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城北中学校 理科入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「城北中学校の理科」攻略のための学習方法

前年度と較べてやや難度が上がり、思考問題も出題されているが、全体的には問題集の標準レベルに掲載されているような設問が主体になっており、どこかで見覚えのある問題だと思わせるものがほとんどである。

但し、体重計に乗ってひもを引く問題などは練習機会が多いとは言えないので、学習した際、単純な暗記に留まらずに原理を理解したり、実感を通じて理解したりするなど、定着のための工夫が差をつけるポイントになり得る。全般に標準レベルの問題が多いが、それらを幅広く網羅できていないと足を掬われると心しておこう。

一方、本年度の地学では月が地球から遠ざかる現象に基づく将来予測や、月面に立って太陽を見るなど、実観測ではなく論理から結果を考察する問題も見られた。こうした問題は「知識」ではないので参考書では扱いづらく、目にするとすれば入試問題がほとんどである。問題集も過去の出題を踏まえて編集されてはいるが、取捨選択のフィルターが介在するので、意表を突くような問題は掲載されにくい。

みくに出版の『中学入学試験問題集』などで、幅広い学校の過去問を経験しておくと良い。その際、城北中を第一志望に考えるのであれば、最難関中学の入試問題にまで取り組む必要はない。いわゆる上位校〜難関校までの、標準的な問題を中心に構成された過去問演習に重点を置こう。
基礎知識の網羅には時間を割きたい。標準レベルの出題が多い問題では、ちょっとした知識の漏れやミスが大きな差を生みやすい。

問題集の完全な定着は重要であるが、1つの問題集ばかりで練習すると、知識そのものよりもテキストの構成やページ位置など、問題集に依拠する情報が記憶を再生する手掛かりになってしまい、危険である。同じ知識を様々な形式や切り口で訊かれても対応できるように、複数の問題集で演習を進めると良い。但し、標準問題までで差し支えない。

これらのことを考えると、10月〜11月までは基礎の徹底や、様々な問題集および他学の入試問題を通じた標準問題演習に時間を割いておき、11月〜12月になってから過去問演習に入るというスケジュール感で問題はない。出題の形式自体に癖がないので、問題集の演習をしっかりと行うことが、そのまま過去問への対策に繋がっていく。ただ、問題のレベルや所要時間を体感しておくために、秋口に1度過去問を扱っておくのも良い。

以下、各分野の学習において特に注力すべき点を挙げておく。

【物理分野】
難しい計算問題の練習は必要無いが、様々な設定に幅広く触れておくことが大切である。この点では知識問題だと思っても良い。また、基礎的な計算には習熟しておく必要があるが、特に電熱線を用いた発熱の問題や浮力の問題は手数が多く、受験生が苦手とする分野である。仕上がらないまま本番に至るケースも少なくないので、意識して練習しておきたい。

【化学分野】
化学反応において反応物の一方を加えていく形式の問題は頻出である。特に、反応物が過不足なく使われる時の比例関係を求めるのはあらゆる実験に共通の考え方であるから、しっかりと理解しておくこと。

また、溶質が常温で固体なのか気体なのか、溶液が酸性なのかアルカリ性なのか、発生する気体が空気より重いのか軽いのかなど、知識面でも覚えるべきことは多い。特に実験の器具や方法についての出題も見られるので、注意して参考書を読み返しておこう。

【生物分野】
知識問題が多いというイメージを持たれがちだが、比較実験の原則についての確認が盛り込まれやすい分野でもある。実験の前処理も含めて、どうしてそのような実験形式をとるのかも注意して押さえておきたい。知識面では動植物の分類が落とし穴になりやすいのでしっかりと学習しておくこと。

【地学分野】
本年度の問題に見られるように、天体では運行や見え方について図形的に把握することが重要になってくる。たとえば「満月は真夜中に南中する」というのをただ暗記するのではなく、「どうして真夜中に南中するのか」まで、自ら図を描いて説明できるようにしておくこと。地質分野では地層の形成順序など、地形形成の過程に関する問題に注意しておきたい。

2018年度「城北中学校の理科」特徴と時間配分と攻略ポイント

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】 かっ車 やや難 12分
【大問2】実験器具の使い方 標準 6分
【大問3】気体の発生 標準 6分
【大問4】植物の発芽・蒸散・光合成と呼吸 標準 8分
【大問5】日食・月食 やや難 8分

特徴と時間配分

40分の試験時間に対して小問数は29個である。前年から微増したものの、1問に平均1分以上の時間が割けると考えると、慌てて解く必要はない。寧ろ、考え方を知っているかどうかが正解・不正解に直結するような問題が多いので、解ける問題で失点しないことが肝要である。考え方や計算の再確認に時間を有効利用すること。

【大問1】 かっ車

前年に続いてかっ車が出題されたが、本年度は体重計との組み合わせになっており、難度が高くなった。「体重計の上でひもを引くと、その力の分だけ体重計の値が小さくなる」という1点を理解しているかどうかが勝負になる。

問1から順番に考えれば見当がつけられる構成になってはいるが、解法が頭に入っているかどうかが大きいだろう。

※ ばねの問題でよく出題されるが、たとえばひもやばねを10gの力で引っ張るためには、それらがどこかで10gの反対向きの力により支えられていなければならない。言い換えれば、10gの力で引くということは、同時に10gの力で引っ張られるということでもある。

問1   Aの乗っている体重計が、本来の体重よりも20kg小さい値を示していることから、20kgの力でBによって引っ張られていると考えられる。

問3   Bが20kgの力でひもを引っ張るには、Aも同じ力でひもを引いて支えなければならない。つまり、Aも同様に20kgの力でBを引き上げるため、Bの体重計が示す値も本来の体重より20kg軽くなる。

問4   問1〜3までの考え方と同様、AとBが10kgの力でひもを引っ張り合っていると考えられる。よって、Bの体重計は40−10=30[kg]を示す。また、荷物を吊るした動かっ車を支える2本のひもに10kgずつの力がかかっていることから、(動かっ車の重さ)+(荷物の重さ)=10+40=50[kg]のうち、20kg分がひもによって、残りの30kg分が体重計の部分で支えられていると分かる。

問5   問4とは逆方向に考える。(動かっ車の重さ)+(荷物の重さ)=50[kg]全部の重さを2本のひもで支えなければならないので、A、Bはそれぞれ50÷2=25[kg]の力でひもを引っ張ることになる。よって、体重計の示す値はそれぞれの体重から25kgを減じたものになる。

問6   Aがひもを引き下げている時、Bのひもは動く必要はない。よって、Aが30cm、Bが50cmひもを引き下げる動作を順番に行うことを考えれば良い。Aが30cmひもを引き下げると、荷物は30÷2=15[cm]、Bが50cmひもを引き下げると、50÷2=25[cm]引き上げられる。よって、合計で40cm引き上げられることになる。

問7   それぞれのひもにかかる力を考えていくだけの問題。Bは荷物の重さ10kgを支えるので、逆に荷物によって10kgの力で引き上げられる。この時、Bの体重計は40−10=30[kg]を示すことになる。一方Aは、荷物とBが下向きにひもを引く力10×2=20[kg]とかっ車の重さ10kgの合計30kgを支える、つまり30kgの力で引き上げられることになる。よって、Aの体重計は50−30=20[kg]を示す。

【大問2】実験器具の使い方

炭酸水素ナトリウムの加熱実験は、実験上の注意点まで含めて頻出である。出題されている3問の内容は全て頭に入れておくこと。「試験管の加熱箇所に水が流れ込むと、急激に冷やされ割れてしまう恐れがある」というのが問2、3に共通するポイントである。

問2   炭酸水素ナトリウムを熱分解して出て来る水は、最初水蒸気の状態で発生し、試験管の口の部分で冷やされて液体になる。よって、口の部分を加熱箇所よりも高い位置にしておくと、重力に従って水が加熱箇所に逆流し、急激に冷やされたガラスが割れる原因になる。

問3   加熱を止めると試験管内部の温度が下がり、膨張していた気体が収縮する。この際に試験管内の圧力が下がるため、ガラス管を水につけたままにしておくと水が試験管内部へと吸入され、試験管を急激に冷やすことになって危険である。

【大問3】気体の発生

亜鉛と過不足なく反応する塩酸の体積が表から直接読み取れるので、城北レベルの入試問題としては易問に属する。この手の問題は楽々解けるようにしておきたい。

問3   まず、亜鉛0.65gと過不足なく反応する塩酸の量を突き止めておこう。加える塩酸の量を増やしていく場合、過不足なく反応する量に至るまでは塩酸が全て使われ、亜鉛が溶け残ることになる。

よって、発生する水素の体積は塩酸の体積と比例関係にあるはずである。表を見ると、塩酸の体積を1.2倍した値が水素の体積と等しくなることが読み取れるので、水素の最大発生量240cm3に対応する塩酸は240÷1.2=200[cm3]と特定できる。

この問題ではたまたま表中に過不足なく反応する量が示されているが、一般には上記のような計算で求めるべきものであると心得ておくこと。

ここから亜鉛の量を半分にすると、過不足なく反応する塩酸の体積は200÷2=100[cm3]、発生する水素の体積も240÷2=120[cm3]となるので、塩酸・水素がともに0cm3の点から、塩酸100cm3、水素120cm3の点まで直線を引き、以後は横軸に対して平行な直線を描けば良い。

問4   塩酸の濃度が変化する問題では、元の濃度の塩酸で何cm3に相当するかを考えていくのが常道である。

亜鉛0.65gと過不足なく反応する濃度5%の塩酸は200cm3であった。これと等量の塩化水素を含む濃度2.5%の塩酸は400cm3となる。後は問3と同様、過不足なく反応する点までは右上がりの、それ以降は水平な直線となるが、グラフの横軸が400cm3まで存在しないので、その手前、たとえば亜鉛の半分が溶ける点を通る直線を考える。

問3では塩酸100cm3が使われたが、濃度が半分の塩酸だと200cm3分が相当する。よって、塩酸200cm3、水素120cm3の点を通るように直線を引けば良い。

【大問4】植物の発芽・蒸散・光合成と呼吸

扱われている内容は幅広いが、いずれも定番の問題。問2で「光発芽種子」の存在を思い出せたかどうかが差のつくポイントになろう。

問1   空気が与えられない環境はアのみなので、どの条件とアを比較するかが問題になる。ここでウを選ばないように注意。空気が発芽に与える影響を検証するには、空気の有無以外の条件が全て同じ設定で比較しなければならない。

アとウでは水の有無という条件差も存在するので、実験結果にどちらの条件が寄与したのかが明確にならない。同じく水が与えられているイと比較する必要がある。

問2   種子には赤色光を当てなければ発芽しない「光発芽種子」と呼ばれるものがあり、レタスはその代表である。つまり、発芽するのは水・空気・適当な温度に加え、光が当たっているイのシャーレのみである。

なお、光発芽種子の利点として、土壌が他の植物などによって被覆され、光を巡る競争が激しい環境での発芽を避けられるという点も押さえておこう。

問3   植物部位および水面を含め、試験管ごとに蒸発の起こる場所と蒸発量を整理していくのがポイントである。

A→水面+茎+葉の表+葉の裏=100−80=20[g]
B→水面+茎+葉の裏=100−84=16[g]
C→水面+茎+葉の表=100−90=10[g]
D→水面+茎=100−94=6[g]
E→茎+葉の表+葉の裏=100−84=16[g]

たとえば、AとBを比べることで葉の表からの蒸散量が20−16=4[g]だと求められる。同様にして場所ごとの蒸発量を求めると、水面=4g、茎=2g、葉の表=4g、葉の裏=10gとなるので、葉の表+葉の裏=14[g]である。

【大問5】日食・月食

観測点を地球外に求める問題は図を描いて考えるのが良い。天体の見え方および日食・月食の発生条件が図形的に理解できているかどうかが勝負。

問2   日食の問題でよく訊かれるポイント。太陽を覆う月の直径は地球よりも小さいため、月の影が地球を覆い尽くすことはない。つまり、太陽の光が届かなくなっているのは日食の観測地点周辺のみなので、人工衛星から見ると、明るい地球の表面上で観測点周辺のみが暗い点となって見える。

※ 本来、この問題では気象衛星ひまわりについての知識も必要とされる。ひまわりは「静止衛星」と呼ばれ、日本周辺を観測し続けるために地球の自転周期と同じ周期で地球の周りを公転している。それ故に、地球からは上空で同じ位置に静止しているように見える。宇宙から地球を観測した時、たとえば太陽光が当たらない側から地球を見たら真っ暗にしか見えないなど、観測位置によって地球の見え方が変わるのは言うまでもないが、常に同じ位置を観測し続ける静止衛星にはそのような位置取りの変更自体不可能である。つまり、ひまわりについてエの選択肢はそもそも存在し得ない。

問4   皆既月食は太陽の光を遮る地球の影に月が丸ごと入り込む現象である。この時、地球の大気を通過した光のうち、波長の長い赤色光や橙色光は大きく屈折して、月の表面に辿り着く。よって、月は全く見えなくなるのではなく、微かに赤黒く見える。理屈がやや難しいので、写真や観察を通じて見え方を把握しているかどうかが重要になる。

問7   皆既日食は月が太陽を覆い隠すことで成立するが、これは地球上で見える月と太陽の直径が同じであるからこそ起こり得る現象である。月が地球から遠ざかると地球上で見える月の直径は小さくなるため、太陽を覆い尽くすことが出来なくなる。よって、皆既日食が起こらなくなる。一方、月食は地球の影に月が入り込む現象であるが、月が遠ざかると地球の影で覆い尽くせなくなってくる。天体の直径比を考えると、地球と月の距離が現在の3倍以上に広がった時、皆既月食が起こらなくなると予想される。

※ 月が地球から遠ざかる現象は地球の自転のエネルギーを奪うことで生じているが、地球の自転速度と月の公転速度が一致した時点でこの現象は終息すると考えられている。試算によると、月の軌道が現在より40%ほど大きくなった時点でその状況が訪れると考えられており、その程度の距離では月が地球の影から抜け出すことは不可能である。そこまで考えると皆既月食は起こり続けると答えるべきだろうが、さて?

攻略のポイント

部分的に難しい問題が含まれてはいるが、全般に答えやすい問題が多い。大問1の考え方が掴めないと厳しいが、それ以外はほぼ定番の問題で固められており、受験者の知識レベルは差をつけるポイントになりにくい。

寧ろ計算などの細かいミスの有無が勝負の綾となり得るので、解ける問題を確実に解いていく意識が重要である。特に、かっ車の重さなど問題に使用されている数値情報や設定の見落とし、あるいは設問対象の取り違えには注意したい。時間は十分にあるはずなので、しっかりと問題を吟味してから解き始めるように。

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