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早稲田中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「早稲田中学校の国語」
攻略のための学習方法

【問題構成】

大問は物語と論説文の2題というのが定形となっている。文章量は2018年度では約12000字にもなったが、2022年度は約8200字であった。

問題数は最新年度では18問であった。そのうち、記号選択10問・記述2問・書き抜き3問と漢字・その他という構成である。例年、記述問題は30~50字ほどでまとめるものだが、制限字数の幅が5~10字ほどしかないので、指定の字数にうまく収める難しさが生じてしまっている。

時間は50分なので十分足りるのだが、素材文自体がやや難しかったり、設問にも難しいものが織り交ぜられていたりと、簡単な試験ではない。時間を充分使ってやや難しい問題をじっくり考える試験であると言える。

【文学的文章の読解】

家族や友人との関わりを描いたものが多く見られる。また、フィクションとしてユニークな設定の物語も用いられる。

例えば2017年度では、主人公は車である。車の目から、その所有者家族やその友人の言動・隣家の車との会話などを通して、周囲の人間、さらには車の気持ちまでもが描かれている。多分に想像力を要する問題である。読書経験の中でも、現実に近い設定のものやSF・ファンタジーのような時空を超えた壮大なものなど、様々な書物や多様な設定・形態の小説に多く触れておくことが、このような問題では力となるだろう。

ともあれ、まずは長文読解の基本的な力をつけることが第一である。時間・場所・登場人物などの変化で場面の変わり目をチェックする。人物の性格も考慮し、その言動や情景などから、心情を理解する。あらすじをまとめ、誰のどんな気持ちを描いた話なのか・主題を考える、といった基本の取り組み方を練習しておこう。

【説明的文章の読解】

国際化・日本文化・哲学など、幅広いテーマの文章が使われている。

選択肢問題でも記述問題でも、要点・要旨がしっかり見抜けているかどうかがポイントになる。論理的文章の読解の基本をしっかり身に付けよう。

段落の整理。形式段落を意味段落でまとめ、小見出しをつけるとわかりやすい。段落のつながりをよく確認しよう。各段落の要点を傍線などで目立つようにしておく。要点をまとめ要旨を把握する。おおまかに要約も考えておくと良い。問題を多くこなして論理の流れを正確にたどれるようになっておこう

【選択肢問題と記述問題】

選択肢問題は、似たような選択肢で紛らわしいとか文が長すぎて手間がかかるとか、いわゆる意地悪な選択肢ではない。しかし、素材文の細かい部分まで正確に読み取れていないと正解できない問題が多く、また、正解をあるだけ選びなさいといった全体を正確に読むことが必要な設問も多い。

選択肢問題のコツというよりも、読解力そのものが必要な問題という印象である。類似問題を多くこなすことはもちろんだが、本文を細部まで正確に読み取る注意力も十分に高めておきたい。

記述問題は2022年度で10~15字以内・25~30字以内という、5~10字の範囲内でまとめる問題になっており、字数調整に慣れておかなければならない。問われる内容は、傍線部近くだけ読んでも答えられないものが多い。次の場面や、さらに先の段落、全体のテーマなども含めて答えを探さなければならないものがある。

要点のまとめや気持ちの変化の流れなど、やはり読解がしっかりできていることが重要となる。「自分の考えを述べよ」といった論説タイプの記述ではないので、本文をしっかり読めていれば得点できる。過去問で慣れておきたい。

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2022年度「早稲田中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

文章量は2題合わせて約8200字。ただし総解答数は18問しかないので時間は十分にある。記述問題も30字とさほど重いものではない。素材文の細部まで見落としのないように正確に読み取り、選択肢問題でも注意を怠らず、正確に読み着実に答える。過去問で時間の感覚をつかみ、確実な読解を心がけるようにしたい。

【大問一】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:23分

倒れたクラスメートを介抱したときの失敗が原因で不登校になってしまった主人公だが、離島の高校で似た状況に出会い、勇気を出して再び手当を施す。

問1 a. 搬送――交通手段などを用いて、運び送ること。  

   b. 名残――人と別れるときに残る思いきれない気持ち。過ぎ去った後に残る気配や影響。

   c. 緩(ん)で

問2 「しかし」の前には「脳裏に焼き付く」が逆説となるような内容があるはずなので、「一度見ただけだった」直後の【E】にうまく入る。

問3 勇気を出せた時の状況をあとで振り返っている場面がある。そこで主人公は心で聞いた叔父の声をきっかけに「十年後、二十年後の自分を想像して、今を振り返り、己を後悔しないか」を考えたことが独白されている。叔父の言葉はそういう意味だったのである。この部分を制限に合うように字数を調整してまとめる。

問4 「その子」とは道下さんのことである。主人公のした人工呼吸はアレルギー反応には効果がなかったが、見過ごさずに助けようとしてくれたことは道下さんにもわかっているはずである。今回エピペンを適切に使って人を助けられたことを道下さんが知れば喜ぶのではないかと、誠には思えたのである。エピペンは急激なアレルギー発作(アナフィラキシーショック)を抑え、病院に搬送されるまで症状を軽減させる薬で、太ももに注射する。主人公の「めくられたスカート」という記憶はこのことに由来すると思われる。

問5 すぐ後の「なんで今夜は行ったんだよ!」がヒントになる。以前失敗して心の傷になっているのと同じ状況で、なぜ今回は勇気を出して手当てができたのか、と誠は訊いているのである。それに先立って、主人公が後悔している「あの日」のことを、今も後悔しているのか、と尋ねているわけである。「あの日」があったから、今回助けられたのではないか、と言いたいのである。

問6 川嶋先生が以前に機内で結果次第では自分が非難されることも考えられる状況で、行動に出たことが示唆されている。今回の主人公の行動もそれ似ているというのである。

問7最後の「一度は消えかかった灯が、もう一度生まれた」が医者になりたいという意欲がよみがえったことを表している。「一語」なので、「灯」だけ抜き出せばよい。

【大問二】論説的随筆文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:27分
  • ★必答問題

タイトルから内容が想像しやすい自己啓発本とわかりにくい小説とを比べながら、小説は

人の悩みや苦しみに寄り添ってくれる本であるとして、小説を読むことを薦めている。

問1 傍線の段落を含めた前からの三段落に具体的に書かれている。結末が読者にゆだねられるのか筆者が提示するのかの違いである。

問2 二段落後の「『門』という小説が扱っている悩みは……」の文で詳しく語られているので、そこから考える。

問3 氷山の一角――物事のほんの一部分だけが表面に表れているさま。よくない物事について使われることが多い。

問4 答えは当然、自己啓発本の逆でタイトルから内容が「想像しにくい・わかりにくい」といった意味の部分をさがすことになる。「内容を」に続く形で「私たちに事前に教えてくれない」が見つかるので、ここを使う。

問5 タイトルの誠実さについて論じている段落がある。そこで、「悩んだけど解決しなかった」とわかりやすく書くのと「門の前で立ち尽くしかなかった」と書くのでは、後者の方が誠実であると述べている。そしていったん内容を読めば「信頼せざるをえない」のである。したがって、には「門の前で立ち尽くすくらい深く悩んだ」、には「信頼できる」などの内容が入ればよいと考えられる。

問6 イ. 結末の提示の仕方に違いはあるが、悩みや不安について同じ効用があるという筆者の意見と合う。

           オ. 最後の二段落の内容と合う。

攻略のポイント

まず、文量の多い素材を読むスピードが欲しい。問題数は少ないので考える時間の余裕はある。本文に注意深く目を通し、ポイントを見逃さないように正確に読む。解答のテクニックというよりもまっとうな読解力が求められているようである。

記述問題は字数指定の幅(5~10字)が狭いので、過去問で範囲内にまとめる感覚を養っておこう。

素材文・設問の難易度がやや高めではあるがクセの無い試験なので、他の難関校の問題なども利用するとよいだろう。

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