で計4~6問の記述問題が出されている。地図や統計・グラフなどの資料もよく用いられている。
〇[地理分野]
地図や統計などの資料が示され、それをもとに日本各地の地形・地名や産業・貿易、気候などについて訊かれている。この分野の記述問題は、示された資料から読み取れることをもとに考えさせるものが多い。観光客増加の良い点・悪い点(2025年度)や貿易品目から地域を特定し根拠を説明する(2024年度)などの出題があった。いずれも統計やグラフなどの資料を読み取って答える問題になっている。
各種資料の多用と記述問題の特徴を考慮して、資料の読み取りに習熟しておくことが重要であるといえよう。単に数字を暗記するだけでなく、そうなる理由やその後の影響なども考えるようにしよう。
〇[歴史分野]
リード文や資料文を読んで、下線部や関連する事項について答えていく形である。満州移住者をめぐる問題(2025年度)や墾田永年私財法が社会与えた影響(2024年度)など、ある一定の範囲の時代について訊く問題が多くなっている。出来事・人物などについての質問が多い。ここ数年は文化についてや、時代順の並べかえなどの問題は出されていない。
この分野の記述問題も、示された資料をもとに考えられることを説明するようになっている。自分が覚えた事柄についてその仕組みや原因などを1~2行で説明できるくらいの知識は持っておこう。
〇[政治経済分野]
一般的な日本国憲法や政治の仕組みについての問題はここ数年出されていない。地方自治が「民主主義の学校」といわれる理由(2025年度)や政府が消費税増税を考える理由とその問題点(2024年度)など、国際社会や現代社会での問題点などを中心に訊かれる場合が多いようである。だからといって憲法や政治のしくみを無視するわけにはいかない。あくまで社会科学習の基本として、覚えておく必要はある。そのうえで、本校の試験の特徴を踏まえて、現代社会・国際関係について、特に近年起こった重要な出来事については時事問題集・重大ニュース集などで詳しくなっておかなければならない。
ここでも資料を読み取って答える記述問題が出されているので、地理・歴史分野ともども、「資料から考える」練習を積んでおこう。
〇[まとめ]
問題の難易度としては基本事項の問題が多いので、テキストの丁寧な学習がまず第一である。合格者平均点も7割5分~8割近くにもなり、高止まりの傾向である。基本事項の問題には確実に答えていくこと、さらに記述問題で得点を積み増すことで、合格点到達を狙いたい。
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2025年度「法政大学中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数29問で、地理分野9問・歴史分11問・政治経済分野9問という内訳になっている。1~3行ほどの記述問題が計6問出題されている。問題量はさほど多くはないが、資料が多いので読み取りに手間取らないよう、手早く見られるように練習しておこう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
中国・四国地方を中心とした問題。
(1) イ. 岡山市は瀬戸内気候に属し、温暖少雨という特徴がある。
(2) 線状降水帯
(3) 石油化学コンビナート
(4) 岡山県と香川県を結ぶルートは瀬戸大橋。
(5) ウ
(6) 徳島のかつての国名「阿波」から名付けられた「阿波踊り」。
(7) 四万十川は洪水が多い川なので、欄干に流木などが詰まり、流れがさえぎられてさらに水があふれたり橋が破壊されたりすることを防ぐため、簡素な構造になっている。
(8)
① カルスト(地形)
②
メリット: (例) 観光客が消費を行うことで地方経済が活性化する・雇用が創出される……など。
デメリット: (例) 観光客が集中すると騒音やゴミのポイ捨て・交通渋滞など、地域住民の生活に影響が出る・宿泊費や飲食代などの物価が上昇する……など。
〔ワンポイント!――ある範囲についての詳しい問題が出されることがある。自分の不得意な部分が出されたら大量失点にもつながりかねないので、抜けが無いように丁寧に学習しておきたい。〕
<時間配分目安:11分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
満州を題材とした問題。
(1) A. 関東(軍) B. 柳条湖 C. 満州国
(2) 1919年5月4日の学生の抗議集会がきっかけとなったので、「五・四運動」と呼ばれる。
(3)
① まゆ
② 1929年にアメリカから発生した世界恐慌で不況となり、アメリカへの生糸の輸出が大きく減った。
(4) 地図中に「信濃」という長野県の旧国名である地名がみられる。長野県では養蚕が盛んであり、生糸の輸出が減ったことで大きな打撃を受け、政府の推奨もあり満州へ移住する人が多かったのである。
(5)
① リットン調査団
②
ア. 国際連盟から脱退は世論に支持された。
ウ. 日本の行為は侵略であるとして、満州からの撤退が勧告された。
(6)
(例)
・日本軍が撤退したことにより取り残された人々、特に残留孤児と呼ばれる子どもたちが大勢いた。
・ソ連の南下により、捕虜になったり殺されたりする日本人がいた……など。
〔ワンポイント!――特別な難問ではないが、やや細かい知識も訊かれている。歴史分野についても、教科書レベルのことを幅広く、穴が無いように覚えておこう。〕
<時間配分目安:13分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
地方公共団体についての問題。
(1) ウ
(2) A. ア B. イ C. エ
(3) イ
(4) 辺野古
(5) ① イ ② オ
(6) 国政との違いに着目する。まず、議員だけでなく県知事・市長などの首長も住民の直接選挙で選ばれる点が挙げられる。また、署名や住民投票などの手段で、首長や議員をリコールしたり条例の制定や撤廃を求めたりなど、直接請求権が認められている。総じて、住民の政治参加の度合いが強く、政治を自らの問題として考え、民主主義を学ぶ場にもなっていることから学校に例えられるのである。
〔ワンポイント!――知識があれば答えられる記述問題であるが、あいまいな知識では得点が上がらない問題でもある。新聞記事で言えば、見出し・リード文だけでなく本文にも目を通し理解しておく……といった、その事項について簡単に説明できるくらいの知識を蓄えておきたい。〕
<時間配分目安:11分>
攻略のポイント
統計・グラフの読み取りに習熟しておくこと。地理分野で特に多く使われる各種資料を素早く正確に読めれば有利である。内容はある1範囲について訊くパターンが多いので、どの範囲・項目を出されても困らないように、抜けが無いように学習しておこう。
記述問題でも資料やデータが用いられるが、そこから読み取れることを素直に答えればよい問題なので、構えずに取り組んでもらいたい。字数もそれほど多くないので、負担に感じる必要はない。
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