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開智中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「開智中学校の算数」
攻略のための学習方法

[出題されやすい内容]
試験時間は60分、大問4問に小問16。
質・量ともに充実した内容を誇る開智「先端A」の算数。
受験生の平均、合格者の平均ともに低く、難度の高い問題が並ぶことが自明の理となっている算数である。どのような力をつけることが必要で、またどのような生徒が向いているのか。
算数に関しては、第一に「標準的な問題」(偏差値60レベル)を出題されやすい内容を優先して身につけておきたい。
出題されやすい内容とは
「割合・場合の数・平面図形・立体図形・速さ」の5分野である。
ただ基本的な公式が理解できるではなく、いわゆる応用問題と呼ばれるものの典型題はいつでも正解を出すことが出来る、くらいの自信が欲しいところだ。
教材としては、塾で使用している問題集などがよいだろう。たとえば「A(平易)→B→C→D→E(難問)」となっているものであれば、「C・D」クラスの問題である。
塾のものがよいというのは、塾で使用しているような問題集の方が入試問題として洗練されているからである。洗練という言葉が合わなければ、良問を選択しているといってもよい。過去問などには往々にして悪問も混じる。ここは普段使用しているテキストで、「重要だ」と念を押される問題を中心に演習を重ねよう。

[過去問演習]
この段階を経て次にやることは、過去問の徹底演習である。
「開智(先端A)」の算数とはどういうものか、ということを知悉しておきたい。
学力があっても(偏差値が良くても)、受験でいい結果が出せないという受験生の大半は、志望校対策が不十分だからだ。
「力はあるのだからその場で解けるはず」と判断してよいのは、算数の偏差値が常時70以上はあるか、対象としている学校が自分の偏差値よりも10以上低い場合に限る。あとは対策次第で合格する割合はかなり変動する。
「先端A」の場合、大問のスタイルはだいたい似ている。
1つの大問に4つの設問。そして、設問のレベルが徐々に上がっていく。
前半の2問が勉強してきた成果が生かせる「標準的な」設問、後半はかなり応用力を要求されるものになっている。
そして、合格だけを考える場合には、前半の2問をそつなくこなせれば十分に可能性がある。ただし、「標準的」とはいうもののその難度はなかなかのものだ。一読して式をさっと立て、解けてしまうという問題は一つもない。問題文を読み与えられた条件を理解し、作図などで問題を分りやすくしてから、いくつかの作業を経てようやく正解にたどり着けるというレベルである。だからこそ1問解くことが面白いし、算数の力が本当についたことの証明になる。
また、(1)・(2)などが連動している問題にも注目しておこう。
(1)の解き方または答えが次の設問のヒントになっている場合が多い。一見関係なさそうに見える問題でも実はその前の設問が使えることが分ったときの「なるほど」感にはなかなかのものがある。そういう設問をうまく見つけて、算数を解く楽しさも味わっておきたい。

[場合の数]
問題は、最後の一つ「場合の数」だ。
「場合の数」にはいろいろな解き方がある。「和の法則」「積の法則」などの有名な公式をふくむものから始まり、「道順の問題」「トーナメントとリーグ戦」「円順列」などさまざまな解き方がある。それらはいずれも「すべて書き出さなくても計算を使えば、またはやり方を知っていればうまく解けるよ」と言うものである。合理的でしかも時間の節約につながる。
しかし、「先端A」はあくまでも「全部書き出して調べる」にこだわる。もっとも遠回りのようだがそれに徹するしかないという問題が出されるのだ。
これを肝に銘じておかないと受験生としても覚悟が決まらない。普段は全部書き出したりしていると冷笑をもって迎えられ、もっとスマートな解き方を提供されるからだ。
「先端A」でも他の分野の出題はスマート、または巧妙な構成をもった問題が多い。良問の宝庫と言える。しかし「場合の数」はもっとも原始的な解き方にこだわるようだ。
ここは従うしかない。テストに出たら、全部書き出す、調べていく。これを実践するしかない。そういう作業をいとわない精神力も必要になるだろう。ただしそれに従えさえすればやっていることは単純である場合が多い。
要は、そういう問題が出て、出たときには素直に書き出していくという姿勢が大切だと言うことだ。それさえあれば、最も平易な問題と化すこともあろう。
このようなテスト形式である以上、どのような生徒がこのテストに向いているかと言うことはおおよそ見当がつくだろう。
それは、「ねばり強く問題にあたれる生徒」ということである。
書き出しをふくむ、細かい作業の積み重ねに耐えうる、またはそういった算数が好きという生徒には格好のテスト問題だと思う。自分はとてもよい「作品」だと思っている。
「先端A」の算数は2月校に負けることのない、大変に優れた内容をもっている。しっかり対策をして、自分の納得がいく点数が取れるようがんばってみよう!

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2014年度「開智中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

60分で大問が4、小問が16。
問題の量に対して時間が不足することはなく、問題の難易度に対して考える時間も十分ある。非常にバランスのよいテストと言えよう。
本年度の問題は、例年よりもいささか難しかったようだ。合格点は低く、120点の半分を下回る。
例年だと、大問でいう(1)(2)までは標準的な設問である場合が多かったが、平成26年度では(2)あたりから難易度が高くなっている。

【大問Ⅰ】整数問題(倍数と規則性)

  • 時間配分:15分

ありそうでいて、それでいてなかなか目にすることがない。意表を突いているようでいて、オーソドックスな解き方で求まる、という大変な良問である。
(1)では、「3、4、5の最小公倍数」が決めてとなるが、書いていくには少し隔たりのある答えになっていて、解き方がひらめいたときの喜びが目に浮かぶようなよい設問だ。ここでは、(1)だけでよいので正解しておける力を蓄えておきたい。ただ、(1)の難易度から見て、これ以降の厳しさが予測される。

(2)は、かなり難しい。受験生というのはおうおうにして答えを一発で求めたくなるものである。
この問題の場合は、3つの数をいっぺんに求めるのではなく、2つ求めてから最後の1つは探していくという点で解いていくのに勇気が必要だ。
「8の倍数」の数字を「7の倍数より1小さい数」としてとらえながら書き出していくという作業はなかなか考えつきにくいし、あまりそれまでやったことがない割き方ではあるまいか。(2)を思いつけた生徒はそれ以降の設問も同じようなやり方で解けるし、思いつけなかった生徒はこれ以降全滅という【大問Ⅰ】にとって、まさに分水嶺となる設問である。

(3)は、(2)を応用すればよい。むしろ(2)よりも説きやすい内容になっている。

(4)は、(1)の考え方を応用する仕組みになっているが最高の難易度を誇るのでパスしても構わないと思う。
初めにも書いたように大変によい問題だと思う。

【大問Ⅱ】割合(売買損益)

  • 時間配分:10分

この問題も、内容は一見ありがちなようにみえながら、やはり普通とは少し違った展開を見せる良問である。
前半がもう少し平易であれば言うことはなかった。

(1)「仕入れた品物の値を1とする」は、このレベルの学校を受けようとする生徒には常識的な受験テクニックであろう。それをどこまで使いこなせるか…
定価・売値を割合の合成から小数で表わす。これも出来ると思う。
さらに売れた個数も「1」で表わし(全体が1でも初日定価で売れた個数が1でもそれはどちらでもよい)、式の展開から答えを導き出せるかどうか。

この【大問Ⅱ】を難しく感じる由縁は、(1)のハードルが高いことだ。
(1)ができた生徒は(2)もこなし、(3)の(ア)までは見当がつくことと思う。しかし(1)でつまずくとそこから先は問題文を読んだところで徒労である。
(3)の(イ)も整数問題をからませた良問であるのだが、難易度が高いのでおおよその生徒たちはスルーしてしまったであろう。

【大問Ⅲ】場合の数(あみだくじ)

  • 時間配分:20分

問題は、まず「あみだくじ」を知っているか?基本的な動かし方はわかっているか?という前提で作られている。そこはまず大丈夫だろうか。
問題文にもあるように、「25個のあみだくじを作ることが出来ます」。こういう場合、普通はいくつかのあみだくじを作って調べていくと何らかの決まりが見つかり、それを巧みに利用して設問に答えていき、「賢い子供」の称号をいただくところだ。

しかしここではそうはさせない。
正解への道。それは愚直に「25通り」すべてを調べていくというもの。
このとき、本当に調べた方がよいのかどうか。それを知るために傾向と対策があると言ってもよい。
「開智(先端A)」では、全部調べる場合の数があるのだ、ということを知っているかどうかでずいぶんと気持ちがちがうものだ。
平成25年度の問題でも、すべてしらべていくという問題が出ている(しかも2題も!)。したがって、全部調べるに正義があることがわかる。
他の学校では多少躊躇するところだ。または時間が足りなくなってそれどころではないだろう。開智(先端A)では、調べていく時間は十分にある。それがこの学校のよいところである。臆することなく数え上げていこう。

(2)(3)(4)はていねいに調べ上げられればすべて答えが出てくる。それだけに慎重かつ正確な作業が不可欠である。

【大問Ⅳ】立体図形(三角すい)

  • 時間配分:15分

ここでは、「三角すい」を使ったいろいろな問題が提示されている。(3)までは正解しておきたいところだ。
(1)は、中堅校であれば最後の方に出てくる問題かもしれない。しかも設問の内容はその中でも最後の1問とされるようなものである。
しかし、ここでは(2)以降の露払いの役割を担っている。同校の問題水準の高さが伺えるところだ。

この問題をスムーズに解けるかどうかは受験生にとっても試金石となるし、(2)以降の正解、ひいては同校の合格点が取れるかという大切なポイントになる。
なぜなら、平成26年度の問題はこの【大問Ⅳ】が最も素直な問題だからだ。最も日常触れてきた問題に近い。ここで得点を取らないと、あとは「未知の難問」と「全部調べる」だけが残る。できれば(3)までは解ける力をつけておきたい。

(2)は、(1)と連動していて、側面の三角形の面積が(1)と同値になっている。(1)ができなくても(2)は解けることになっているのがよい。
(3)もまた、良問と言える。ずいぶん昔に類似問題はあったがはたして解けるかどうか。
(4)は難度が高いので、(3)までが勝負の分かれ目となろう。

攻略ポイント

テスト時間は60分で120点満点。
受験者平均点は男女で異なり、男子59.6点、女子49.1点で、この得点を上回っていれば合格できる。
他科目との兼ね合いもあるが50%が目標とすべき得点になる。

平成26年度の「先端A」の平均点が低いのは、ひとえに大問前半の設問が難しかったことによる。【大問Ⅲ】【大問Ⅳ】はまだしも、【大問Ⅰ】と【大問Ⅱ】は、(1)としては敷居が高かったと思う。それ以前の大問の方が平易だと思われる一方で受験者平均点が変わらないのは、同校の受験生の質向上と対策が十分に施されていることを感じさせる。つまり「先端Aとは、こういう問題を出してくるのだ」ということが分ってきたと言うことだろう。

何はともあれ合格を第一に置くのであれば、大問前半の設問をしっかりとものにしていく力をつけておきたい。前にも述べたとおり(1)とは言っても簡単な問題ではない。中程度からそれ以上の問題演習を積んでようやく手に入る力である。もし算数の基本的な学力で同校の合格を狙うのであれば、小問が立ち並ぶ第1回などを受験しておきたい。いろいろな問題に対応できる力が十分に発揮されるであろう。

また、「先端A」の特色になっている「数え上げる場合の数」への免疫力をつけておきたい。全部数えて正解を出すという覚悟さえあれば、内容はそれほど難しいものではないからだ。こつこつとていねいな作業が好きな生徒には向いている。

以上の2点をしっかりと頭に入れ、60分という時間を有意義に使えれば、合格は至極当たり前のようにもたらされることと思われる。

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