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学習院女子中等科 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「学習院女子中等科の社会」
攻略のための学習方法

学習院女子中等科の社会の入試問題は、例年大問3~4つに総解答数40前後で構成されている。歴史・地理・政治経済がほぼ等分で出題されており、およそ各20点ずつバランスよく配点されているようである。

記号選択と用語記入、そして本校の特徴でもある1行記述が4~5問という解答形式で、全体の文章量は多くないので読むのに時間はかからないが、問題数は多いので30分で解くにはかなりのスピードが要る

設問には大別して、

(1) 中学入試の基本的な知識を問われる問題

(2) 知識についての理解(事件の背景や理由など)をもとに答える記述問題

がある。

 

(1) 中学入試の基本的な知識を問われる問題

まず、(1)については確実に答えられるよう基本を押さえることである。

【地理】は、地勢と各地の産業といった分野がよく出されているので、基本事項に加えて、白地図・資料集で位置やデータの特徴も合わせて覚えてしまう。

【歴史】は、古代から現代まで広い範囲から出題されている。細かい年号までは訊かれないが、全体の流れをつかみ同時期に起こった出来事など関連づけておきたいので、年表などで整理しておく事。ここでも白地図で位置を確認しておきたい。また、歴史的に日本と関係のある地域・国についての質問もあるので、韓国・中国や南蛮とよばれた国々、アメリカやイギリスなどについて、世界地図も合わせて見ておくと良い。

【政治経済】は日本国憲法と政治のしくみを中心として習熟しておく。法律や選挙に関係した時事問題などの出題もあるので、普段から関心を持ってニュース等、見ておきたい。

いずれの分野もいわゆる難問奇問ではないので、基本をがっちり固めるという意識で日々の学習に取り組めばよいだろう。

 

(2) 知識についての理解(事件の背景や理由など)をもとに答える記述問題

(2)については、学習院女子の特長ともいえる問題で、得点に差が付く部分かも知れない。他校では見られないユニークな問いもあり、博物館の照明が暗くなっている理由〈H23年度〉や北海道の特ちょうにあった行政サービスの提案(H30年度)などの出題例がある。

このような問題に答えるためには、学校や塾で学ぶことだけでなく、普段から身の回りの出来事にも好奇心を持ち、「なぜそうなったのか」「そのことが他にどのような影響をおよぼすのか」というように考えを発展させられる思考力を養うことが大切である。

本校の短文記述には字数制限がないが、長文を書くスペースは無い(せいぜい20~30字程度)ので、解答欄に合わせて自分の考えをまとめられるよう練習しておこう。

 

そして、上記(1)(2)に対しての心構えとして、

「経済・国際・環境などの社会的な出来事に関心を持つ」ことが大事であることを付け加えておく。

学習院女子の問題は選択式にしろ記述式にしろ、上記のようなテーマに沿って出されることが多い。教科書やテキストの「勉強」だけでなく、「社会そのもの」にどれだけ関心を持って接しているかをテストを通じて問われているようである。

前年の出来事についてのやや難しい質問が出されたりするため、普段からニュースや新聞に目を通し、家庭でもわからないことを話し合ったり先生に質問したり・・・・・・そういった環境があれば大きなアドバンテージとなる。

言い換えると、そのような環境で育った女子を学習院は望んでいる。それが、学習院という伝統校の考えなのであろう。

基礎的事項は教材を最大限に活用して確実なものにしておく。その知識をもとに、社会で話題になった出来事について自分なりに少し深く考え、理解を深める。その繰り返しが本校の試験に求められる「思考力」を培うことになるのである。 

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2020年度「学習院女子中等科の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】が歴史、【大問2と3】が地理、【大問4】が政治経済・現代社会という構成で、広い範囲から問題が作られている。解答数が41問、短文とはいえ記述問題も6問ある。適語記入で書き込む問題も多く、時間に余裕はない。

記号選択・用語記入の問題はいわゆる難問ではないのでてきぱき解いてミスせずに得点源とし、記述問題は残りの時間でできるだけ答えるような心づもりで臨もう。

【大問1】歴史分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

文化を話題として、各時代の人物や出来事について訊かれている。

問1 (1) 天平(729~749年)文化は8世紀、平城京を中心として栄えた貴族・仏教文化である。

   (2) 国風文化(10~11世紀)を代表する文学としては、『古今和歌集』・紫式部『源氏物語』・清少納言『枕草子』などがある。

   (3) 華道(花道・生け花)の流派として、草月流や池坊などがある。

   (4) 8代将軍は徳川吉宗。幕府財政の立て直しを図るため享保の改革を行った。

   (5) 日露戦争に徴兵された弟を想って書かれた、反戦的な内容の詩である。

   (6) 現在はエアコンと呼ぶのが一般的だが、当時はクーラー(Cooler)と言われていた。

問2 東大寺を総国分寺として、各国に国分寺・国分尼寺が建てられた。

問3 西はローマから東は中国までを結ぶ交易路・シルクロードを通って、絹や貴金属・美術品などが運ばれた。

問4 エ. 曹洞宗は道元が中国から伝えた宗派である。

問5 イ. 執権は鎌倉時代の役職名で、室町時代は管領となっている。

問6 経済力を背景に町人や商人が文化の担い手となっている。江戸時代には大きな戦乱もなく世の中が安定し、街道の整備や新田開発などで産業も発達し、上方や江戸を中心に文化が栄えた。

問7 韓国併合(1910年)・男子普通選挙(1925年)・国際連盟脱退(1933年)・盧溝橋事件(1937年)。

問8 急激な工業化の一方で環境への影響が考慮されず、大気汚染・水質汚濁・騒音などの公害が発生し、水俣病や四日市ぜんそくなどの公害病も引き起こされた。また。都市部への人口集中で過密になり、農村部では過疎となった。

【大問2】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

日本各地の地形・気候や産業について訊かれている。

問1 (1) 青森県北部には大きな2つの半島がある。西が津軽半島で東が下北半島である。

   (2) 国東(くにさき)半島は大分県北東部にある。九州の東の先という意味から国東の地名ができたとされる。

問2 (1) 吉野川は四国三郎の名でも親しまれる、徳島県を代表する川である。

   (2) 天竜川は長野県。諏訪湖を水源とし、静岡県で海に注いでいる。・

問3 (1) 加賀友禅は石川県の伝統的な絹織物。友禅は染めの技法のひとつである。

   (2) 岩手県・盛岡市や奥州市で盛んな伝統工芸。鉄に磁性酸化被膜(黒さび)を吹かせて、赤さびを防ぐ。

問4 (1) 福岡県・太宰府市。「大宰府」は7世紀後半に九州に置かれた地方行政機関。

   (2) 高野山は和歌山県にある。金剛峯寺は真言宗の開祖・空海が建てた。

問5 (1) 今治タオルは愛媛県のブランドとなっている。

(2) 新潟県・燕市は刃物・金物など洋食器の一大産地である。

(3) 島根県・宍道湖がしじみの漁獲第1位である。

問6 X. 静岡・和歌山・愛媛・熊本などが含まれるので、ミカン。

   Y. 青森・長野で1位・2位となっているのは、リンゴ。

問7 みかんは日当たりがよく温かい地域での栽培に適している。

【大問3】地理分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:3分

日本の地域区分について。

問1 三重県は通常の地域区分では近畿地方に属しているが、地方機関の管轄区域はさまざまで、中部地方や東海地方とされる場合もある。

問2 山口県の雨温図などを見ると、山陰地方のように雪が多いわけでもなく、瀬戸内海に面していて温暖で、九州北部と似た気候になっていることがわかる。

【大問4】現代社会分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分

日本の水道に関する問題。

問1 (2) 下水道は使用されて汚れた水が流される場所である。

   (4)・(6) 水道事業を民営化することで効率のよい経営を目指すのだが、私企業は利益を追求するので採算が合わなければ料金を上げたり事業から撤退したりすることも考えられ、水の適正な価格での安定供給が確保されるのか、不安に思う住民もいる。

問2 日常生活、ひいては健康や生命にかかわる設備として「ライフライン」と呼ばれる。

問3 水道は各地方自治体の運営である。

問4 森林は雨水などをたくわえ少しずつ川などに放出するはたらきがあり、森を保全することは水資源の保全につながるのである。

問5 山間部・農村部などは人口が少なく、設備の建設・維持にも平地より費用がかかるので、水道料金が高くなってしまう。

問7 地球上の水の多くは海水として存在しており、真水は貴重である。砂漠化が進んでいる地域や人口が大きく増加する地域では水不足が起こり、不衛生な水による疫病や水を求めた人の移動(難民)、土地をめぐる争いなども懸念される。

攻略のポイント

30分という時間に対して、書き込みが多い41問の問題数はやはり多い。幸い、問題の難易度自体は難問というほどではない。通常、漢字指定されるような問題もひらがなでもよいとされる問題もある。まずは記述以外の問題をてきぱき解き進めて点を稼ごう。

60点という配点から考えても記述問題の配点は低めである。とはいえ五分の一ほどは記述問題の配点であるし、知識だけで答えられる問題も多いので、記述問題もひととおり手をつけられるよう、スピードは十分につけておきたい

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