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2022年度「城北中学校の算数」
攻略のための学習方法

城北中学の算数は,男子校らしい問題の難易度と適切な問題量を持ち,毎年多くの受験生に受け入れられているオーソドックスな内容である。しかしながら、問題傾向に特徴を持っているので,そのための対策を施しておく必要が生じている。
それは、頻出である「図形問題」への対応である。もともと図形問題と一括してもいろいろな分野がふくまれているし,他校においても図形問題が複数出ることは当たり前であるが,城北の場合は問題数の半分近くを占めることがあり,図形分野の得意不得意が合否に大きく影響することは想像に難くない。

「図形」問題への対応に関してはやはりテクニック的なことに触れることになる。
「和差算なら線分図」「平均なら面積図」というように,問題 の内容によって典型的な解き方というのが存在し,その解き方を身につけるために日々勉強を続けているわけだが,図形の場合は「円の面積なら半径×半径×円周率」という公式の暗記だけでは解けないことが多い。ことに城北の算数で単純に円の面積を求めさせることはあり得ない。同様に,ありたきりの公式暗記は必要条件ではあっても十分条件ではない。

ポイントはもう一つ上のランク,「やっておきたい作業」の習得となる。
たとえば,平成28年度大問【2】(1)。「折り返した図形において,等しい角度にはしるしをつける」ができているだろうか。(6)の補助線しかり。また、平成30年度大問【2】(4)(5)もまた、補助線を引けないと答えが導けない作りになっている。
手作業が必要な問題を受験生は敬遠する嫌いはあるけれども,それでは城北中学の合格が遠ざかってしまう。
図形の問題は,特殊算と違って解き方を覚えたからと言って必ずしも解けることは限らない。だからこそ,「図形問題にはひらめきが必要だ」などとまことしやかに伝えられ,それを一概に否定することはできないけれど,まずは正解する可能性が高くなる作業は出来るようになっておきたい。
今回実例に挙げた以外にも,図形問題「解法のテクニック」はいくつも存在するだろう。公式を超えて,それらもしっかりと自分のものにしておきたい。
さて,「城北中学合格のための勉強法」をまとめると

・過去問を解いて自分の力との兼ね合いを図り,おおよその合格ラインを見据え,それに合ったレベルの問題をたくさん解く。
・図形の問題では直感に頼った解き方ではなく,テクニックとして必要なものの中からいつでも必要な作業を取り出せるようにしておく。
・基礎的な問題が解けるだけでは合格点には到達しない。一行問題集のレベルから早く脱して,標準的な文章題に対応できるポジションまで到達しておきたい。

城北中学の算数は総じてオーソドックスな問題が多い。特殊な勉強法は要らないので過去問に取りかかるのは力が十分ついた秋からで間に合う。それまでにどの分野から出されても高い正答率を持って問題にあたれるよう地道に力をつけておきたい。
易しくはないが決して困難ではない、城北中学の問題に真っ向から挑戦してみよう。

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2022年度「城北中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5,小問が20。昨年度のテストが難しすぎたせいか再度反動が出て、本年度は例年並みの質・量に戻っている。テスト問題の設定に学校側の迷いが見られる感じがするが、本年度並みであれば50分で解く分量としては適切である。
前半の基本問題(【大問1】~【大問4】まで!)をうまく処理して、【大問5】はチャレンジ、というスタイルでも合格点は十分に取れるので、あせらずに基本問題をしっかり押さえていこう。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)は城北中学の計算問題としては素直な問題で、小数を分数に直し解いていく。
(2)は分数を使った逆算問題で、計算する順序を間違えないことと、計算問題だから…と侮らないで普段も1日に数問計算問題を解く時間を作ろう。
計算問題で正解しても後半の文章題で正解してもほぼ同じ点数がもらえるのだから。

【大問2】仕事算・角の大きさ・場合の数・平均算・正六角形の面積

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

5つの小問からなる【大問2】だが、それぞれの難易度はまったく同じというわけではない。(1)(2)(4)は「易」、(3)(5)は少しレベルが高く「標準」。
(1)は仕事算につるかめ算をセットしたというメニューでもう何度も食べてきたことだろう。A:B:Cを整数比で出した上で全体の仕事量も整数化。あとは面積図などを用いてつるかめ算として処理する。もう少し問題に工夫があってもいいと思われる。
(2)は角度の問題で、折り返した図形の角の大きさを求めるもので「青山学院」風味の問題だが、使うものは、「折り返した角の大きさは等しい」「二等辺三角形」「外角」というところ。三角形ABEの3つの角の大きさを、それぞれ84°、ア、ア+アと置ければ正解が出る。
(3)は「順列」で、3人の座り方に条件があるので、そちらをまず処理する。すなわち、6つの席のうち、1脚以上空ける座り方を調べ、その上でそれぞれの座り方は(3×2×1=)6通りなので何倍かすれば良い。座る席を○、座らない席を×などと工夫してテキパキと場合分けしよう。
(4)は平均の問題で、平均の合計ではなくいわゆる「平均の面積図」を用いて解く問題。ただ、最初の100枚も1枚あたりの費用が整数になるので問題は平易なものになっている。あとは20円より安くする、ので平均値は20円ぴったりにはならない。そこで最後に1枚増やして答えをがっつり正解しておきたい。
(5)は「正六角形の面積」とタイトルをつけても、要は正六角形の分割の問題。この問題に関しては、解き方は1つではなく、斜線部分の面積を分割していく「内側に攻める」解き方と正六角形の辺を延長して正六角形の6分の1の大きさを持つ正三角形を作って「外側から攻める」解き方があるだろう。ここは好みだが自分は「外攻め」で、斜線部の面積が正六角形の6分の1の正三角形のどれだけになるか、使った。運が良かったことに案外簡単な割合になったので今日はいいことがありそうだ。

【大問3】速さとグラフ

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

太郎君と次郎君が自転車でP地点とQ地点を往復したときのグラフが与えられ、「時間」は与えられずに「距離」から問題を解いていくという内容になっている。「難問」ではないが「良問」である。
(1)が本年度テストの合否の分かれ目となった設問で、ここをミスると全滅してしまう。問題文の最後に「太郎君がPに到着したとき(つまり往復したとき)、次郎君はQからPに向かっていて、Pまであと3.5kmの地点にいました」が大ヒントである。往復で3.5kmの差がつくんだから片道では…とサクッとそれに気づいた生徒にとってはこの問題は楽勝である。速ささえ変わらなければ「往復の差÷2=片道の差」で、速さの問題を解くときの知識の一つだが意外と使えない生徒も少なくない。
(2)(1)で求めた差(3.5÷2=)1.75kmを同じ時間内に太郎君は1km、次郎君は(1.75-1=)0.75km進んだことになる。あとは比にしてから何倍かを求める。
(3)(2)で求めた速さの比4:3を用いると、太郎君がPについたとき(走った距離は4)、次郎君は走った距離が3でその差が1.75km(比1あたり)なのでドーンと答えが求められる。
(4)ここで問題をもう少し盛り上げようと「第三の男」三郎君が参上する。三郎君ははじめは次郎君と同じ速さだが太郎君と出会ってから速さを変えて引き返すのでそこから先の太郎君と三郎君の速さの比を作り、その逆比からこの問題初の「15分」という時間が答えを引き出す要素となる。
(4)は少し難しいかも…(1)(3)は確実に正解しておきたい。ここでの成否は大きい。

【大問4】約束記号

  • 難度:
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

整数Aを3で割ったときの余りを<A>とします、という約束記号のきまりに従って問題を解くのだが、3で割ったときの余りは1,2,0しかないので、後半の大問にしてはとても軽い問題になってしまった。たいていの生徒は(3)か(4)まで解けてしまうだろう。
(1)①②は易しすぎてなんだかこわい。
(2)もまたA=10から調べていくとすぐに整数Aの規則が分かってしまいこれもまた解くのは容易である。ただし、Aは2桁しばりなので、100まで含めてしまうと失点する。
(3)今度はB=10から調べていく。さきほどのAほどではないが、B=15まで調べていくと「Bが3で割って2あまる」数の時のみ式が不成立になることが分かる。2桁の整数は90個あるからそこから引けば残りは成立する。
もう少し設問の難度を上げてもよかった気がする。

【大問5】立体図形の切断

  • 難度:
  • 時間配分:9分

本年度はこの大問のみが目を見張らされるものになっている。「重点」などという重々しい言葉も使われており生徒もその把握に躍起になることだろう。
(1)では、立方体の中に三角すいがあり、その三角すいと一部を共有する面ABCDで三角すいを切断し、三角すいの面上および内部にある「重点」の個数を求める、という問題。面ABCD上にある重点が5個、と出ているのがヒントになっていて、1cmごとに切断していくと、2段目は図3のような形、3段目は正方形ABCDを45°傾けた正方形、4段目は図3と反対向きの長方形、5段目-一番下は面ABCDと同じである。ここまで分析できればあとは数えるだけだが難しい問題であることは間違いない。
(2)4点A,C,F,Hを頂点とする三角すいは立体アと上下逆さまの三角すいなのでたとえば、面ABCDで共有する重点は1点しかない。同じように1cmずつ切断して求めていけば良いのだが、(1)も難儀そうであったなら、戻って答え合わせというのも現実的である。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
2022年度第2回のテストは、受験者平均が52点(2021年度46点、2020年度70点)、合格者平均が65点(2021年度56点、2020年度84点)という数値でありここ3年間の平均点はまったく安定していない。受験者層はあまり変化がないと思うので問題の質が点数に大きく左右するのは間違いないところ。現状の受験者層だと本年度のものが最も適切なレベルだと判断する。
本年度は【大問3】の速さとグラフ(ダイヤグラム・旅人算)が合否を大きく分けたことだろう。設問が(4)まであるが(1)が正しく答えられないと全滅という可能性しか残っていないからだ。
【大問1】【大問2】【大問4】を正しく答えた上で【大問3】でどこまで点数を上乗せできたか、によって65~70点の壁を破れたかどうかが決まったはずだ。
さて、城北中学(第2回)合格への対策として、以下のことを守るべし。

・塾の教材や市販の問題集などで中程度の問題をしっかりこなし,正答率を上げておくこと。
・分野的には「図形」がメイン。角度や円の面積・相似形・立体図形など,さまざまな分野の問題になれておきたい。
・グラフを使った速さの大問にも、普段からトライしていこう。

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