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海城中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「海城中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

文学的文章1題と説明的文章1題で大問2題という構成が定形となっている。文量は計7000~9000字ほど。2022年度では8600字ほどであった。漢字も含めた総解答数は25問前後。

50~100字超ほどの記述問題が2問出題されるのもここ数年の通例となっている。選択肢の問題数が多いのも特徴である。選択肢ひとつひとつが長めであるのも特色で、全体として読む分量が多くなっている点、留意して準備する必要がある

長文読解

近年、文量が多くなる傾向にある。意識して読むスピードを上げる訓練をしておこう

素材文の内容は読みやすいものが多い。文学的文章は、人物の設定が受験生にも理解しやすい年齢や境遇となっているものが使われ、難易度が配慮されている。説明的文章も学生に向けて語りかける随筆のようなものが多いが、社会科学など分野的にやや高度な内容のものも見られる。全体としては難しすぎるということはない。

読解力が十分にあれば正解できる問題が多いので、国語の基本力をまずは充実させたい

文学的文章であれば、場面分けを的確にする。時間・場所・人物の移動などに着目し、場面の変わり目をマークする。人物の言動や情景などにも注意しながら心情を読み取る。予断を持たず、あくまで文中の手がかりに沿って考える。そして全体を通して作者の描きたかったこと・主題を考える。

説明的文章であれば、段落の整理。形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の大まかな内容を小見出しとしてつけておくとわかりやすい。要点の抽出。段落の最初と最後が大事とはよく言われることである。あとで見つけやすくまとめやすいように傍線などで目立つようにしておくと楽である。要点をまとめて要旨・要約へといたる。記述問題で使える部分もここに含まれることが多い。

選択肢問題・記述問題

選択肢問題は数が多く、ひとつひとつの文も長い。ただし、各選択肢の違いが明確で、無理に迷わせるような意地悪なものではない。読解がしっかり出来ていれば正解できる、実力が正確に現れる問題となっている。選択肢の中の正誤のポイントを見落とさないよう、類似問題を多くこなして十分に練習し、注意力を養っておこう

記述問題は設問の条件をよく見ることが大事である。条件自体が文中の大事なポイントを見つける手がかりになっている場合が多い。使えそうな部分の見当が付いていれば、それを条件に合うように整えれば良い形でまとめられるようになっている。

いずれにしろ、まずは素材文をしっかり読解できていることが大事なので、国語力をつけた上で、なるべく多くの過去問をこなし、試験の特徴に慣れておいていただきたい。

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2022年度「海城中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は24問。文量は8300字ほどあり、選択肢ひとつひとつの文も長い。全体として読む分量がかなり多いので、スピードはつけておこう。

記号選択問題が17問あるが、選択肢はポイントがはっきりしていて、本文の読解ができていれば迷わず選べるので、ここでなるべく時間と得点を稼ぎたい。

2題の記述問題も、条件に沿って書く部分を的確に選べばまとめるのはそれほど難しくない。配点が高い部分なので、なるべく時間を多く割り当てて高得点を狙いたい。

【大問一】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

東日本大震災以降、何事にも被災者との「絆」や「応援」が求められる風潮に疑問を感じていた主人公。絵をかいても同様の「希望」といった文脈ばかりが注目され、絵自体が評価されないことに憤りを覚える。

問一 みかは主人公の性格を知っており、被災地支援のような題目で絵を描くことに気乗りしないだろうと予測しており、それが傍線部のような「複雑な表情」に表れている。しかし、連盟の人に名指しで頼まれてしまったため、できれば主人公に引き受けてもらいたいのであろう。

問二 被災した人の本当の気持ちは経験した当事者でなければわからないはずなのに、軽々しく「絆」を口にし「寄り添った」気になっている世間の風潮を嘘くさく感じてしまっているのだと考えられる。

問三 内陸でほとんど被害を受けていない自分が何を描いてもとても失礼な気がする、と独白している。題材が思いつかず、しばらく悩んでいる様子も書かれている。

問四 記者は「復興への希望を込めて描いた作品」といった美談を期待していたのだろうが、予想に反する答えを主人公が返したので、狙いが外れて困惑している。

問五 インタビューを受けている主人公の明らかに気乗りしていないぞんざいな受け答えに、絵を頼んでしまったみかは罪悪感を覚えていて、顔を上げられないのであろう。

問六 みかが被災者支援といった題目とは関係なく、絵そのものの良さを評価してくれたことが嬉しかった。

問七 ニセアカシアの絵が予想通り、記者の狙った路線で記事にされて絵そのものに目が向けられていないことに怒りを感じて、それを滝の絵にぶつけて昇華しようとしているようすが描かれている。

問八 自分が当初そのような絵を描こうとしたときに「希望っぽすぎる」と嘘くささを感じて却下している。

問九 絵そのものの出来は明らかに自分より劣るのに、(主人公からすれば)型通りの「希望」を感じさせるような絵柄が最優秀賞を得たことに納得がいっていない。

問十・問十一 榊の指摘により、自分の絵が最優秀賞をもらえなかった理由に思い至った場面である。水が押し寄せてくるような構図や描写、『怒涛』というタイトルなどが大震災の津波を連想させ、審査員に不謹慎だという印象を与えたのだろうと気づいたときに、自分の絵が正当に評価されない理不尽に対する怒りがこみあげてきて、そのいら立ちが傍線部のような激しい貧乏ゆすりになったのである。

問十二 イ. 上記のような怒りから思わず滝の絵を蹴り破りそうになったが、自分でも自信を持てる良い絵であり、亡くなった祖母への思いも込められているので傷つけることはできなかった。選択肢も部分的にはよいが、「これからも描き続けていこうという気持ち」が明確に描写されてはいない。

【大問二】論説的随筆文

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分

自身の自己臭恐怖を告白しながら、他者との近距離での接触とリモートなど情報の一部が

隔絶された世界での関わりとを自由に選べないコロナ渦の現状を憂えている。

問一 a. 裏  b. 外観  c. 所属  d. 清潔  e. 縮(める)

問二 誰にも気兼ねなく歌の練習ができる、「周囲の眼は一切気にならない、自分がいることで誰にも迷惑のかからない、希少な場所」だったと述べている。

問三 「におい」にあてはまる内容を選べばよいと考えると、「自分の意志では隠しきれない」とある選択肢が合う。

問四 「精神的なものであったのか、実際に悪臭を放っていたのか、定かではない」と書かれている。

問五 直前の、「呼吸を阻むものから人は距離を取る、それは当然の権利である」を指している。あくまでにおいの元から自分で遠ざかっているのであり、においの元を「遠くに追いやる」わけではないので、選択肢は選ばない。

問六 「言葉よりもずっと正確にその人を映し出す」「反応、雰囲気、相槌」などはなかなか見えてこない、とあるので選択肢が合う。選択肢は「直接のやりとりよりも人と近づくことができる」が筆者の意見を正確にとらえていない。

問七 何らかの理由で登校を負担に感じるような子は、リモートであれば精神的に楽に学習できるはずである。

問八 「言葉よりもずっと正確にその人を映し出す」ものが抜け落ちてしまうのだから、相手の微妙な心の揺れや言葉には表れない本当の気持ちなどが、わかりづらくなってしまうのである。

問九 「一緒に過ごすことで、心を蝕まれる人も多い」一方で「においを嗅ぎ続け、互いにそれを受け入れ合う安心感」も存在する、と述べている→選択肢が合う。

問十 1. 直接の接触とリモートの関わりと、「どれも良い悪いと切り分けることはできない」と筆者は考えている。

2. 通常であれば、直接会うという距離と遠隔ならではの距離とを自由に選べて「どれも良い悪いと切り分けることはできない」のだが、コロナ渦で物理的な距離が必要となり、距離を選ぶ「選択肢が失われつつある」から苦しいのだと筆者はまとめている。

攻略のポイント

素材文と設問(選択肢)の文量の多さには注意が必要である。本文と設問の細部にまで注意を途切らせずに、とにかく全ての問題に目を通すスピードを身につけたい

出題数の多い選択肢問題は得点しやすい問題も多いので、類似問題で十分に練習し、その上で記述問題でも得点を積み上げられるよう、過去問・類似問題で経験値を上げておこう。

全体としては極端に難しい文章や問題ではないので、読解力があれば合格点に到達できる。試験対策のみにとらわれず、国語の地力といったものを十分に高めておこう。

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