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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「攻玉社中学校の国語」
攻略のための学習方法

分析

本校の試験は、漢字・知識の独立問題で3題、物語文・説明的文章の読解問題が2題という形が多い。

物語文は、大正~昭和前期の近代文学からの出典が多く、2020年度は久米正雄『金魚』(1924年)が用いられた。

説明的文章はかなり難度の高い言葉や概念が用いられるものがあり、問題の難易度としても物語文より難しい印象である。
2017年度では2題合わせて約12000字と最難関校をも凌ぐほどの文量であったが、2020年度は計10800字ほどであった。今後もおそらくは9000~10000字程度を目標とした対策が必要になると思われる。
ただし、試験全体としてみれば難易度自体はそれほど高くない。偏差値相当の実力があれば無理なく答えられる難しさである。

設問は、選択式問題・書き抜き問題が多く出題されている。
選択式問題は、五択であり文字数の多いものもあるため、やや手間がかかる。紛らわしい内容にはなっていないので、読解ができていればあまり迷わず選べるだろう。
書き抜き問題も、目当ての部分をすぐ見つけられるように、傍線などで目立つ工夫をしておこう。

記述

記述問題の数は、1、2題程度で、字数の多い時で100字ほど。2020年度では60字であった。文中の適切な部分を素にまとめられるものが多いので、ここもまずは読解力が求められるところである。

問題文

素材文の長さは、合計で8000~10000字程度。2017年度は特に多かったが、最新年度は10800字ほどで例年の文量に戻っている。

物語文では、現代とは異なる時代を題材にしたものも目立つ。過去や未来の社会を扱った小説などをたくさん読み、現代とは異なる社会の様子や風俗に多く触れておくと、いろいろな設定も理解しやすくなるだろう。

説明的文章は、扱う題材や出てくる用語が難しい印象を受ける。この分野については難関校向けの高レベルの教材で慣れておいたほうがよいかもしれない。もっとも、問題自体の難易度は適切に抑えられているので、難しめの文章に目を慣らしておいたほうがよい、という意味と思っていただきたい。

知識

漢字・言葉の知識関連の問題は、毎年出題がある。基本レベルの問題の中に、いくつか難しいものが含まれている。問題数は多くないが、失えば他と差がつく部分でもあるので、読解と同様、手を抜かず取り組んでおくことが肝要である。

まとめ

素材文の長さや論説文の難しさから、難しい試験という印象を持たれるかもしれないが、問題自体の難易度は適度に設定されており、合格者平均点も五割五分~六割五分といったところなので、最初の印象にとらわれなくてもよい。意地悪な試験ではない。
国語の試験対策の王道に従い、語彙を増やし読解力をつけて、試験に臨んでいただきたい。

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2020年度「攻玉社中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

漢字の読み・書き取り・熟語の知識関連・物語文・論説文という全体構成である。
長文2題で合わせて10800字ほど。試験全体としての難易度はそこまで高いわけではないので、臆する必要は無い。
だが、総解答数は45問で選択肢も五択であり、全体のボリュームは大きい。スピードは必要とされるので、過去問を多くこなして速さを身につけたい。

【大問1】漢字の読み

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

1. 一途(いちず)――ひたすらに一つのことに打ち込むこと。「いっと」という読み方もある。

2. 術(すべ)――方法・手段。

4. 万端(ばんたん)――あることについての、すべての事柄。

【大問2】漢字の書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

2. 真綿――くず繭などから作った動物性の繊維で、木綿(植物性繊維)とは異なる。

3. 納める――修める・収める・治めるなどとしっかり区別できるように。

4. 孝養――子が親を大切に養うこと。

【大問3】ことばの知識

  • 難度:ことばの知識
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

1・4 拝啓と敬具で一対である。

 「青葉」は初夏の季語なので、四月一日ではまだ早い。

 自分の家のことなので謙遜して「拙宅」という。

【大問4】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:26分
  • ★必答問題

主人公の家族と嫂一家との金魚をめぐるちょっとした葛藤が描かれている。

問二 (あ) 主人公は赤ん坊というものを初めて見たので、「つくづく」。
   (い) 「柔らかい」「暖かい」「むず痒いような握力」などの語から、「ねっとり」。

問三 赤ん坊がおとなしすぎること=「泣く子は育つ」の逆であること、を心配する発言が直前にある。

問四 高価で立派な金魚と安くてみすぼらしい金魚が同居しているので、「玉石混交」。

問五 アだけ、主人公の兄のことである。

問六 東北の実家にしばらくいたせいで辰夫が「奥州なまり」の影響を受けている。

問七 直前で、主人公が小説を書いて有名になっている事実が示されている。

問八 複雑な問題である。この場面で「金魚鉢」と書かれているのは暫定的に金魚を入れてある「白い小さい化粧用洗面器の鉢」のことである。一方、主人公の母が「吊ろう」と言っているのは、少し後で実際に吊るされている「硝子玉=金魚玉」のことである。母は洗面器から硝子玉=金魚玉に金魚を移して吊ろうか、と言っているのである。

問十 嫂は辰夫が金魚をいびり殺してもかまわないと内心では思っている。しかし、姑や主人公がうるさく言うので、さすがに姑に買ってもらった金魚は避難させて、死んでもいいような粗末な金魚を辰夫に買い与えたのである。そんな嫂の発言であることを考えて答えを選ぶ。

問十一 イ. 短歌ではなく俳句である。文学的な雰囲気をかもし出そうとしているわけでもない。

【大問5】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:18分

デザインは、関わる人の能力を引き出す「ほどほど」の領域にとどめたほうがよいと主張している。

問一 A. 「ほどほど」といういい言葉がある→「もっとも」→子どもには飽きるまでやらせるほうがよいと思うが。

問二 普段は折り畳んで仕舞い、使う時だけ広げ、置けば室内の間仕切りになる→屏風である。

問三 箸は「使う人の能力」によって挟んだり切ったり刺して割ったり包んだりできる。「デザインされたものと付き合う人との関係で効力を発揮する」、そのようなものを「関係のデザイン」と呼んでいる。

問四 イ. 前段落の内容と合っている。

問五 「オブジェ」は美術で使われる「立体作品」という意味の言葉。本文中では、できるだけ美しくデザインされたもの、くらいの意味で使われている。そこから考えると「ものとしては美しいけれどまったく実用する気にならなかったりする」は良いが1字足りない。すぐ後に「そのものだけを一つの作品のように見なして完成度を目指してしまう」があり、字数も合う。

問七 筆者は、デザインはほどほどにとどめておいて、考える力や適応する力、つまり「能力」を「引き出す余地」を残しておくほうがよいと主張している。デザインし過ぎないほうが、使う人それぞれの関係でものと付き合えるのである。

攻略のポイント

最新年度は文章量も平年と同じくらいにもどり、難易度自体にも変化は無い。合格者平均点は年度により多少の上下があるようである。
物語文と比べて論説文は難解な傾向があるので、説明的文章が苦手な人は十分に練習しておくこと
また、物語文は現代と異なる時代が題材になることが多いので、その点も留意しておかれたい
漢字・言語事項も難しいものが含まれるので、そのつもりで学習に取り組むように。

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