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桐光学園高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「桐光学園高等学校の国語」
攻略のための学習方法

[解法]
「理由説明」にしても「記述」にしても、「桐光の国語」で勝利するための鍵は、「現代文」の「解法」をいかにうまく用いるかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」(随筆)、それぞれに応じた特有の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。
そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解法」が定まっていない証だからだ。そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか? その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

[記述]
「桐光の記述対策」は「問題解説」及び「攻略ポイント」のとおりだが、その前提として為すべきことがある。それは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。最初は時間がかかってもいい。厭わずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要があるからだ。
では、何を「書く」か? 「練習問題」や「過去問」にある「記述設問」は勿論だが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。50~60字程度で書いてみる(桐光の典型的な「記述」の練習にもなる)。無論、内容は先生などに確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一挙両得。次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。
書きたい内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要。その際、20~30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。「記述設問」で得点を左右する「重要な要素」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要な要素」を「文末」にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく(その際はマス目のない用紙を使うこと)。

[速読]
「現代文」全体で8000字程度を読解しなくてはならない。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。
「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。
「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックし、「心情表現」を拾って素早く読んでいく。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。桐光に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。

[知識]
「高度な語彙力」だけではなく、「国語常識」も含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる「桐光の国語」(直接出題だけではなく、「本文読解」等でも必然的に問われる)。「攻略」するにはいかなる「学習法」があるのか? 「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ。確かに、そうした側面はある。だが、そこで思考停止してしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。先ずは、「己が実力」を悟ること(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。
さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されることがあるし、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。
なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・文法630」(「文法」含む)や「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字」(共に旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら「中学入試レベル」からスタートの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。

[古典]
「公立中学」の「国語」でも「古典」は扱う。「古文」「漢文」は必修カリキュラムだ。しかし、「指導要領」上はほんの導入部分だけで、本格的な学習はしない。「文語文法」等を体系的に学ぶこともない。が、桐光などの「中高一貫校」ではそれらを中学時点で学び始めている。従って、「高校入試」で出題されることになる。明らかに「ハンディ」だが、仕方がない。塾での学習ないし「独習」をする他ない。最重要な「古文単語」(200語程度)を定着させ、基礎的な「文語文法」は「敬語」も含めて理解しておかなくてはならない。そして、できるだけ多くの「古典作品」に触れて慣れておくことが重要だ。また、「漢文」でも同様に「基本的事項」は定着させておくこと。
なお、「古文」強化用のテキストとしては、「古文完全攻略63選——入試頻出問題厳選」(東京学参)や、「古文単語」定着用として「マドンナ古文単語230」(学研)などが推薦できる。

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2016年度「桐光学園高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「論説文」、出典は福田恆存「私の幸福論」(文字数約2800字)。小問は全8問(解答数13)。「選択肢」「抜き出し」「本文合致」、「説明記述」(「字数指定なし」1問)、「漢字の書きとり」(5問)。問題文は4分弱で読み切り、設問を13~14分弱で解きたい。

大問は「小説」、出典は岡崎琢磨「葉桜のタイムカプセル」(文字数約4400字)。小問は全8問(解答数10)。「選択肢」(「不適切」「組み合わせ」あり)、「空所補充」「本文合致」、「説明記述」(「字数指定なし」2問)、「総合的知識問題」。問題文は6分弱で読み切り、設問を15分弱で解きたい。

大問は「古典」、出典は「古文」が作者未詳(通説は六波羅二臈左衛門)「十訓抄」(文字数約390字)、「漢文」は「論語」(文字数31字)。小問は全6問(解答数10)。「選択肢」(「正誤判別」あり)、「返り点記入」。10数分で解きたい。

【大問一】論説文

  • 時間配分:17分

人間は不平等だ。それは事実だ。しかし、現実がどうであろうとこの世に生まれた以上、人は幸福にならねばならない――誤った幸福観を正し、人間の本当の生き方とは何か、幸福とは何かを平易な言葉で説いている。本文では、「宿命論」というと古めかしい暗いものを思い浮かべるが、「宿命」という観念は自然主義時代の末期的産物だと論じている。
「哲学論」だが、さほど難解な語句もなく内容は理解できるはずだ。「脱文挿入」「比喩換言」「指示語内容」など本校の特徴である「多種多様な設問内容」で、「字数指定なし」の「説明記述問題」もあるので手際よく解き進めたい。
以下、いくつか確認してみたい。

[問一] 「漢字の書きとり」(全5問)。
易しそうだが、実は相当に曲者だ。「文脈」も確認しながら熟語を特定していくこと。

二重線部
(あ)「きゃくほんの登場人物」=「脚本」、
(い)「いろどられていた」=「彩(取)」、
(う)「まぢかに感じて」=「間近」、
(え)「病勢に抵抗してしょうこうの時期を見せる」=「小康」、
(お)「かんぺきな精神の愛」=「完璧」。

本校では「ハイレベルな語彙力」が求められていると認識すること。

<時間配分目安:1分>

[問二] 「脱文挿入選択肢」(5択)。
示されている「この誤れる知識をくつがえしたのは、当時の科学者たちです。」という「脱文」は、本文中の[Ⅰ]~[Ⅴ]の「どこに入るか」を答える。

「脱文挿入」では「接続詞、指示語、そして、内容」に着目すること。
ここでは、「この」という「指示語」がある。ということは、「脱文」の直前には「誤れる知識」が述べられており、直後にはそれを「くつがえした」内容があるはずだ。
確認する。[Ⅲ]の前の部分には「中世の人々は、この地球を平たいものと考えていた」とあり、直後は「地球は丸い」となっている。入る箇所として合致する。
よって、「答え」は[Ⅲ]だ。
尚、「脱文挿入」では必ず「代入確認」をして、前後のつながりを確かめること。

<時間配分目安:1分>

[問三] 「条件付き比喩換言抜き出し」(「6字」指定)。
傍線部(1)「古めかしい暗いもの」について、「この内容を比喩的に言い換えた部分」を「六字」抜き出して答える。「条件」は「傍線部の段落以外から抜き出す」こと。

「抜き出し」では、「抜き出すべき内容」を特定した上で「抜き出し範囲」を絞っていくことが鉄則。
「内容」は字義どおりだが、「何が」が不明だ。
「傍線部(空所部)一文一部の法則」(「傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部(空所部)以外が重要」という「重要解法」)で確認する。
直前から「宿命論」が「古めかしい暗いもの」だと分かる。
次に「範囲」だが、「同段落以外」という「条件」があるので厄介だ。
本来、「論説文」で「抜き出し範囲」となるのは「同一意味段落」だ(「論説文」における「根拠・手がかり」は「同一意味段落」にあるので、常に意識すること)。
ここでは本段落のみが「序論部分」で「同一意味段落」となる。しかし、ここからは抜き出せない。ではどうする? 
「序論部分」と「結論部分」の対応関係に着目したい(「序論部分」⇔「結論部分」は「論説文」の「重要解法」のひとつ)。「結論部分」は最後の2段落。チェックする。
最終段落が「宿命論」に言及しており、「宿命」と聞くと「なにか忌わしい亡霊に出遭ったような気がする」とある。
「忌わしい亡霊」、「比喩的表現」であり「字数」も合致するので、「答え」となる。

「抜き出し」では、あてどもなく探していても時間の無駄だ。あらゆる「解法」を駆使して「抜き出し範囲」を絞り込むこと。

<時間配分目安:2分半>

[問五] 「比喩換言説明選択肢」(5択)。
傍線部(4)「ただ一枚の垂れ幕がさがっているだけだ」について、「どのようなことの比喩か」を答える。

「選択肢設問」は「消去法」が原則。先ずは「原意消去」をしたい(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)。
ここでは「比喩表現」の「原意」だ。各選択肢の「文末」(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)が、「垂れ幕がさがっている」ことに結びつかないものを「消去」する。

選択肢は、
(ア)「人間の思い通りになるように見えるが、それは実は不可能だ」、
(イ)「人間にはそれ(=「神によって決定される世界の未来」)を無視する自由がある」、
(ウ)「未来はその(=「書物に記された」)歴史の拘束を受けてしまう」、
(エ)「人間自身は見抜くことが出来ない」、
(オ)「すべて過去に起こったことの繰り返しだ」。
どうか?
 「垂れ幕がさがっている」ということは「前が見えない」のだから、「見抜くことが出来ない」となっている(エ)以外は「消去」できるはずだ。
(エ)は他の部分の説明も特に誤ってはいないので「答え」になる。
「一発消去」だ。「選択肢設問」では、先ずは「原意消去」を試みること。

<時間配分目安:1分半>

[問七] 「換言説明記述」(「字数指定」なし。50字ほどの解答欄)。
傍線部(6)「自由の天地に憧れた」について、「『自由の天地』とはどのようなものか」を説明する。

傍線部直前は「狭い世界を抜け出て」となっており、直後には「それはたんに航海と大陸発見」だけではないとある。
さらに、「同一意味段落」を確認する。そこから、「航海と大陸発見」⇒「いままで知らなかった大陸や民族を発見した」こと、「自然科学によって不可能だったことが次々に可能の世界にくりいれられ」「社会的にも、抑圧が徐々に取り除かれていった」ことが分かる。
「自由」=「抑圧が取り除かれた」、「天地」=「知らなかった大陸や民族の発見」と結びつくはずだ。
こうした「内容」を「過不足なく」まとめていきたい。
たとえば、「自然科学が不可能だったことを可能にし、抑圧も取り除かれ、知らなかった大陸や民族を発見できる新たな世界。」といった「答え」になる。
尚、「説明記述」では、正否の分岐となる「最重要要素」を必ず「文末」にすること。

<時間配分目安:2分半>

【大問二】小説

  • 時間配分:20分

タイムカプセルに秘められた、今は亡き親友との友情を切なく描いた短編小説。
20歳になった「千里」は、10年前の小学生の頃に親友の「若葉」と埋めたタイムカプセルをひとりで掘り出しに行く。「若葉」はカプセルを埋めた2年後に病気で亡くなってしまっていた。「若葉」は「自分の死を受け入れていた」と思っていた「千里」だが、カプセルから出てきた彼女の手紙から、そうではなく「生きたい」と願っていたことを知り、一緒に収められていた若葉色のハンカチで涙をぬぐうのだった……。
内容は分かりやすい。ただ、「心情」や「状況」の把握などで読み取りが難しいものがある。以下、いくつかの設問を検証する。

[問一] 「語句の意味の選択肢」(2問/各4択)。「総合的知識問題」。
傍線部(a)「ついぞ」・(b)「悠然と」について、「ここでの意味」を答える。
(b)の「悠然」=「物事に動ぜず、ゆったりと落ち着いているさま」、これは誰もが知っているはずで、「答え」は選択肢(エ)「ゆったりと落ち着いて」だ。
さて、(a)の「ついぞ」はどうか? 「原意」は「(後に打ち消しの語を伴って)その行為や状態をこれまで一度も経験したことがないさま」だが、馴染みが薄く定着していないかも知れない。その場合は、「文脈」から判断したい。「買えども買えども銀のハートさえめったに出ず、金のハートに至ってはついぞ目にすることがなかった」となっている。
だとすれば、「答え」は(イ)の「これまでに一度も」だと判別できるはずだ。

「本文中の語句の意味」は、「原意」で判別できなければ「文脈」から特定することが肝要だ。無論、本校では「高度な語彙力」が求められていることは肝に銘じておくこと。

<時間配分目安:1分>

[問二] 「心情説明選択肢」(4択)。
傍線部(1)「はたちを迎えた千里の心にも見えないシャベルを突き立てる」について、ここでの「『千里』の気持ち」を答える。
当然、先ずは「原意消去」。
ここでは「千里の心に」「シャベルを突き立てる」という「比喩表現」の「原意」に着目したい。各選択肢の「文末」を確認する。
(ア)「悔しく思い出している」、
(イ)「悲しく思っている」、
(ウ)「今でも心苦しく思っている」、
(エ)「なぐさめにしようと思っている」。
「シャベルを突き立て」られているのだから、(ウ)以外は「消去」可能と分かるはず。
他の部分の説明も特に誤ってはいないので(ウ)が「答え」になる。
ここも「一発消去」。「小説」では特に「比喩表現」の「原意」に注目することが肝要。

<時間配分目安:1分以内>

[問五] 「内容説明記述」(「字数指定」なし。40字ほどの解答欄)。
傍線部(4)「その一文でピンときた」について、「どのようなことが『ピンときた』のか」を説明する。
「その一文」という「指示語」があるので開く(直接「指示語」が問われていなくても、「指示語」が出たらすぐに開くこと)。直前から、「その一文」はタイムカプセルに入っていた「若葉」からの「直筆の手紙」の一節で、「今度会うときはこの口紅(=『千里』からのプレゼント)をつける」といった内容だと分かる。
では、何が「ピンときた」のか? 
直前直後を確認する(「小説」では「同一場面の直前直後に根拠・手がかりがある」が「基本的解法」)。
直後に「千里が若葉に《会った》のは、あれからたったの一度しかない」とあり、続けて「亡くなった若葉の顔に施された、死に化粧を思い出す。彼女は自分のプレゼントを、ちゃんと使ってくれていたのだ」となっている。
さあ、どういうことか? 
本作品は「ミステリー」でもある。謎解きだ。
「若葉」が「直筆の手紙」に「今度会うときはこの口紅をつける」と記し、実際に次に「千里」が《会った》ときに「死に化粧」としてその「口紅」が施されていたということは、「若葉」は自らの死を予期し、「死に化粧」に「千里」からのプレゼントである「口紅」を施してもらおうと決めていたということだ。
以上のようなことを「過不足なく」まとめていく。
たとえば、「若葉は死を予期し、千里からの口紅で死に化粧をしてもらおうと決めていたということ。」といった「答え」になる。
「小説」では、読み取れる「状況」からの類推が必要となる場合もあると心せよ。

<時間配分目安:3分>

【大問三】古典

  • 時間配分:10数分

「問題文〈甲〉」(古文)は鎌倉時代中期の教訓説話集で、「十訓」こと十ヶ条の儒教的な教誡を掲げ、年少者の啓蒙を目的に編まれたもの。
本文では、「何事も謙虚に人に尋ねることこそが礼である」と「慎みの教え」を、「論語」の一節を引用して説いている。
「問題文〈乙〉」(漢文)は中国春秋時代の思想家で「儒教の祖」である孔子と彼の高弟の言行を、弟子達が記録した書物。本文は、「問題文〈甲〉」で引用されている「論語」の一節の原典。
「古文」「漢文」共に例年以上に「内容解釈」が問われており、難化している。
以下、いくつか検討してみよう。

[問一] [古文]「内容説明選択肢」(4択)。
傍線部(1)「ことにおいて不審をなして、あらあら人に問ひけり」について、この時の「師頼の様子」を答える。
傍線部の現代語訳は「ことごとくいぶかしいという様子で、大体人に尋ねたそうだ」となる。
「文脈」から状況を確認する。
「儀式を執り行う役目」を初めて務めている「師頼」が、「作法進退(=「儀式の進め方や立ち居振る舞い」と※注で説明されている)のあひだ」、「人に問ひけり」ということが分かる。
従って、「答え」は選択肢(ウ)の「これでよいのだろうかという様子で、その所作のほとんどを人に確認した」になる。
「古文」でも「現代文」同様に、「文脈」を的確に把握することが肝要だ。

<時間配分目安:1分半>

[問三]  [古文]「理由説明選択肢」(4択)。
傍線部(3)「成通卿閉口す」について、「その理由」を答える。
「閉口」は口語の「原意」から、「困って言葉に詰まること」だと分かるはずだ。
前後の「文脈」を確認する。
「成通」が「閉口」したのは、「師頼」の行為をからかった自らの発言について、「師頼」が「論語」の一節を口にしたことに対してだと判断できる。そして、「成通」は直後で「思ひ分くかたなく、不慮の言を出だし、後悔千廻云々(=適切な判断ができず、思慮のないことを言ってしまい、とても後悔している云々)」と語っている。
つまり、「成通」は「師頼」の行為が「論語」の故事に基づいていると分かり、「閉口」したということだ。
よって、「孔子の故事に基づいた意図的なものであるということに気づかされたから」となっている選択肢(ア)が「答え」だ。
「古文単語」の意味が不明の場合でも、口語の「原意」から類推してみること。

<時間配分目安:2分>

[問四]  [漢文]「返り点記入」。
傍線部(4)の「入 大 廟 毎 事 問」に、「問題文〈甲〉」を参考にして「返り点」を記入する。
「問題文〈甲〉」には、傍線部(4)の「書下し文」が記されている。確認する。
「大廟(たいべう)に入(い)りて事毎(ごと)に問ふ」だ。
つまり、語順は「大」→「廟(ニ)」→「入(リテ)」→「事」→「毎(ニ)」→「問(フ)」。
よって、「答え」は「入二大 廟一 毎 事 問」(*「二」「一」「」が「返り点」)になる。
「返り点」は十分に練習しておくこと。

<時間配分目安:1分以内>

攻略ポイント

●「多種多様な設問内容」。
どう対処するか?無論、「設問内容」に応じた「解法」の適用だ。基本的「解法」を完全に習得して、適切に応用できるようにしておくことが重要。それによって、「得点力」を安定させたい。本校の「合格ライン」は58%程度(過去5年間の「Aコース」「SAコース」、男女合計の「合格最低点」の平均。本年度は64%)。「解法」の応用で、「失点」「減点」を防いでいきたい。

●「字数指定なし」の「説明記述」。
いかに「過不足なく」まとめ、「攻略」するか? 「裏ワザ」などないので、愚直に「記述」の「練習」を続ける他ない。正否の分かれ目となる「最重要要素」を「文末」として他の「必要要素」を積み上げていくという手法を完璧にマスターし、「内容」の優先度が高いものから積み上げていく。それぞれの「要素」を「20~30字程度」でまとめられるように徹底的に練習する。本校では「30~60字程度」の「解答欄」が多いので、2~3つ程度の「要素」でまとめることに慣れること。

●「古文」「漢文」の「攻略法」は?
重要な「古文単語」の定着は勿論だが、「内容解釈」も求められるので「基礎的文語文法」は押さえておきたい。また、「古典常識」も「日本史」を含めてなじんでおくことが必要になる。「漢文」でも、「返り点」「訓点」「書き下し文」「基礎的句法」などの基本的知識は押さえておくこと。

●試験時間は50分。時間配分にも細心の注意をすること。問題文は「現代文」で8000字程度。当然、速く正確に読み取ることが求められる。分速700字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

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