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海城中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「海城中学校の理科」
攻略のための学習方法

海城中の満点は80点、例年、標準レベルおよびそれ以上のレベルの問題が並んでおり、レベルの高い出題と言える。問題の形式としては、長めのリード文・実験や観察のデータ・図・グラフなどをもとに答える問題が中心であり、計算問題や記述問題も含まれる。知識を確実に固めることは当然のこととして、レベルを高めに設定した問題演習をしっかり積んでおくことが必要である。化学・力学を中心とした計算問題の練習と記述問題を含む総合問題の演習には時間をかけたい。
分野毎の学習法は以下の通り。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年度はメダカと外来生物に関する出題で、正確な知識と問題文を読み解く力が必要な内容であった。ここ数年を見ると、植物に関する出題がやや多く、魚のからだのつくりと働き・生物の個体数の変化などの出題が見られた。この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物のからだのつくりや分類など基本知識を確実に覚えることが第一である。特に、出題される可能性のやや高い植物に関する知識は早めにしっかり固めておきたい。また、知識の丸暗記で終わることなく、実験や観察に関する問題の演習にも時間をかけたい。

地学分野 本年度は岩石の風化についての出題で、難度の高い問題も含まれていた。ここ数年では、気温と地温の変化・台風と河川の水位上昇・地層・岩石・日食等についての出題が見られた。この分野の学習方法としてまずは、台風・四季の天気の特徴・星の名前と動き・月の動き・岩石の分類・地層のでき方・地震・火山などテキストに書かれている基本事項は確実に理解し覚えて頂きたい。金星の見え方・日食や月食など細かい知識も学習しておきたい。さらに、地層のボーリング調査・地震波の伝わり・天体の軌道など計算を必要とする問題の演習にも時間をかけたい。

物理分野 本年は電圧と電流に関する出題でレベルの高い設問も見られた。過去の出題を見ると、力のつり合いに関する出題頻度が高く、レベルの高い計算問題も頻繁に出題されている。この分野の学習方法としては、ばね・てこ・滑車・振り子・浮力など力のつり合いに関する計算問題の練習にしっかり時間をかけたい。レベルの高い問題にも取り組んで欲しい。その他、今回出題された電気、光、音についての学習も怠りないように。

化学分野 今年度は乾燥剤・脱酸素剤をテーマにした出題であった。ここ数年では、中和反応や気体の発生など化学変化に関する出題が多い。この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を固め、中和・溶解度などの計算問題演習をしっかり行って欲しい。レベルの高い問題にも挑戦して学習して欲しい。

過去問演習は時間も意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。

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2023年度「海城中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4、小問数は35程度で80点満点(算数・国語は120点満点)。試験時間は45分、例年通りであった。記号選択問題、計算問題、記述問題が中心で、図を描く問題も見られた。長めの問題文や図・データの読み取りに時間がかかる問題が多く、前半で時間を使いすぎると後半の問題を慌てて解くといった状況になりかねない。過去問等で時間を意識した演習をしっかり行うことが不可欠である。できる問題、特に知識問題をミスなく正答していくことが重要なポイントとなるであろう。

【大問1】 物理 電圧と電流

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分

問1 回路内に直列につながる豆電球が多くなると、暗く点灯するようになる。豆電球を並列につないでも、明るさは変わらない。

問2 グラフの読み取り問題。豆電球には9Vの電圧がかかり、豆電球には4.5Vの電圧がかかっている。

問3 回路図の通りに豆電球の配線を描く問題。

問4 豆電球に0.25A流れていることから、グラフを読み取ると豆電球およびの両端には1.54Vの電圧がかかっている。また、豆電球には0.5Aの電流が流れるので、グラフを読み取ると、両端に3.88Vの電圧がかかっている。従って、電源装置の電圧は1.54+3.88 より四捨五入して、5.4Vとなる。
 
問5 6の中の2点、9V-0A、7V-1Aを図1の中にプロットして結ぶ。グラフとの交点を読み取ればよい。

問6 電池を並列につなぐと、各乾電池から流れ出た電流の和が回路に流れる電流となる。

問7 グラフの選択問題。電球に流れる電流を1Aとすると、乾電池1つから流れ出る電流は0.5A。この時の電池両極間の電圧は8Vとなる。

問8 問5同様に図1の中に2点をプロットして結び、交点を読み取ること。 
 
電流と電圧に関する問題。電気回路についてテキストで学んだ一般的な知識だけでは対応できない問題も含まれている。電圧と電流の関係を示したグラフの読み取りと、グラフの作成が大きなポイントとなる出題で、レベルは高い。

【大問2】 化学 乾燥剤・脱酸素剤

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

問1 問題文の「生石灰は、水と化学反応して・・・・」より、生石灰は水に溶ける。また、消石灰も水に溶けて石灰水となる。

問2 240×(60-20)×0.9÷270 より、32g。

問3 問題文をヒントに2種類のシリカゲルの吸収率のグラフを選択する問題。
   型:40%以上にならない 型:高湿度で型より吸収率が高い がヒント。
 
問4 「食品中の有害物質を取り除く」は脱酸素と関係しない。

問5 鉄は水酸化ナトリウム水溶液に溶けない。

問6 食塩水は中性なので、リトマス紙の色は変化しない。

問7 (1)酸素が脱酸素剤に吸収され容器内の気圧が下がり、ピストンが移動する。
    (2)酸素が吸収された後の気体なので、ほぼ窒素のみの気体となる。窒素の中でろうそくは燃えない。「すべて選び」とあるが、正答は1つのみ。
      
乾燥剤・脱酸素剤を題材にした出題であるが、計算問題も含まれるが特に難題ではない。後半は正確な知識が身についていれば正答できる問いが並んでいる。

【大問3】 生物 メダカ・外来生物

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

問1 (1)メスのメダカの絵を完成させる問題。メスは背びれに切れ込みはなく、尻びれは三角形。卵は腹びれと尻びれの間から産む。
    (2)メダカの卵を育つ順に並べる問題。
    (3)20~25℃のとき、10日程度でふ化する。
    (4)ふ化したばかりのメダカは、腹の下に蓄えていた栄養で育つ。

問2 (1)必要以上の生物の捕獲は生物の個体数減少につながる。
    (2)記述問題。問題文中の「カダヤシは卵を産むのではなく、直接、子どもを産む」がヒント。カダヤシには卵を産み付けるための水草が不要。
 
問3 タガメとトキは昔から日本にいた生物。

問4 (1)記述問題。問題文の「水草があるとその減少が大きく食い止められました」より、水草はヤゴやアカムシの隠れ場所になっていたと考えられる。
    (2)記述問題。水草を刈り取ることにより、えさとなる生物の隠れ場所をなくし、えさを見つけやすくしている。

前半はメダカについて、後半は外来生物をテーマとした出題。メダカについては、オスとメスの見分け方等正確な知識が必要。外来生物については、正確な知識に加え、問題文を読み取る力と考察力が求められる。

【大問4】 地学 岩石の風化

  • 難度:やや難
  • 時間配分:12分

問1 岩石が雨などの影響でもろくくずれる現象を風化という。

問2 上流ほど角ばって大きな石が多い。

問3 (1)絵を描く問題。立方体の周囲に色がしみ込んでいる。色がしみ込んだ部分の体積が全体の半分なので、しみ込んでいない部分も全体の半分。立方体の石の1辺の長さを10とすると、石の体積は1000。色のしみ込んでいない部分1辺の長さが8の時、8×8×8=512 より、石全体の体積の約半分になる。
    (2)33.7-29.5=4.2 水は1㎤で1gなので、すきまの体積の半分が4.2㎤。
      4.2×2÷20.4 より四捨五入して、約41%。
    (3)すき間に水が入り込み、その水が氷となりすき間を押し広げることにより壊れていく。次第にまだ壊れていないすき間に入り込む水が多くなるために、石の壊れる部分が増えていく。

問4 溶けきれなくなって結晶として出てきた食塩がすき間を押し広げたと考えられる。

問5 冷凍庫で凍らせる⇒寒い環境 食塩水に入れる⇒海岸沿い となる。

問6 宇宙空間でレゴリスができることを検証する実験を考え、実験方法を記述する問題。小惑星のデータの中の「昼間の最高気温:116℃ 夜間の最低気温:-73℃」が重要なヒント。温度差がレゴリスのできる要因、と考えると、石を家庭内のコンロ等で加熱してから冷やすということを繰り返す実験が考えられる。

岩石の風化についての出題で全体的に難度がやや高い。特に、問3は難度が高く間違いやすい。問6温度差に着目した記述をすること。

攻略のポイント

本校理科の入試問題は、知識問題と計算力・考察力が問われる問題がバランスよく出題されており、計算力・考察力が必要な問題のレベルは高い。知識問題についてもかなり正確な知識が求められる。出題の形式として、長めのリード文・実験や観察に関する説明やデータ・図やグラフを読み取った上で分析・考察する問題および計算を必要とする問題が多いことが本校の特徴である。また、記述問題が出題されることも特徴。

攻略ポイントとして、まずは幅広く正確な知識を確実に身につけることがあげられる。知識問題での失点は極力避けたい。その上で、計算問題や実験・観察問題の練習にも時間をかけたい。特に、物理・化学分野の演習量を十分に確保して欲しい。問題のレベルは高めに設定し、記述問題や計算問題の練習を十分に行いたい。
直前期には、過去問等時間を意識した問題演習もしっかり行うこと。

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