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麻布中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「麻布中学校の理科」
攻略のための学習方法

麻布中理科の満点は40点、長めの解説・データ・資料をもとに答える問題が中心である。基本知識を身につけることは当然。理科のみならず、他教科の知識を必要とする出題も見られる。

麻布中理科攻略のために必要なことは、日頃からの貪欲な知識の吸収があげられる。テキストに書かれてある知識だけでなく、ニュースで取り上げられる科学的な情報、身のまわりの自然や科学に興味を持つ姿勢が求められる。さらに言うと、それらの情報に対して自分なりの意見や考えを持ち、それをまとめるくらいの姿勢が欲しい問題の形式はあるテーマについてのリード文・データ・資料などを基にした設問に答えていくものが中心。そのテーマがユニークな点が1つの特徴でもあるが、持っている知識と提示されている情報に従って考えれば解答可能なものが中心である。

対策としては、知識が固まった秋以降に同タイプの問題演習に時間をかけることが必要である。過去問はもちろんだが、家庭教師に相談したうえで問題の選択を行うこともお薦めしたい。問題演習に際しては、時間も意識しながら取り組んで欲しい。

各分野の学習方法は以下の通り。

 <分野毎の学習法>

生物分野 本年度は新型コロナウイルス感染症に関連して、ウイルス・感染症・免疫等に関する出題であった。近年では、植物の種子の運ばれ方・ニホンウナギ・動物の生殖活動・ヤンバルクイナなどがテーマとして取り上げられている。いずれも高度な知識を求めるものではなく、書かれてある情報を読み取りながらそれをヒントにして解答していくタイプの問題が中心である。この分野の学習方法としてまずは、テキストに書かれてある基本知識を早い段階で身につけることと合わせて、日頃から生物に関わるニュースや情報に興味の眼を向けて欲しい。今回取り上げられたウイルス・免疫等の他に、遺伝や生殖など最近話題のニュースなどもテーマとして十分取り上げられる可能性がある。また、問題演習としては、一問一答形式の問題だけでなく、記述問題を含む総合的な問題演習に時間をかけたい。

地学分野 本年度は金星と木星の動きや見え方に関する出題であった。ここ数年では、氷期と日本人の祖先、タイタン(土星の衛星)、岩石の風化、月の動き等がテーマとして取り上げられている。この分野においても、細かい高度な知識を問う問題よりも、与えられた情報に基づいて解き進める力が要求されている。とは言っても、天体・気象・地層・岩石等の基本的知識は夏までに完全に身につけて頂きたい。今後は、地震や火山、集中豪雨、日食や月食などがテーマとして取り上げられる可能性がある。天体や気象に関するニュースにも注意を怠らないで欲しい。

物理分野 本年は風の力のはたらきをテーマとした出題で、傘・飛行機・ヨットなどを題材に風の働きを考察させる内容であった。ここ数年では、光、電気、ものの運動、などに関する出題が見られた。この分野においても、書かれてあるテーマを読みながら解き進めていくタイプの出題が中心である。この分野の学習方法としてまずは、力のつり合い、電気、光、音などの基本知識や性質は確実に理解すること。力のつり合いの計算問題も大切であるが、電気や光の性質の出題の可能性がかなり高いと考えて学習して欲しい。また、電気や光に関連する機器、発電など我々の暮らしと関連する内容についての出題も考えられる。日頃から科学に興味を持つことが大切である。

化学分野 今年度は「和食」を題材にした発酵に関する出題であった。ここ数年では、ものの溶け方と拡散、お菓子やコーヒーについて化学と結びつけて考える問題等ユニークな出題が多い。この分野の学習方法としてまずは、溶解度と濃さ、水溶液や気体の性質といった基本知識は確実に身につけること。その上で、実験を通して考えさせる問題や記述を含む総合問題の演習に時間をかけて欲しい。過去問や同タイプの問題を家庭教師等に選択してもらい取り組んで欲しい。

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2022年度「麻布中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4題、小問数は30題程度で40点満点。試験時間は50分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題が中心で、記述問題も含まれている。物理・化学の複雑な計算問題は見られなかった。問題量がやや多く、問題文の読み取りや記述問題にかかる時間を考えると、50分というテスト時間は決して長くない。過去問や同タイプの問題演習は時間を意識して取り組んで欲しい。

【大問1】風の力のはたらき

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分

問1 旗がはためく原理について、空欄を埋める選択肢問題。

問2 傘が風で折れ曲がる(おちょこになる)原理についての空欄補充問題。風の遅い方から速い方に力が働く。問3以降の各設問に対しても、同様の考え方で解き進めていくこと。

問3 飛行機の翼の上下に吹く風の強さと翼に働く力についての問題。

問4・問5 ヨットの帆の左右に吹く風とヨットの帆に働く力についての問題。

問6 記述問題。ヨットの底のセンターボードの役割について考察する問題。センターボードがあるために横向きに動けず、前進することができる。

問7 センターボードの役割として、問6で考えたもの以外に、ヨットを倒れにくくしている。 

傘・飛行機の翼・ヨットなどを題材に、風の影響で働く力について考える出題。問題文を読みながらその流れに沿って考えていけばよいが、後半は記述問題も含めややレベルの高い考察力も必要になっている。

【大問2】発酵について

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分

問1 五大栄養素は炭水化物・たんぱく質・脂質・ミネラルとビタミン。

問2 甘味は炭水化物、旨味はたんぱく質を感知していると考えられる。

問3 記述問題。問題文の中の「でんぷんを分解してブドウ糖にする酵素や、たんぱく質を分解してアミノ酸にする酵素」がヒント。ブドウ糖やアミノ酸に分解されているので、消化・吸収されやすい。

問4 記述問題。同様に問題文中にヒントがある。「大豆に塩を加え、麺菌を含む多くの微生物が死滅する濃度にし」を引用すればよい。

問5 物質Bの炭素の個数は (6-4)÷2 より1個。水素の個数は 12-12 より0個。酸素の個数は (6-2)÷2 より2個。酸素2個と炭素1個でできている物質なので、二酸化炭素。

問6 12×6+1×12+16×6:12×2+1×6+16×1:12×1+16×2 より、90:23:22

問7 問5・問6の問題文および計算結果を利用。ブドウ糖分子1個に対してエタノール分子が2個、二酸化炭素分子が2個できる。二酸化炭素が44g発生したことから、発酵に使われたブドウ糖の重さは90g。発生したエタノールは46g。発酵後に残っているブドウ糖は200-90 より110g。

発酵後の水溶液の重さは、発生した二酸化炭素の重さだけ軽くなっているので、1000-44 より956g。したがってエタノールの濃度は、46÷956 より四捨五入して、約4.8%

発酵をテーマにした出題。化学変化による二酸化炭素やエタノールの発生など化学的な内容が中心で、記述問題・計算問題も含まれている。問題文や図をしっかり読み取り、流れに沿って考えることができるかがポイント。

【大問3】金星と木星の動き

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

問1 上弦の月が南の空に見えるのは、太陽が西に沈むころ。

問2 満月の日、太陽と月は地球を挟んで正反対の位置、つまり180度離れている。

問3 太陽・金星・地球の位置関係から、金星の満ち欠けを考える問題。

問4 問題文の「日の出や日の入りに近い時間しか見ることができない」より、金星が地球を挟んで太陽と反対側は通らない。

問5 金星が地球に最も近くにあるとき、新月のようにほとんど欠けて見える。

問6 グラフの読み取り問題。木星の会合周期は約13か月と読み取れる。

問7 問6で求めた木星の会合周期13か月を利用して、木星の公転周期を計算する問題。問題文に従って計算すればよいので難問ではないが、四捨五入などの計算処理を落ち着いて行うこと。

金星・木星の動き、見え方に関する出題。金星の満ち欠けは月の満ち欠けと同じように考えればよい。問題文や図の読み取りをしっかりできるかが大きなポイントではあるが、天体についての基本知識や満ち欠けがおきる理由などの基本的知識は不可欠。地球・月・惑星の動きを基に満ち欠けや見え方を考える学習を行って欲しい。

【大問4】ウイルス・感染症・免疫

  • 難度:やや難
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

問1 生きている細胞で行われることについての選択肢問題。問題文の中に書かれてあるので、読み取り力が問われる。

問2 感染と感染症についての選択肢問題で、これも問題文中にヒントあり。

問3 ウイルスがどのように増えるのかについての文章の穴埋め問題。図1がヒント。

問4 問題文の「ウイルスがいっぱいになると感染細胞は壊れて・・・」がヒント。

問5 「病原体が体内に侵入すると、すぐに抗体をばらまいて、病原体をやっつける」この段階で、感染症の症状がやわらいでくる。

問6 記述問題。問題文中の「抗体は細胞内に入れない」より、細胞内のウイルスをやっつけることはできない。

問7 記述問題。問題文中病原体が増えれば増えるほど、体内の細胞が壊されてしまいます」がヒント。

問8 記述問題。ウイルスが付着した手で口を触ったときに、感染の恐れがある。

問9 免疫のはたらきを高めるための行動についての選択肢問題。

ウイルス・感染症・免疫などをテーマにした出題。新型コロナウイルス感染症の流行に関連して、上記テーマを科学的に考えることができるかどうか問われるが、多くの問いのが問題文の中にヒントがある。今回この大問で苦戦した時は、同タイプ(問題文の読み取り能力が問われる問題)の練習を、過去問等を利用してしっかり行って欲しい。

攻略のポイント

本校理科の入試問題は、与えられた資料・データ・解説文を理解し、それらを理解・活用して解答する問題が中心となっている。テキストで学習する程度の理科の基本知識は当然必要であり、知識があれば解答可能な問題も含まれるが、本校の理科では、その知識をどう活用するかが重要になる。

麻布中学受験性の心構えとして、身のまわりの自然や科学的現象・ニュースで取り上げられる科学や自然に関する情報に興味の目を向け、知識の蓄積を図るという姿勢が求められる。

問題演習としては、過去問や長めの問題文やデータ・資料を読み取った上で答えるタイプの問題を中心に取り組んで欲しい。解答に際しては、なぜその答えなのかを常に考えることが大切である。

また、国語・算数・社会と他教科の基本知識が必要となる問題も見られるが、これに関しては本校受験生であれば特別な対策は不要であろう。

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