早稲田実業学校中等部 入試対策
2025年度「早稲田実業学校中等部の理科」
攻略のための学習方法
早稲田実業中の理科の得点は、50点満点。標準レベルの問題も見られるが、細かい知識がないと解けない問題が多いことが特徴。長めの問題文やグラフ・表・図をしっかり読み取らないと解けない問題も出題される。また、記述問題が出題されることも多い。今年度は60字~80字の記述問題が題見られた。過去には120字以内の記述問題も出題されている。基本の定着はもちろんのこと、秋以降には、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行おう。また、時事問題対策も十分行って欲しい。演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は種子の発芽と呼吸に関して出題された。光発芽種子に関する記述問題も含まれていたが、基本的な知識に基づいて考えれば対応できる問題が中心であった。ここ数年では本年は、西之島の生態系、植物の働き、生物と環境、動物の進化、昆虫、人間の血液や血液循環等の出題が見られた。この分野の学習法としては、まずは生物すべての分野について基本知識をしっかり身につけてほしい。さらに、植物の働きや人のからだの働きに関する実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかりおこなって欲しい。また、環境をテーマにした出題も想定されるので注意が必要である。
地学分野 本年度は気象に関して出題された。風の吹き方や気団に関する問題が中心で、知識さえあれば正答可能な問題も見られた。近年では、富士山について、地球温暖化、火山と岩石、月の満ち欠け等天体に関する出題、台風など気象についてなどの出題が見られた。今後は天体・気象・地層・岩石など幅広い単元からの出題が予想される。本年出題された気象に関しては、台風やフェーン現象等様々な気象現象について、また、地震や火山噴火についての出題も十分考えられる。どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分行おう。また、時事問題対策として、近年に起こった気象災害や地震などの出来事に関しては入試前にしっかり確認しておきたい。
物理分野 本年は振り子の運動について出題された。昨年度も物体の運動について出題されている。近年では、モーターと電気回路、物質の性質、光の性質、発電、電気についてなどの出題が見られた。電気や光に関する出題がやや多く、その反面、てこ・ばね・滑車などの力のつり合いの計算問題はあまり出題されていないのが特徴的。今後は光や電気を中心とした出題が予想される。また、今年出題された発電やエネルギー利用についての知識も日頃から吸収する努力を行うこと。力のつり合いの計算問題も今後は出題される可能性はあるので、計算問題の練習はしっかり行って欲しい。
化学分野 本年はこの分野での出題はなかった。近年では、中和反応・金属と水溶液の反応について出題されているが、水溶液の計算問題はほとんど出題されていない。この分野の対策としては、まずは気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化などについて基本知識を確実に固めたい。今後は中和・水溶液と金属の反応等の出題が多くなる可能性もある。塾のテキストや問題集を使って計算練習をしっかり行って欲しい。
早稲田実業で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、9月以降は入試問題と同タイプの総合的な問題演習にも時間をかけて欲しい。もちろん9月以降でまだ苦手な単元に関してはさらに力を入れて定着させる必要がある。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。
入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、それらをしっかり活用しよう。
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2025年度「早稲田実業学校中等部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は3、小問数は15で50点満点。試験時間は30分で例年通りであった。記号選択問題、適語を答える問題が中心で、記述問題や図を描く問題も見られた。化学・物理の計算問題がなかったのも本校の例年通りの特徴。30分という試験時間に対して問題数はして多くはないので、落ち着いて取り組んで欲しい。
【大問1】物体の運動
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 振り子が最下点を通過するとき、最も速さが大きい。データから最も大きな値と最も小さい値の差を求めると、端(a)では0.40秒、最下点(b)では0.13秒。
問2 実験結果のグラフを選択する問題。比例ではなく、糸の長さを10㎝増やしたときの時間の増える量は次第に小さくさっている。
問3 実験結果の考察選択問題。振り子の長さは支点からおもりの重心までの長さ。40㎝の糸に11個のおもりを縦につないだときと、50㎝の糸に4個のおもりを縦につないだ時で、振り子の長さはほぼ同じになり、周期もほぼ同じになる。なお、「振れ幅(振れ角)が変わっても振り子の周期は変化しない」と学習しているはずだが、本問題のデータでは、振れ角が大きくなると、周期が大きくなっていることに注意が必要。
問4 振り子時計の歴史と振り子の性質に関する穴埋め問題で、本校らしい出題。最初に振り子の性質を発見したのは、ガリレオ=ガリレイでる。
振り子の運動に関する出題。振り子の基本的な性質の理解は必要だが、思い込みは禁物である。データを見ると学んだ性質が成立していない部分があるので、その見極めが本問題の最大のポイントである。子の問題に限らず、思い込みで解くのではなく、与えられたデータをしっかり見ることの重要性を理解し、実践して欲しい。
【大問2】気象
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 陸は海より暖まりやすく冷めやすい。昼間吹くのは海風、夜吹くのは陸風。
問2 海風と陸風が入れ替わる際に風が止まる現象を「なぎ」という。
問3 梅雨の時期は小笠原気団とオホーツク海気団の影響で梅雨前線が日本付近に停滞する。夏になると、日本は小笠原気団に覆われ、蒸し暑い天気が続く。
問4 シベリア気団はもともと冷たく乾いている。
問5 図を描き、簡単な説明を書き加える問題。日本海を通過する際にシベリア気団は水蒸気を含む。水蒸気を含んだ風が日本海側の山にぶつかって上昇気流が発生したときに雲ができ、雪を降らせる。その風が山を越して太平洋側に吹き降りるときには、乾燥した風になる。
問6 都市部の気温が周辺の地域より高くなる現象は「ヒートアイランド現象」
気象についての出題。風の吹き方・気団の名称と日本の天気などについての、正確な知識が問われる問題が並んでいる。気象に関しては、「ゲリラ豪雨」「線状降水帯」など気象に関する近年のトレンドとなる用語はその内容までしっかり理解しよう。そのためにも、ご家庭ではニュースや天気予報を定期的に見る習慣が大切になってくる。
【大問3】種子の発芽と呼吸
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 石灰水に二酸化炭素が溶けると、炭酸カルシウムが生じ、白く濁る。
問2 呼吸により酸素は吸収され、放出した二酸化炭素は石灰水に吸収される。
問3 4℃という低温では呼吸があまり行われないので、三角フラスコ内の空気の量はほとんど変化しない。20℃では呼吸が盛んに行われる。また、発芽したとしても、二酸化炭素がないために、光合成はできない。したがって、三角フラスコ内の空気はさらに減少する。
問4 光発芽種子に関する実験結果の考察選択問題。表より、最後に赤色光を当てると70%以上の発芽率があり、最後に遠赤色光を当てると発芽率は5~6%程度である。
問5 光発芽種子についての60~80字指定記述問題。光が届かずその後の成長が期待できない場所では発芽せず、成長ができるだけの光が届いている場所では発芽する、といった内容を記述すればよい。
種子の発芽と呼吸に関する出題。植物の呼吸に関する知識があれば正答可能な問題が中心。問5で記述問題が出題されたが、本校では毎年やや長めの字数が指定された記述問題が出題される。記述問題を志望校対策の学習の中に取り入れるよう計画して欲しい。
攻略のポイント
早稲田実業の理科の入試問題のここ数年の傾向として、時事問題等の細かかい知識について問う出題が多いことがあげられる。昨年度はその傾向がかなり顕著に表れていたが、今年度はその傾向が、今年度は比較的オーソドックな出題であり、出題テーマも「振り子」「気象」「種子の発芽と呼吸」と一般的なものであった。来年度以降は昨年までの傾向に戻る可能性も十分ある。本校受験者の心構えとして、知らない知識以外の問題で得点を稼ぐという気持ちが大切になる。
本校理科の出題としてもう一つの特徴は、記述問題の出題である。内容として難しい内容の記述ではないが、記述問題の練習をしっかりしておくことが本校受験者には求められる。日頃の学習においては、塾のテキストだけではなく、科学や自然に関して関心を持つことが大切である。ニュース、新聞等を見て欲しい。入試直前期には時事問題対策をしっかり行う必要もあろう。記述問題の練習も十分に行うこと。
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