大宮開成中学校 入試対策
2025年度「大宮開成中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇[問題の構成]
ここ数年、地理分野・歴史分野・政治経済分野が各1~2問、記述問題が1問という大問6~7つの構成が続いている。総解答数は40問ほど。地理・歴史が各13~19問ほど、政治経済・現代社会が計9問ほどと、歴史>地理で政治経済・現代社会が少なめである。記号選択・適語記入が多く、並べ替えの問題も見られる。地図や統計、図版などの資料が用いられている。記述問題は出来事を説明するものや、社会問題の解決策と問うものなどが出されている。
〇[地理分野]
盆地や大地について・平野と河川、あるいは北海道・中部地方についてなどあるテーマに沿って広い地域・狭い範囲の両方について訊かれている。地形・地名・産業や気候など広い分野から出題がある。ここ数年、雨温図を見分ける問題がよく出されている。日本の6つの気候区を区別できるようになっておこう。
全体としては、基本事項の問題が多い。テキストを丁寧に学習してあれば答えられる。範囲に偏りはないので、地理全般で苦手な範囲を作らないように心がけよう。
〇[歴史分野]
年表を用いて広い時代について訊く問題や、図版を用いた文化や建造物に関する問題などが出されている。各時代の出来事や人物、文化財など各範囲から訊かれている。時代順の並べ替えもよく出されている。建造物の名前など漢字で書くのが難しい問題もあり、地理分野よりやや難しい印象である。とはいえ、テキストや資料集でマスターできる基本事項の問題が多いので、基本を確実に身につけていれば十分得点できるはずである。
〇[政治経済・現代社会分野]
憲法・政治の仕組みや経済と、世界の出来事や社会問題などの問題が出されている。この分野では資料はほぼ使われず、知識を問う内容が多くなっている。前年など、直近の話題も取り上げられるので時事問題集・重大ニュース集などにも目を通しておこう。
〇[記述問題]
2025年度は、電子決済の普及が進む現在において、現金を持ち歩くメリットは何かという内容で、50字の記述問題が出された。単なる知識だけではなく、社会的な出来事の原因や対処法を考える思考力が必要となる。社会の様々な出来事に関心を持ち、50字程度で自分なりの意見をまとめてみる。完璧な答えを思いつかなくても、部分点を稼げれば得点を上積みできるのだから、一定の字数を書ける力を養おう。
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2025年度「大宮開成中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問4つで総解答数は35問。
基本事項の問題が多いので、記号選択や適語記入の問題は時間はかからない。リード文の文量も多くない。
わかる問題をどんどん解き進めて、最後の記述問題に少し多めに時間をまわそう。論述タイプの記述問題が出された場合は考える時間が必要になる。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
日本の自然災害を話題に、各地の気候や産業などについて訊かれている。
問1 日本はユーラシアプレート・北米プレート・太平洋プレート・フィリピン海プレートの4つのプレートが接する位置にある。
問2 エ. 冬に気温が0度以下になり、1年を通じて降水量が少ないという中央高地の気候の特徴がみられる。
問3 加賀友禅は石川県、会津塗は福島県、越前和紙は福井県の伝統的工芸品である。
問4 2014年の御嶽山の噴火では噴石などで多くの人が亡くなり、その後噴火シェルターの整備が進んだ。
問5 北海道が1位のXはにんじん。和歌山・愛媛・静岡が上位を占めるYはみかん、残るZはキウイフルーツとなる。
問6
(1) 四万十川
(2) 西から球磨川(熊本県)・富士川(山梨県・静岡県)・最上川(山形県)
〔ワンポイント!――記述問題以外は基本的な問題が多いので、基礎力を徹底して得点を稼ぎたい。〕
問7
(1) 3分の2
(2) 国内の事情:(例)林業の従事者が不足している・林業従事者の高齢化が進んでいるなど。国際的な事情:(例)海外の安価な木材が多く輸入され、国内産の需要が少ないなど。
問8 災害対策基本法
<時間配分目安:9分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
各時代の資料や説明をもとに答える問題。
問1 石包丁(a)の説明として(X)が合っている。bは縄文土器で厚くてもろく、煮炊きには向かない。
問2 富本銭
問3
(1) 藤原不比等
(2) エ. 6年に1度与えられるので、生まれた年により支給される年齢は異なる。
(3) 律は現在の刑法に当たる処罰規定、令は行政法にあたる政治のしくみなどを定めた法律である。
〔ワンポイント!――記述問題も知識があれば答えられる問題が多い。基礎的な記述問題集などで1~2行の説明記述の練習をしておくとよいだろう。〕
問4 坂上田村麻呂の征夷大将軍就任(797年)→遣唐使の廃止(894年)→保元の乱(1156年)→平氏滅亡(1185年)
問5 後醍醐天皇による建武の新政のことである。
問6 参勤交代
問7 戊辰戦争
問8 エ(樺太・千島交換条約 1875年以後)→ウ(下関条約 1895年以後)→イ(韓国併合 1910年以後)→ア(ベルサイユ条約 1919年以後)
問9 Xは平塚らいてうらが創刊した雑誌『青鞜』の冒頭の一部分である。Yは福沢諭吉『学問のすゝめ』の冒頭である。
問10 ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹。
問11 アは原爆投下で破壊され、のちに原爆ドームとして世界遺産に登録される建物である。
<時間配分目安:11分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
三権や財政・為替などについて訊かれている。
A
問1 ①には弾劾裁判所の設置、②には違憲立法審査権、③には内閣不信任決議が入る。
問2 Aは国会、Bは裁判所、Cは内閣を表している。
問3 X. 国民審査 Y. 圧力団体・利益団体など
B
問1 イ. 薬の価格は下落傾向にある。
問2 あ は消費税が入り、グラフはCである。
問3 直接税
問4 財政赤字は国債の発行などで埋めることになり、将来世代に借金をしているのと同じことになる。
問5 Aは所得税を表しているので、選択肢アが当てはまる。
<時間配分目安:7分>
【大問4】記述問題
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
電子決済は現金を持たずに支払いができる便利さがあるが、大規模な災害やサイバー攻撃などでインターネットが遮断されたり、停電になったりすると使用できなくなる。そのような場合でも一定額の現金を持っていれば、当座は困らずに済む。
〔ワンポイント!――最後の長文記述は単なる暗記だけでは答えられない問題が含まれる。資料集・重大ニュース集や新聞・ニュースなどで、社会の出来事によく目を向け、その背景や影響などを考える練習をしておけば、役に立つだろう。〕
<時間配分目安:3分>
攻略のポイント
記号選択や適語記入の問題は答えやすいものが多いので、ミスを減らし得点源とする。好んで出題される問題(雨温図や歴史年表・時代順の並べ替えなど)があるので、よく練習しておく。
記述問題は知識を問う説明タイプと思考力を問う論説タイプがあるので、過去問でどちらにも慣れておく必要がある。きれいな解答を目指さなくてよいので、部分点を着実に得るつもりで。ともあれ、記述以外での失点を押さえることが一番の近道である。基本を徹底しよう。
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