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城北中学校 理科入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「城北中学校の理科」攻略のための学習方法

物理分野では力学、化学分野では気体の発生、地学分野では天体が出題されたが、これらは前年の第1回入試でも扱われており(本年度記事は第2回を使用)、年や回を跨いで出題の範囲に共通点が見られる。城北中の入試には問題集に掲載されている標準的な設問が多数見られるが、このような問題である程度の難度を担保しようと思うと、各分野での出題範囲に偏りが見られるのは致し方無いとも言える。満遍なく学習しておくのは当然であるが、その中でも特に力学、化学反応、天体に関してはほぼ毎年出題されるものとして意識しておくのが良い。

問題の提示スタイルに若干の癖があるものの、出題内容がごく標準的であることから、入試対策演習には比較的早い時期から着手できる。したがって、城北中の志望者は基礎〜標準問題の総復習が終わる夏休み後に、定着度を測定する意味でも一度過去問を解いてみることをお薦めしたい。まだ歯が立たない問題があるようなら、その範囲の基礎力が不十分である可能性が高いので、手持ちの問題集での復習を学習スケジュールに組み込んでおこう。

城北中を併願校として考え、より難度の高い学校の入試に挑むのであれば、対策の優先度は低くても差し支えない。第一志望の学習が進めば、自然と答えられるだけの力が身についているはずである。逆に、実践的な要素を加えた標準問題演習の材料として、城北中の入試問題を用いていくのも1つの考え方である。城北中を第一志望として考える場合でも、問題集における標準レベルの演習の積み重ねがそのまま対策につながるので、本番までに何度も過去問を反復させなければという焦りは不要である。上述の通り、夏休みが終わった頃に一度解いておく価値はあるが、以降は重要単元・苦手単元の演習を通じて標準的な解法への習熟に努めた方が良い。基礎的な力が身についていれば、過去問演習自体は12月から着手しても十分に間に合うはずである。

ただし、標準的な設問が多いからといって、入試そのものの難度が低くなるわけではないので、誤解してはならない。要求の高度な問題が少ないということは、基礎〜標準レベルの知識や思考処理の精度で差がつくということである。基礎的な設問であっても、100%の精度で答えるのは想像以上に難しい。まず、手持ちの問題集の標準問題までは全て正解できるようにする心積もりで学習に取り組むこと。時間に余裕が無ければ、過度に難しい発展問題などには取り組まなくても良い。その上で、試験本番では9割の得点を稼ぐくらいの意気込みで頑張って欲しい。

 

以下、各分野の学習において特に注力すべき点を挙げておく。

 

物理分野

力学の出題が多く、特に力の働く向きを意識する必要がある問題が出される傾向にある。つり合いの演習では個々の設問パターンごとに解法がインプットされ、その背景にある力の働き方にまで意識が及んでいない学習者が多い。どの部分にどの方向への力がかかっているか、図に矢印を書き込みながら学習を進めること。電気分野では回路の全体あるいは局所に流れる電流の大きさが確実に計算できるようにしておく必要がある。つながり方が複雑な回路は目にする機会が相対的に少ないため、出てきた都度、回路図と考え方のポイントをまとめておくと良い。

 

化学分野

基本的には気体の発生や中和における反応物と生成物の量的関係を考える計算問題が主体である。どの問題集でも必要な考え方や解法はひと通り網羅されているので、まずそれらを確実に押さえた上で、中堅〜上位校の入試問題などを通じて応用練習を行うと良い。また、難しくはないが、化学反応のテーマに付随して関連する物質の性質を問う知識問題も出題される。主要な物質が関わる反応や、水に溶かした場合の液性などは漏れなく押さえておくこと。

 

生物分野

概ね1つのテーマを軸に大問が設計されているが、関連する周辺知識を幅広い領域から出題してくる傾向が見られる。極度に細かい事項まで頭に入れておく必要は無いが、標準レベルの知識までは網羅しておかなければ、思わぬ失点につながりかねない。一方、主テーマについては、時に計算も伴う思考問題の出題が中心だが、難度はそこまで高くないので、問題文をよく読んで考えれば正解にはたどり着けるはずである。この手の問題に苦手意識があるようであれば、最初は間違えても構わないので、時間をかけて熟考し、思考過程を明確にして答えを導く習慣づけから始めよう。

 

地学分野

天体分野からの出題が優勢である。特に天体の動きについて、幾何的な視点から現象を理解させたりシミュレーションさせたりする問題が多いので、自ら描いた図に基いて答えを考える技術の習得が必須である。他の分野でも、知識問題よりは考察・計算問題が主体となる可能性が高い。湿度に関する計算、天気図の読み取り、柱状図の推定、地層形成の順序の特定などは、出題頻度は高くないものの、苦手とする受験生が多い。最低限、問題集に載っているような解法については理解し、定着させておこう。

2019年度「城北中学校の理科」特徴と時間配分と攻略ポイント

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】物理分野:電流と回路 標準 7分
【大問2】物理分野:摩擦とモーメント 標準 8分
【大問3】化学分野:気体の発生 やや難 10分
【大問4】生物分野:標識再捕法 標準 7分
【大問5】地学分野:地球の公転 標準 8分

特徴と時間配分

40分の試験時間に対して解答箇所数は31個である。前年から微増したものの、1つに平均1分以上の時間が割けると考えると、慌てて解く必要はない。単純な知識問題やグラフを描く問題のように、考える時間を要さず答えられる設問も少なくないので、計算問題や思考問題に時間をかけ、しっかりと取り組みたい。化学の計算問題に習熟していれば、時間的にはかなり余裕が生じるはずである。

【大問1】物理分野:電流と回路

写実的な絵で回路が与えられている場合、それを回路図に描き直すことができるかどうかが重要である。最も分かりにくい図が最初に提示され、比較的容易に捉えられる回路が後の方に配置されているというややトリッキーな構成になっている。図2で悩み込まず、図3図4を先に処理してしまう心の余裕が大事。

 

図2

電流計②を通った電流が3つに分岐し、一番左の電球の手前で合流するという並列回路になっている。3本の導線のうち、2本には電球がつながっているが、下の1本には電球がつながっていない。このような場合、電流は電球がつながっている上2本の導線には流れず、すべて下端の導線を通ることになる。したがって、構図としては1つの乾電池に1つの電球がつながっているのと同じであるから、電流計①は0mAを示す一方、電流計②は図1と同じく60mAを示す。

図3

並列につながれた乾電池3個と、並列につながれた電球2個の組み合わせである。乾電池の並列つなぎは回路全体に流れる電流の大きさに影響しない。一方、電球の並列つなぎはそれぞれの電球に流れる電流の大きさに影響しない。よって、2つの電球には共に60mAの電流が流れ、電流計③はその合計である120mAを示すことになる。

図4

電球2個を直列につないだ導線を2本並列につなぎ、乾電池2個を直列につないだ回路。この時、電球2個が直列につながれた導線1本に流れる電流の大きさは、電球を並列につながない場合、すなわち電球2個の直列つなぎと乾電池2個の直列つなぎを組み合わせた回路と同じであるから、電球1個と乾電池1個をつないだ場合と変わらず60mAである。したがって、電流計④は2本分を合計した120mAを示すことになる。

【大問2】物理分野:摩擦とモーメント

どうしてそのような結果になるのかはともかく、比例・反比例の関係が理解できていれば問3までは簡単に答えられる。問4で正解できるかどうかがポイント。

 

問3

反比例のグラフを書かなければならない点に注意。プロットした4つの点を直線でつながず、4点を通る曲線を描くこと。「『必要なときは』定規を使いなさい」と親切に書かれている。

問4

(1) 表1の結果から、重たい物ほど動かすのに必要な力が大きくなることが分かる。これは、質量が大きければ大きいほど、地面との間に働く摩擦力が大きくなるからである。よって、2人が力の釣り合いを保ったまま綱を引く力を強めていくと、どこかで次郎君は動くが太郎君は動かせない力の大きさに達すると予想される。

(2) 表2は板の右端を支点として板を回転させる力を表しており、支点からの距離が長いほど小さい力で回転するというモーメントの考え方が適用される。これを綱引きに適用すると、地面から高い位置に構えた綱を引かれた際には小さい力で前につんのめってしまうことを意味する。よって、同じ力で綱を引き合うのであれば、より低い姿勢で引く方が倒れにくく、有利である。

(3) (1)(2)で考えた通り、綱引きでは体重が重く、低い姿勢の方が有利である。

【大問3】化学分野:気体の発生

頻出の亜鉛と塩酸の問題であるが、本年度は過不足なく反応する亜鉛と塩酸の比率を計算で求めなければならない点で、やや難しい。しかし、この程度は定番の範疇であり、十分に練習できていれば何の問題もない。

 

問2 亜鉛1gに対する水素の発生量が360cm3で止まっている点に注目。そこまでは塩酸が不足、すなわち塩酸の量に比例して水素の発生量も増えるので、10:160=□:360の比例式を解けば良い。

 

問3 設問に「『新たに発生する』気体」と書かれていることに注意。1gの亜鉛を溶かした後に残っている塩酸の重さを考えても良いが、最初から2gの亜鉛との反応で発生する水素の総量を求め、表の値を引く方が楽である。問2の結果から、亜鉛2gと完全に反応する塩酸の量は22.5×2=45[g]である。BDのいずれも塩酸の方が不足するため、水素の発生量は塩酸の量に比例する。したがって、発生する水素の量を求めるには、Bでは10:160=20:□、Dでは10:160=40:□の比例式をそれぞれ解けば良い。最後にBでは320cm3Dでは360cm3を引くのを忘れないように。

 

問4

(1) 2.5%の塩酸30gは5%の塩酸15gと同じである。これは亜鉛1gを溶かすのに必要な5%塩酸の量22.5gを下回るため、塩酸が不足状態にあり、発生する水素の量は塩酸の量に比例する。よって、10:160=15:□を解けば求められる。

(2) 5%の塩酸22.5gが亜鉛1gと過不足なく反応することを考えると、2.5%の塩酸30g(つまり、5%の塩酸15g)が溶かすことのできる亜鉛の量は、1:22.5=□:15で求められる。求めたいのは溶け残っている亜鉛の量なので、出て来た値を1gから引く必要があるが、ここで気をつけたいのが四捨五入のタイミングである。上記の比例式を解くと□=2/3[g]であるが、ここで四捨五入すべきではない。溶け残った亜鉛の重さを1−2/3=1/3[g]と求めておいて、1/3≒0.33[g]とすべきである。本問では2/3≒0.67とした上で1から引いても結果的に同じ答えとなるが、計算上の簡便さからも、四捨五入は最後に行うのが基本であると心得よう。

 

問5 易問ではあるが、塩酸と他の物質との反応はよく訊かれるので整理しておこう。特に金属では、金・銀・銅以外であれば塩酸に溶けて水素が発生するとざっくり覚えておくこと。中学受験ではこの程度の認識で十分である。

【大問4】生物分野:標識再捕法

テーマは標識再捕法であるが、毎回周辺的な関連知識が幅広く問われるのが特徴である。ただ、基本的なことしか訊かれておらず、標識再捕法の考え方も明示されているので、ここは全問正解を目指すべし。

 

 問3

(1) 問題文中に書かれている式に数値を当てはめていけば答えは出せるが、式の意味も一応理解しておきたい。簡単に言ってしまえば、「全体の◯%に印がついているなら、一部を捕獲した場合に印がついている個体は◯%混ざっているだろう」という推定に基づく比例式である。本問では100匹中30匹に印をつけているので、標識された個体は全体の30%を占めることになる。よって、20匹を捕獲すれば、その中にはやはり印のついた個体が30%、すなわち20×0.3=6[匹]含まれる可能性が高い。

 

(2) (1)とは逆に、24匹捕獲した中の3匹に印がついていることから、全ての個体に対しても同じ割合で標識された個体が含まれると推定する。標識された個体は全部で50匹であるから、□:50=24:3という関係を考えれば良い。

【大問5】地学分野:地球の公転

太陽の位置と見かけの動きに関する幾何的な理解が問われている。問3〜5は問題集で見かける基本問題であり、問1、2も少し考えれば難しくない。ただ、日本語の精度に難があって問題文と図との対応関係が分かりづらく、常識的な判断に基いて答えを考えた方が解きやすい。

 

問1 図1と問題文との対応が掴みにくいが、A君、B君、C君が横一線に並び、A君が紙面の裏側を向いている状況と考えれば良いだろうか。下手に図を参考にせず、文章の論理関係から答えを判断した方が分かりやすい。「止まっているC君を、 A君から見ると、止まっているように見えた」という記述から、A君は静止していると考えられる。よって、B君が左から近づいてくるように見える理由は、A君が直線上を左に動いているからではなく、B君が右向きに動いているからだと特定される。

 

問2 問1の設定と本問の図を見る限り、「止まっているもの『から』見たときの動きを観測する」のではなく、「止まっているもの『を』見たときの動きを観測する」と書くべきなのではと思うのだが……問1では止まっているC君の動きを見ることで、動いているのがAなのかBなのかが決定された。本問では、恒星XがC君の役割に対応する。

(1) 図から、地球が円軌道をとって公転すると仮定すると、天球上に恒星Xが見える位置も円軌道の動きを見せることが分かる。なお、立体を平面で図示しているため、地球や見かけ上の恒星の軌道は楕円状に描かれているが、球の切り口は正円である。見た目だけでイを選ばないように。

(2) 静止した地球から静止した恒星を観察すると、天球上に見える位置は同じ点から動かないことが図から明らかである。

(1)は地球の公転を、(2)は地球の静止をそれぞれ前提としたモデルだが、現実に起こっているのは天体の年周運動、すなわち(1)の動きである。よって、地球は円に近い軌道で公転しているのだと推定される。

 

問3 北半球の春分の日と秋分の日における太陽の南中高度が90°−(緯度)で計算されるというのは基本事項。だが、そのような計算になる理由をきちんと図上で示せるようにしておいて欲しい。夏至の日(問4)、冬至の日についても同様である。

攻略のポイント

例年よりも科学的現象の背景にある原理に迫る趣旨が強く感じられる問題設計であるが、意外性のある設問は少なく、大部分が基礎〜標準レベルの定番の問題と、簡単な思考問題で構成されている。発想や高度な推論を要求する設問が多くないため、大問1や大問3のように、標準的であるが一捻りされた問題が的確に処理できるかどうかが重要である。ただ、訊かれていることは難しくないのだが、文章や図の分かりにくさから、科学的理解とは無関係な部分で混乱を招き得る設問が存在する。無用な懐疑から設問を読み誤ったり、時間を浪費したりすることがないよう、問題文の要求と答えさえ分かれば、他の部分は理解できなくても差し支えないという割り切りも必要である。

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