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鎌倉学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「鎌倉学園中学校の国語」
攻略のための学習方法

〇問題の構成

小説の読解1題と論説文(論説的随筆文)の読解1題と漢字の読み書きという、大きくは大問3つの構成が続いている。
素材文は計8500~9000字ほど、総解答数は40~45問程度である。
設問は選択肢と書き抜きが多く、40~60字の記述問題が1題含まれている。記述問題は年度により、小説の読解で出される場合と論説文の読解で出される場合とがある。また、試験の最後にクイズ形式の言葉の知識の問題や読解問題とは傾向の違う小問が出されているのも特徴と言える。
素材文の内容については、小学校が舞台だったり、学生向けに平易な言葉遣いをしてあったりと、受験生の年齢を考慮した難しさになっているので読みやすい。

〇小説の読解

例年、5000字強ほどの字数の文章が用いられている。読解と合わせて慣用句などのことばの知識の問題も出されている。2020年度ではこちらで記述問題が出されている。
素材文の内容も設問の内容も無理に難しく設定されてはいないので、適切な読解力があれば十分な得点が期待できる。
文学的文章の読解の技術を高めよう。

人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

〇論説文の読解

3000~3500字ほどの文量の文章が使われている。ジャンルとしてはここ数年、人文科学からの文章が多いようである。夫婦同姓に対してのある意見の理由(2022年度)や現代の人間関係やコミュニケーション(2023年度)といったテーマの文章が用いられている。自然科学・特に物理学などの難解な用語が使われる文章ではないので、理科系が苦手な人にも読みやすい文章が多い印象である。2021年度・2023年度ではこちらの分野で記述問題が出題された。
論理的な文章の読解のコツをつかんでおこう。

段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。

要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。

要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。

〇選択肢問題

選択肢1つが3~4行にも及ぶものがある。文が長ければ見落としもしやすくなるので、しっかり読み切る注意力が必要となる。文中に述べられていることかどうか、細かい文言の違いに惑わされずに見分ける力を類似問題をこなして身に付けておこう。

〇記述問題

2022年度・2023年度では、最後に50字の記述問題が出された。新聞記事を読んで出来事の理由について答える問題であった。今後も同様のパターンになるのか、注意しておかれたい。

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2023年度「鎌倉学園中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は40問。最初の漢字・熟語の問題をまずは片づけて、読解問題に取り掛かる。2023年度は素材文が計11000字ほどにもなり読む分量は多いのでスピードが必要である。
記述問題は30~50字で3問出されている。字数は多くないので、内容をある程度まとめてから書き進めよう

【大問一】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問一~大問三を合わせて10分
  • ★必答問題

1. 祝賀  2. 看破  3. 模造  4. 唱(える)  5. 快(く)

【大問二】慣用句

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問一~大問三を合わせて10分
  • ★必答問題

1 背水の陣

2 高をくくる

3 一線を画す

4 真に受ける

5 猫の額

【大問三】熟語

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問一~大問三を合わせて10分
  • ★必答問題

1 「向かい合う」という意味で同じ。

2 ウだけ「興が冷める」などでも用いる「おもしろみ」という意味。

3 アだけ「間違い」という意味。他は「~過ぎる」。

4 イだけ「知らせる」という意味。他は「お返しする」。

5 「身に受ける」という意味で同じ。

【大問四】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:19分
  • ★必答問題

武士として戦いに赴くという隼太の強い意志に、最初は馬鹿にしていた主人公も強い感銘を受ける。

問一 体が小さい隼太は主人公たちが皮肉を込めて自分を挑発しているとわかっているので、相手にしないようにと堪えている。

問二 1. 武士ならば体が小さくても力が弱くても戦いにいかねばならない、という至極当然のことを主張しているので「理路整然と」。
   2. 隼太に理詰めで言い返されて反論できずに帰るようすで、「すごすごと」。

問三 まだ15歳で非力であるため実際に戦いには参加できないかもしれないが、気持ちだけは武士であるという矜持を見せる隼太に、周左衛門は感心しているのである。

問四 喧嘩腰――いまにも喧嘩をしかけそうな勢い。

問五 矢継早に――連続して素早い様子。

問六 直後の夕食時に母が「深い悲しみをこらえている」らしい表情になっているのと同じである。

問七 父と息子が戦争に行くことになり夕餉の席が暗い雰囲気(特に母)になってしまったので、風の音をきっかけに話題転換で面白い話をしようとしている。

問八 本気で戦争に行こうとしている隼太の入隊が「かえって敵からなめられてしまう」と言わんばかりの理由で許可されなかったと聞いて、さすがに「気の毒」に思われて「可哀そうではないか」と意見している。

問九 「~している」と現在形を多く用いることで、目の前で見ているような迫力を読者に感じさせる。

問十 ウ. 出立の見送りで雰囲気にのまれ興奮している敏也をたしなめている。さすがに「軽はずみに付いていかないように」とはしていないのでエは選ばない。

問十一 参加を拒否されてもなおついていこうとする隼太の信念の強さに敬意を覚えている。「嫉妬」や「自分をふがいなく思っている」ようすは示されていないので、アは合わない。

【大問五】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:14分

人と人を結び付けてきた「生活維持の必要性」が弱まり、新たに「感情」で結びつくようになった現代では、関係を維持するために対立を回避し「よい感情」を注ぎ続けることが必要である「人それぞれの社会」になっていると、筆者は述べている。

問一 かつては人づきあいが生活を維持する条件だったが、現代は商品やサービスでこと足りるので人とつながる必要がなくなったのである。

問二 映画を見た学生の「昔はつながりが濃密だったが感情は薄かった」という感想が的を射ている。

問三 「ひと悶着」は「ちょっとしたもめ事や騒ぎ」という意味。

問四 映画に描かれた当時と違って、現代は「人間関係」が「感情に満たされている」からである。

問五 個人の感情は日によって変わることもあり、ふと「悪い」に転じてしまうこともある。「つまり、ふとしたことで解消されてしまう不安定なつながり」なのである。→【四】に入れればうまくつながる。

問六 今の人間関係は感情に満たされている。「しかし」感情によるつながりは強いものにはならない。

問七 「希」に「濃度が薄い」という意味がある。

問八 感情によるつながりは、相手が「悪い」と思えば解消されてしまうリスクがある。そうした不安をともなう状況なのである。

問九 コミュニケーションが下手だと相手から「悪い」をつけられて関係が解消されてしまう。そうした不安で人々は指南書を買ってしまうのである。

問十 無難に収める→「波風が立たない」

問十一 感情で人とつながる現代では、関係を維持するために対立を避け感情を害さないようにすることが大事であり、そのために相手を否定せず無難に収める「人それぞれ」という考え方が重宝されるのである→選択肢が合う。

【大問六】論理的文章の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:7分

新型コロナウィルスの流行の第6波と第7波とを比較した新聞記事を読んで答える問題。

問一 第7波では重傷者が第6波の半数程度にとどまっているのに、1日の死者数では過去最高を更新した、と書かれている。そこからAは重症者数、Bは死者数と考えると計算が合う。

問二 ワクチン接種が進んだおかげで重症者数が減ったのは事実である。しかしこの「重症」の定義は肺炎症状を基準に設定されたもので、肺炎以外の心臓・腎臓などの機能低下で衰弱死した人はその過程で重傷化しても重傷者としては数えられていないことが考えられる。「重傷を経ずに亡くなる高齢者が多く」と書かれているのは、このことを示している。「重症」に数えられないまま亡くなってしまった人が多かったのである。

攻略のポイント

8500~9000字の文章量と選択肢の文量と、読む量は多くなるのでスピードをつけておこう。
選択肢問題がポイントになりそうなので、本文との一致や相違を正確に読めるように、類似問題を多くこなしてコツをつかんでおきたい。
漢字や熟語の問題も、合わせると配点の2割を占めるのでおろそかにできない。過去問でも全問正解できるくらいの力を持って、試験本番でも得点を稼ぎたい。
記述問題は文中の重要点をまとめて答えにできるパターンなので、50~60字で心情や要旨をまとめる練習を繰り返して慣れておこう。

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