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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「攻玉社中学校の社会」
攻略のための学習方法

〇形式・分野

2015年度から問題の形式が大幅に変更された。
2014年度までの攻玉社の問題は大問2~3つ、総解答数は35前後で構成され、記号選択と用語記入がほとんどで、100字ほどの記述問題が必ず1問出されていた。また、リード文が長いという特徴があった。

2015年度から、総解答数は25問前後で、単純に記号選択・適語記入と表現できないユニークな問題構成になっている。以前あった長いリード文は無くなった。
特に設問の型が大きく変わっている。3~4つの知識をまとめて問い、合わせて1問の正解になるという形が多い。またクロスワードパズルのように最終的にできあがる4文字の人名・用語を答えさせるものもあった。

そして、2020年度でも設問に変化が見られた。上記の組み合わせ型の設問が減り、一般的な記号選択問題が多くなった。数年ごとに形式に変化が見られるので、過去問でそれぞれのパターンを見ておこう。

ここ数年、長文の記述問題がなかったが、2018年度から100字の記述問題が復活し、2019年度から1000~1500字ほどのリード文が復活した。しかし、2021年度ではどちらも見られなかった。年度により変化があるようなので、過去問でそれぞれのパターンを経験しておかれたい。

問われる内容は例年と同じで基本的事項が多いが、難易度としては、合格者平均点が2019年度は7割ほど、2023年度も7割ほどであった。
分野別では地理と歴史の比重が大きく、政治分野や時事問題ではまとまった出題はここのところ見られなかったが、2022・2023年度では大問一つが政治経済分野にあてられている。

〇地理分野

総合問題形式で出題されることが多い。各地の地名・地勢・気候や産業の特色などの基本事項が多く訊かれている。
日本全体について広く問われる場合もあればひとつの地域について少し詳しく答える問題もある。
多少の細かい知識を問われることもあるので、白地図などで地域ごとに関連事項を整理しておくとよい。
地図帳もそばに置いて地名や場所を確認しながら進めること。

〇歴史分野

3分野の中では、歴史分野の出題が多い傾向があるので、特に念入りに学習しておきたい。
内容も、幅広い年代から出題され偏りは無いが、この分野では細かい知識を問われることは少なく、「広い範囲からの浅い」出題が多くなっている。それでも他の分野より難易度が高めである点に注意しておきたい。

人物・年代・政治・文化などについての基本的事項を訊かれる問題と、それを時代の流れに沿って整理させるような設問がよく見られるので、やはり年表の活用が有効となる。

〇政治・時事問題

憲法や時事関連の設問が「申し訳程度」に1~2問出されるだけの年もあり、地理・歴史と比べてかなり冷遇されている。
しかし、2022・2023年度は大問一つが政治経済分野になっており、全く出されないとも言い切れないので、憲法・三権の仕組みなどテキストに載っていることや直近の時事問題などは一通り頭に入れておきたい。

〇記述問題

出題傾向が変わって以降、長い記述問題が出題されなくなっていたが、2018年度から復活している。
以前の長文記述問題は、字数は100字前後で、書く際に「3~4つの指定された語句を必ず使い、使ったら下線を引く」「字数制限の下限に達しないものは採点しない」などのきまりで出題されていたが、2020年度では100字以内という条件だけになっている。
記述対策ということではなくても、やはり普段から新聞やニュースで社会的な問題に触れ、その背景を考えたり、自分なりの意見を持ったりと考えを深めておけば一段階上の実力がつけられるので、ぜひ心がけておいて欲しい。
なお、2021年度は記述問題が出されなかったが、2022年度では30字・2023年度では50字の記述問題が出されている。今後も対策はしておくべきであろう。

〇さいごに

設問の型が年度により変わるので戸惑いを覚える受験生も多いと思うが、問題自体は、特別な難しい知識を問われることはないので、テキスト・白地図・資料集で幅広く丁寧な勉強をしてあれば恐れることはない。また、長大なリード文が無くなったので、長文を読むのが苦手な人には楽になったかもしれない。
ただ、「4つの質問がまとまって1つの正解になる」形の場合、時間もその分かかるし、4つのうち1つミスがあると正解にたどり着けないという厳しさは出てくる。幅広い正確な知識が求められている。

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2023年度「攻玉社中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

設問形式が変更されてから総問題数は少なめになり、2023年度は30問であった。
また、例年ではよく出されていた組み合わせて一つの正解となる問題が減り、通常の選択問題が増えた。
基本的事項を問われる問題が多いのでそれほど迷うことはないだろう。
長文記述問題が2018年度から復活したが、2022年度は出されず、今年度は50字で出されている。その他の問題は知識を答えるものが多いので40分あれば時間は足りるだろう。

【大問1】歴史分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

歴史上の暗殺事件を題材に、各時代の出来事や人物について訊かれている。

問1 (ⅰ) 中大兄皇子
    (ⅱ) 後鳥羽上皇
    (ⅲ) 六波羅探題

問2 (あ) 難波(なにわ・現在の大阪)  (い) 藤原

問3 大化の改新

問4 ウ. 源実朝の歌が収められているのは『新古今和歌集』である。

問5 将軍を補佐する役職で鎌倉時代は執権、室町時代は管領。

問6 F. 御成敗式目は武家法で、朝廷や貴族には適用されなかった。

問7 綱吉が将軍だったのは1680~1709年なので、1690年の綱吉による湯島聖堂の建設が同時期である。島原・天草一揆は1637年、正徳の知は第6代家宣の1709年から、大坂夏の陣は1605年である。

問8 明暦の大火(1657年)→田沼意次の子、意知(おきとも)の暗殺(1784年)→坂下門外の変(1862年)→初の天皇の江戸城訪問(1868年)

問9 赤穂浪士の討ち入りを描いた『忠臣蔵』として知られる話である。

問10 のちには治安維持法は国の方針に従わない者はだれでも取り締まる、なんでもありの運用になった。

問11 原が総裁を務めていた立憲政友会。

【大問2】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

エネルギーと環境問題を題材にして、主に公害やその対策などについて訊かれている。

問1 (ⅰ)  国連環境開発会議(地球サミット)はブラジルのリオデジャネイロで開催された。
    (ⅱ)  国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定。

問2 「チッソ」とあるので、前身である日本窒素肥料株式会社の工場から流出した有機水銀を原因とする「水俣病」のことである。

問3 写真は、アルカリ性の石灰をヘリコプターで散布し、酸性化した土壌や湖沼を中和しようとしているところである

問4 ア. 有害な紫外線を遮断してくれるオゾン層が失われることで、地上で暮らす生き物にガンや目の病気などが増えるという悪影響が懸念される。

問5 経済的に強い国が発展途上国の作物などを不当に安く買い上げることを防ごうとする取り組みを「フェアトレード(適正な取引)」という。

問6 (1) ウ. UNHCRは国民難民高等弁務官事務所の略である。
    (2) チェルノブイリ原発は、ロシアとともにかつてソビエト連邦を構成していたウクライナにある。チェルノービリはウクライナに倣(なら)った発音である。

問7 エ. 海上は十分な風力が得られ、広いスペースがあり騒音問題の心配もないので、海岸に近い浅い部分に風力発電機を作る事例は多くある。

問8 森林の落ち葉や微生物などが養分となって河川に流れ込み、海まで運ばれてプランクトンが発生し魚が集まる。森を保全することは漁場の保全につながるのである。

【大問3】政治経済分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

日本国憲法や政治のしくみなどについて。

問1 イ. 憲法は政教分離の原則を明示しており、国による宗教活動や宗教団体への特権の付与を禁じている。

問2 エ. 2023年現在、日本は12回目の非常任理事国の任期にあり、加盟国の中でも最多の選出となっている。

問3 ウ. 日本銀行は政府からも独立しており、資本金の45%は国以外からの出資である。

問4 イ. 「1票の格差」問題の是正のため鳥取県と島根県、徳島県と高知県が合区となり、現在の選挙区は45となっている。

問5 ドント方式とは、得票数を1・2・3…と順に整数で割っていき、その数値の多い順に当選者を割り振っていく方法である。この方式では、党が6人、党が5人、党が3人…という当選数になる。

問6 ウ. 天皇の国事行為に必要なのは「内閣の助言と承認」であり、国会の承認は必要ない。

問7 (ア) 40、(イ) 30、(ウ) 10、(エ) 30で、(ア)が最も大きい。

攻略のポイント

問題の難易度をみると、本校は中学入試の基本的レベルで安定した実力を有する生徒を望んでいると思われる。
マニアックな知識ではなく、幅広い正確な知識を問われている。
まずはテキストレベルでの確かな学力をつけるべきである。難問・奇問の心配をする必要は無い。
その上で
 ・歴史・地理に重点が置かれていること
 ・特に歴史分野で漢字を書かせる問題が多く、他分野より難しめであること。
といった本校の特徴を念頭に置いて学習を進めることである。
出題の形式は変わっても、テキストレベルの十分な実力があれば対処できる試験なので、傾向の変化に気をもむ必要は無い。

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