城北中学校 入試対策
2025年度「城北中学校の国語」
攻略のための学習方法
〇出題傾向と特色
例年は文学的文章・説明的文章の読解に語句や漢字というオーソドックスな構成であったが、2017年度から大きく傾向が変わった。小説の読解1題(ことばの知識を含む)に漢字の書き取りだけと、かなりの変わりようである。説明的文章は出されていない。素材文の文量は10000字ほどにもなり、2025年度では記号選択が7問・書き抜きが1問・35~70字の記述が5問と、記述重視の傾向が続いている。来年度も記述中心の構成なのか、文学的文章だけなのか、あるいは以前の傾向に戻るのか、さまざまに考えられる。学校説明会などには積極的に参加して、情報収集を怠りなく行いたい。
傾向は変わったが、全体の難易度は変えていないと思われる。傾向が変わって8年目になり、過去問での練習もしやすくなったので、経験を積んでおきたい。
〇長文読解
素材文は文学的文章・説明的文章のどちらが使われるか、あるいは両方出されるのか、いろいろな可能性を考えてどちらにも対応できるようにしておかなければならない。まずはそれぞれの読解の基本的な技術を磨こう。文学的文章であれば登場人物の整理・時間や場所や人物の入退場による場面分け、人物の心情や描かれているテーマの把握など。説明的文章であれば、形式段落と意味段落の整理、段落ごとの要点と細部、要旨と全体の要約など。出題傾向は変わったが、素材文自体の難易度などは過去問と変わらないと思われるので、過去問で経験を積むことはもちろん有効である。
〇記述対策
文学的文章では、人物の心情や行動の理由などを聞かれる場合が多い。類似問題をこなすのはもちろんだが普段の読書においても常に意識して、いまこの人物はどういう気持ちなのか・なぜこんな表情になりこんな行動をとったのかなど、考えながら読むようにしたい。
説明的文章であれば、要点・要約が答えあるいは手がかりになる場合が多いので、読んだ部分を短くまとめるような練習が役に立つだろう。そしてそれらを50~100字程度で文章に破綻がないようまとめる練習を積もう。だいたい一つの事柄・内容は20~25字くらいでまとめられることが多いので、70字であれば2~3の内容を使って解答を組み上げれば良いということになる。
城北中の過去問で練習に加えて、記述問題中心の普連土学園中や、難易度は高くなるが海城中や豊島岡女子学園中などは、文章量の多さなどの面でも練習台になるだろう。
傾向の近い他校の過去問などもうまく利用して、記述問題に慣れておかれたい。
〇漢字・言語事項
言葉の知識も出されている。漢字と合わせて、標準レベルの教材でよいので、丁寧に学習しておこう。
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2025年度「城北中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は小説で文量は9500字ほど。解答数は読解問題が12問、そのうち記号選択が7問・書き抜きが1問・35~70字の記述問題が5問となっており、これに漢字10問が加わる。素材文は15~17分程度で読み終え、記述問題に時間を残したい。
【大問一】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:46分
- ★必答問題
高校のバレーボール部に所属する主人公は怪我の影響で調子が出ず、他のメンバーにレギュラーの座を奪われそうになっている。そんな時、先輩や仲間と話したことで、怪我のせいだけではなく、自分の部活や仲間に対する意識に問題があったのではないかと気づかされる。
問1
a. 一部始終――物事の最初から最後まで。
b. 楽観的――物事を良いほうに気楽に考えること。
c. 堂々巡り――考えや話し合いが同じところで繰り返され、前に進まないこと。
問2 先生に言っても出してもらえるかわからず、無駄だと主人公は考えている。またそのような提案をしてきた梅太郎を小馬鹿にしたようなニュアンスも感じられる。主人公は2年ながら試合によく出されていたことでうぬぼれており、他のメンバーを見下していることを読み取り、以下の問題でもその点を考慮に入れる。
問3 梅太郎が言いたいのは主人公がバレーボールに対して真摯に努力していないということである。もっと必死になって向かっていく意欲を持てと、仲間として鋭い視線を主人公に向けたのだと読み取れる。
問4 今のままではかつて主人公より実力が下だった北村が試合に呼ばれることになるという梅太郎の指摘に悔しさを感じ「なにか言おうと思った」が、的を射た意見なので反論できずにいる。
問5 部活を離れて久しぶりに会った後輩たちが自分を慕ってくれているのを感じ、恥ずかしくも嬉しかった。
問6 高校で初めて試合に出たときの必死さをいまでも変わらず持っているはずだと思っていたが、その記憶は色褪せて手触りを失い、リアルな感覚が消えてしまっていることに気づき、「違和感」を覚えた。
問7 実践的なメニューの練習でかつてはお荷物扱いだった北村がチームの中心で役割を果たしている。一方自分は怪我のせいで調子を崩した先輩として下級生から気を遣われている。そんな情けない状況から逃げ出して一人になりたかったのである。
問8 かつて見下していた北村が試合に出て活躍している現状に主人公は妬みを覚えており、協力したくない気持ちになっている。
問9 主人公が北村にした「なんで高校でもバレーを続けたの?」という質問には、中学でレギュラーに入れず1試合も出場しなかった(と主人公は思っている)北村が、高校でバレーを続けて楽しいのか、という見下した失礼な意味が込められている。こんな質問をしたのは、柿間先輩の「バレー部に入ってて本当よかった(十五字)」という言葉が頭にあったからだと考えられる。
問10 中学の最後の試合に北村が出たことを主人公は覚えていなかった。また、問9の質問も実は二回目であったことも語られている。そんな主人公の、自分を軽く見る態度を悲しく思い、怒りも感じて後の「あんまり俺のこと、舐めないでほしい」という言葉につながるのである。
問11 北村の直接的な言葉に主人公は衝撃を受けている。自分の思いあがった、他人を見下した態度に気づかされたのだろう。同時に無心でバレーに向き合っていたころの自分も思い出したはずである。今後は、以前の気持ちを取り戻し、必死にバレーボールに向き合って、仲間を尊重しながら練習に打ち込んでいくのだろうと予想される。
〔ワンポイント!――文学的文章の記述中心の問題である。素材文は10000字ほどあり、集中を切らさず読む持久力が求められる。人物の感情とその理由が記述の中心となるので、文中の手がかりを使って説明する形になる。類似問題でまとめ方など練習しておこう。〕
<時間配分目安:46分>
【大問二】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
1. 警笛 2. 漁夫(漁父) 3. 宣告 4. 温存 5. 風紀 6. 謝礼 7. 犯罪 8. 張(って) 9. 責(めて) 10. 易(しい)
<時間配分目安:4分>
攻略のポイント
新たに記述対策が必要になった点は負担に感じるかも知れない。だが、同じく記述問題が多く出される、いわゆる最難関校ほど難しくはない。傾向が変わって6年目だが、難易度自体は以前と変わらないものと思われる。
来年度も同じ傾向が続くものと仮定して、同程度の字数の記述問題を多くこなしておこう。過去問が不足するが、同じように記述問題の多い普連土学園中など、他校の過去問も利用して経験を積んでおきたい。
たとえ設問の形がどうであれ、読解力を磨くことが第一であることは言うまでもないだろう。
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