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東洋英和女学院中学部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「東洋英和女学院中学部の社会」
攻略のための学習方法

分析

試験時間30分で総解答数は30~35問ほど。大問に1000~1500字ほどのリード文がつく場合がある。記号選択は5~6問ほどと少なく、適語記入が多く、1行ほどの短文記述が4~6問出されるのが通例である。図版やグラフ・年表などが多く用いられ、統計資料も多く見られる。

近年は大問3つにそれぞれ地理・歴史・政治経済が割り当てられることが多いが、混合して出題されることもある。分量としては政治経済がやや少ない印象である。

記述問題では、用語を説明するもの・資料や図版の意味を問うもの・資料から理由や原因を考えさせるものなど内容は多岐にわたり、短文とは言え簡単な問題ばかりではない。

地理分野

東京―熊本間の飛行機から見える景色(2022年度)や東京・その他のいくつかの県についての問題(2021年度)など、大きなテーマに沿って地理に関する幅広い知識を問うような問題が多い

各地の地形や気候・産業や貿易、地形図の読み取りなど、地理全般の問題が出題されている。資料が多く示されるのも特徴で、地図・雨温図などの各種グラフや統計資料・写真や絵などの図版など、毎年多く用いられている。この分野で1~2問の短文記述が出されるのが通例で、グラフを読み取って答える問題などが見られる。

極端な難問は出されないので、白地図や資料集を常に手元に置き、各分野大きな抜けがないように丁寧に学習しておくとよい。

歴史分野

各時代の政治体制(2022年度)や服装を題材とした日本の歴史(2021年度)など、ある話題をもとに歴史全般の問題が聞かれるパターンが多い主に弥生時代~近現代までの範囲で、幅広く出題されている

地理と同様、図版や写真など多くの資料が使われている。一般的な資料集で見られるようなわかりやすいものが多いので、普段からよく目を通して見慣れておくと良い。

この分野でも1~2問の短文記述問題が出されている。用語・出来事の説明や理由・原因を問うものが多い。風刺画の意味するところを問う(平成27年度)といったものもある。

歴史との関連で世界地理に問題が及ぶ場合も多いので、過去の貿易や戦争などで関係する国については特によく調べておこう

政治経済分野

日本国憲法と政治の仕組みを中心として、世界地理や国際関係の問題も出題されている。また、直近の時事問題も多く見られるので、ニュースや新聞・重大ニュース集などで現代社会を取り巻く種々の問題について考えておくことは良い対策になる

また、この分野も最低1問は短文記述が出されるので、自分の考えを1行程度でまとめるような練習をしておきたい。

まとめ

全体としては極端な難問奇問の出題は無く、オーソドックスな試験である。とはいえ、合格者平均点が七割五分にも達する年度があるので、テキストレベルでの高い実力が求められるテストでもある。

まずはテキストを丁寧に学習して、分野ごとの偏りのない実力を養う。その際、記号選択問題が少ない試験であることを意識し、用語は漢字で書けるようにして、複雑な用語や法律の文言なども正確に覚えてしまうことを心がける。

その上で、資料が多いという本校の試験の特徴を踏まえ、地図・白地図や年表・資料集を活用して多くの写真・図版に触れ、統計・グラフの読み取りに慣れておくことが肝要である。

記述問題については、ニュース・時事問題集などで物事の背景や原因・理由を考える経験を積み重ね、1行程度で書く練習を繰り返して、自分の意見を簡潔にまとめられるようにしておこう。

また、書く分量が多いため、30分という試験時間は決して多いとは言えないので、スピードもつけられるよう意識して欲しい。

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2022年度「東洋英和女学院中学部の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

解答数34問中、大半が適語記入と7問の短文記述で記号選択は4問だけであった。リード文や資料を読む時間も含めると時間に余裕はないだろう。

知識問題はあまり悩まずにどんどん進めて、記述問題は短文なので1~2分ほどで簡潔にまとめていき、一通りは目を通せるようなスピード感で解いていきたい。

【大問1】歴史分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

政治体制の移り変わりを題材に、各時代の人物や出来事について訊かれている。

問1 初期の出土品はまじないや占いなどの儀式に用いられる道具であるが、中期~後期の物は戦いに用いられた武具などが多い。このことから儀式を司る者から武力を持つ者へと指導者が変わっていったと考えられる。

問2 庸と調は自らが都まで運搬する必要があり、大きな負担となった。

問3 東大寺の大仏のことである。

問4 それまでは天皇・朝廷・貴族中心の政治だったが、各地に武士を長とする組織を置き、将軍を頭とした幕府による武家中心の政治を目指した。

問5 武士による政権は1867年の大政奉還で終わりを告げたので、今からおよそ150年前になる。

問6 将軍から与えられた領地を、命を懸けて守るということから「一所懸命」という言葉が生まれた。現在では「一生懸命」も正しいとされている。

問7 下剋上――下位の者が上位の者を実力で打ち負かすこと。

問8 信玄堤(しんげんづつみ)はあふれた水を上流方向に逃がすことで氾濫の勢いを削ぐように造られた。

問9 浜名湖では、東側の舞阪と対岸の荒井に宿が置かれ、渡し船が運行された。

問10 広く一般から兵隊を募る徴兵令が施行されたため、それまで戦闘を担っていた士族は役割を失った。

問11 初の本格的な政党内閣を組織した原敬。

問12 5月15日に起こったので、五・一五事件と呼ばれる。

問13 教育の機会平等や義務教育について規定した教育基本法は戦後の日本の教育理念を示したものである。2006年に全面的に改正された。

【大問2】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

東京から九州へ向かう飛行機の窓から見える景色を題材として、各地の産業や貿易などについて訊かれている。

問1 (1) 東から西に向かっているので、まず南アルプスである赤石山脈を横切る。

   (2) 諏訪湖を水源として愛知県・静岡県へと流れる天竜川。

   (3) 世界最大級のカルデラがある阿蘇山。

問2 進行方向左側の窓から富士山が見えたので、富士山の北側のルートを通っている。

問3 木曽川から知多半島に引かれた愛知用水。

問4 中国山地と四国山地に挟まれて湿度が低くなり、温暖少雨の傾向があるため晴れの日が多い。

問5 オーストラリアから輸入される鉄鉱石と石炭を用いているのは鉄鋼業。サウジアラビアからは原油が輸入され、石油化学工業の原料となっている。

問6 瀬戸内地方ではレモンの栽培が盛んである。輸入品は輸送に時間がかかり防カビ剤や農薬を多量に使用しなければならず、安全性に疑念が持たれている。

問7 (1) 左右を川に挟まれた三角州の地形が防御に有利であった。

   (2) かつて海だったころには海面から突き出した島であったと考えられる。

問8 有明海は全国でも有数の養殖ノリの産地である。

問9 行きは偏西風に逆らって飛ぶ方向になるので、相対的に速度が減じてしまう。

【大問3】政治経済分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:7分

社会保障を題材として、福祉や行政の仕組みについて訊かれている。

問1 憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」という条文が、生存権の問題としてよく出されるので暗記してしまおう。

問2 介護保険制度では、40歳以上の人から徴収した保険料で、家庭へのヘルパー派遣や施設での介護サービスなどが行われている。

問3 特別ではなく当たり前(ノーマル)であるという意味で、「ノーマライゼーション」と呼ばれる。

問4 保健所は地域住民の健康や衛生を支える機関で、災害医療や感染症対策などの業務を行っている。

問5 社会保障関係費の中で最も大きな割合を占めるのは年金分野で、老齢化の一方で年金を支える若い世代が減少しており、年金保険料が十分集まらなくなることが懸念されている。

問6 3%でスタートした消費税は、その後5%・8%・10%と段階的に引き上げられた。

問7 保育所の増設に努めたため、待機児童の数が以前より減ってきている。

問8 高齢の世代ほど年金の受給額が大きい一方でバス代無料や医療費の負担が軽いなど、現役世代よりも優遇されている部分が多く、しかも収入や資産状況などに関わらず一律に手厚く保障されているのである。日本社会全体で人口が減少し収入も増えていない現状を考えると、社会保障を維持するために今後は資産などを持っていて経済的に余裕がある高齢者には相応の負担をしてもらうのが望ましく、医療費を多く負担してもらったり、年金の受給開始を遅くしてもらったりすることも考えなければならないのである。

攻略のポイント

今年度も、極端な難問奇問の出題は無くオーソドックスな試験であったが、テキストレベルでの高い実力が求められるテストである。

記号選択問題は少ないので、極端に難しい用語以外は漢字で書けるようにして、法律の重要な文言は丸暗記してしまおう。

また、資料が多く用いられるので、地図や年表・資料集を活用して多くの写真・図版に触れ、統計・グラフの読み取りに慣れておくこと。

総じて書く分量が多くなるため、スピードも意識した過去問練習を。

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