整数の計算、小数の計算、分数の計算、逆算と4問並んでいるがいずれも時間をかけてていねいに解いて進みたい。この中では(2)の小数の計算が腕の見せ所で、0.7、0.28、0.14という倍数関係にある小数をうまくまとめられるかどうかがカギ。

本年度はどの問題も基本レベルの域を出ていないものばかりなので、できればノーミスで通過したい。

(1)は求める数を「7×□+5」と表し、□にあてはまる数を調べれば良いが、600がちょうどあてはまる数になるので答えが1個ずれる可能性がある。注意したい。
(2)は男子:女子=7:6とおいて比1あたりを求めていく。
(3)は861を7で割ると、ちょうど真ん中の奇数が求まるのでそれを使いたい。線分図で線を7本引いて求めるのは得策ではない。
(4)は「差集め算」の例題にふさわしいくらい基本。
(5)角の合計を求める問題の中では最も平易なレベルである。
(6)では、四分円と直角三角形の面積が等しい、とわかれば求まるだろう。ただし、xの長さに注意したい。

受験勉強をしっかり積んでいればどれも解いたことのあるレベルの問題である。

1周期が「1,2,2,3,3,3,2,2」と長いものの設問はどれも「周期算」を習い始めて初日に解くレベル。やや答えが大きくなる以外は何の変哲もない。

全般に平易だった本年度の大問の中では【大問4】がわずかに難度でリードしている。ただ、わずかである。

(1)は、上りと下りにかかった時間をそれぞれ求めてその逆比が「速さの比」となる。ただ、この作業でつまずくとあとの設問も全滅するのでそこが少し怖い。
(2)(1)で求めた上りと下りの速さの比を加えて2で割ったものが静水時の速さとなる。これが毎分160mにあたるので比1あたりを求めていく。
(3)は速さの問題だが解き方はつるかめ算である。(2)の結果からAB間の距離を求め、2つの速さをたて、かかった時間を横において面積図で求めよう。これが上りの船だともう少し難度が増すのだが下りの船なので問題にないだろう。

昨年度同様「図形上の点の移動」が出題されたが、内容が同じというものの難易度はかなり異なる。本年度のものはかなりやさしい。

(1)は点PがAから移動し、途中から三角形の面積が240cm²で変わらなくなるところに注目する。点PがBC上にあるときは面積は変わらない。そこから逆算すればCDの長さが求まる。
(2)は図形として処理しても良いが、グラフを利用して120cm²になるところをグラフから見つけた方が簡単に求まるだろう。ただし、点Pの速さを求めておく必要はある。

最後まで難度が上がることはなかった。(2)では、辺の連比を求めるという設問になっているが、これが難問だったのも今は昔の話だろう。

(1)この設問には文句をつけておきたい。なぜなら、この問いに答えるためには直角三角形ABCの3辺の比が「3:4:5」とわかっていることを前提としているからだ。中学入試の問題の場合、「3:4:5」の比を用いるときは、他の三角形の3辺の長さが求まっていてそこから相似の関係から「3:4:5」を引っ張ってくるかまたは問題文の中に「直角三角形の辺の比は3:4:5になることを使っても良い」などと書いてあることが普通である。
しかしながら、たまに「3:4:5」を暗黙の了解として使わせる学校があって、正直言うと不親切である。もちろん、ACの長さを10cmと与えてもらえていればきわめて平易な設問になってしまうのでせめてACの長さをピタゴラスの定理で求めさせよう、と言うのか。だったら、設問の方をもっと工夫すれば良いと思うが…
(2)こちらは(1)の答えが解けなくても求まる。DH:HG:GEを、DH:HE・DG:GEの2つの比から求めるという少し上級な解き方を用いる。相似形を作るために辺を延長するなどの作業もあるのでミスをした生徒はここでしっかり復習しておこう。