成蹊高等学校 入試対策
2025年度「成蹊高等学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問3つに論説文・小説・古文の3題が割り当てられるのが定例となっている。
文章量は2題合わせて8000~10000字ほど。問題数は30問前後。問題量ではおおよそ論説文5割・小説3割・古文2割といった割合で、論説文に重点が置かれている。設問形式は長・短合わせた記述問題が3~4割を占め、次いで記号選択、書き抜きの順で多い。漢字は例年、4~5問の出題。
論説文の読解
問題量も多く比重が大きいので、ぜひ得意分野にしておきたい。
使われる素材文は、受験生の年齢を考慮した適度な難しさのものが多い。記述問題が多いが、自分の考えを述べるようなものではなく、文中から適切な部分を抽出してうまくまとめれば答えられるオーソドックスな問題になっている。字数指定は無いが、おおむね30字~60字程度でまとめられる文量である。読解力があれば得点を狙えるので、しっかり答えて点を積み上げたい。
まずは論説文読解の基本を身につける。形式段落と意味段落の整理。意味段落の内容をおおおまかにまとめて小見出しをつけておくと段落ごとの関係・つながりもわかりやすくなる。要点と細部の区別。段落の最初と最後に注意して、要点に傍線を引くなど、目立つようにしておく。要旨と要約。要点を結んで全体を要約する。記述問題の答え・ヒントは多くはこの部分にあるだろう。読解問題を多くこなし、決められた字数でまとめる練習を積んでおこう。
小説の読解
こちらの分野も、主人公を小学生~中学生に設定した物語が多く、心情を理解しやすい話になっている。無理に大人向けの難解な小説を想定する必要はないので、中学生~高校生向け程度の文章で練習すれば良いだろう。記述問題も物語を丁寧に読み取れていれば、本文中に解答の手がかりがあるものがほとんどである。小説文の読解の基本力をつけておきたい。
まずは場面分け。時間・場所・登場人物などから場面の変化をマークする。登場人物の言動・情景などをヒントにその心情を読み取る。気持ちの変化があった部分は特に注意する。予断なく、文中に書かれていることを手がかりに正確に考えたい。そして、全体としての主題を考える。誰のどんな気持ちを描きたかった話なのか。記述問題で訊かれることの多い部分である。
記述問題
記述問題の多さから、この種の問題を苦手とする生徒は重いテストだと感じてしまうかもしれない。しかし、「自分の考えを述べよ」「自分の言葉で答えよ」といった小論文タイプの問題ではなく、文中から答えやヒントを探すタイプの問題である。字数も30字から60字程度とさほど長文でもない。読解力があれば点を稼げるのだから、なるべく減点されないような整った記述が書けるよう、同じような字数の類似問題でよく練習しておこう。
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2025年度「成蹊高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
ち、記述問題は1~2行ほどのものが計12問。時間は60分あるが、記述12問にはやはり時間がかかる。20~50字ほどで形良く素早くまとめる訓練を積んでおく。文中からヒントや答えを得られるものが多いので、傍線などで効率よく答えを探せるようにしておくと、時間のロスを防げる。
【大問一】論説的随筆文の読解
- 時間配分:22分
目が見えない人は得られる情報が少ないゆえに、あふれる情報に振り回されずに済み、空間を俯瞰的にとらえることができるという、健常者との違いが述べられている。
問一 ① 勧誘 ② 慎重 ③ 過剰 ④ 増殖 ⑤ 喪失
問二 木下さんの空間のイメージのしかたを「俯瞰的」「三次元的」などと表現していることから、選択肢アが選べる。
問三 目が見える人は定められた方向性を持つ「道」に「ベルトコンベアのように運ばれている存在」であるのに対し、木下さんはまるでスキーヤーのように「広い平面自分で線を引く」イメージである→より「開放的」である。
問四 Ⅰ. 脳の中にはスペースがある。目が見える人はそこがスーパーや通行人などで埋まっているが、木下さんたちはそこが空いていて、そのスペースを使って情報と情報を結びつけていく。見える人よりも脳の中にそういう「余裕・空き・余白など」が存在するのである。
Ⅱ. 情報が少ないゆえに目が見えない人は空間を俯瞰的にイメージすることができる。目が見える人は脳が視覚的な情報の洪水であふれてしまい、俯瞰的に広く見ることができなくなってしまうのである。
問五 桂離宮の「ひとつの道」に対して、都市の無数の「縦横無尽」な道。
問六 Ⅰ. 前段落の「普通に考えると」以降が先入観に当たるだろう。「見える人の方が見通すことができるので遠くまで空間をとらえていそう」だと思うことである。
Ⅱ. 前問Ⅰのような先入観があるが、実際は見えない人のほうが、視覚にあふれて人を踊らせる情報=振り付け装置の影響を受けず、(空間だけでなく買い物などの)物事を俯瞰的にとらえることができるのである。
〔ワンポイント!――記述問題が多い試験ではあるが、論説タイプではなくいずれも1~2行の文量である。文中の適切な部分を利用してまとめられる場合が多いので、要点をマークしながら使えそうな箇所を目立つようにしておこう。〕
【大問二】小説の読解
- 時間配分:27分
学習能力が低く行動も遅いため周囲から馬鹿でのろまだと蔑まれている主人公の、離婚して故郷に戻ってきた書店の主人とクラスメイト悠介との、本を仲立ちとした交流が描かれる。
問一 馬鹿でどんくさいと周囲から言われている主人公は、書店の主人から「あなた」「ありがとう」と声を掛けられ初めて丁寧に扱われた気がして嬉しかった。その店主に本のことでアドバイスをして役に立ち、また教えてほしいと頼りにされたことがさらに嬉しかったのである。
問二 悠介としては軽く悪口を言い怒るか否定されるかするだろうと思っていたが、素直に認められてしまい、悪いことをしてしまったと自己嫌悪を感じている。
問三 ウ. ここまでで悠介が主人公を好きであるという内容は示されていない。
問四 本屋は品揃えが悪く取り寄せも遅いのでアマゾンやヨドバシを使うという悠介の言葉に、主人公は通販サイトを「何でもたくさん持ってて、早くしてくれるところ」と表現している。
問五 透子の嘘: 読んでもいない本を読んだふりでおじさんに薦めた。
おじさんの嘘: 娘のためと言いながら、自分で読んで感想を伝えていた。
問六 4万円を手にしたとき主人公は「嬉しくないわけじゃないけど、これは悪いことや怖いこととどうちがうのか」と戸惑っていた。そして「たくさんのお金で……なにかきらきらしたもの」を買えば「馬鹿なままでも生きていけそうな気が」している。お金を本に使ったのは「あたしも本から教えてほしかった」からだと述べている。悪いもののように感じていた大金を本に使うことで、自分がこのまま生きていくために必要な何かを学べるかもしれないと思ったのである。
問七 傍線7――おじさんが本屋を廃業して町からいなくなってしまうであろう状況に、悠介を重ねている。悠介が東京の大学に行ってしまって自分のことも忘れてしまうことを不安に思っている。
傍線8――主人公は学校で周囲の生徒からいないのと同じような扱いを受けてきた。東京に行っても、悠介だけは自分をいてもいなくても同じだというような扱いにならないでほしいという、切実な願いであろう。
〔ワンポイント!――小説の読解であるから主人公の心情が解答の中心となる。人物の言動・情景描写などから心情の変化や理由を考えておき、記述で使えるように傍線を引くなどしておこう。〕
【大問三】古文の鑑賞
- 時間配分:11分
いまとなっては昔のことになってしまったが、小野篁というひとが寺を造った。寺で使う鐘を鋳造させた鋳物師が「この鐘を誰もつかなくても時間ごとに鳴るようにしよう。鐘を土を掘って埋めて三年間そのままにしておかなければならない。今日から始めて三年経った日の次に日に掘り出すようにしなさい。日数が足りなかったり、あるいは多すぎたりしてほり出したら、鐘が鳴ることはないだろう。そのような仕掛けをしたのです」といって鋳物師は去っていった。
そこで、土を掘って埋めたが、別当であった法師が二年過ぎ、三年目に入ったころ、まだ言われた三年になっていないのに、待ちきれなくてじれったく思いながら、なさけなくも掘り出してしまった。すると、誰もつかないのに時間ごとに鳴ることはなく、普通の鐘のままであった。「鋳物師が言ったようにその日に掘り出したならば、誰もつかなくても鳴ったのだろう。もしそうなら、鐘の音が聞こえるところでは時間がわかり、よかったことだろう。なんともつまらないことをした別当である」と、当時の人々は非難した。
だから落ち着きがなく辛抱の足りない人はかならずこのようにおろかである。
世間の人はこの話を聞いて、決して人の言うことを疑うようなことはしないほうがよいと語り伝えているということだ。
問一 Ⅰ. 誰もつかなくても時間ごとに鳴るような鐘になるということ。
Ⅱ. 「三年に満ちてらむ日のその日の明けむ日」
問二 ウ
問三 イ
問四 この話を聞いて「、決して人の言うことを信じないということはないようにすべきだ」という教訓を語り伝えた。
〔ワンポイント!――品詞分解までは必要ではなく、話の筋が理解できればおおむね答えられる。主な古文単語と基本の文法はしっかり覚えて、文の意味はわかるようになっておきたい。〕
攻略のポイント
問題数も配点も多い記述問題は、苦手だからと避けるわけにはいかない。
さいわい、難易度的にも文字数的にも難問というほどではない。字数制限が無いので適切にまとめるのにコツが要るが、類似問題を多くこなして慣れておけば得点を稼げるだろう。素材文も総計10000字程はあると予想して、スピードを意識して練習しておこう。古文も高校レベルの問題が出るので、中学校で習ったレベルで終わるのではなく、高校初級程度の学習で力をつけておきたい。