青山学院中等部 入試対策
2025年度「青山学院中等部の理科」
攻略のための学習方法
青山学院中理科の満点は50点、塾のテキスト等を使って学習していれば、十分に得点できる問題が中心であるが、やや細かい知識問題や時事問題、計算問題も含まれる。過去問の出題領域にあまりこだわることなく、全分野まんべんなく学習し基本を固めることが必要である。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年は大問で人の血液循環について出題された。やや細かい知識を問う問題もあり、知識の正確さが問われる内容であった。小問ではサンゴの白化現象について出題された。ここ数年を見ると、季節と生物について出題された年度が複数回あり、その他では、昆虫、食物連鎖、コスモスの開花条件、植物の働き、生物の系統樹、人のからだの働き等からの出題が見られる。この分野の対策としては、植物・動物・昆虫・人のからだの働き等についての基本知識もしっかり身につけておきたい。植物については、花の名前を数多く覚えるよりも、光合成や呼吸などの働きおよび花・茎・葉などのつくりについて理解することを優先させたい。実験や観察に関する問題も出題されるので、知識を固めた上でテキスト等の問題演習も行って欲しい。環境問題との関連にも興味を持って学習して欲しい。
地学分野
本年度は大問で月の満ち欠けに関して出題された。学習した知識が身についているかが問われる内容であった。小問集合では、海風・陸風について出題された。ここ何年かを見ても、天体に関する出題が多く、気象・岩石・地層に関しての出題も見られる。この分野の学習として、天体については、単なる丸暗記ではなく、太陽・星・月の動きに関してなぜそのように動いて見えるのかの原理を含めて理解して欲しい。また、日食や月食など近年起こった現象に関する出題も多く、注意が必要である。気象に関しては、雲のでき方や台風について、さらに最近の異常気象などニュースで取り上げられている話題についても興味を持って欲しい。
今後は火山噴火や地震に関して出題されることも想定されるので、ここも注意が必要である。
物理分野
本年は大問で物体の運動について出題された。表の読み取りがポイントとなる問題であった。過去の出題内容を見ても、てこや振り子、浮力など力のつり合いに関する出題頻度が高い。力学の計算問題の練習を最優先に学習して欲しいが、電気(豆電球の明るさ・電流と磁界・手回し発電機・LED)や光・音・熱に関する学習もしっかり行っておこう。
化学分野
今年度は大問では水溶液の性質について出題された。過去の出題を見ると、水溶液や気体の性質に関する出題が多く、その他には水の三態変化、熱についての計算問題も出題されている。この分野の対策としては、気体や水溶液の性質・指示薬の色の変化といった基本知識を固めるとともに、溶解度・中和反応・金属と水溶液の反応・燃焼・熱量などについては、基本的な計算問題の練習もしっかり行っておこう。
青山学院中入試で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、まだ苦手な単元に関しては9月以降で攻略できるよう徹底的に学習して欲しい。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスである。単に得点だけを見て一喜一憂するのでなく、どの分野の間違いが多いのかなどをしっかり分析して欲しい。その際には、家庭教師のアドバイスを得ながら進めるのも有効になると思う。
過去問演習は25分という短い時間の使い方を確認しながら進めて欲しい。短い時間の使い方で特に大切なのは、できる問題を素早く仕上げ、わからない問題は後に回すという判断を素早く行うことである。
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2025年度「青山学院中等部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は5、小問数は23で50点満点。小問集合と大問4題という問題構成、試験時間は25分で例年通りであった。解答形式は記号選択問題・計算問題・適語を答える問題で、記述問題は見られない。基本的な知識を問う問題が中心であるが、時事問題などやや細かい知識を問う問題も含まれる。問題数に対してテスト時間が25分と短いので、できる問題からてきぱきと素早く処理していくという判断が求められる。
【大問1】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
(1) 陸は暖まりやすく冷めやすい、海は暖まりにくく冷めにくい。昼間は陸で上昇気流が生じて海風が吹き、夜は海で上昇気流が生じて陸風が吹く。
(2) サンゴの白化現象とは、サンゴと共生する藻類がいなくなったことにより、サンゴの白い骨格が見えるようになる現象。
(3) 電池を発明した科学者はボルタ。
(4) わずかな体積の違いを測るためには、ガラス管の幅が狭い部分が適している。
(5) 円周率を3として地球の7周半の長さを計算すると、6378×2×3×7.5より、 約30万km。月との往復に2.5秒かかっているので、月と地球の間の距離を計 算すると、30万×2.5÷2より、選択肢の中では377000kmが最も近い。
毎年出題される時事問題を含む知識問題と計算問題による小問集合。(2)(3)は知らないと解けない。日頃から科学や自然に興味の目を向けているかが問われる内容である。一方、(1)はテキスト等で学習しているはずの内容で正答必須。(5)も正確な計算で正答したい。
【時間配分目安:4分】
【大問2】生物分野 血液循環
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
(1) 人の血液の重さは体重の約8%。
(2) 血液を作る器官は骨髄。
(3) 白血球は体内に入った菌を殺す働きがある。体内に異物が入ると、白血球が増加する。
(4)
① 二酸化炭素が最も多いのは、肺に入る直前の肺動脈。
② 血液から不要物をこし取り尿を作る器官は腎臓。また、汗せんでは血液から不要物をこし取り汗を作っている。
人の血液循環についての出題。(1)は知らないと解けないが、(2)以降は知識問題、または知識を使って考えると正答可能な問題である。(1)は捨て問として、(2)以降で間違えた問題は知識の再確認をしよう。
【時間配分目安:4分】
【大問3】地学分野 月の満ち欠け
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1)満月のときの月の位置を選択する問題。
(2)満月は18時頃東の地平線から出て、夜中の0時頃に南中するので、21時頃は南東の空に見える。
(3)月の満ち欠けの周期は29.5日、上弦の月から満月までが約1週間なので、満月から次の上弦の月までは約22日。
(4)満月から3日経つと月の右側が少し欠けている。注意すべきは、月の見える位置。24時(0時)には真南より東に約36度ずれた位置に見えるので、かけた部分は少し上を向いている。
(5)2024年に見られたスーパームーンに関連した問題。月の公転軌道は完全な円ではないので、地球との距離が変化し、月の大きさも変化して見える。
月の満ち欠けに関する出題。月の満ち欠けに関する基本的な知識が身についているかどうかを問う内容。(5)のスーパームーンについての問いも、内容としては基本知識問題。天体の中でも月を苦手としている方は多いが、入試で出題される可能性は高い。親子でも苦手克服の目標と計画を共有し、問題演習などに取り組んでいただきたい。
【時間配分目安:5分】
【大問4】化学分野 水溶液の性質
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) 気体が溶けている炭酸水と塩酸は、何も残らない。
(2) 重そう水(炭酸水素ナトリウム水溶液)と塩酸を混ぜた時に、二酸化炭素が発生し、食塩と水ができる。
(3)(2)と合わせて考えると、Fは塩酸、Aは水酸化ナトリウム水溶液、Bは重そう水、Dは食塩水考えられる。
(4) Eは残った水溶液の中で酸性の炭酸水、Cは石灰水となる。Eの水溶液を加熱すると、二酸化炭素が蒸発するので、水溶液は中性になる。
炭酸水に石灰水を加えていくと、中和反応により炭酸カルシウムが生じ、白く濁る。さらに石灰水を加えると、白い濁りは消え、水溶液はアルカリ性になる。
水溶液の性質に関する出題。(2)の重そう水と塩酸の反応で迷った方もいるかと思われる。ただし、(2)が不正解でも(3)以降の塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応、および石灰水と炭酸水の反応は正答可能かので、できる問題で確実に得点することを心がけて欲しい。
【時間配分目安:6分】
【大問5】物理分野 物体の運動
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)実験結果に対しての考察選択問題。条件AとCを比べると、おもりの重さが2倍になると木片の移動距離も2倍になっており、両者の間に比例関係が成り立っていることがわかる。条件AとBより、ふり子の長さと木片の移動距離は無関係と言える。条件DとEを比べると、おもりの重さとおもりの高さの積が5倍になると木片の移動距離も1.5倍になっており、比例関係にあることがわかる。
(2)条件Fでおもりの重さとおもりの高さの積を求めると3000となり、条件Eの3倍となるので、木片の移動距離は条件Eの3倍で30㎝となる。
(3)実験結果より、おもりの高さが4倍になるとおもり速さは2倍、水平方向に飛んだ距離も2倍になる。また、速さも飛んだ距離も2倍になることから、地面に着くまでの時間は変化がないと考えることができる。
(4)おもりの高さが10㎝のときと比べると、飛んだ距離は9/2倍なので、おもりの速さも9/2倍となり630㎝/秒。また、9/2×9/2=81/4より、おもりの高さは10×81/4となり、約203㎝。
(5)おもりの重さやふり子の長さは関係しない。机の高さを高くすると地面に着くまでに時間がかかり、水平方向に飛ぶ距離は長くなる。おもりの進行方向に加ええると、最下点に達したと時の速さが速くなり飛ぶ距離は長くなる。注意すべきは、進行方向と逆に力を加えた時、おもりが一旦高く上がるので、最下点における速さが速くなる。
物体の運動に関する出題。最大のポイントは表の読み取り。固定観念を持つことなく素直にデータを見た時に、何が言えるのかを考えること。特にこのようなふり子問題では、ふり子の長さと周期の関係性を問う問題が多いが、本問題ではふり子の長さは全く関係しないことに注意が必要である。
【時間配分目安:6分】
攻略のポイント
ここ何年かの出題分野を見ると、生物・地学・物理・化学の4分野からまんべんなく出題されている。際立った難問はなく、基本~標準レベルの問題が中心であるが、時事問題を含むやや細かい知識問題が出題されることが本校出題の特徴である。攻略のポイントとしては、まずは各分野の基本をしっかりと固め、苦手分野を作らないこと。そして、日頃から科学的要素を含んだニュースや身の回りの現象に注意を払うことがあげられる。
試験時間が25分と短いので、できる問題から素早く解答欄を埋めていくという姿勢が非常に大事になる。入試直前期の過去問演習においては、時間の使い方を十分意識して取り組みたい。
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