立教池袋中学校 入試対策
2025年度「立教池袋中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問5つで問題数は33問。長文読解・詩(短歌・俳句)・漢字という組合せがここ数年のだいたいの定形となっている。
読解問題
物語文・論説(説明)文・随筆文、あるいはこのうちの2種類で3問ほど出題されるのが通例である。
物語文4000~5000字・その他2000~2500字と、全体の文字数は8000~10000字にもなる。読解のスピードをつける練習が必要である。
形式は選択問題と書き抜き問題が主で、自分で考えて書く問題も数問含まれる。
書き抜き問題は注意が必要である。通常、書き抜きの答えを探す範囲を指定する(~行目より後から・・・など)試験も多いのだが、本校ではそうした指示は無い。漫然と探すと本文全体を読み返すはめになる。特に物語文は文量が多めなので、探すのに手間取ると大きく時間を失う。設問と傍線部を最初に確認しておき、読み進めながら使えそうな箇所をチェックしておくという進め方で過去問に慣れておきたい。
自分の言葉で書く問題は、テーマとも関係する部分が多いので、素材文全体をよく考えて傍線部周辺だけにとらわれないように気をつける。
また、第二回試験では、長文の記述問題が出題される場合がある。第二回での受験を考えている人は、長文記述の練習にも取り組んでおくことが肝要である。
漢字・言語事項
大問1つに漢字が割り当てられるのが通例である。合わせて慣用句などの言語事項が出される年度もある。
それほどの難問は見られない。一般的な漢字練習帳やことわざ・慣用句問題集を丁寧に覚えてあれば足りるだろう。問題数は少ないが、あまり差がつかない分野なので確実に得点したい。
詩・短歌・俳句
韻文については生徒の作による詩や俳句を用いた問題が多く見られる。年齢が近い分、内容が理解しやすいものが多い。普段の学習でも、中高生くらいの作者による詩・短歌などに多く触れておくとよい対策になるだろう。
《まとめ》
男子校の国語の問題としてはやりごたえのある試験である。文字数も多く、言葉で記述する問題も多い。50分で終えるには、速さが必要である。
ただ、合格者平均点はさほど高くなさそうでもある(60~65点?)ので、書き抜き問題で答えを探すのに時間がかかりそうなものは諦めるのも一つの方法である。
・文字数が多いので読むスピードをつける。
・書き抜き問題で時間をロスしないように試験の解き進め方を工夫する。
・詩・短歌・俳句などの問題を多くこなし、韻文に対する感覚を磨く。
例年、試験問題の形がほぼ一定なので、できるだけ多くの過去問をこなして慣れておくことが特に有効な試験である。
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2025年度「立教池袋中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2025年度は、解答数は33問。大問5つは物語文2題・随筆1題・漢字その他という構成になっている。2025年度の素材文は合わせて6700字ほどで、以前より減少傾向である。
抜き出し問題と文中の内容を自分でまとめるような問題が多く探すのに手間取ると時間が足りなくなるので、まず傍線と設問を確認して読みながら抜き出せる部分の目星をつけるなど、手際よく解き進む必要がある。
【大問一】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
野生の雪だるま「雪子」と、彼女を物置小屋に住まわせている画家の百合子。何度目かの、二人が出会った日の話をする場面。
(一) 「家の庭のカシの木の枝」にまっすぐ降りてきた。
(二) お話のはじまりは「いつも」決まっています・雪子ちゃんが訊きかえすのも「いつも」のことです……などから、二人が同じ状況を何度も繰り返していることがわかる。
(三) いく日も雪が降って「郵便も新聞も配達されない日がつづいた」ほどであった。
(四) 挙げられているのは、雪子ちゃんが「地上に降りてから」見たり・聞いたり・考えたりなど、「経験」したことである。
(五) (例) 人間が作った雪だるま
(六) 雪子は地上に降りた日のことをよく覚えているのだが、百合子の口から聞くと「まるでちがう物語のように聞こえ、違う景色が見える」のだと語られている→選択肢ニ
(七) イ
(八) 出会う前:絵の連作を仕上げなくてはならないのにアトリエにひきこもる気にならなかった。
最後の場面:白樺の絵の連作が完成されて壁に立てかけてある。
このような変化は、雪子との出会いで百合子の内面に何らかの変化が起こったことを暗示している。
〔ワンポイント!――書き抜けという指示はないが、実質は本文から適切な部分を用いることで記述できる問題が多い。本校のそうした記述問題の特色を、過去問でよく見ておこう。〕
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
レギュラーとして試合には出られないが、伝令係としてチームを支える息子の姿を応援席から見守る母親の姿が描かれる。
(一) 1. 緊張している様子は描かれていない。
3. 「準々決勝以降は」という記述から、それ以前はレギュラーになったことがあったと推測できる。
4. 伝令係である。
(二) 監督
(三) 航太郎が伝令としてベンチから出てきただけで、「まるでスター選手が登場したかのように」選手や保護者やファンまでもが大歓声を送っている。航太郎が皆から好かれている証であろう。
(四) 伝令を終えた後の「大仕事を終えたかのような足取り」に表れている。
(五) 「集まった選手たちに何かが宿った気がした」で始まる段落で、明らかに変わった選手たちの雰囲気が描かれている。
(六) 奈々子に「奇声を挙げながら抱きつい」たり「揉みくちゃに」したりといった、「二人」を含む母親たちの行動から判断できる。
(七) 目線:「母親(母)」である奈々子
場所:応援席
【大問三】随筆の読解
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
小説の主人公の命名にこだわる筆者の心情が語られている。
(一) ① ハ
② キキという名前に決めた時、「これしかない」と筆者は思っている。
(ニ) 「名前」に傍点が付いていることを見逃さない。これは、「ゾゾ」の例からもわかるが、名字ではなく「名前」を数えろという問題なのである。したがって、「ジジ」「栄子」「キキ」で答えは「三つ」となる。
(三) 泣き虫で、陰気で、友達とも遊べず、先生にも口をきけない→選択肢ハ
(四) 先生に名前を呼んでもらえたことで、自分が「存在する」ことを実感できたのである。
(五) ロ
(六) 筆者にとって主人公の名前は、そこから「物語の世界」が始まるといっていいくらい大切なものであることが述べられている。キキという主人公が生れた時に、「魔女の宅急便」という世界が始まったのである。
(七) 筆者が物語を創作するにあたり、主人公の名前は「真っ先」に決めなければならない要素なのである。
〔ワンポイント!――文学的文章が多めに出される本校の試験なので、小説・物語・随筆などを多く読んで、読み解くコツをつかんでおこう。〕
【大問四】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
(一) 格納庫 (二) 帰省 (三) 素質 (四) 帯(びた) (五) 経(て)
【大問五】四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:5分
(一) ハ
(二) ピンチ
(三) ロ
(四) 使わなかったのは選択肢ニ(みんな違う)であり、四字熟語は「十人十色」となる。
〔ワンポイント!――言語事項などで2割ほどの配点がある。また、今年度は出されなかったが、詩・短歌・俳句などの問題もよく出される。なるべく多くの過去問をこなして、本校の特徴に慣れておこう。〕
攻略のポイント
書き抜き問題では探す範囲が指定してある試験が多いものだが、本校はそれが無い問題が多い。うっかりすると全文を何度も読み返すはめになる。本文を読む前にまず設問にざっと目を通し、書き抜き問題で使えそうな箇所をチェックしながら読み進むのが良いだろう。詩や短歌・俳句が好んで出される傾向にあるので、類似問題を多くこなして、慣れておきたい。
また、第二回の試験では長く記述する問題が出されることが多いので、第二回での受験を考えている人は対策を怠らないようにしたい。
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