中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

城北中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「城北中学校の理科」
攻略のための学習方法

併願する学校の出題傾向にもよるが、城北中の受験に関して言えば思考力や発想力を求められる発展レベルの問題演習よりも、標準レベルの問題を間違えずに解けるようにするという点に学習の目標を置くと良い。

その際心得ておくべきなのは、「標準レベルの問題を間違えずに解ける」という表現が、「同じ問題を解いて正解できる」という意味ではないということである。目指すべき学力のレベルは、たとえば「他の参考書から初見の標準問題を出されても正解できる」という点に置かなければならない。

そのためには、11つの問題の解き方を頭に入れるのではなく、個別の問題からより一般的な原理や考え方を見出すことに努める意識が必要になってくる。特に物理、化学の計算問題で求められる考え方はある程度パターンが決まっているので、11つの計算式が意味するものを丁寧に理解しながら学習していくことが大事である。

また、城北中のように標準的な問題の構成比率が高い試験では、ちょっとした基礎知識の不足が命取りになりかねない。計算については一度身についてしまえば解けない問題が激減する一方、知識は漏れや抜けの発見が難しく、問題を解く度に覚え直しの必要性を感じさせられるものである。四谷大塚の『4科のまとめ』などを用いて、知識の再確認を絶やさないことをお勧めする。

計算原則の適用練習や知識の洗い直しを兼ねて標準レベルの完成を目指していくのであれば、複数の問題集を併用して学習するのが望ましい。標準問題であれば解説に書かれていることも特に難しくはないので、解き直して正解出来てしまえば「分かったつもり」になりがちである。

正答率があまりにも低いようであれば同じ問題で繰り返し練習しても差し支えないが、全問正解出来るようになったら他の問題集でも同程度に正解出来るかどうかの検証は欠かさないように。

さらに言えば、新たな問題での練習までには一定の間隔を置くのが良い。たとえば「問題集Aをクリアした一週間後に問題集Bで同じ範囲の問題演習に取り組む」など、学習のスケジュールを組んでおくと効果的である。

入試までの学習日程で言えば、6年生の夏休みまでに標準レベルまでの問題を一度仕上げておきたい。その後、10月ないしは11月上旬程度を目安に、複数の問題集を併用しながら復習の時間を取るのが良いだろう。標準問題の演習がそのまま入試対策になり得るので、過去問への着手はそれからでも遅くない。

ただし、城北中よりも上位の学校を受験する予定であればこうも悠長なスケジュールを組むことは難しくなる。その場合、標準レベルの復習を兼ねた実戦演習として、手始めに城北中の問題から着手するという使い方も可能である。

以下、各分野の学習において特に注力すべき点を挙げておく。

【物理分野】
基本原則に基づく計算を確実に行えることが重要である。釣り合いのほか、振り子の周期、ばねの伸び、圧力、浮力、電熱線による水温上昇、音の速さや高さに関する標準的な計算問題の考え方をひと通り身につけておくこと。

【化学分野】
物質の燃焼、気体の発生、中和に関する計算はいずれも化学反応を扱った問題であり、反応物の量と生成物の量との比例関係を「完全に使われた方の物質」の量に応じて適用していくという点で、基本的な要領は同じである。ここを押さえれば計算問題は9割方解けてしまうので徹底的に理解すること。

他方、気体の性質や結晶の形、物質や水溶液の色といった知識が盲点になることがあるので、知識問題の対策も忘れずに。

【生物分野】
人体の器官や消化こう素、植物の分類や器官の名称については、その特徴やはたらきと共にしっかりと頭に入れておきたい。また、実験や測定に基づく計算問題としては蒸散や光合成が頻出である。

特に光合成については呼吸との組み合わせで「見かけの成長量」や「見かけの酸素放出量」について考えさせる問題が多いので、しっかりと練習しておくと良い。

【地学分野】
本年度はクレーターの形成順序といった珍しい出題が見られたが、本来よく問われるのは地層の形成順序である。柱状図の読み取りや作図と合わせて理解しておくこと。

天体では太陽・月・星座の運行に関する計算問題が出題されやすい。天体の見え方や見える位置に関しては、自分で図を書いて理解できるようにしておくこと。星座早見盤の使い方も度々出題されるので、可能ならば実物を用いての天体観測を経験しておくと良い。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2017年度「城北中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

40分の試験時間で26個の小問を解けばよく、比較的余裕を持って取り組めるものの、小問ごとの配点は高めである。計算問題や完答型の選択肢問題で正解できなければ失点が大きくなるので、ミスには十分に気をつけたい。

簡単に答えられる問題は手早く処理し、計算や問題文中の記述に注意を向けられる余裕を確保しよう。

【大問1】 かっ車

  • 難度:
  • 時間配分:8分

組み合わせ滑車の基本的な考え方、すなわち「おもりを何本のひもで支えるか」に注目することができるかどうかが問われている。問題集の標準レベルまでが理解できていれば恐るるに足りない。

問1 動かっ車ではかっ車に吊るされたおもりが両端の2本のひもで支えられるので、それぞれのロープが支える重さはおもりの半分ずつになる。一方、定かっ車のロープにかかる力は支点の左右で変わらない。よって、 36÷218kg]がそのまま答えになる。

問2 おもりが吊るされた板は6本のロープで支えられている。よって、1本あたり36÷66kg]の重さを支えれば良い。

問3 おもりを12cm持ち上げるには、おもりを支えている6本のロープがそれぞれ12cm短くならなければならない。つまり、12×672cm]引く必要がある。

問4 複雑に見えるが、36kgのおもりを3本のロープで支えていると考えれば良い。よって、1本あたり36÷312kg]を支えることになる。

問5 おもりを12cm持ち上げるには、おもりを支えている3本のロープがそれぞれ12cm短くならなければならない。つまり、12×336cm]引く必要がある。

問6、問7も同様に考えれば良い。また、本問ではかっ車の重さを考えなくても良いとされているが、かっ車の重さを考える場合は「動かっ車の重さ」をロープが支える重さに含めなければならないので、注意してリード文を読むこと。

【大問2】気体の発生

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

いずれも初歩的な問題。問7のような問題は苦手意識を持つ受験生が少なくないが、慣れてしまえば簡単なので習熟しておくこと。

問2 水素の性質として、「水にほとんど溶けない」、「最も軽い気体である」、「火を近づけるとポンと音を立てて燃え、水ができる」を覚えておこう。

問3 金属を塩酸にとかすと水素が発生する。塩酸にとけない金属として金、銀、銅を頭に入れておけば良い。また、炭酸カルシウムを含んだ物質(石灰石、卵の殻など)を塩酸にとかすと二酸化炭素が発生する。石灰水は水酸化カルシウムの水溶液であって水酸化ナトリウム同様アルカリ性を示し塩酸と中和するが、気体は発生しない。

問5 塩酸A100mLにアルミニウムは2gまでとかせるのだから、塩酸Aの量が2倍になれば、とかせるアルミニウムの重さも2×24g]まで増加する。よって、直線をアルミニウム4g(発生する気体5000mL)まで延長すれば良い。4gを超えるアルミニウムはとかせないので水素も発生しない。したがって、4g以降の気体発生量は5000mLで一定である。

問6 アルミニウムをとかすのは塩酸に溶けている塩化水素の働きである。つまり、とかすことができるアルミニウムの重さは、正確に言えば塩酸ではなく塩化水素の量によって決定される。塩酸A100mLを何倍にうすめてみても溶けている塩化水素の量は同じなので、とかせるアルミニウムの重さの上限は2gで変わらない。

ただし、問題の設定が「2倍にうすめた塩酸A100mL」であれば溶けている塩化水素が半分になるため、とかせるアルミニウムの重さも半減することに注意!

問7 まず、「塩酸A100mLにアルミニウム2gをとかすと水素が2500mL発生する」という完全反応時の関係を押さえること。次に、塩酸A300mLとアルミニウム8gでは「どちらが先に無くなるか」を考える。塩酸A300mLと完全に反応するアルミニウムは2×36g]と計算できるから、塩酸が使い果たされて2gのアルミニウムがとけ残ることが分かる。

つまり、塩酸300mLにアルミニウムが6gとけ、水素が2500×37500mL]発生した段階でこれ以上反応が起こらなくなる。

【大問3】消化

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

消化液に対する基本知識があれば答えられるが、問1と問3は完答なので選び漏れがないように注意。実験問題も定番の設定なので難しくはないはずである。

問1 ア:だ液せん、ウ:胃、ク:小腸は食物が通る部位なので分かりやすい。エ:肝臓では胆汁が、カ:すい臓ではすい液がつくられ、胃から小腸へと食物が運ばれる過程で分泌される。脂肪の分解に関わる消化液が胆汁とすい液であることもついでに押さえておこう。

胆汁は消化を助けるはたらきを持つため一般に消化液として分類されるが、物質を分解するための消化こう素を含まず、界面活性剤として脂肪の塊を小さな粒に分散させるだけである。この知識があると、かえってエを正解として選びにくかったかもしれない。また、胆汁が肝臓でつくられて胆のうに貯えられるというのは重要な知識。

問3 ヨウ素液を加えて青紫色になるのはデンプンが存在しているからである。つまり、だ液によるデンプンの分解が起こっていない試験管を選ばなければならない。だ液が含まれていないAはもちろん青紫色を示す。また、消化こう素は体温に近い温度でよくはたらく一方、極端な低温や高温では機能を発揮しないため、Cでもヨウ素デンプン反応は観察される。

DEはともに35℃まで温度を戻しているが、低温では消化こう素のはたらきが抑えられているだけなので温度を上げればデンプンを分解できるのに対し、極端な高温では消化こう素そのものが壊れてしまうため、温度を下げてもはたらきが復活しない。よって、Eでも青紫色が見られる。

【大問4】クレーター

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

問1問2は単純に知識を問う問題で、この程度は聞き覚えがあるという受験生が多数であろう。

一方、問3問4のような問題を知識として頭に入れている受験生は少数であろうから、どちらかと言えばその場で考えて答える問題に属する。ただ、正確な理由付けまでは出来なくても、あらかた検討はつけられるだろう。

問4 クレーターが見られるということは、クレーターが形成されてからその形状が維持されているということを意味する。つまり、形成されたクレーターを崩したり見えなくしたりする要因として考えにくいものを答えとして選べば良い。

ちなみに、クレーターはプレートの移動や空気・水による風化・侵食の作用を受けて形状が失われると考えられる。また、クレーター上で植物が繁茂すると存在そのものが見えにくくなる。

【大問5】飽和水蒸気量と湿度

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

まず、乾湿球湿度計の使い方が分かっていなければ全滅の可能性が高い。湿度の定義(飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合)もきちんと理解しておくこと。

問1 乾湿球湿度計は温度計を吊るしただけの「乾球温度計」と、先端を湿ったガーゼなどで巻く「湿球温度計」との組み合わせで作られる。つまり、乾球温度計は一般の温度計と同じなので、乾球側の示す温度を見れば気温が分かる。

問2 乾湿球湿度計は、ある気温における乾球温度計と湿球温度計との温度差から湿度を調べる仕組みになっている。水が蒸発して水蒸気になると周囲から気化熱が奪われるので、湿ったガーゼが巻かれた湿球温度計は乾球温度計よりも低い温度を示す。このとき、湿度が低ければガーゼから多くの水が蒸発するため両温度計が示す温度の差は大きくなる一方、湿度が高ければガーゼからほとんど水が蒸発しないため大きな差は生じない。

そのような傾向を気温ごと、両温度計の示す温度差ごとに具体的な湿度としてまとめたものが表1の湿度表である。本問では気温が17℃、乾球温度計と湿球温度計との差が2℃であるから、表中の「17℃」と「2℃」の組み合わせを参照すれば良い。

問3 まず17℃時点で1m3の空気に含まれる水蒸気の量を計算する。17℃における飽和水蒸気量が14.5g、湿度が80%であるから、水蒸気量は14.5×0.811.6g]と求められる。12℃まで温度を下げると飽和水蒸気量が10.7gまで低下するため、11.6−10.70.9g]が水蒸気として保持されず、水滴となって出て来ることになる。

攻略のポイント

高い思考力を求められる難問が見られず、練習問題を解いているかのような感覚で取り組める。それはつまり、落とせる問題が少ないということを意味する。城北中の理科は例年合格者平均が70点中4555点、受験者平均でも4045点程度であるから勝負を分けるのは小問23個分の差に過ぎない。

このような問題で怖いのは、問題文の読み間違いや選択肢の書き間違い、表やグラフの見間違いといった些細なミスである。問題も易しく時間も十分にあるので、見たことがあるような問題を確実に解く慎重さがあるかどうかが重要になる。また、計算問題は標準的なものが解ければ良いので、その分基礎知識の充実を意識して備えておくと安心である。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

城北中学校の科目別
入試対策一覧

中学受験のために
家庭でできること

インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは

リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。