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頌栄女子学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「頌栄女子学院中学校の社会」
攻略のための学習方法

スライド式学習

「頌栄対策」では先ず、「地理」「歴史」「公民」全単元と「時事問題」の「知識」を確実に定着させることが重要だ。

「基礎的事項」は無論、細部にわたる「知識」や「深い理解」も求められるので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックもすること。

だが、悲しいことに人は忘れるものだ。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。

基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる5年生になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、6年生の夏休み前には終える。

その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。6年生で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか? 実質的に1年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」の全分野から出題される頌栄ではなおさらだ。

そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある5年生の冬休みやその後の春休みを利用して、徹底的に「地理」の「復習」をしておくことがポイントだ。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。

さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習を独自に続けておくことで、ライバルに差をつけておこう。

いもづる式学習

全ての単元に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独(要は「一問一答方式」)で定着させていても無意味だ。
バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、頌栄で求められる「多角的思考」などできるはずがない。

そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習だ。1つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。

もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(=「面」)をも理解するようにする。

このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。

さらに、単元もまたいでいるので、頌栄おなじみの「3単元融合問題」にも対応できるようになる
無論、「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。

手づくり式学習

特に、「歴史」単元の「復習」で必要となる。

塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」で「時代別」「時代順」になっている。
しかし、頌栄に限らず上位校ではそうした単純な出題はほとんどない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸になっている

それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。

「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」~「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。

さらに、その「年表」には「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「世紀」と「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみたい。

細部へのこだわり式学習

前述のように、「リード文」「設問文」「統計資料」等の「要素」と、自らの「知識」を多角的に結びつけないと解けない問題が頌栄には多い

考える際の前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということだ。そこから「考えるヒント」を見つけ出すのだから、「細部」にこだわって読み取ることが重要となる。

当然、トレーニングが欠かせない。過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」や「資料の数字」、そして「関連事項」など全てを材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。

こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」と結びつけて考えていけばいい。

意識継続式学習

どのような場合も、常に何かを「意識」しながら学習することが必要だ。なんとなく机に向っていても時間の無駄。

その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのかを具体的に「意識」し続けていることが重要だ。そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。

頌栄の入試では40分という制限の中で、様々な「要素」を考え「条件」をクリアして70もの問題に答えなくてはならない。

だからこそ、「設問」を正しく理解しているか? 「要素」は全て確認したか? 「他の設問」との関連は大丈夫か?「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。

当然、「時間」も「意識」すること。入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ

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2022年度「頌栄女子学院中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問 1 は「歴史」。小問ごとの独立した設問。小問は全9問(解答数9)、「事項・地名・人名記述」(「漢字指定」あり)のみ。

大問 2 は「地理」「歴史」(1問に「時事的要素」あり)。「南西諸島についてのリード文」からの出題。小問は全13問(解答数19)、「選択肢」(「不適切」、「複数完全解答」、「年代整序」、「組み合わせ」あり)、「事項・地名・人名等記述」(「空所補充」、「漢字指定」あり)、「説明記述」(全2問。ともに「字数指定」なしで「90字ほど」と「60字ほど」の解答欄)。

大問 3 は「総合」(「公民」中心。他に「地理」「歴史」「時事」「一般常識問題」「考察問題」「算数」)。「世界各国の男女格差についてのリード文」からの出題。小問は全13問(解答数14)、「選択肢」(「不適切」、「複数完全解答」あり)、「事項・国名等記述」(「漢字指定」あり)、「説明記述」(全2問。ともに「字数指定」なしで各「90字ほど」の解答欄)。時間配分としては、「説明記述」で15分ほど、他は3問を2分秒弱で解くという超ペースになる。

【大問1】「歴史」(「事項・地名・人名記述」のみ)

  • 難度:
  • 時間配分:6分

※本校では全大問の前提として、「漢字で書くべきものは漢字で答えなさい」という《注意》を最初に掲げており、本校HPにも「基本的な地名や人名その他の社会科用語については、必ず正しい漢字を使って書くよう日頃から心掛けて下さい」と明記してある。したがって、「事項等記述」などは、特に指示がない場合は全て「漢字指定」と考えよ。

大問全体としての共通テーマはなく、「奈良時代」~「昭和時代」の「歴史的事項」が各小問で問われている。どれもが基礎的なものばかりで、本校志望者であれば短時間で「全問正解」したい、念のために、2問だけをチェックする。

[問6] 「人名記述設問」。「日清戦争の直前にイギリスとの交渉によって治外法権をなくすことに成功した日本の外務大臣は誰か」を答える。冷静であれば、難なく「答え」は「陸奥宗光」だと断定できるはずだ。だが、気が動転していると「小村寿太郎」と混同してしまう可能性があるので、要注意だ。「陸奥宗光」⇒「治外法権撤廃」⇒「日清戦争」⇒「下関条約」、「小村寿太郎」⇒「日露戦争」⇒「ポーツマス条約」⇒「関税自主権回復」。「歴史的事項・人名」には紛らわしく混同しやすいものがあるので、整理して正確に定着させておくことが肝要だ。

                                  <時間配分目安:30秒弱>

[問8] 「島名記述設問」(漢字指定)。「日本の北方領土の中で最大の島の名前」を「漢字」で答える。誰もが「エトロフ島」だと知っているに決まっている。だが、「漢字」はどうか? ど忘れしやすいかも。「音訓」での類推は難しいので注意したい。「答え」は「択捉島」だ。尚、「北方四島」の残りの「国後島」「色丹島」「歯舞群島」も漢字で覚えておくこと。「地名」「自然地名」には難しい漢字が多々あるので、確実に確認しておくことが求められる。

                                  <時間配分目安:30秒弱>

【大問2】「地理」「歴史」(1問に「時事的要素」あり)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:16分
  • ★必答問題

「2021年7月、南西諸島の島々が新たに世界遺産登録」という「時事ネタ」を切り口として、「南西諸島の地理的特徴や歴史、現在の課題など」についての「リード文」からの出題。「地理」と「歴史」単元のさまざまな分野からの出題が並んでいる(1問のみ「時事的要素」あり)。「基本的事項」を問うものが多いが、中にはドキッとするような難問もある。また、「地理」「地形図」「統計資料」「写真」といった多角的な「情報」を読み取る必要がある大問だ。以下、いくつかの問題を確認してみよう。

[問2] 「下線部についての組み合わせ選択肢設問」(4択)。「地理」単元。

「リード文」中の下線部の「琉球弧」の「形成に関係するプレート」の「組み合わせ」を答える。「琉球弧」とは「九州南部から台湾に至る弧状に連なる島々」、要は「南西諸島」のことだが、そのことを知らなくても「リード文」に「(南西諸島が形成されている)プレートが沈み込む場所」と説明されているので問題はない。

各選択肢は、「北アメリカプレート」「ユーラシアプレート」「フィリピン海プレート」「太平洋プレート」のうち、どれか2つの「組み合わせ」になっている。つまり、日本列島に位置する「4つのプレート」だ。「南西諸島」なので、西側は「ユーラシアプレート」、東側が「フィリピン海プレート」だと判断できなくてはいけない。よって、「答え」はその「組み合わせ」になっている(イ)だ。「4つのプレート」の「位置関係」を地図上で改めて確認しておきたい。

                                  <時間配分目安:30秒強>

[問3] 「下線部についての理由説明記述設問」(「字数指定」なし。「90字ほど」の解答欄)。「歴史」単元。「リード文」中の下線部「琉球王国」について、示されている文章は「王国が最も繁栄していた1458年に鋳造され、旧首里城正殿に掲げられていた万国津梁(しんりょう)の鐘に刻まれている銘文を現代語訳したもの」だが、「島国で資源が少ないとされる琉球王国において、なぜ『めずらしい品物や宝物は国中に満ちあふれている』のか」を説明する。要するに「琉球王国が豊かだった理由」を問われているわけだ。賢明な諸君はすぐに「中継貿易」というワードが思い浮かぶはずだ。「正解」だ。しかし、それだけでは「字数」を含めて十分な説明にはならない。そこで、「示されている文章」に「手がかり」を求めたい。そこには、「南海の恵まれた地域に立地」「朝鮮の豊かな文化を一手に集め」「中国との重要な関係」「日本とは親しい関係」「諸外国に橋を架けるように船を通わせて交易」といったことが記されている。これらの内容も踏まえた上で、「理由」として「過不足なく」まとめていけばいい。たとえば、「太平洋と東シナ海の境界という恵まれた立地の島で、周辺の中国や日本や朝鮮、東南アジアの国々と良好な関係で中継貿易を行って多大な利益があり、多くの外国の貴重な商品が入ってきていたから。」(90字)といった「答え」になる。当然ながら、あてえられている「文章」「資料」などの「情報」は、重要な「手がかり・ヒント」にもなると心得よ。

                                   <時間配分目安:3分半>

[問6(1)] 「下線部についての選択肢設問」(4択)。「歴史」単元。

「リード文」中の下線部の「新井白石」が仕えた「将軍」を答える。「新井白石」、「正徳の治」で知っているはずの儒学者だ。だが、「時の将軍」となるとどうか? 抜けている諸君がいるのではないか? 各選択肢は(ア)「徳川吉宗」、(イ)「徳川家宣」、(ウ)「徳川家光」、(エ)「徳川綱吉」。

「5代将軍綱吉の政治」の後始末をしたことで知られるので、(エ)ではないし、(ウ)の「3代将軍家光」も違う。「8代将軍吉宗」では離れ過ぎている。結果、(イ)の「徳川家宣(いえのぶ)」が「答え」になる。「6代将軍」だ。「鎌倉源氏将軍と執権」「室町足利将軍」「江戸徳川将軍」については、必修の人物はもちろんだが、できるだけ「エアポケット」にならないように、「名前」「何代目」「業績・出来事等」を結びつけて定着させておくこと。

                                  <時間配分目安:30秒弱>

[問6(2)] 「下線部についての選択肢設問」(4択)。「歴史」単元。

「リード文」中の下線部の「新井白石」が「行ったこと」を答える。各選択肢の「キーワード」で正誤判別する。

(ア)「公事方御定書」⇒「8代将軍吉宗」の「享保の改革」に決まっている。

(イ)「生類憐みの令」⇒「5代将軍綱吉」で決定。

(ウ)「株仲間結成をすすめた」⇒「老中・田沼意次の政治」は常識。

(エ)「生類憐みの令」⇒「5代将軍綱吉」。あれっ? (イ)と同じ? よく確認すること。「生類憐みの令を廃止」となっているのだ。したがって、「答え」は(エ)だ。当然ながら、「設問」や「選択肢」などの内容は正確に読み取ること。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問8] 「下線部についての選択肢設問」(4択)。「地理」単元。

「リード文」中の下線部の「日系移民」に「関する文章」を答える。「日系移民」、言葉としては知っているが……、などとヒビってはいけない。冷静に、各選択肢の「要点」で正誤判別していきたい。

(ア)「多くは移民先で観光業などに携わった」⇒与えられた土地を開墾したり、「コーヒー」などの「農園」で働いたりした移民が多かったと知っているに違いない=不適切。

(イ)「ドイツやイギリスなどに向かうことが多かった」⇒「南北アメリカ」、中でも「ブラジル」が多く、「ヨーロッパ」への移民はあまり聞いたことがないはず=不適切。

(ウ)「移民先で裕福な生活」⇒慣れない土地、異なる言語や習慣、過酷な労働や低賃金……=不適切。

(エ)「子孫が来日、製造業に携わる」⇒バブル以降、「日系ブラジル人」が「デカセギ」労働者として来日し、自動車産業などに従事したことは常識=適切。したがって、「答え」は(エ)だ。どのような問題でも、自信を持って立ち向かうべし。

                                  <時間配分目安:30秒強>

[問11] 「下線部についての統計資料読み取り選択肢設問」(4択/複数完全解答)。「地理」単元(「時事的要素」あり)。

「リード文」中の下線部「多くの観光客が訪れる場所として知られるようになりました」について、示されている「図3」(2018年6月~2020年6月の沖縄県の月別観光客数)から「読み取れること」を「すべて」答える。「図3」を正確に読み取りながら、各選択肢の正誤判別をする。

(ア)「2019年は3月に最も観光客数が多くなった」⇒「図3」から、「8月が最多」ということは一目瞭然=不適切。

(イ)「2019年10月31日に発生した首里城火災は観光客数に大きな影響を与えた」⇒「首里城火災」の年月日は正しいが、「2018年も10月以降は減少傾向」なので、「火災」はあまり関係ないと考えられる=不適切。

(ウ)「感染症の影響によって2020年3月以降観光客数は激減」⇒「激減」は「図3」から明白で、「新型コロナウイルス」がその頃から感染者数が増加し始めたことは「時事ネタ」として知っているはず=適切。

(エ)「2018年8月と2019年8月の観光客数を比べると、2018年の方が多い」⇒正確に読み取れば、わずかながら「2018年の方が多い」と分かる=適切。

よって、「答え」は(ウ)(エ)になる。尚、「統計資料読み取り設問」では、「資料」の特徴的な項目に注目して、「自らの知識」と結びつけていくことが肝要だ。

                                  <時間配分目安:30秒強>

[問1]は「世界自然遺産」に新たに登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」という名称を知っている前提で、地図上での「位置特定判別」が問われている。とても難易度が高いので、手こずりそうだったら、「戦術的」には「捨て問」で構わない。また、[問7(1)]は「地形図読み取り問題」。本校に限らず「地理単元」での定番なので、「地図記号」「等高線」「方位」「縮尺」等の「地形図」に関連する基礎的事項を完全に定着させておくことが肝要だ。

【大問3】「総合」(「公民」中心。他に「地理」「歴史」「時事」「一般常識問題」「考察問題」「算数」)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:18分

「2021年3月時点での『グローバル・ジェンダー・ギャップ指数』(各国の男女格差を示す指標)の日本の総合順位が156カ国中120位だった」という「時事ネタ」を切り口として、「日本の主に政治分野における男女格差」についての「リード文」からの出題。「公民」単元からの出題が多い「総合問題」になっている。ただし、他に「地理」「歴史」「時事」の各単元、「一般常識問題」や「考察問題」、果ては「算数」の問題まであるという多彩さだ。中には一筋縄ではいかないものもある。いくつかを検討しよう。

[問2(1)] 「下線部に関する事項記述設問」(「漢字3字」指定)。「一般常識問題」。「リード文」中の下線部②「教育」に関して、「教育分野」の指標の中には「ある国または一定の地域で、文字の読み書きができる人の割合」が含まれているが、「この割合」のことを「何と言うか」を「漢字3字」で答える。「歴史」単元の「明治時代の教育」で習得した記憶はないか? そうではなくても、そもそも「一般常識」として知らなくてはいけない。「答え」は「識字率」だ。近年、本校では「一般常識」が問われることがある。十分にセンスを磨いておくこと。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問2(2)] 「下線部に関する国名記述設問」。「時事」単元。

「リード文」中の下線部「教育」に関して、「ある国では昨年(2021年)8月にアメリカ軍が撤退してタリバンが政権をとり、女性の人権や教育が軽んじられることが心配されている」が、「この国」を答える。典型的な「時事ネタ」なのだが、身近ではないと無視してしまった諸君はいないだろうか? 「答え」は「アフガニスタン」。受験前年の「時事ネタ」は国内、国外問わず、細大漏らさず定着させておくこと。

                                  <時間配分目安:30秒強>

[問4] 「下線部についての数字記述設問」。「算数」。

「リード文」中の下線部「(2021年の衆議院議員選挙で)当選した465人のうち女性は45人にとどまり、比率は9.7%と前回の選挙よりも低下」について、「日本で初めて女性議員が誕生した衆議院議員選挙では、当選した466人中39人が女性議員だった」が、「このときの衆議院における女性議員の割合は何%か」を「小数点第2位を四捨五入して、小数点第1位」まで答える。えっ、何? 「39÷466×100=8.369……」でいいの? そんな単純でいいの? 完全に「算数」だけど、いいわけ? 確かに「算数」の計算だ。だが、それでいい。「答え」は「8.4(%)」になる。設問を怪しんでみることは重要だ。しかし、確認したのであれば、自らの理解力を信じるべきだと心得よ。

                                  <時間配分目安:30秒強>

[問6] 「下線部についての選択肢設問」(4択/複数完全解答)。「公民」単元。

「リード文」中の下線部の「内閣総理大臣」の「説明」を「すべて」答える。各選択肢「説明」の「要点」で正誤判別をしていく。

(ア)「国会議員の中から国会の議決で指名、天皇が任命」⇒何ら問題がないことは周知=適切。

(イ)「衆議院と参議院が異なる人物を指名した場合、衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再度指名」⇒「衆議院の優越」で、「両議院の協議会を開き、そこにおいても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後10日以内に参議院が指名の議決をしないときは、衆議院の議決が国会の議決となる」と知っていなくてはいけない=不適切⇒尚、「法律案」は「衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再び可決すれば成立」する。「衆議院の優越」は頻出なので、全てのパターンについて理解し定着させておくこと。

(ウ)「その他の国務大臣を任命、その過半数は国会議員でなくてはいけない」⇒これまた、必須定着事項=適切。

(エ)「内閣不信任決議が可決された場合、必ず衆議院を解散」⇒「10日以内に衆議院を解散するか、総辞職しなければならない」のであって、「必ず衆議院を解散」ではないと知っているはず=不適切。

よって、「答え」は(ア)(ウ)だ。「内閣」「国会」「裁判所」に関しては、細部まで徹底して定着させることが肝要だ。

                                  <時間配分目安:30秒強>

[問9] 「空所補充の事項記述設問」(「漢字6字」指定)。「時事」単元(「公民」単元)。

「リード文」中の空所(    )に「入る語句」を「漢字6字」で答える。空所前後は「日本は2018年に『政治分野における(    )の推進に関する法律』を制定」となっている。数年前の「時事ネタ」だが、2021年6月に一部改正されたことを確認している諸君はOKのはず。また、「公民」でエキストラ習得した諸君も問題ないはず。「答え」は「男女共同参画」。こういった法律が必要で改正までしているということは、日本の「政治分野の男女共同参画」がそれだけ立ち遅れていることの証だと捉えよ。

                                  <時間配分目安:30秒強>

[問13] 「下線部についての条件付き理由説明記述設問」(「字数指定」なし。「90字ほど」の解答欄)。「考察問題」。

「リード文」中の二重下線部(Y)「グラフ(3)を見ると、日本は諸外国と比べて(女性の社会進出を進める)取り組みが遅く、成果も乏しい」について、「なぜ日本は諸外国と比べて取り組みが遅く、成果も乏しいと評価できるのか」を説明する。「条件」は「グラフ(3)を参考にして説明する」こと。グラフ(3)は「1980~2020年までの諸外国の下院議員に占める女性の割合の推移」を示した折れ線グラフ。「リード文」の下線部前後や他の部分にも「手がかり」は皆無だ。「条件」であるグラフ(3)から「考察」する他はない。しっかりと確認していきたい。すると何かに気づくはずだ。「1980年」には日本も諸外国もほとんど「10%未満」だが、その後徐々に諸外国は上昇していき、「2010年前後」には「20~30%」に達しているのに対して、日本は「2020年」でもまだ「10%未満」にとどまっているではないか。こうした結果から、「日本は諸外国と比べて取り組みが遅く、成果も乏しい」と「評価できる」わけだと判断したい。あとは、内容を整理して「理由説明」としてまとめていけばいい。たとえば、「1980年には日本も多くの諸外国も10%未満で並んでいたが、その後諸外国は取り組みの成果で上昇していき、2010年前後には20~30%になったのに対して、日本は2020年でも未だ10%未満にとどまっているから。」(89字)といった「答え」になる。「グラフ」などの「統計資料」からは単に「数字」だけではなく、「ストーリー」も読み取れると心得よ。

                                  <時間配分目安:4分程度>

攻略のポイント

●冒頭でも記したように、本校では「基本的知識を基にした思考力や記述力、また、図表や資料等から必要な情報を読み取る能力を特に重視」している(本校HPより)。それらを問う「設問」では、「リード文」「設問文」「統計資料」「歴史史料」などの「要素」と自分の「知識」を多角的に結びつけて考えることが重要だ。そのためにも、過去問演習を通じて(「解説」を読みながら)、どのような「要素」を組み合わせて考えていけばいいのかを繰り返し確認し、自分でも「多角的思考」ができるように練習していきたい。

●また、本校では「毎日の世界中の出来事に目を向けて、新聞やテレビで伝えられることがこれまで学んできたこととどのようなつながりを持つのか、自ら考える習慣も大切」と捉え、「時事的な問題が常に家庭の中で話題になる、そのような社会問題に対する積極的な意識づくりまで期待」している(同)。したがって、「時事問題」の重要性を改めて意識しなければならない。尚、「時事ネタ」は受験前年のものはもちろん、数年前までさかのぼって確認し定着させておきたい

さらに、「基本的な地名や人名その他の社会科用語については、必ず正しい漢字を使って書く」ことが求められている(同)。全ての「事項」の「漢字」での習得が必須だ

●合格ラインは6割弱(過去5年間の「合格者平均得点率」は60.3%、本年度は昨年度より15ポイントほど上がって61.8%)。「試験時間」を考えれば「戦術」は不可欠。基本は「取れる問題を確実に押さえる」ということ。潔く「捨て問」にするという覚悟も求められる。「基本的知識」の完全定着で、基礎点(5割強)は獲得可能だ。

●もうひとつ。本校では「4科目の配点が全て均等(100点満点)」であることも注意したい。「社会」だからといって手抜きはできない。逆に考えれば「社会」が得意科目である場合、ライバルに大きく差をつけるチャンスにもなる。

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