市川中学校 入試対策
						2025年度「市川中学校の国語」
						攻略のための学習方法
					
					長文読解
論説文と小説(随筆文)の2題が例年出されている。近年増加傾向にあった文量について、2021年度では約7000字であったが、2023年度・2024年度は約11000字と増え、そして2025年度では約6400字とかなり減った。もともと問題数が少なめの試験だったこととも考え合わせると、いたずらに問題を難しく時間がかかるようにするのではなく、しっかり考える時間を持たせるような意図が感じられる。今後数年の傾向を注意して見ておきたい。
本校の特徴として、選択肢問題に注意が必要である点は変わりない。五択である上に、一つの選択肢が100字を越えることもある。スピードとともに細部にまで注意を払う集中力も必要となり、本校の試験対策において特に訓練が必要な部分であろう。
ともあれ、長文をすばやく読み、重要な部分をすぐ探せるように傍線や印で見やすくしておく工夫は重要である。
論説文であれば、段落を整理すること
形式段落を意味段落にまとめ、各意味段落の内容を大まかでいいので小見出しのようにメモしておく。
要点と細部の区別では、段落の最初と最後にポイントがあることが多いので、最重要と思われる一文をマークする。別の言葉で言い換えた箇所などを線で結んで参照できるようにしておくのも良い。
そして全体をながめて要旨をまとめる。普段の学習で、要旨を50字や100字で簡潔にまとめる練習をしておくと、実力アップにもつながるだろう。
小説では、まず場面を分けること。
時間・場所・登場人物の移動などを手がかりに、映画のシーンのようにイメージしておく。人物の言動から性格を把握し、情景も感じ取って心情を読み取る。特に気持ちに変化があった箇所は問題にされることも多いのでマークしておいたほうが良い。そして、誰のどんな気持ちが描かれた話なのかを読み取るのである。
このような点が整理できていれば、選択肢を判断する際の手助けになる。記述問題でも役立つはずである。
ただし、本校の記述問題は単純に文中から抜き出してつなぎ合わせただけでは答えにならないものが多い。 文中の実例を自分の言葉で具体的にまとめる必要があったり、言葉を補わなければわかりづらかったりする場合がある。傾向や字数の近い記述問題を多くこなし記述力をつけておきたい。
漢字・知識問題
漢字は読み・書き・同音異字の選択肢と多彩な形の出題が見られる。過去問で十分に慣れておくこと。
ことばの知識も毎年出されている。文法が出題される年度もある。油断せず学習しておく。
試験の難易度について
2~3年毎に国語の試験の平均点にばらつきがあり、難易度に差があるようである。あまりに難しい問題に当たった時は、あきらめて他の問題に注力する作戦も有りである。
なるべく多くの年度の過去問を見て、こういった点も実感しておいて欲しい。
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						2025年度「市川中学校の国語」の
						攻略ポイント
					
					
					特徴と時間配分
長文2題で約6400字と例年より少なかったが、設問の選択肢内の文量がかなり多いのは例年と変わらない。できれば素材文2つは10~12分ほどで読み終え、残りを問題の解答に回したい。
2025年度は書き抜きなどはなく、漢字・記述・選択肢だけであった。選択肢・記述ともに時間のかかりそうな問題を後回しにして、解ける問題をまず終わらせる。総解答数は20問と少なめなので、一通り最後まで手を付けるペースを過去問でつかんでおきたい。
【大問一】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:25分
- ★必答問題
現実の世界でリスクを恐れて自ら選ぶことを放棄しては他人に支配されてしまう。何がベストの選択か正解があるとは限らない中で、自らの選択をベストにするように生きるのが自らの力で世界と対峙すること=大人になるということなのである。
問1 バンジージャンプは事業者による安全対策が施された器具で楽しむアクティビティーであるが、ナゴールは道具も自ら用意し現実に死ぬ可能性にも向き合う必要がある命がけの通過儀礼である→選択肢イ。
問2 考えれば無限にあるリスクを「意識して」しまうと恐れでなにも選択できなくなってしまうので、心の安寧を保つために普段はあまり「意識し」ないようになっているという人間の心理を「防衛機能」と表現している。
問3 選択で失敗したくないと強く思い過ぎると、どれを選んでも正解ではないような不安が生じてしまう。どこかで折り合いをつけないといつまでも選べなくなってしまうのである。
問4 学校の勉強は多くは正解が存在し時間を掛けたり努力したりすればたどり着けるものがほとんどである。しかし、現実における選択にはそれに伴うリスクが存在し、そもそも絶対的な正解など存在しないのである。
問5 (1) 人はリスクを前にして恐れを抱き、「何かを選ぶこと(=責任)から逃げて」しまうこともある。しかし、それでは「誰かに支配されてしまう」ことになり、それは「自らの力でこの世界と対峙すること」を放棄しているのである。怖くてもどこかで思い切って自ら選択する・その選択をベストするように生きていくという「覚悟」が「自分の人生を自分のものにする」ことなのだと、筆者は考えている。
(2) 重要な選択で迷うような場面を設定する。一つには世間で一般に薦められるような比較的安定した道、もう一つは不安定さはあるが自分が本心で選びたい道を考えてみよう。人まかせにするのではなく、リスクを覚悟で自分の意志で進みたい方を選択するという形にまとめれば、文意に沿った記述になるだろう。200字と字数が多いので、それぞれを薦める・選ぶ理由も書いて字数を稼ぎたい。
〔注目!――本校の特色のひとつである、長文記述二題。どちらも字数が多いので他の問題(大問二も含む)を終えてから、最後に考える。満点を目指す必要はないので、とにかく9割程度の字数は埋めて部分点を狙う。いきなり書き始めると収拾がつかなくなり書き直す羽目になるので、3~4つの書くべき内容を整理してから書き始める。〕
【大問二】随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
- ★必答問題
「かぞえる」という人の行為について、子どもの成長と社会の行く末に考察を広げ、人と心
が揃う喜びを感じられる世界であってほしいと筆者は願っている。
問1 X. 息をのむ Y. 目を丸くする
問2 自信満々に答えているが知っている数を順番に口しているだけであり、本当の意味でパンケーキを「数え」られているわけではないということを強調するためにかぎかっこをつけている。
〔注目!――本校の今年度の特色である選択肢問題。記述と漢字以外は選択肢である。ひとつの文が長く、選択肢も読む時間に含めなければならないほどである。素材文との一致・不一致、解釈の正誤などを細かい表現とも照らし合わせて判断しなければならない。本文を正確に読めていなければ正解できないので、選択問題だから簡単だと油断してはいけない。〕
問3 実際に帰って子供に合える日を心待ちに数えていたのであろうから、選択肢エがよい。
問4 筆者のシャワー中のエピソードは、子どもが「人と心が揃う喜び」を知っていることを示している。数の意味を理解していなくても、ルールの存在に気づき分かち合うことを楽しんでいる息子の中では、他者とのやり取りで生じるルールを守って生きる社会への準備が始まっているのである。
問5 数段落前で筆者は「ルールは時代の移り変わりとともに変容していく」と指摘し、これからは既存のルールに適応するだけでなく、「新しいルールの生成に参加していく力が求められる」だろうと述べている。そのうえで、数を通して心を揃え、人と共感し共鳴することを喜ぶ世界であってほしいと願っていることから、選択肢オが合う。
【大問三】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
1. 副賞 2. 余興 3. 宿敵 4. 神聖 5. 砂糖 6. 一角 7. 易しい 8. 異(にする)
攻略のポイント
2025年度の素材文は文量が少なかった。ただ、選択肢問題の字数の多さは変わらないので、同傾向の問題を多くこなして慣れておきたい。
まずは、本文を読み一通りすべての問題に目を通すスピードをつける。そして選択肢や書き抜きの問題で手間取らないよう、素材文を読みながら重要点を手際よくマークしていくコツをつかむ。特に選択肢の五択については最終的に2つで迷う場面が多く、そうなると細部の違いが重要になるので、細かい点を見落とさない落ち着きや注意力も必要である。
また、記述問題は、文中から取り出して単純につなぎ合わせるだけでは答えにならないものが多いので、傾向の似た問題で訓練したい。
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