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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「攻玉社中学校の理科」
攻略のための学習方法

攻玉社中の理科の満点は50点(算数・国語は100点)、合格者平均は例年7割~8割程度であるが、今回は若干難化している。知識だけで解ける問題が意外と多く、ここを確実に正答して高得点を狙いたい。知識不足は大きなマイナス材料となる。特定の分野のみを学習するのではなく、どの分野から出題されても大丈夫なように、すべての分野の基本をしっかり固めて欲しい。夏休みが終わる頃までには各単元の基本知識を固め、秋からは物理・化学分野の計算問題演習・観察や実験をテーマにした総合的な問題の演習・過去問演習に時間をかけて欲しい。秋以降もテストや模試でできなかった問題については、基本に立ち返ってしっかり復習して欲しい。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年度は植物の蒸散作用に関する出題で、基本的な知識問題が中心であった。ここ数年を見ると、動物のからだの働き、植物、昆虫、動物の誕生と成長、人のからだの働きに関する出題が見られる。幅広く各単元から出題されている。この分野の学習法としては、基本知識をしっかり身につける、ということが第一である。「ヒトのからだの働き」「動物の分類」「昆虫」「光合成、呼吸、蒸散といった植物のはたらき」は出題される可能性が高い。決して難問は出題されないが、細かい知識を問う問題もあるので、とにかく知識を固めることに重点をおいて欲しい。また、実験や観察を通して考える問題の練習も行って頂きたい。

地学分野 本年度は地層と岩石についての出題で、長めの文章を読んだ上で答えるタイプの問題であった。近年の出題傾向を見ると、天体に関する出題が多く、気象、岩石、地震等に関する出題も見られる。この分野の学習法についても、基本知識をしっかり固めることが第一である。天体、岩石や地層、気象、どの単元からも出題される可能性があるので、山をかけて学習するよりは、すべての単元の基本を固めるということに重点をおいて欲しい。台風、フェーン現象、火山噴火、地震、日食や月食など細かい知識もしっかり学習して頂きたい。

物理分野 本年は浮力・滑車・輪軸など力のつり合いについての出題で、計算問題が中心であった。過去の出題傾向を見ると、力のつりあい(てこのつりあいなど)と電気に関する出題が多く見られる。この分野の学習方法としては、てこ、滑車・輪軸、ばねののび、浮力に関する基本的な計算ができるように練習を行って欲しい。電気、光、音などの単元についても出題される可能性があるので手を抜くことなく学習して欲しい。決して対応できないような難問は出題されないので、基本をしっかり身につけるとともに、練習を積み重ねて欲しい。

化学分野 本年度は水溶と気体の発生に関する出題であった。ここ数年ではろうそくの燃焼、気体の性質と発生、ものの溶け方、中和の計算、水の三態変化について出題されているが、難問はほとんどなく、テキスト等で学習していれば十分に正答できるレベルの問題が中心である。この分野の学習方法としては、まずは気体の性質・水溶液の性質・指示薬の色の変化等の知識を覚えること、そして、中和・金属と水溶液の反応・溶解度・燃焼等に関する計算問題の練習をしっかり行うことがあげられる。
また、実験器具の使い方についても確認を行って欲しい。

攻玉社中の入試で合格点を取れる力を身につけるためには、とにかく基本知識を確実に固めて欲しい。直前期には過去問など時間配分を意識した演習をしっかり行うことも大切である。

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2023年度「攻玉社中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4、小問数は38で50点満点。試験時間は40分で例年通りであった。記号選択問題・適語記入問題・計算問題が中心で、グラフを作成する問題も見られたが、記述問題はなかった。問題数に対して試験時間の40分はかなり短い。出来る問題から解答欄を確実に埋めていくことが大切で、過去問等時間の使い方を意識した演習をしっかり行って欲しい。

【大問1】 生物 植物の蒸散作用

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

(1)植物が水を水蒸気として放出する働きを「蒸散」という。
  
(2)水が水蒸気になるときに必要な熱は「気化熱」。

(3)人は「汗」をかくことによって体温を下げている。

(4)(5)30㎠=3000㎟ 顕微鏡で見ている範囲は0.25×0.3 より、0.075㎟
       3000÷0.075 より、葉の面積は見ている範囲の40000倍。
見ている範囲に「気孔」が17個あるので、17×40000 より、葉全体にある気孔の数は約700000個。面積の単位の変換に注意すること。

(6)孔辺細胞に含まれる水分が多くなると、気孔が開く。

(7)根から吸いあげた水は、茎の中の道管を通って昇っていく。

(8)毛細管現象によって起こる現象を選択する問題。

(9)問題文の「水が互いにひきつけあって・・・・」より、茎を水にひたした状態にして水中で切ると、道管の中で水がつながり、水の上昇が続く。
  
   
蒸散作用を中心とした植物に関する出題。(4)(9)以外は基本的な知識問題であり、正答したい。(4)の計算問題は単位の変換に注意。

【大問2】 化学 水溶液と気体の発生

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1)水溶液Cは過酸化水素水。二酸化マンガンを入れると「酸素」が発生する。

(2)二酸化マンガンは触媒とよばれる物質で、酸素の発生前後でおもさは変化しない。
  
(3)酸性で刺激臭がすることから、塩酸が該当する。

(4)(5)塩酸に石灰石を加えると二酸化炭素が発生する。このことにより、塩酸の持っていた酸性が薄れ、生物が生息できる水になる。
  
(6)二酸化炭素を石灰水に通すと、水に溶けない炭酸カルシウムができて、白く濁る。

(7)塩酸を10mL加えたとき二酸化炭素が20mL発生している。二酸化炭素の発生は48mLで止まったので、48÷20×10 より、塩酸を24mL加えた時に石灰石がすべて溶けきったとわかる。
  
(8)グラフ作成問題。塩酸の濃さを2倍にすると、塩酸を12mL加えた時に石灰石がすべてとける。石灰石の量は変わっていないので、発生する二酸化炭素は48mLで止まる。

(9)グラフ作成問題。石灰石の量が半分になり、塩酸の濃さも半分になったので、塩酸を24mL加えた時に二酸化炭素の発生は止まり、発生量は24mL。

3種の水溶液と気体の発生についての知識および計算問題。グラフを作成する問題も2問含まれる。知識は当然必要として、「過不足なる反応する組み合わせを考える」という化学計算における基本が身についているかどうかが試される内容。

【大問3】 地学 地層と岩石

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1)川の上流のA地点でできるのがV字谷。川の流れが緩やかになるB地点でできるのが扇状地。
  
(2)川の流れの働きの中で、石や砂を積もらせる働きを「堆積作用」という。

(3)大きな石が上流から運ばれてきた理由としては、大雨などの影響で通常より川の流れが速くなったと考えられる。

(4)地層ができた当時の地質時代を知る手がかりとなる化石を示準化石という。当時の環境を知る手がかりとなるのは示相化石。

(5)示相化石は現在も生きている生物の化石であり、そのことから当時の環境を推定することができる。

(6)ぎょうかい岩のスケッチを選択する問題。ぎょうかい岩の粒は砂や泥のように川の流れの働きの影響を受けていないので、丸みを帯びていない。
  
(7)ぎょうかい岩層は離れた場所の地層を比較することに役立つので、「かぎ層」と呼ばれる。

(8)石灰岩に比べてチャートはかなり固い。

(9)でい岩が最も深い海、れき岩が最も浅い海に堆積する。従って、大地が徐々に隆起し、海は浅くなっていったと考えられる。

(10)b地点と地点のぎょうかい岩の層を比較すると、この地域で東西方向の地層の傾きはないことがわかる。また、地点と地点のぎょうかい岩の層を比較すると、南へ2km行くと56m下がっていることがわかる。
地点は地点の南0.5km地点にあるので、ぎょうかい岩の層は地点よりも14m下にあることになる。地点でぎょうかい岩の層は標高242mに見られるので、地点では標高228地点に見られる。
地点の道路は標高220にあるので、道路からぎょうかい岩の層までの高さは8m。

地層と岩石に関する出題。かなり長い文章を読んだ上で解答する形式の出題になっているが、1つ1つの設問を見ると問題集等で見られるオーソドックスな内容になっている。(9)の海の深さの変化を考える問題と(10)の地層の傾きを考える問題は、問題演習をしっかり行ってきたかどうかで明暗が分かれるであろう。

【大問4】 物理 力のつり合い

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

(1)この物体に働く浮力は100gになるので、150-100 より、50g。

(2)この物体の重さは300×0.7 より210g。これが水に浮いた状態でつり合っているので、働いている浮力は210g。210㎤が水中に入っているので、水面から出ている部分の体積は90㎤。

(3)重さが110gのたまごが浮くには、110g以上の浮力が必要で、そのためには、食塩水の密度が1.1g/㎤以上になればよい。従って、食塩を10g以上溶かせばよい。

(4)潜水艦の体積は変わらないので、潜水艦の密度を小さくするには、バラストタンク内の海水を空気に入れ替えて軽くすればよい。

(5)動滑車1個を使うと、半分の重さで引くとつり合う。1000÷2 より500g。

(6)滑車の重さを加えて考えること。(1000+200)÷2=600 (600+200)÷2より、400g。

(7)動滑車を1個使うと引く重さは半分になるが、引く長さはおもりを持ち上げる長さの2倍になる。10×2×2 より、40cm。

(8)右側の輪軸の大輪にかかる重さは、1000gの2/3倍、左側の大輪にかかる重さは小輪にかかる重さの3/5倍。従って、1000×2/3×3/5 より、400g。

(9)1000g400㎤の物体が水中に完全に浸かっているので、400gの浮力が働き、右側の小輪にかかる重さは600g。従って、600××2/3×3/5 より、240g。

(10)400㎤の物体の半分が水に浸かっているので、働いている浮力は200gで、右側の小輪にかかる重さは800g。従って、800×2/3×3/5 より、320g。
      
浮力・滑車・輪軸など力のつり合いについての出題。難問ではないが、力のつり合いの計算がしっかりできるかどうか、実力が試される内容。浮力の計算、滑車の重さを考える問題を苦手にしている方は、これを機会にしっかり練習して実力アップを図って欲しい。

攻略のポイント

ここ何年かの出題分野を見ると、生物・地学・物理・化学の4分野からまんべんなく出題されている。特定の単元に的を絞るのではなく、苦手単元を作ることのないように、すべての単元をしっかり学習して欲しい。基本知識や基本的な解法を身につけていれば十分対応できる問題が中心なので、まずは各単元の基本をしっかり固めることを目標にして頂きたい。昨年は計算問題がなかったが、今回は力のつり合いの本格的な計算問題が出題された。化学分野および物理分野の計算問題についても練習量をしっかり確保して欲しい。また、時事問題が出題される可能性があるので、直前期には時事問題用のテキストなどを用いて対策をしたい。

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