國學院大學久我山高等学校 入試対策
2021年度「國學院大學久我山高等学校の英語」
攻略のための学習方法
英語の入試問題において必要となる絶対的なスキルの一つに「正確な読解力」がある。しかも、実際の試験会場で長時間かけて読めばいいというのではない。これは、受験生全員に当てはまる状況ではあるが、合格答案を作成するための不可欠な要素は、「単語」、「イディオム」、「読解力」である。これらの要素について詳しく見ていこう。
１．単語力は日々怠りなく計画的に習得しよう
受験生の皆さんは、自分の単語力がどの程度かを把握しているであろうか。上位の高校入試に合格するために必要な最低限の単語数は、３０００単語は最低欲しい。具体的には、英検準２級程度の英単語力であろう。具体的には、英検準２級の単語帳を購入し、そこに掲載されている英単語のうち、自分がどの程度習得しているかを確認する作業を行ってほしい。初めに、すべての単語についての理解レベルを「完璧」、「曖昧」、「全く分からない」という分類に分け、「完璧」な単語はチェック（ラインマーカー等）を行い、チェックできない「曖昧」と「全く分からない」単語の数を算出するのである。次に、算出した単語の数をマスターしたい日数で割ると、一日平均の学習するべき単語数が得られるのである。そのことが確定すれば、あとはひたすら毎日決まった単語をガムシャラに覚えていくだけである。「継続は力なり」なのであるから、日々怠りなく入試まで努力を積み重ねてゆく姿勢を貫いてもらいたい。
２．イディオムは直訳ではダメである
受験生の中には、長文を読んでいて「この英語表現は何？」「何を言いたいのかさっぱりわからない」という英文に出会ったことはないだろうか。そのような場合、未知なるイディオムである場合が多いのではないだろうか。例えば、‘ take the place of ～’ というイディオムがある。直訳すれば「～の場所を取る」とでもなるであろうか。しかし、実際の英文の中でこのイディオムを上記のような意味で訳してしまうと、まったく何を言っているのか理解不能になってしまうであろう。このイディオムの正しい意味は「～に取って代わる」ということである。このように、イディオムの正しい意味を理解習得していないと、英文は正しく読めないばかりか内容を不正確にしか理解できなくなってしまう。イディオムの理解を深めるために、市販されている英検準２級レベルの「イディオム集」を購入し徹底してイディオムを自分のものにしてゆくのである。その具体的やり方は、前項の「単語」について述べた部分とそれほど違いはない。いずれにしても、日々怠りなく地道にイディオムも一つ一つ潰していくしかないのである。
３．読解力は自分の受験英語の集大成である
受験英語で高得点を得ようと思ったら、「読解力」を高めるしかない。なぜなら、過去問を見たことのある受験生ならば理解できるだろうが、読解総合長文問題が試験全体に占める得点比率が極めて高いのである。そして、「読解力」とは「文を読める力」のことである。何となく見たことのある単語の意味を適当に組み合わせて日本語訳を考えてしまうのである。これは、本当の意味での読解力でないことは論を待たない。なぜそのような状況になってしまうのかを考えると、その最大の理由は「文法知識の欠如」であろう。文が読めない、ということは「文の構造が理解できていない」ということである。従って、受験英語長文を正確に迅速に読み取ることができるためには、基本的文法事項を完璧にマスターすることである。さらに、文法事項をただ単に「知識」としてだけで理解するのではなく、「生きた文法知識」として自分のものにして得点率アップを図ろうとするのであれば、実際の長文の中でどのような使われ方、表現方法を用いているのかを見抜くためにも、次のようなことが重要である。つまり、筆者（書き手）は使用した文法事項をもって一体「何」を我々（読み手）に伝えようとしているのか、というレベルまで掘り下げて欲しいのである。
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2021年度「國學院大學久我山高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問１】リスニングテストである＜13分＞。
【大問２】説明文に関する長文総合読解問題である＜20分＞。
【大問３】適語補充による書き換え問題である＜4分＞。
【大問４】誤文訂正問題である＜4分＞。
【大問５】テーマ自由英作問題である＜9分＞。
【大問２】 説明文の長文読解総合問題
- 時間配分：20分
コンピュータが社会に出現して以来、どのような発展の経過をたどったかについて述べた説明文である。quantum state(量子の状態)、 qubits(量子ビット)、 quantum physics(量子物理学)などの専門用語が散見されるが、本文末尾にまとめて語訳がまとめて掲載されている。見慣れない単語が多いかもしれない。
問１は、整序結合問題である＜2分＞。下線部中のlikeを動詞とみると方向性を見誤る結果となる。likeは動詞ではなく前置詞(～のような)である。また、文章全体としてはmakeをS+V+O+C(第5文型)で使用するmakeと見抜けば、make it +形容詞+for ～ to…の構文が使える。itは形式目的語でありto以下が真目的語となる。
問２は、適語句選択問題である＜1分＞。本問空欄の前後で内容的に相反していることに気づけば正解を選択できるであろう。
問３は、要旨把握問題である＜1分＞。本文より「一般的なコンピュータに関わるもの」と「量子コンピュータに関わるもの」の特徴を読み取ること。
問４は、下線部英文訳問題である＜2分＞。本問下線部にあるitは、直前にあるThe first computers worked in that wayとあり、that wayとは直前のIt was Turing’s idea ～ to perform a certain program. である。
問５は、内容把握問題である＜2分＞。量子コンピュータのもう一つの「利点」を答える問題である。直前の文章に…can keep much more information and uses less energy…とある。
問６は、語句解釈問題である＜2分＞。本問下線部のthat problemとは、直前の文章にあるdid you have to wait for it to finish something before you could use it another job?から類推可能であろう。
問７は、適語選択問題である＜1分＞。前者は「科学者や企業が興味を持つ」、後者は「人にとって興味深い」となる。
問８は、適語選択問題である＜1分＞。直前の文章にSo quantum research scientists should know how to work well with others.とある。他人と上手くやってゆくためにはgood communicatorsである必要がある。
問９は、英文和訳問題である＜2分＞。下線部訳である。Learn as much as you canはできるだけ多くを学べ、となる。学ぶ内容は、how以下であるが等位接続詞andによって2つのhowが結ばれている。
問10は、英問英答問題である＜4分＞。英問の内容は以下の通り。
１ われわれは量子コンピュータをノートパソコンやスマートフォンのように買うことができるだろうか。
２ アラン・チューリングがチューリングマシンを開発したのはいつか。
３ 量子科学者はどのようなことを知るべきか。
４ 量子コンピュータ科学者になるためにはどのような科目を取るべきか。
問11は、内容真偽問題である＜2分＞。長文読解問題には必須の出題である。
１ 最初のコンピュータは大きかったので、持ち運ぶことができなかったのである。
３ アラン・チューリングの考え方が最初のコンピュータに影響を与えたのである。
６ 筆者は、量子コンピュータの研究に関して前向きな考え方を持っている。
【大問３】書き換え適語補充問題
- 時間配分：4分
2つの英文の意味がほぼ同じになるように空欄に適語を入れる問題である。
１．「いつもは8:30に出社しているが今日は8:55に出社した」とあるので、「いつもは25分早く出社する」とする。
２．「タケシが微笑むと、私は幸せを感じる」という文章を「タケシの微笑みが私を幸せにしてくれる」という表現で書き換える。
３．「おじに最後に会ってから3年がたった」という内容を「3年間おじに会っていない」とする。
４．「英語を一生懸命勉強する必要がある」という文章を書き換える。Necessaryを使って書き換えよう。
５．「～私が…している間」(節＝文章)を前置詞句(前置詞+名詞)にしたいので、「～間」を表わす前置詞(during)が正解。
【大問４】誤文訂正問題
- 時間配分：4分
現在完了、比較級、語法などの文法事項に関する標準的知識を理解・習得しておくことが重要である。
１．abroadは副詞なのでtoは不要である。
２．withoutは前置詞であり、「前置詞の後には名詞がくる」というルールに従い、sayは名詞化(動名詞)＝sayingとする。
３．「～の世話をする」の受動態は、be taken care ofである。
４．動名詞が主語になっている場合は単数扱いになる。
５．オリンピックが「開催される」となるのでhold は be heldとなる。
【大問５】自由和文英作問題
- 時間配分：9分
「高校生になってやりたいこと」について、指定された単語(使用・未使用は自由)をベースにしたテーマ自由英作問題である。内容的には、文字通り自由で構わない。部活に頑張ることや勉強に一生懸命になることでもよい。また、ボランティア活動に参加するという内容を書いてもいいだろう。
攻略のポイント
全体的にみると、基本的・標準的な問題である。長文も約１０００単語程度でかなり長いが、迅速で正確な読解力が求められる。コンピュータに関する専門的な用語も使われているが、文末に意味は掲載されている。文法事項は、不定詞、分詞（現在分詞・過去分詞）、関係代名詞・関係副詞、比較、仮定法、話法は必ず文法書（できれば高校初級程度）の内容は、必ず押さえておいてもらいたい。特に、長文読解力(速読力・精読力の両方)は鍛えておかなければならない。１０００単語の読解スピードとしては１０～１２分で読み込めることが理想である。その際には、いわゆる「返り読み」をしてはいけない。「返り読み」とは、センテンスを最後まで読んだ後で、再度文頭に戻り「主語は」、「動詞は」、「修飾語句は」という具合に部分的に検討してゆく読み方である。また、来年度もリスニングテストは実施されるだろうからリスニング対策もしっかり行っておくこと。