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城北中学校 入試対策

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2019年度「城北中学校の算数」
攻略のための学習方法

特徴と対策

城北中学の算数は,男子校らしい問題の難易度と適切な問題量を持ち,毎年多くの受験生に受け入れられているオーソドックスな内容である。
しかし,以下の特徴を持っていて,そのための対策を施しておく必要が生じている。

1つは,年度によって「問題の難易度変化が見られる」こと。合格点にも大きくかかわってくるだけでなく,対応する受験生側にも負担となる部分である。しかし,ここ数年はそういった変動も少なく,昨年度「受験者平均点も60点台と理想的なので今後はこのレベルで安定するものと予測する(2018年度の平均点は例年ではもっとも高かったが、問題の質に変化は見られない)」と書いたとおり本年度の受験者平均も62点と問題の水準に変化はなかった。この特色は過去のものになってきている(油断はまだ出来ないが…)。

 

図形問題への対応

もう1つは,頻出である「図形問題への対応」である。もともと図形問題と一括してもいろいろな分野がふくまれているし,他校においても図形問題が複数出ることは当たり前であるが,城北の場合は問題数の半分近くを占めることがあり,図形分野の得意不得意が合否に大きく影響することは想像に難くない。こちらは細かく述べる。

「図形」問題への対応に関してはやはりテクニック的なことに触れることになる。
「和差算なら線分図」「平均なら面積図」というように,問題 の内容によって典型的な解き方というのが存在し,その解き方を身につけるために日々勉強を続けているわけだが,図形の場合は「円の面積なら半径×半径×円周率」という公式の暗記だけでは解けないことが多い。ことに城北の算数で単純に円の面積を求めさせることはあり得ない。同様に,ありたきりの公式暗記は必要条件ではあっても十分条件ではない。

ポイントはもう一つ上のランク,「やっておきたい作業」の習得となる。
たとえば,平成28年度【大問2】(1)。「折り返した図形において,等しい角度にはしるしをつける」ができているだろうか。(6)の補助線しかり。また、平成30年度【大問2】(4)(5)もまた、補助線を引けないと答えが導けない作りになっている。
手作業が必要な問題を受験生は敬遠する嫌いはあるけれども,それでは城北中学の合格が遠ざかってしまう。

図形の問題は,特殊算と違って解き方を覚えたからと言って必ずしも解けることは限らない。だからこそ,「図形問題にはひらめきが必要だ」などとまことしやかに伝えられ,それを一概に否定することはできないけれど,まずは正解する可能性が高くなる作業は出来るようになっておきたい。
今回実例に挙げた以外にも,図形問題「解法のテクニック」はいくつも存在するだろう。公式を超えて,それらもしっかりと自分のものにしておきたい。

合格のための勉強法まとめ

さて,「城北中学合格のための勉強法」をまとめると
・過去問を解いて自分の力との兼ね合いを図り,おおよその合格ラインを見据え,それに合ったレベルの問題をたくさん解く。
・図形の問題では直感に頼った解き方ではなく,テクニックとして必要なものの中からいつでも必要な作業を取り出せるようにしておく。
・基礎的な問題が解けるだけでは合格点には到達しない。一行問題集のレベルから早く脱して,標準的な文章題に対応できるポジションまで到達しておきたい。

城北中学の算数は総じてオーソドックスな問題が多い。特殊な勉強法は要らないので過去問に取りかかるのは力が十分ついた秋からで間に合う。それまでにどの分野から出されても高い正答率を持って問題にあたれるよう地道に力をつけておきたい。
易しくはないが決して困難ではない、城北中学の問題に真っ向から挑戦してみよう。

 

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2019年度「城北中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5,小問が17。時間に対して出題数・量は適切であり、しっかりと勉強を積んできた生徒であれば(問題の難度によって解ける解けないはあるにしても)時間不足となることはないだろう。
前半の基本問題を時間内または少し時間を余らすペースでこなし、【大問3】以降の応用問題に余裕を持って取り組めれば、目標とする70点以上をとることも難しいことではない。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

どちらも小数・分数の混合四則計算で、ふだんどおりの力を出せば正解を得られたものと思う。(2)は逆算なので慎重に扱おう。ここでの失点は許されない。

【大問2】倍数算・公倍数・正十二角形の面積・消去算・サイコロの目・相似形

  • 難度:標準
  • 時間配分:18分
  • ★必答問題

6つの小問からなる【大問2だが、それぞれの難易度はまったく同じというわけではない。(1)(2)(3)(4)は「易」、(5)(6)は「標準」レベル。(1)(4)は典型題なのでどれも確実に正解したい。
(1)
は比の和が等しい「倍数算」で、基礎にあたるレベル。
(2)
は「公倍数+あまり」から正解を得る問題で、6,7,8の最小公倍数を求め、1964をそれで割る。そしてその商と最小公倍数をかけ、あまりの4を足せばよい。ただし、「最も近い数」とあるのでもう一つ大きいものも求めて比べてみる必要がある。しかしなぜ1964?正解を求めるとおのずとその数の謎が解ける…しかしその謎を解いても点数はもらえないが…
(3)
の「正十二角形の面積」ももはや基礎レベルと言っていいだろう。最近ではそこまで入試問題の水準が上がっている。正十二角形を十二等分して「角度が30,75,75度の二等辺三角形」に分け、1つの面積を求めて12倍する。もちろん、その三角形の面積の求め方がまだ身についていない生徒は急いで復習に走ろう。
(4)
4つの式を立ててコップの重さを求める、これもよく見かける消去算。倍数でそろえる必要はないので総時間はかかるまい。
(5)
はサイコロの目を丹念に追っていく。最後の詰めを誤らないように。
(6)
は「相似形」の問題と分類したがその解き方は一つではない。自分の場合AF:DC=3:5より、三角形AFGと三角形CDGが相似な関係にあるのでその高さを3:5とし、その和8BCの長さになるのでFB:DC=1:5より、EBの長さを2とおいた。他の解き方でも良いわけで、各自得意な解き方を披露してみよう。

【大問3】立体図形(表面積)

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

本年度の問題では、この【大問3】が平易な出題だった。立体図形、しかも表面積の問題なのでその難度が懸念されたが「易」に毛が生えたレベルで終わっている。
(1)はボーナス問題。ただし、(2)を解くのに参考になる。
(2)立体Bの上から見た底面積がAと同じになる、と処理できれば大きくなった72cm2が真ん中の立方体の側面4つ分にあたることがわかる。よって、真ん中の立方体の側面1つは18cm2となる。これをもとにして下と上にある立方体の側面の大きさを求めていけば良い。

【大問4】速さとグラフ(流水算・つるかめ算)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

本年度「勝負の分かれ目」となったのはこの【大問4】である。
なぜか。
(1)
の答えを出せないとそれ以降(2)(4)の設問に答えられないからだ。逆に言うと、(1)が解けた生徒はそれ以降の設問にもすべて答えられる可能性が高い。グラフの問題ではあっても、実際にはそれほどグラフは使わないで解けてしまうからだ。
しかし(1)はふつう簡単なのでは…と思うかもしれないが意外と解けない生徒が多い気がする。よって、「全か無か」、ここでの24点は合否のラインをはっきり分けたことだろう。
(1)
まず、3000m60分で上るので上りの速さは分速50m、これは誰にでもわかる。次に、途中こぐのをやめたおかげで船は下流に流され、こいでいる時間が0020の「20分」と9:3510:18の「43分」、合計63分間となっている。つまり、上りの速さ3分ぶん流されたわけだ。だから□は1000-50×3=850となる。
(2)(1)
のことから15分間で流された距離は50×3=150mなので、150÷15より、川の流れの速さは10mとなる。したがって、静水時の速さは50+10=(分速)60m
(3)(4)
はともに「速さのつるかめ算」を用いて解く。【大問4は良問だと思うがここで解き方が重複するのが玉に瑕(きず)である。しかもどちらの解き方も難度に差がない。2通りの速さと下る距離に注意してそれぞれ答えを求めよう。
ここを全問正解できると「合格」の文字は鮮明に見えてくる。

【大問5】場合の数

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

最後の大問も良問だが(2)の「場合分け」は、かなり細かいのでなかなか正解には至るまい。ここは(1)の正解を確実に狙いたい。
(1)サイコロを3回投げてゲームが終了するのは出た目が「奇数、偶数、偶数」の順番になるときだけである。そこでその和が5の倍数となるように「奇数が1の場合」「3の場合」「5の場合」にわけて考えていく。例えば「奇数が1の場合」は「1,2,2」だけが5の倍数になる、といったぐあいである。通りの数もそう多くない。
(2)はここまでの問題に絶対の自信があり、かつ時間が十分に余っている生徒はトライしてみよう。どちらかに不安または時間に余裕のない生徒は前に戻ってひたすら見直しである。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
2019年度の問題は、受験者平均が62点、合格者平均が74点だったので目標点は70~75点に設定して問題に取り組みたい。
特に難しいと思われた設問は【大問5】(2)のみで、あとの問題はふだんテキストなどで解いてきたレベルの範囲内である。あとはミスを2・3問にとどめて合格ラインをクリアしたい。
城北中学(第2回)合格への対策として、以下のことを守ろう。

・塾の教材や市販の問題集などで中程度の問題をしっかりこなし,正答率を上げておくこと。
・分野的には「図形」がメイン。角度や円の面積・相似形・立体図形など,さまざまな分野の問題になれておきたい。
・グラフを使った速さの大問にもふだんからトライしていこう。

入試問題の水準もここ何年かは安定してきたのでそのレベルに合わせて対策も立てやすくなっている。大切なことは合格点まで解けることだ。基本的な力を十分身につけて本番に備えておこう。

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