早稲田実業学校中等部 入試対策
2017年度「早稲田実業学校中等部の社会」
攻略のための学習方法
スライド式学習
「早実対策」では先ずは「地理」「歴史」「公民」全単元・全分野と「時事問題」の「知識」を確実に定着させることが最優先。「基礎的事項」はもちろん、細部にわたる「知識」や「深い理解」も必要なので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックも忘れないこと。
完璧な「知識定着」が欠かせないのだが、残念なことに人は忘れるもの。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。
基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる５年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、６年の夏休み前には終える。
その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。６年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか？ 実質的に１年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」の「全分野」から出題される早実では絶対に許されない。
そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある５年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておくことがポイントだ。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習をこっそり続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。
いもづる式学習
全単元・全分野に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独で(要は単なる「一問一答方式」)定着させていても無意味だ。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、「早実攻略」に不可欠な「多角的思考」など絶対に無理だ。
そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。１つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。
また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(＝「面」)をも理解するようにする。このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。さらに、単元もまたいでいるので、早実定番の「単元融合型設問」にも対応できる。無論、「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。
手づくり式学習
特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。しかし、早実ではそんな単純なものはない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」～「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。
さらに、その「年表」には「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「世紀」と「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が早実では多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。
細部へのこだわり式学習
「問題解説」でも指摘したが、「早実対策」で欠かせないのが「細部へのこだわり」だ。「多角的思考」をするに当たっての前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取れるかということ。そこから「考えるヒント」を見つけ出す。そのためには「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。
当然、トレーニングが欠かせない。過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」「資料の数字」や「関連事項」などを全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。
こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」とつなげて考えればいい。
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2017年度「早稲田実業学校中等部の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問Ⅰは｢公民｣｢時事｣。 ｢イギリスのＥＵ離脱と世界経済に関するリード文｣からの出題。小問は全４問(解答数10)、｢選択肢｣(｢不適切｣あり)､｢事項記述｣(｢漢字字数指定｣あり)。
大問Ⅱは｢地理｣(ただし｢公民｣１問あり)。 ｢北海道などの地図｣｢函館の地形図｣｢各種統計資料｣などからの出題｡小問は全５問（解答数15）、｢選択肢｣(｢不適切｣｢組み合わせ｣｢複数完全解答｣あり)､｢事項記述｣(基本的に｢漢字指定｣)､｢説明記述｣(３問｡全て｢字数指定｣なし)。
大問Ⅲは｢歴史｣(ただし｢時事｣１問あり)。 ｢東京にある様々な史跡に関するリード文｣からの出題。小問は全14問(解答数15)、｢選択肢｣(｢不適切｣｢組み合わせ｣｢年代整序｣あり)､｢事項記述｣(｢人名｣あり。基本的に｢漢字指定｣)､｢説明記述｣(１問｡｢字数指定｣なし)。時間配分は、｢説明記述｣が各２分、その他は３問で２分というハイペース。無論、メリハリのある｢戦術｣が求められる。
【大問Ⅰ】｢公民｣｢時事｣
- 難度：標準
- 時間配分：6分
｢2016年６月､イギリスのＥＵ離脱決定｣という｢時事ネタ｣を切り口とした､｢ＥＵと､近年の世界経済や日本経済との関係についてのリード文｣からの出題。
｢公民｣と｢時事｣の典型的な融合問題で、さほど難しいようには思えないのだが、いざ｢解答｣となると、悩み多きものとなってしまう曲者が紛れている。いかにも本校らしい大問だ。
以下、いくつか検討したい。
[問２①] ｢下線部についての不適切選択肢設問｣(４択)。｢時事｣単元｡ 下線部(Ａ)の｢イギリスで実施された国民投票で、ＥＵ離脱が決定的になった｣という｢ニュース｣について、｢ＥＵ離脱を主張する人々｣の｢理由｣として、｢正しくないもの｣を答える。
各選択肢の｢キーワード｣に着目して｢正誤判別｣していきたい｡
(ア)｢国外からの移住者が安い賃金で働く｣｢イギリス国民の失業率が高まる｣⇒確かに、｢ＥＵ域内｣の他国からの移住は容易＝｢適切｣
(イ)｢ＥＵ以外の外国企業が次々と母国に戻ってしまった｣⇒｢ＥＵ域内｣では関税がかからないので、多くの｢外国企業｣が進出している＝｢不適切｣
(ウ)｢ＥＵの高い分担金｣｢財政的に苦しい他のＥＵ諸国のために使われている｣⇒｢ギリシャ危機｣などをがあった＝｢適切｣
(エ)｢ＥＵの規則によってイギリス国内のことを自分たちで決められない｣⇒｢ＥＵ全体｣として様々な決定がなされることは事実＝｢適切｣
したがって、｢答え｣は(イ)だ。 ｢時事ニュース｣の｢項目｣だけではなく、その｢内容｣や｢背景｣をも理解しておく必要があると心得よ。
＜時間配分目安：１分以内＞
[問２②] ｢下線部についての選択肢設問｣(４択)。｢公民｣単元｡ 下線部(Ａ)の｢イギリスで実施された国民投票で、ＥＵ離脱が決定的になった｣という｢ニュース｣について、｢ＥＵ｣の｢本部｣がある｢都市｣を答える。
[知っていて当然のような問題なのだが、あまり馴染みのない｢都市｣なので抜け落ちている可能性もある。 ｢答え｣は(エ)の｢ベルギーのブリュッセル｣。
｢公民｣に限らないが、この問題のように｢ありふれた項目｣の中に｢エアポケット｣となってしまっている｢事項｣があるので注意したい。
＜時間配分目安：30秒＞
[問３②] ｢下線部についての不適切選択肢設問｣(複数解答/８択)。 ｢時事｣単元｡下線部(Ｂ)｢2016年５月に日本で開催された先進国首脳会議(サミット)｣について、今回の｢サミット｣に集まったのは６か国(｢日本｣と｢ＥＵ｣を除く)だが、それに｢含まれない国｣を｢２つ｣答える。
これまた､｢知識の正確さ｣が問われる良問だ。
各選択肢は､
(ア)｢カナダ｣､(イ)｢アメリカ｣､(ウ)｢オーストラリア｣､(エ)｢フランス｣､(オ)｢イギリス｣､(カ)｢ドイツ｣､(キ)｢イタリア｣､(ク)｢ロシア｣｡
｢サミット｣は1998年に｢ロシア｣が正式に参加した以降､｢Ｇ８＋１｣(アメリカ･イギリス･フランス･ドイツ･イタリア･カナダ･日本･ロシア＋ＥＵ)で開催されていたが、2014年の｢ロシアのウクライナへの軍事介入とクリミア併合｣の後、｢ロシア｣は参加していない。
よって、｢答え｣は(ウ)(ク)だ。
尚、｢ロシア｣の正式参加以降､｢サミット｣はそれまでの｢先進国首脳会議｣ではなく｢主要国首脳会議｣と呼ばれていたが、｢ロシア｣が参加しなくなり､再び｢先進国首脳会議｣になっていることにも注意したい｡
＜時間配分目安：１分以内＞
[問４②] ｢下線部についての選択肢設問｣(４択)。 ｢時事｣単元｡下線部(Ｃ)の｢安倍首相が消費税増税実施時期の延期を発表｣について、｢消費税が10%に引き上げられるのはいつに延期されたか｣を答える。
各選択肢は､
(ア)｢2018年10月｣､(イ)｢2019年４月｣､(ウ)｢2019年10月｣､(エ)｢2020年４月｣｡
｢消費税増税実施時期延期｣は､近年の｢時事問題｣では定番になっているが、度々｢延期｣されているので混乱していることは必至だ。
｢2016年６月｣に｢再延期｣が発表された｢引上げ予定｣､｢答え｣は(ウ)の｢2019年10月｣だ。
こうした事項のように、｢時事問題｣は｢新たな情報｣によって｢上書き｣される場合があるので、常に｢最新バージョン｣をチェックしておく必要がある。
＜時間配分目安：30秒＞
【大問Ⅱ】｢地理｣(｢公民｣１問あり｡｢説明記述｣あり)
- 難度：標準
- 時間配分：14分
- ★必答問題
｢北海道新幹線の路線図が記された北海道および青森県の地図｣｢函館の地形図｣｢中国、四国、九州地方の地図｣､｢領土問題が発生している国の統計資料｣､｢旅客輸送｣｢人口増減数｣などの｢統計資料(地図)｣に関する出題。
｢地理｣の｢基礎的知識｣を問う問題が多いが、｢統計資料｣に関するものではやや分かりづらいものもある。 尚、[問１③④]は｢地形図の読み取り｣だ。｢地図記号｣｢等高線｣｢縮尺｣など、正確に捉えることが求められている。
その他について、以下、いくつかを検証する｡
[問３①] ｢地図についての選択肢設問｣(４択)。｢地理｣単元｡ 示されている｢北海道および青森県の地図｣について、｢地図｣に記されている｢Ｚ島｣の｢北端緯度｣を答える。
｢Ｚ島｣＝｢択捉島｣(日本の｢北端｣)だとすぐに分かるはずだ。
各選択肢は､ (ア)｢北緯30°33′｣､(イ)｢北緯35°33′｣､(ウ)｢北緯40°33′｣､(エ)｢北緯45°33′｣｡
｢答え｣は無論、(エ)だ。定着していなかった諸君は､｢日本の北端｣＝｢Ｎ45｣と覚えておきたい。
尚、｢南端｣＝｢沖ノ鳥島(東京都)｣⇒｢北緯20°｣､｢東端｣＝｢南鳥島(東京都)｣⇒｢東経153°｣､｢西端｣＝｢与那国島(沖縄県)｣(＝[問３②]の｢答え｣)⇒｢東経122°｣についても押さえておくこと。
＜時間配分目安：30秒＞
[問４①] ｢地図についての選択肢設問｣(複数完全解答/４択)。 ｢地理｣単元｡示されている｢中国、四国、九州地方の地図｣について、｢地図｣に記されている､｢本州｣と｢四国｣｢九州｣とを結ぶ(ア)～(エ)の｢ルート｣で、｢鉄道で結ばれているもの｣を｢すべて｣答える。
(ア)＝｢関門海峡｣(｢鉄道｣と｢国道｣の｢関門トンネル｣と｢関門橋｣が通っている)
(イ)＝｢本四連絡橋｣の｢尾道―今治ルート｣
(ウ)＝｢本四連絡橋｣の｢児島―坂出ルート｣
(エ)＝｢本四連絡橋｣の｢神戸―鳴門ルート｣
｢本四連絡橋｣では、｢瀬戸大橋｣(児島―坂出ルート)にのみ｢鉄道｣が通っている。よって、｢答え｣は(ア)(ウ)。
｢本四連絡橋｣は、本校に限らず定番なので、｢ルート間の橋｣｢完成順｣も含めてしっかりと定着させておくこと。
＜時間配分目安：１分以内＞
[問５①] ｢統計資料についての条件付き説明記述設問｣(｢字数指定｣なし。｢30字ほど｣の解答欄)。 ｢公民｣単元｡示されている｢2010～2015年の各都道府県の人口増減数｣の｢表｣について、｢人口が一番多く減少｣したのは｢北海道｣(－123000人)だが、｢２番目に減少数の多い都道府県｣の｢人口減少｣の｢もっとも大きな要因｣を説明する。
｢条件｣は｢少子高齢化｣は｢除く｣こと。｢人口減少｣⇒｢過疎化｣⇒｢少子高齢化｣､誰もが即座に直結するはずだ。
が、ここは｢少子高齢化を除く｣という｢条件｣なので、他の｢要因｣があるということだ。そのことを念頭に置いて、｢２番目｣を｢表｣で確認する。
｢福島県｣(－115000人)だ。総人口で｢北海道｣(約550万人)の1/3ほど(約190万人)ということを考えると､相当な｢減少率｣になる。なぜか？ ｢2010～2015年｣に着目したい。そう、｢2011.3.11｣だ。｢東日本大震災｣による｢福島第一原発事故｣の影響で、多くの人が県外に避難や移住を強いられているということだ。
したがって、たとえば、｢福島第一原発事故で､多くの人が県外に避難や移住をしたこと｡｣といった｢答え｣になる。
｢条件｣は｢大いなるヒント｣だと心得よ。
＜時間配分目安：２分＞
【大問Ⅲ】｢歴史｣(｢時事｣１問あり｡｢説明記述｣あり)
- 難度：やや難
- 時間配分：10分
｢2020年オリンピック･パラリンピック開催を控えている東京の、史跡を中心とした近年話題となった場所に関するリード文｣からの出題。
｢縄文時代｣～｢現在｣までの実に幅広い｢歴史｣の｢知識｣が問われている(１問のみ｢時事｣)｡｢基礎｣と見せかけての｢難問｣､｢大学入試レベル｣そのものなど、本校の｢特徴｣が遺憾なく発揮されている。
以下、いくつかの｢設問｣を確認する。
[問３(Ａ)] ｢下線部についての空所補充記述設問｣(漢字指定)。 ｢歴史｣単元｡下線部(３)の｢平将門｣について示されている｢説明文｣の中の空所( Ａ )に入る｢語句｣を答える。
空所部前後は｢将門は東国の国府を次々と攻め落とし、( Ａ )と自ら名乗った｣となっている。 ｢平将門の乱｣(10世紀前半)のことは当然知っているはず。下総を拠点に反乱を起こし、一時は関東地方の大半を支配した。
では、将門は何と名乗ったのか？ ｢漢字｣も含めて抜け落ちている可能性が大きい。｢答え｣は｢新皇｣だ。｢新たな天皇｣だと自ら宣言したわけだ。
本校らしい｢大学入試レベル｣の問題、｢ディープな知識｣も確実に定着させておくこと。
＜時間配分目安：30秒＞
[問６] ｢下線部についての不適切選択肢設問｣(４択)。｢歴史｣単元｡下線部(６)｢天守(閣)は現存しません｣について、｢天守(閣)｣が｢国宝｣に｢指定されていないもの｣を答える。
｢大学入試レベル｣で判断しても｢超難問｣。しかも、受験生の苦手な｢文化史｣だ。
各選択肢は､ (ア)｢名古屋城｣､(イ)｢姫路城｣､(ウ)｢松本城｣､(エ)｢彦根城｣｡
｢江戸時代の天守(閣)｣がほぼそのまま残り｢国宝｣に指定されているのは、｢松本城｣(長野県)､｢犬山城｣(愛知県)､｢彦根城｣(滋賀県)､｢姫路城｣(兵庫県)､｢松江城｣(島根県)だけだ。よって、｢答え｣は(ア)｡
尚、｢名古屋城｣は｢空襲｣で焼失し、戦後に再建されたもの。｢文化史｣はどうしても後回しになる。確実に習得しておきたい。ただし、本問は｢捨て問｣でも構わない。
＜時間配分目安：30秒＞
[問７] ｢下線部についての人物名記述設問｣(漢字指定)。 ｢歴史｣単元｡下線部(７)の｢隠岐から戻った天皇｣について示されている[史料]には、この天皇が政治を行っていた時の様子が記されているが、その｢天皇の名前｣を答える。
[史料]には｢このごろ都ではやっているのは、夜討、強盗、にせの天皇の文書……｣とある。どうか？ 記憶に残っていないか？ そう、｢二条河原の落書｣だ。その内容は｢建武の新政｣を批判したもの｡したがって、｢答え｣は｢後醍醐(天皇)｣になる。
本校では、テキストの｢隅｣や｢欄外｣に記されている｢史料｣についてもしっかりと確認しておく必要があるということだ。
尚、｢リード文｣の下線部前後は｢楠木正成が隠岐から戻った天皇を迎えた｣となっている。これを｢手がかり｣にして、｢後醍醐(天皇)｣を特定することも可能なはずだ。
｢リード文｣の｢下線部以外｣が｢手がかり･ヒント｣にもなっていると心得よ。
＜時間配分目安：１分以内＞
[問８] ｢下線部についての選択肢設問｣(４択)。 ｢歴史｣単元｡下線部(８)｢高村光雲｣の｢作品｣を､示されている｢写真｣の中から答える。
これまた｢文化史｣､その上、｢美術作品｣の特定。｢大学入試レベル｣のハードな｢難問｣だ。
(ア)｢眠り猫｣(日光東照宮にあり、修学旅行の定番見学スポット。左甚五郎作とされる)､(エ)｢金剛力士像｣(東大寺南大門。運慶･快慶作)は皆が知っているはず。だが、他は通常のテキストには掲載されていないものかも。
(イ)は明治時代の木彫作品の｢老猿(ろうえん)｣､これが｢答え｣だ。｢高村光雲｣は明治～大正時代に活躍した彫刻家。(ウ)は｢考える人｣(国立西洋美術館の前庭にあるブロンズ像。フランスの彫刻家･ロダン作)｡
本校では､こうした｢深知り知識｣も求められるということだが、これも｢捨て問｣でいい。
＜時間配分目安：30秒＞
[問10] ｢下線部についての条件付き理由説明記述設問｣(｢字数指定｣なし。｢40字ほど｣の解答欄)。 ｢歴史｣単元｡下線部(10)｢縄文時代の遺跡｣について､｢縄文時代｣は気候変動が発生して｢海岸線が内陸へと移動した｣ことが分かっているが、その｢理由｣を説明する。
｢条件｣は､｢気温｣･｢海面｣という｢２語を必ず用いる｣こと。｢大森貝塚｣などで｢海岸線が内陸へと移動した｣ことは当然、知っているはずだが、その｢理由｣だ。
｢設問｣に｢気候変動が発生｣とある。そこから、｢氷河期の終わり｣⇒｢気温の上昇｣⇒｢雪や氷の溶解｣⇒｢海水面の上昇｣と結びつけていきたい。たとえば、｢氷河期が終わり､気温上昇により地表の雪や氷がとけたことで、海水面が上昇したから｡｣といった｢答え｣だ。
｢問題文｣も｢手がかり･ヒント｣になるということだ。
＜時間配分目安：２分＞
攻略ポイント
●｢歴史｣単元で｢大学入試レベル｣の出題がある(本年度は｢地理｣でもあったので、｢歴史｣以外でも油断禁物)｡
いかに｢攻略｣するか？ 当然ながら、できるはずがない。
だが、ここで心が折れてしまってはダメ。本校の｢出題構成｣の多くは、極端に単純な｢基礎的問題｣に紛れて数少ない｢超難問｣が顔を出すといったパターンだ。悩んでいる時間はない。即座に｢捨て問｣にすればいい。
合格ライン(非公表)は｢受験者平均得点率｣(過去９年間平均で61.9%、本年度は一気に上昇して69.6%)から推定すると６割半ほどだ。｢基礎的問題｣を落とさなければ十分に達成可能だ。
｢即断即決｣が重要。
●｢多角的思考｣と｢細部へのこだわり｣も大きなポイントだ。
前者は、｢リード文｣｢設問文｣｢統計資料｣｢歴史史料｣等の｢要素｣と自分の｢知識｣を多角的に結びつけて考察するということ。そのために欠かせないのが後者の｢細部へのこだわり｣だ。
考察する｢要素｣を読み違えていては元も子もない。いかに｢要素｣を正しく｢読解｣するかが重要。過去問演習等を通じて、｢細部｣にこだわった｢要素｣の｢読み取り｣を繰り返し練習し、どのような｢要素｣を組み合わせて考えていけばいいのかを｢解説｣で必ず確認する。そうして、自分でも｢多角的思考｣ができるよう十分に訓練しておくこと。
●｢地理｣では｢地図｣｢地形図｣｢統計資料｣、｢歴史｣では｢歴史史料｣(｢図版｣｢写真｣含む)等が頻出なので、繰り返し確認しておくことが必要。
無論、｢統計資料｣は必ず最新版を使う。テキストとしては｢日本のすがた｣(矢野恒太記念会編集)がオススメだ。また、｢時事問題｣も定番なので抜かりなく。
志望校への最短距離を
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