市川高等学校 入試対策
2025年度「市川高等学校の国語」
攻略のための学習方法
記述
「市川の記述対策」は「問題解説」及び上記のとおりだが、その前提としてやるべきことがある。それは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。
最初は時間がかかってもいい。厭わずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要があるからだ。
では、何を「書く」か？ 「練習問題」や「過去問」にある「記述設問」は勿論だが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。50～60字程度で書いてみる(市川の典型的な「記述」の練習にもなる)。無論、内容は先生などに確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一挙両得。
次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。書きたい内容は何文字くらいになるのか？ 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要。その際、20～30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。
「記述設問」で得点を左右する「重要な要素」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要な要素」を「文末」にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく。
解法
「記述」「選択肢」、その他の問題も含め、「市川の国語」で勝利するための基本は、「解法」をいかにうまく使うかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた独自の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。
そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解説」が定まっていない証だからだ。そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか？ その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。
さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。
速読
大学入試にも匹敵、あるいはそれ以上の問題文を読まなくてはならない。「現代文」全体で7000字以上。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。
やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。「論説文」(説明文)であれば「Ｎの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。
「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックしつつ、「心情表現」を拾いながら素早く読んでいく。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。市川に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。
知識
「高度な語彙力」だけではなく、「国語常識」も含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる「市川の国語」(直接出題だけではなく、「本文読解」等でも必然的に問われる)。いかなる「攻略法」があるのか？ 「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ。
確かに、そうした側面はある。だが、そこで思考停止してしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。先ずは、「己が実力」を悟ること(「己が」＝「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも５年分以上)、「５割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「５割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。
要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されることがあるし、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。
なお、｢知識｣強化用のテキストとしては、｢高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・語句・文法1500 四訂版｣(旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら｢中学入試レベル｣から再スタートの場合は、｢四谷大塚｣の｢四科のまとめ『国語』｣(ＨＰから購入可能)等がオススメ。
古典
「公立中学」の「国語」でも「古典」は扱う。「古文」は必須のカリキュラムだ。しかし、「指導要領」上はほんの導入部分だけで、本格的な学習はしない。「文語文法」等を体系的に学ぶことはない。
が、「中高一貫校」ではそれらを中学時点で学び始めている。従って、「高校入試」で出題されることになる。明らかに「ハンディ」だが、仕方がない。塾での学習ないし「独習」するしかない。最重要な「古文単語」(200語程度)を定着させ、基礎的な「文語文法」は理解しておかなくてはならない。
そして、できるだけ多くの「古典作品」に触れて慣れておくことが重要だ。なお、「古文」強化用のテキストとしては、「古文完全攻略63選——入試頻出問題厳選」(東京学参)や、「古文単語」定着用として「マドンナ古文単語230」(学研)などが推薦できる。
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2025年度「市川高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問一は｢論説文｣、出典は｢ミネルヴァ通信『究』2024年９月号所収の田中祐介｢記憶と忘却｣(文字数約4000字)｡小問は全５問(解答数５)｡｢選択肢｣(｢グループ分け｣あり)、｢説明記述｣(１問｡｢70字以内｣指定)｡問題文を５分程度で読み切り、設問を12分ほどで解きたい。大問二は｢小説｣、出典は山下紘加｢あくてえ｣(文字数約4200字)。小問は全６問(解答数６)｡｢選択肢｣、｢説明記述｣(１問。｢70字以内｣指定)｡問題文は５分ほどで読み切り、設問を16分程度で解きたい。大問三は｢古文｣、出典は上田秋成｢癇癖談(くせものがたり)｣(文字数約700字)。小問は全４問(解答数５)｡｢選択肢｣のみ(｢現代語訳｣あり)。10分ほどで解きたい。大問四は｢漢字の書きとり｣(全５問)。２分程度で丁寧に終えたい。
【大問一】
- 時間配分：17分
人間は忘れてしまうが、思い出すことはできる。そして、｢思い出すことができる｣のは、ふだんは必ずしも意識しない記憶の深層で、強固に｢憶えている｣からだと論じている。本文では、言葉を重ねることで記憶はいっそう豊かになり、新たな読者に分有されるようになると指摘している。それほど難解な語句はなく、内容は理解できるはずだ。｢各選択肢の説明｣がやたらに長い問題など、いかにも本校らしい小問構成の大問だ。以下、３問を検証する。
[問２] ｢理由説明選択肢｣(５択)。傍線部(２)｢記録し続け、語り続けることの意義が問われる｣について､それは｢なぜか｣を答える。｢選択肢設問｣は｢消去法｣が原則｡先ずは｢原意消去｣をしたい(｢原意絶対優位の原則｣＝｢設問｣｢傍線部｣等の｢原意｣を最優先に考えること)｡本問は｢理由説明｣なので、｢記録し続け、語り続けることの意義が問われる｣ことの｢直接的理由｣として結びつかない｢説明｣を｢消去｣したい。各選択肢の｢文末｣⇒｢だから｣⇒｢記録し続け、語り続けることの意義が問われる｣とつながるかどうかだ(｢選択肢｣の説明で最も重要な要素は｢文末｣に記されている)。確認する。(ア)｢そのまま忘れ去ってしまうことがあるから｣、(イ)｢忘れられてしまうことがあるから｣、(ウ)｢正確に伝えられないことがあるから｣、(エ)｢古い記憶は忘れられてしまうことがあるから｣、(オ)｢忘れられてしまうことがあるから｣｡さあ、どうだろうか？ ｢記録し続け、語り続けることの意義｣なのだから、｢古い記憶は忘れられてしまう｣以外は｢消去｣できなくてはいけない。念のために、｢同一意味段落｣で他の部分の説明を確認する(｢論説文｣では｢同一意味段落｣に｢根拠｣｢手がかり｣がある)。特に誤っていないと分かる。よって、｢答え｣は(エ)だ｡実に清々しい｢一発消去｣ではないか。 ｢原意消去｣を徹底的に練習し、応用できるようにすべし。
＜時間配分目安：１分強＞
[問３] ｢理由説明記述｣(｢70字以内｣指定)。傍線部(３)｢犠牲者の個人性を取り戻す｣について、｢生きた証プロジェクト｣においてそうするのは｢なぜか｣を､｢70字以内｣で説明する。｢傍線部一文一部の法則｣に｢手がかり｣を求める(｢傍線部が一文の一部分だった場合、傍線部以外が重要｣という読解の基本となる解法)。直前直後は｢岩手県大槌町の『生きた証プロジェクト』は、犠牲者の個人性を取り戻すための回顧記録の蒐集(しゅうしゅう)事業として注目される｣となっている。したがって、｢岩手県大槌町の回顧記録の蒐集｣が｢犠牲者の個人性を取り戻すことになるのはなぜか｣を｢同一意味段落｣から読み解いていくことになる。それは、｢行方不明者一二八五人｣という｢数値化される犠牲｣によって犠牲者をとらえるのではなく、それぞれ一人ひとりの｢生きた証｣に想像力を働かせて、反復的に参照しようとする試みであり、時間の経過にともなう｢忘却｣という｢記憶の風化｣に抗う方法だということが分かるはずだ。こうした要素を整理してまとめていきたい。たとえば、｢数値化された犠牲の一つ一つに個人の生きた証があることへ想像力をはたらかせて、犠牲者を忘れないことで、忘却という記憶の風化に抗おう考えるから｡｣(70字)といった｢答え｣になる。適切な｢解法｣を用いて、説明に｢必要な要素｣を外さないようにしたい。
＜時間配分目安：３分＞
[問４] ｢表現内容のグループ分け選択肢｣(５択)。示されている波線部(Ⅰ)～(Ⅴ)は、｢記録の仕方に関連して用いられている本文中の表現｣だが、これらを｢二つのグループ｣に分けるとすると、｢どのように分けたらよいか｣を答える。各表現は、(Ⅰ)｢無数のひとりが紡ぐ歴史｣･(Ⅱ)｢数値化される魏性｣･(Ⅲ)｢個人の生きた証｣･(Ⅳ)｢<私>を主語にした四〇一八日の点描｣･(Ⅴ)｢大文字の『東日本大震災の語り』｣⇒[問３]の｢生きた証プロジェクト｣を踏まえて分類できると判断できるはずだ。｢ひとり｣｢個人｣｢私｣と｢数値化｣｢大文字｣、よって、｢答え｣は(Ⅰ･Ⅲ･Ⅳ)と(Ⅱ･Ⅴ)とに分けている選択肢(ウ)になる。あまり類例のない設問内容だったが、設問を正確に読み解き、｢解法｣に即して考察を進めていくことで必ず解けると心得よ。
＜時間配分目安：１分半＞
【大問二】
- 時間配分：21分
あたしの本当の人生はこれから始まる……小説家志望の19歳の｢ゆめ｣は90歳の憎たらしい｢ばばあ｣と｢母親｣との３人暮らし。ままならなさを悪態(あくてえ)に変え奮い立つ、19歳のヘヴィな日常。本文では、｢ばばあ｣が人に褒められると、｢ゆめ｣は、｢ばばあが悪いのではなく、あたしに問題があって自分は人として何か大きく欠落しているのだろうか｣と混乱してします姿が描かれている。内容はすぐに理解できるはずだ。本校としてのオーソドックスな小問が並んでいる。いくつかを確認してみる。
[問１] ｢換言内容説明記述｣(｢70字以内｣指定)。傍線部(１)の｢他人のばばあに対する評価は、あたしを混乱させる｣とは｢どういうことか｣を､｢70字以内｣で説明する。｢同一場面｣から、どのような｢状況｣なのかを読み解いていきたい(｢小説｣では｢同一場面の直前直後｣に｢ヒント･手がかり｣がある)。看護師は、｢ほんわかしてて、ほんとに可愛いおばあちゃん｣だと｢ばばあ｣を褒めてくれたが、家の中では、｢ゆめ｣と｢ばばあ｣との間で｢口論が起き｣、｢ばばあ｣に優しくできないので、｢ばばあ｣が他人に褒められると、｢ゆめ｣は｢ばばあが悪いのではなく、あたしに問題があって、自分は人として、何か大きく欠落しているのだろうか｣と混乱してしまうという｢状況｣が読み取れるはずだ。こうした内容を的確に｢過不足なく｣まとめていけばいい。たとえば、｢ばばあが他人から評価され褒められると、ばばあに優しくできないのは、自分が人として、何か大きく欠落しているせいなのかと思い悩むということ｡｣(68字)といった｢答え｣だ。尚、｢説明記述｣では必ず｢最重要要素｣を｢文末｣にすること。
＜時間配分目安：３分＞
[問４] ｢換言説明選択肢｣(５択)。傍線部(４)の｢ふたりの会話に馬鹿馬鹿しさを覚えた｣とは｢どういうことか｣を答える。無論、先ずは｢原意消去｣から。本問は｢換言説明｣なので、｢馬鹿馬鹿しさ｣の｢原意｣として結びつかない｢説明｣を｢消去｣したい。各選択肢の｢文末｣と照合する。(ア)｢無駄だと思ったということ｣、(イ)｢聞く価値がないと思ったということ｣、(ウ)｢現実味のないものだと思ったということ｣、(エ)｢(現実を理解できていないことに)うんざりしたということ｣、(オ)｢本音を隠したわざとらしいものだと思ったということ｣｡さあ、どうだろうか？ ｢馬鹿馬鹿しい｣＝｢ばかげている、アホらしい、現実味がない｣ということだと知っているはずだ。であれば、｢現実味のないもの｣以外は｢消去｣できなくてはいけない。念のために、｢同一場面｣で他の部分の説明を確認する。特に誤っていないと分かる。よって、｢答え｣は(ウ)だ｡ここでも｢一発消去｣！ ｢小説｣でも｢原意消去｣は通用する。本問の｢選択肢説明｣はそれぞれ｢120字ほど｣もある(５択なので600字ほどになる)。だからこそ、｢原意消去｣を完全にマスターして、大いに活用すべきなのだ。
＜時間配分目安：１分強＞
[問５] ｢心情説明選択肢｣(５択)。傍線部(５)｢下唇を、強く噛んだ｣について、このときの｢ゆめの心情はどのようなものか｣を答える。無論、先ずは｢原意消去｣から。本問は｢心情説明｣なので、｢下唇を、強く噛んだ｣という｢動作｣と結びつかない｢心情｣を｢消去｣する。各選択肢の｢文末｣は、(ア)｢嫌気がさしている｣･(イ)｢後悔している｣･(ウ)｢腹立たしく残念だと思っている｣･(エ)｢恨んでいる｣･(オ)｢いまいましく思っている｣｡｢唇を噛む｣＝｢悔しさや怒りなどの強い感情｣と結びつくと判断できるはずだ。したがって、｢腹立たしく残念｣以外は｢消去｣できなくてはいけない。念のために、｢同一場面｣で他の部分の説明を確認する。特に誤っていないと分かる。よって、｢答え｣は(ウ)だ｡尚、｢小説｣での定番である｢心情把握｣は、｢セリフ｣⇔｢ト書き｣⇔｢動作｣⇔｢情景｣の連関で捉えるのが定石だ。
＜時間配分目安：１分強＞
【大問三】
- 時間配分：10分
江戸後期の作家･上田秋成が執筆した滑稽小説で、平安時代の歌物語｢伊勢物語｣を模して書かれている。本文は、｢歌をよく詠む老人｣がいつの間にか思い上がり、自選歌集をつくろうと思い立つ姿が描かれている。
[問２] ｢現代語訳の選択肢｣(全２問｡各５択)。傍線部(２)･(４)の｢本文中の意味｣を答える。それぞれを確認して｢答え｣を出していきたい。(２)｢おもひやみける｣＝｢かんがえるのをやめる｣⇒｢答え｣は選択肢(ウ)｢深く考えなかった｣。(４)｢おぼつかなかりけん｣⇒｢おぼつかなし｣＝｢不審だ｡疑わしい｣⇒｢けん｣＝｢けむ｣＝｢過去推量｣の助動詞⇒｢答え｣は選択肢(エ)｢疑わしかったのだろう｣。やはり、本校合格のためには、｢おもひやむ｣や｢おぼつかなし｣など、｢古文｣の重要基礎単語は定着させておくこと。
＜時間配分目安：全問で１分半＞
[問３] ｢理由説明選択肢｣(５択)。傍線部(３)｢ふたたびまうでて｣について、｢翁がふたたび住吉大社にお参りしたのはなぜか｣を答える。｢翁｣は、｢自費歌集出版は成功するだろう｣と｢神のお告げ｣があったのに、どうしてあちこちからよくない評価が聞こえてくるのか、不思議に思ったので、もしや思い違いだったのかと、再度、住吉大社を詣でたということが傍線部前後から読み取れる。したがって、｢住吉の神のお告げを勘違いしているのではないかと思い、もう一度住吉の神にお願いしようと考えたから｣となっている選択肢(エ)が｢答え｣だと判別できるはずだ。｢古文｣の｢内容解釈｣が終わった後は、｢現代文｣と同様に｢解法｣に即して解き進めていくことになる。
＜時間配分目安：２分半＞
【大問四】
- 時間配分：2分
本校の｢漢字問題｣は｢書きとり｣と｢同音異字判別｣のどちらか、あるいは、その組み合わせといったパターンが多い。本年度は５年連続で｢書きとり｣だけという出題形式。難易度は近年、｢難｣→｢易｣→｢難｣と｢隔年現象｣が見られていたが、本年度は昨年度に引き続き｢難｣のレベルとなった。ただ、本校志望者であれば失点は避けたい。
[問] ｢漢字の書きとり｣(全５問)。示されている各文の傍線部の｢カタカナ｣を｢漢字｣に直す。確認する。(１)｢物語がカキョウに入る｣＝｢佳境｣⇒いきなりの難問⇒｢興味深い所｣という意味⇒｢佳境に入る｣という慣用表現で定着させておくこと。(２)｢ケンバン楽器＝｢鍵盤｣⇒｢ピアノ｣や｢オルガン｣などだ。(３)｢打球はコを描いて飛んだ＝｢弧｣⇒｢高校入試｣の定番だが、細部のミスが多いので要注意。(４)｢ゴウマンな態度｣＝｢傲慢｣⇒これは難解だ⇒｢おごりたかぶって、人をあなどること｣だ。(５)｢王に罪をシャメンされた｣＝｢赦免｣⇒｢赦｣の訓読み｢ゆる(す)｣も押さえておくこと。本校ではやはり、高度な｢語彙力｣が求められていると心得よ。
＜時間配分目安：全問で２分＞
攻略ポイント
●昨年度まで３年連続で出題されていた｢２つの文章内容の関連｣を問う設問は本年度未出だったが、明らかに｢大学入学共通テスト｣を意識している問題なので当然、来年度以降の出題も予想される。しっかりと練習しておくことが不可欠だ。
●｢説明文が長くて紛らわしい選択肢設問｣にはどう対処するか？ 無論、できるだけ単純な方法で、｢選択肢｣を少しでも｢消去｣しておきたい。そのためにこそ｢原意消去｣だ。絞り込めば、誤答の可能性が減少するのは自明の理。その上で、さまざまな｢解法｣を用いて、さらに判別すればいい。したがって、基本的｢解法｣を完全に習得し的確に応用できるようにしておくことが重要だ。それによって｢得点力｣を安定させたい。
●｢説明記述｣は｢問題文｣と｢条件｣がとても複雑だ(本年度は比較的単純だったが、安心してはいけない)。｢攻略｣できるか？ それぞれを正確に理解することは当然として、後は実直に｢練習｣するだけだ。正否の分かれ目となる｢最重要要素｣を｢文末｣として他の｢必要要素｣を積み上げるという手法を完璧にマスターすること。｢内容｣から重要度を特定し、優先順位の高いものから積み上げる。各｢要素｣を｢20～30字程度｣でまとめられるように徹底的に練習する。本校では｢50～100字程度｣の｢字数指定｣が多いので、２～４つ程度の｢要素｣でまとめることに慣れること。｢合格ライン｣は60%弱(過去５年間の｢男女合計受験者平均得点率｣は56.1%｡本年度は下がって53.8%)。配点が大きい｢説明記述｣での失点や減点は致命的になると肝銘せよ(本年度は｢10点｣が２問)。
●｢総合的知識問題｣も決して侮れない。｢あらゆる知識｣が問われる。独自に｢幅広い知識｣を常に習得していくこと。学校や塾での学習だけでは、全く不十分だ。
●｢古文｣の｢攻略法｣は？ 重要な｢古文単語｣の定着はもちろんだが、｢内容解釈｣も求められるので｢基礎的文語文法｣は押さえておきたい。
●試験時間は50分。時間配分にも細心の注意をすること。問題文は例年7000字ほどだったが、本年度は増加しており約8900字。速く正確に読み取ることが不可欠。分速800字以上を目標に｢読む練習｣をしたい。