城北中学校 入試対策
2025年度「城北中学校の社会」
攻略のための学習方法
特徴と内容
城北中の社会の入試問題は、毎年ほぼ一定のパターンで出題されている。
大問は3つ。それぞれに小問10~20問が含まれて総解答数は50~55問程度。
多くが記号選択問題で、そのうち10~15問ほどが用語・人名記述となっている。長い記述問題はこれまで出されていないので、まず心配しなくて良い。テスト時間は40分で1問に1分はかけられない。テンポよく解いていくスピードが必要とされる。
内容は、大問それぞれが歴史・地理・政治経済とわかりやすく区分けされており、特に歴史と地理に重点が置かれている。
歴史は日本史に限定されていて、範囲は縄文時代~近代まで、政治に関連した問題が多いが、最近は文化についての問題も出されるようになった。城北の歴史は高レベルの問題が見られるので、出来事に関わる人名・年号・関連事項もまとめてよく覚えておくとよい。資料集も活用して歴史に関わる地図なども見ておきたい。
地理については地図とグラフをよく見ておくこと。地図帳でこまめに地名を確認し、白地図で地形・気候・産業等を整理しながら、資料集で主要な統計は暗記しておく。また、地形図の読み取りも出題されているので、練習が必要である。内容は日本地理が中心ではあるが、日本地理に伴って世界地理も問われるといった問題も出されているので、一通りは勉強しておくように。
政治経済は、毎回あるテーマに沿って問題が作られる。出題範囲は広いが、中でも日本国憲法の基本事項を理解しておくとよい。特に、基本的人権と行政・立法はよく出題される傾向にあるので細かい部分まで覚えておくようにする。
テーマに沿った問題構成
上でも述べたが、地理や政治経済の問題は、あるテーマに沿った構成になっている場合が多い。
このような問題では、そのテーマに関連する事項がすぐ頭に浮かぶようにしておいた方がよい。そのためには、やはり単純な用語ばかりの暗記だけでは足りず、もう少し深い知識が要る。
面倒がらずに、関連事項も頭にいれておくこと。
城北の選択式問題の特徴
城北の問題は記号選択式が多い。
当然、中学入試の一般的な問題も出されてはいるのだが、実際に過去問に目を通してみると、かなり難しいという印象を受けるのではないだろうか。それは、その事項についての正確な知識が無いと正解出来ないように選択肢が作られているからだ。
設問の中にあまりテキストに出てこない、初めて見聞きするような話題や用語が使われている場合もある。
たとえば、「奈良時代の農民への稲もみの貸し付け」などという学校では習わないような細かい話題に触れられていたりする。
しかし、慌ててはいけない。しっかり勉強してあれば、自分の持っている知識で正誤を判断できる選択肢(つまり正解)が必ず一つはあるのだから。正解は、後で知ってみると意外に簡単だったりする。選択肢で使われている言葉のひとつひとつをしっかり読んで、正解を選ぶ手がかりとなる「一言」や「部分」に気づけるかどうかが、大きなポイントとなるのである。
時事問題にも注目
時事問題で新しい話題についてもよく出題されている。地理や政治経済、社会に大きな影響を与えた出来事などについて、ニュースで注意してみておこう。重大ニュース集・時事問題集に目を通すのも有効である。
本文と問題文を合わせると字数も多い。手際の良さも要求されるテストなので、過去問でどのくらいのスピードで解けばよいのか実感として把握しておこう。なお、人名・用語は「漢字で」という条件がつくので、漢字で書けるようにしておくこと。
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2025年度「城北中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は55問とやや多かった。選択肢問題が40問で15問が適語記入となっており、記述問題は出題されていない。全体の文字数は多めであり、選択肢中の単語ひとつひとつに注意して読まねばならないので、あまり時間に余裕は無いと思った方がよい。
40分間、集中を切らさずに最後まで目を通せるよう、似たような形式の問題で練習しておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
訪日外国人を話題として、各地の特徴や貿易などについて訊かれている。
問1 オーバー(ツーリズム)
問2 エ. 合計しても2000万人に満たない。
問3 ア. 近年、中国はスマートフォン・パソコンなどの生産が世界1位であり、日本も多くの電子機器を輸入している。衣類の輸入が多いのも見分ける手掛かりになる。
問4 カルデラ
問5 島原半島は長崎県にある。
問6 ア. 短時間で山頂を目指す弾丸登山などの危険行為を防ぐため、宿の予約が無い人は夕方以降の入山は許可されない。
問7 佐渡(島)
問8 博物館を示す、ギリシャの神殿を模したような記号は見られない。
問9 近年急速に生産台数を増やして1位になったのは中国。日本とアメリカは2位を争っているが、2024年のデータでも日本はアメリカに次いで3位に位置している。
問10 騒音
問11 結城紬は茨城県、加賀友禅は石川県、本場大島紬は鹿児島県奄美大島の伝統工芸である。
問12 イ
問13 2026年から新たにブロッコリーが指定野菜に追加される。
問14 鳥取県が上位にあるのでカニである。
問15 イ・エが気温の低さから北海道と考えられ、特にイの冬の気温が低いので寒さの厳しい旭川、エが札幌と判断できる。
問16 自動車工場やその関連工場で働くブラジル人が多いことから、ウ・エが静岡県と考えられる。また、近年ベトナムからの労働者が増えていることから、イが2023年の沖縄のグラフと見分けられる。
問17 大豆・小麦は大半を輸入に頼っているのが現状である。特に大豆は自給率が1割に満たない値で推移している。
〔ワンポイント!――統計やグラフなどの資料が多く用いられている。素早く判断しないと時間が足りなくなるので、資料集や過去問などでよく練習しておこう。〕
<時間配分目安:12分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
東北・北海道を話題として、関連する人物や出来事について訊かれている。
問1 前方後円墳
問2 アは高句麗、ウは新羅、エは加羅である。
問3 山形県・秋田県付近に出羽国が置かれた。
問4 2段の男性が4人、1段120歩の女性が2人で計10段240歩である。
問5 古今和歌集は平安時代の編纂で、国風文化の時代である。
問6 防人(さきもり)
問7
[1] アの『蒙古襲来絵詞』の説明である。
[2] 天慶の乱(藤原純友の乱‐939~941年)→保元の乱(1156年)→承久の乱(1221年)
問8 念仏信仰の先駆者で市聖と呼ばれたのは空也。
問9 イ. 武家諸法度は江戸幕府が定めたきまりである。
問10 正長の土一揆では酒屋・土倉などが襲われた。
問11 仙台藩初代当主は伊達政宗。
問12 禁教令(1613年)は島原・天草一揆(1637年)より前に出されている。
問13 北前船は西廻り航路で運航した。
問14 田沼意次は商業を重視した政策で財政再建を図った。
問15 ラクスマン来航(1792年)→フェートン号事件(1808年)→モリソン号事件(1837年)
問16 9gの金はアメリカで135gの銀に交換される。それを日本で金に換えると27gとなるため、3倍になるのである。
問17 ア. 物納から金納になっただけで、農民の負担は変わらなかった。
問18 イ. 1894年直前を見ると、女子は40%ほどである。
問19 シベリア出兵を見越した商人の買い占めが大きな原因となった。物価上昇に賃金の上昇が追い付かなかったため、人々の暮らしは苦しくなった。
問20 イ. 赤痢菌の発見者は志賀潔である。
問21 国家総動員法
〔ワンポイント!――図版や地図なども用いられるが量は多くない。基本的な知識が問われる問題が多いので、各時代抜けが無いように丁寧に勉強しておこう。〕
<時間配分目安:16分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
戦後の日本を話題として、憲法や国際情勢などについて訊かれている。
問1 1・2とも、目的と条文の内容が関係していない。
問2 イ
問3 (あ) 臣民 (か) 永久
問4 1. 朝鮮戦争は朝鮮半島を二分する大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国との戦争であり、その背景にはソ連とアメリカの対立があった。
問5 ウ. 安全保障理事会で拒否権を持つソ連と国交が回復したことで、ソ連の賛成により日本の国連加盟が実現した。
問6 イ. 条約締結に反対する人々を中心とした安保闘争と呼ばれる騒乱の責任を取った形である。
問7
ア. 自衛隊ではなく、警察予備隊である。
イ. 最高指揮権は内閣総理大臣にある。
エ. 地方裁判所での違憲判決はあるが、最高裁では判断が下されていない。
問8 ウ. クーラーではなく、電気洗濯機である。クーラーは後の新三種の神器(3C)に含まれる。
問9
ア. 水俣病の原因は工場排水に含まれる有機水銀であった。
イ. 設立当初は環境庁であった。
ウ. 環境権は近年では一般的に認められる権利であるが、裁判所で具体的な判決が出されたことはない。
問10 1. 知る権利 2. プライバシーの権利(肖像権)
問11 2. 「人の暮らし向きをよくする」という目的は示されていない。
問12 エ
問13 ア. 飲食店などへの営業自粛要請は、店側の経済活動の自由を制限しているとも考えられる。
問14 国民の権利は「公共の福祉に反しない限り」保障される。「反した」場合は、たとえば懲役刑のように自由を制限されたりもする。
〔ワンポイント!――憲法・政治のしくみを中心に、国外のできごとなども訊かれている。新たな紛争や経済的な出来事など、重大ニュース集などでチェックしておこう。〕
<時間配分目安:12分>
攻略のポイント
● 基本的な問題が多く難問奇問は出題されないが、選択肢の内容が細かいことまで書かれていて、生半可な知識で選ぶと迷ってミスしやすくなっている。見慣れない用語や話題も含まれる場合があり、ここで焦ってしまう人も多いだろう。選択問題だからと気軽に受け止めてはいけない。合格者平均点は7割前後なので、12~13問のミスは許される。迷いそうな問題は後回しでとにかく最後まで目を通すこと。
● まずは選択肢を正確に読むこと。正解の手がかりが「ほんの一言」や「ある一部分」にある場合が多いので見落としてはいけない。落ち着いて一語一句に集中して考える。
● 選択肢の中に初見の情報が出てきたとしても、どこかにある数少ないヒントを見逃さなければ、正解できる。そのためには重要語句を一通り覚えたくらいでは力不足である。テキスト・地図帳・白地図を活用し、周辺事項も含めて知っておかなければならない。極端に難しい勉強が必要な試験ではない。学校や塾での学習に、しっかり丁寧に取り組む「真面目」な姿勢が求められている。
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