中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「攻玉社中学校の国語」
攻略のための学習方法

〇分析

本校の試験は、漢字・知識の独立問題で3題、物語文・説明的文章の読解問題が2題という形が多い。
物語文は、大正~昭和前期の近代文学からの出典が多く、2020年度は久米正雄『金魚』(1924年)が用いられた。2021年度は村山由佳『約束』・2022年度は北沢あたる『なつのかけら』といった近年の作品が使われており、今後傾向が変わるかもしれないので注意しておこう。
説明的文章はかなり難度の高い言葉や概念が用いられるものがあり、問題の難易度としても物語文より難しい印象である。

2017年度では2題合わせて約12000字と最難関校をも凌ぐほどの文量であったが、2022年度は計7700字ほどで文量が抑えられた。そして2023年度では約11000字とまた増えている。傾向に注意しつつ、おそらくは9000~10000字程度を目標とした対策が必要になると思われる。

ただし、試験全体としてみれば難易度自体はそれほど高くない。偏差値相当の実力があれば無理なく答えられる難しさである。
設問は、選択式問題・書き抜き問題が多く出題されている。

選択式問題は、五択であり文字数の多いものもあるため、やや手間がかかる。紛らわしい内容にはなっていないので、読解ができていればあまり迷わず選べるだろう。
書き抜き問題も、目当ての部分をすぐ見つけられるように、傍線などで目立つ工夫をしておこう。

〇記述

記述問題の数は、1、2題程度で、字数の多い時で100字ほど。2023年度では60字であった。文中の適切な部分を素にまとめられるものが多いので、ここもまずは読解力が求められるところである。

〇問題文

素材文の長さは、合計で8000~10000字程度。2017年度は特に多かったが、2022年度は7700字ほどでやや少なめだったが、2023年度では約11000字とまた増えている。
物語文では、現代とは異なる時代を題材にしたものも目立つ。過去や未来の社会を扱った小説などをたくさん読み、現代とは異なる社会の様子や風俗に多く触れておくと、いろいろな設定も理解しやすくなるだろう。

説明的文章は、扱う題材や出てくる用語が難しい印象を受ける。この分野については難関校向けの高レベルの教材で慣れておいたほうがよいかもしれない。もっとも、問題自体の難易度は適切に抑えられているので、難しめの文章に目を慣らしておいたほうがよい、という意味と思っていただきたい。

〇知識

漢字・言葉の知識関連の問題は、毎年出題がある。基本レベルの問題の中に、いくつか難しいものが含まれている。問題数は多くないが、失えば他と差がつく部分でもあるので、読解と同様、手を抜かず取り組んでおくことが肝要である。

〇まとめ

素材文の長さや論説文の難しさから、難しい試験という印象を持たれるかもしれないが、問題自体の難易度は適度に設定されており、合格者平均点も五割五分~六割五分といったところなので、最初の印象にとらわれなくてもよい。意地悪な試験ではない。
国語の試験対策の王道に従い、語彙を増やし読解力をつけて、試験に臨んでいただきたい。

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2023年度「攻玉社中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

漢字の読み・書き取り・熟語の知識関連・物語文・論説文という全体構成である。
長文2題で合わせて11000字ほどと、2023年度はまた文量が増えた。試験全体としての難易度はそこまで高いわけではないので、臆する必要は無い。
だが、総解答数は36問で選択肢も五択であり、全体のボリュームは大きい。スピードは必要とされるので、過去問を多くこなして速さを身につけたい。

【大問一】漢字の読み

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問二と合わせて4分
  • ★必答問題

1. とうじ
2. いっし
3. はっかん
4. おもかげ
5. おごそ(かな)

【大問二】漢字の書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問一と合わせて4分
  • ★必答問題

1. 極秘
2. 考案
3. 知己
4. 探訪
5. 和(やかに)

【大問三】ことわざ・四字熟語

  • 難度:やや難
  • 時間配分:3分

① 「未」は羊のことなので、「羊頭狗肉」。
② 「子」はねずみで、「窮鼠猫を噛む」。
③ 「申」は猿で、「猿も木から落ちる」。
④ 「巳」はヘビのことで、「鬼が出るか蛇が出るか」。
⑤ 「戌」は犬なので、「飼い犬に手をかまれる」。

【大問四】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

母親が入院している病院にバスで通う主人公とその運転手との交流を通して、主人公の成長が描かれる。

問一 「いたずらっぽく笑う母」であるから、お金を落とさないように握っている主人公の真剣さを親としてかわいいと思い、ちょっとからかいたくなったということであろう。

問二 二冊で二十二回分の回数券を与えられたことで、母親の入院が長引くことへの不安が主人公の表情に浮かんだのだと考えられる。それを打ち消すような父親の「大丈夫だよ」だったのである。

問三 数の多い回数券に母親の入院の長期化を心配して何度も訊ねてくる息子に、明確な返答もできないので話の流れを変えようとしている。

問四 回数券の数やそれより長く使える定期券は、母親の入院の長さの象徴になっている。どれを買うかで母親の入院の期間を計ろうとしているのである。

問五 運転手の「長く通うなら、定期券のほうが安い」という言葉に、「お見舞いだから」では応答になっていない。

問六 少し後の運転手とのやり取りの中で、「新しい回数券を買うと、そのぶん、母の退院の日が遠ざかってしまう」と思っていることを伝えている。最後の一枚を残すことで、これ以上母親の入院が長引かないことを願う、せめてもの抵抗だったのである。

問七 普段ぶっきらぼうだった運転手が、心が揺らいでいるタイミングで思いがけずそれまでと異なる態度で接してきたので、気持ちが緩んでしまった。

問八 この時主人公は、もう病院に来なくてよくなったので最後の回数券にお礼の言葉を添えて「あの」運転手に渡そうと考えて、バスに乗ろうとしている。両親はそんな事情は知らないので、車があるのにバスに乗ろうとしていることが不思議だったのである。

問九 エ. 「乗車マナーを破る」ことは考えていない。

問十 「もう五年生の二学期」と言っており、冬休みである描写もないので、選択肢ウが合う。

問十一 Eさん. 「何度も叱られるきっかけになった回数券」は内容と合わない。

【大問五】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:18分

天動説と地動説を例に挙げて、真実を伝えることの難しさや常識を妄信しない姿勢の大切さを述べている。

問一 「これ」の前には宇宙とは違う例、後には宇宙のことが書いてあるはずである。部屋の中央に置いたランプのたとえ話が「これ」にあたると考えれば、ぴったり当てはまる。

問二 直接には「説明」を指している。さらに細かく内容を付加して「数学的な天動説の説明」のようにする。

問三 教会の御用学者のような人が大勢いる中央よりも、田舎で研究した方が他人の意見や偏見(周囲の雑音)に惑わされず真理を追究できるのである。

問四 その後数十年にわたり観察を続けデータを集め続けたこと(選択肢カ)、教会のお墨付きを得て社会の趨勢であった天動説を覆すことの影響の大きさを考え、慎重になっていたこと(選択肢)が説明されている。

問五 当時の絶対的権威である教会の見解に背くことは、反社会的と思われる危険があっただろう。

問六 校正者であるオジアンダーは熱心なキリスト教徒で神学者であったため、地動説という教会の見解に反する書物への批判を恐れて、仮説にすぎないと釘を刺したのである。

問七 エ. 「宇宙の中心にあるのは太陽だ」とは言っているが、「全ての星々を平等に照らす」などとは言っていない。

問八 コペルニクスの姿勢からまとめればよいだろう。当時は絶対的権威であった教会の支持を得て社会の趨勢となっていた天動説を疑い、常識にとらわれず地道にデータを集めて客観的に考察した。時には自分の感覚までも疑い、あくまで事実のみに注目し真実を追求した。そうした物事の本質を捉えようする行動原理を筆者は「疑う力」と評したのであろう。

攻略のポイント

最新年度は文章量も平年と同じくらいにもどり、難易度自体にも変化は無い。合格者平均点は年度により多少の上下があるようである。
物語文と比べて論説文は難解な傾向があるので、説明的文章が苦手な人は十分に練習しておくこと。
また、物語文は現代と異なる時代が題材になることが多いので、その点も留意しておかれたい。
漢字・言語事項も難しいものが含まれるので、そのつもりで学習に取り組むように。

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