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吉祥女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「吉祥女子中学校の理科」
攻略のための学習方法

女子進学校として着実に実績を伸ばし、難関大学合格者数においても全国レベルの学校となった吉祥女子中。今、好調の波に乗っている学校といえよう。
そんな吉祥女子中の理科は、女子校の問題の中でもユニークな出題傾向を持っていた。
分量はやや多め、大問4つは公平に4分野から出題されるなど、とりたてて変わったところはなく、表面的には典型的な入試問題に見えるところだが、設問間の難易度に大きな差があるところが特徴になっている。
もちろんどこの入試問題においても、前半はやさしく、後半は難しいというのが普通なので、当たり前と言われれば当たり前と言える。
しかし、この学校の場合、前半は本当に「基礎的な知識」を問う問題(小4生が解いても基本問題)で、後半は女子校の中でもかなり上位にランキングするレベルなのだ。
※ ただし、ここ2年間の過去問(2019年度・2018年度)ではこの傾向から外れ、全体に基本的な設問に設定が変更になっている。問題文の分量・少しユニークな設問などは健在ではあるものの個性がかなり薄まったのも事実である。計算問題にもうならされるような難問はなくなった。
 平成28年度の問題を例にとれば、【大問3】の(1)~(4)と(5)~(7)まで、【大問4】の(1)~(5)とそれ以降の設問では、前半は本当に基礎的な知識を問う設問、後半は考察力や計算力を必要とする設問になっている。そして、その間を埋める設問が存在しないという設定になっている。普通は、その中間レベルで入試の勝負が決まるのだ。
受験生としては、まず初めに「基礎的な知識」をしっかりと身につけたい。分野にかかわらず、暗記用として与えられた教材をくりかえすことでこの段階を突破しよう。
ここから先は受験生によりけりということになる。
理科が得意な生徒は、前半をきっちり解いたうえで、後半の難問にも手が出せるよう過去問を利用して応用力の充実を図ろう。ただし、難問と言えるレベルなので、自信をもって取り組めるようでなければならない。無理して挑戦する必要はないというわけだ。なぜなら、前半の設問を正解しておけば、それだけで合格点に迫れるからだ。
したがって、理科を多少苦手としている生徒は、後半の難問は追わないほうが良いと思う。理科を不得意としている場合は、たいてい基礎的な知識すら不十分な場合が多い。まずそちらの充実を急ぎ、あとは算数・国語・社会などで得点を取る・貯金することを考えたほうが良い。
理科ほどのやりにくさは他の科目には見られない。
もちろん余裕があれば後半の設問に挑戦することは歓迎する。その部分にこそ吉祥女子理科の醍醐味があるわけだし、解けた時の喜びが大きいからだ。
他に言えることは、問題数に比べて問題文の分量が多いので、過去問をしっかり解いて、時間配分や問題文の量にも慣れておこう。傾向を知ったうえで十分な対策を施しておかないと、模試などの偏差値で合格ラインに届いていても、思わぬ墓穴を掘ることがあるのが入試の難しさでもあるからだ。

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2019年度「吉祥女子中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

35分で大問は4,小問は30強,設問は基本的なものが多く分量は多いほうと言えるものの選択肢に工夫がなく時間不足になる、という心配は遠のいたと言えよう。。速読即解の力について強く言う必要はなくなった。ただし、合格点から見て基本的な設問にはほぼ正答できなければいけない。難易度は高くないものの、合格へのハードルは下がっていない。

【大問1】化学(気体・固体など物質の分類)

  • 難度:
  • 時間配分:7
  • ★必答問題

混合物についての簡単な説明があり、それに関する設問が8つ並ぶ。はじめは気体の混合物、残りは固体の混合物を分類する実験になっている。
いずれの設問も基本問題の域を出るものはなく、この日まで鍛錬してきた成果を試すほどのレベルではない。ここは全問正解を要求したい。
昨年度から、当校の理科は基本的なレベルで合否を問うテストに生まれ変わった。もちろん基本的な問いはすべて正解できなければ合格ラインを超えないわけなので簡単な仕事ではないが、それ以前のような応用力を要求される、解いていて面白いと思わせるものではなくなったのは残念だ。

【大問2】地学(台風)

  • 難度:
  • 時間配分:7
  • ★必答問題

近年台風に関する問題が増えているので受験生側も相当に注意して準備しているはずだ。それに対する学校側の回答がこの問題ではやはり哀しい。(3)(4)の大潮に関する設問は少しマイナーなので点差がつく可能性がある。この機会に復習しておこう。小潮についても。
(5)(6)もまた基礎レベルで対応可、(7)(8)の台風の目が通過する問題だけがかつての威光を放っていると言えよう。ここは(6)までは全部あてておきたい。

【大問3】生物(シロアリの生態)

  • 難度:標準
  • 時間配分:9
  • ★必答問題

ここでも基本的な問いが淡々と並んでいて、脳内の表面のほうにある方にある知識を展開するだけで事足りる。
(4)は選択肢の文をよく読んで正解を求めたい。ここは点差がつくところ。
(5)~(7)は知識問題ではあっても多少は難易度が上がっている。「酵素によって起こる現象」を2つちゃんと選択できただろうか。ここは8割程度の正解率で良いだろう。

【大問4】物理(圧力)

  • 難度:標準
  • 時間配分:12

温度や圧力の変化によって気体の体積が変化する、ことを使った計算問題で本年度の問題ではここだけがやややりがいがある。
表1から解ける設問は(1)から(3)まで。
てこや浮力と違って、圧力に関する計算問題にあまり触れてこなかった生徒には難しく感じるかもしれないが、これを「算数の比例・反比例」の問題と置き換えるとかなり基本的な計算問題になっていることがわかる。
表1から「温度が10℃高くなると体積は1.5L大きくなる」という関係が読み取れるので
(1)では、温度変化が28℃あると体積は4.2L増えると比例関係から求まり、42+4.2=46.2L。
(2)では、43.8-4.2=1.8(L)
10×1.2(1.8÷1.5)=12
7+12=19℃。
(3)はグラフが体積が0ではなく、直線で伸びるアを選べば良い。
(4)からは、図2・表2を使って問題を解く。今度は体積Lの逆数という新しい要素が増えている。
…のに問題の面白さにつながっていないのがもったいない。(4)のPとQとか、通分の練習にしかならない。(5)(6)のグラフ選択、外気圧の大きさを答えさせる設問も考える必要が多くない。
(7)は体積の逆数を使って計算する分だけ骨がある。
ここも(6)までは正解してもらいたい。

攻略のポイント

テスト時間は35分で70点満点。
 理科の合格点は55点くらいと考えると、8割近い得点が必要になる。
 問題が易しくなったと感じた昨年度以上に平易な印象を受ける本年度の問題ではあるが意外や平均点はほぼ変わっていない。2年間続いた傾向が来年度も継続されれば完全にトレンドは変化したと言えよう。理科が苦手な生徒には朗報ではあるが得意な生徒はここで点差をつけることが出来なくなった。その証拠として「受検者平均」と「合格者平均」の差が5点しかない。みなが一様に解ける問題となったのだ。
このレベルで推移するならば、基本的な知識だけで十分に合格点はとれる。しかしまさかの時に備えて、3年以上前の過去問に触れることで「吉祥女子の理科」の本当の正体も知っておくのは良いことである。

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