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立教池袋中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2023年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

 例年通り試験時間は50分。問題数も大問が10,小問が20と例年通り。大問1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がない。
 受験者平均が約6割。昨年度よりも若干上がっているが、難易度に大きな変化はない。際立った難問は見られないが、時間的余裕はあまりもてないので、問題文をしっかり読んで素早く取りかかり、できる問題から解答欄を埋めていくという姿勢がつねに必要である。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

(1)整数の混合四則計算
 
(2)整数・小数・分数の混合四則演算

   例年同様大問1は計算問題2題。確実に正答したい。

【大問2】約束記号

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

(1)2×2+2×3=10 10×10+10×7=170
 
(2)A×A+A×B=A×(A+B)=30 Aが小さいほどBが大きいので、A=2の時のBを求めればよい。2+(2+B)=30 より、B=15

   約束記号についての出題。指定されたルールの理解がポイント。確実に正答したい。

【大問3】割合と比の文章題・集合

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)電車を使わず45分以上の6人は全体の2%。電車を使う生徒が84%なので、電車を使わず45分未満の生徒は98-84 より、全体の14%。
 
(2)電車を使い45分未満の生徒は、84+80-98 より全体の66%。300×0.66より、198人。

   割合と比と集合の融合問題。ベン図または線分図を用いて整理して考えること。

【大問4】旅人算・速さと比

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)A君とB君の速さの比が8:7。同じ道のりを進むとき、速さの比と時間の比が逆比になることから、かかった時間の比は7:8となり、その差が8分であることから、B君が往復にかかった時間は64分。従って12÷64/60 より、時速11.25km。
 
(2)A君とB君が出会うまでに進む距離の比は8:7、合わせて12km進んだので、12÷15×7 より、5.6km。

   旅人算の出題。(1)(2)ともに比を有効的に使えるかがポイント。特に、(1)で使う逆比の関係は中学入試頻出であり、解法を確実に理解しマスターして欲しい。

【大問5】割合と比の文章題・円グラフ

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)部活動での発生件数は216÷360より、全体の60%。運動部での発生件数は252÷360より部活動での発生件数の70%。従って、運動部での発生件数は、0.6×0.7 より全体の42%で、人数が63人であることから、全発生件数は63÷0.42より150件。
 
(2)アの角度の和は115.2度なので、115.2÷8×3 より、の角度は43.2度。43.2÷360=0.12。従って、150×0.12 より、18件。

   円グラフを使って考える割合と比の文章題。全体の人数:各項目の人数=360:おうぎ形の中心角となることがポイント。なお、昨年も円グラフについて出題されており、2年続けての出題であった。

【大問6】平面図形

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)半径16cm、10cm、6cm、4cm、2cmの5つの四分円の弧の長さの和になる。なお、3.14の計算は最後にまとめて1回だけ行うこと。
 
(2)全体の面積から(1)で考えた5つの四分円の面積を引けばよい。

   平面図形の出題。易問だが、3.14の計算を丁寧に行うこと。

【大問7】平面図形(相似の利用)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

まずは図の中の等しい角度に同じ印をつけること。すべての三角形が相似の関係にあり、3辺の比が3:4:5であることがわかる。(1)(2)ともにこの3辺の比を用いて求めること。

   平面図形に関する出題。相似の関係にある3辺の比を用いればよく、確実に正答したい。

【大問8】速さとダイヤグラム

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

(1)グラフより、バスAが1往復半する間にバスBは1往復している。また、この間の停車回数も5回ずつで同じである。従って、ABの速さの比は3:2となり、時速の差は14kmなので、Aは時速42km、Bは時速28kmである。
BPQ間にかかる時間は4.2÷28より、停車時間の2分も含めて11分。
  
(2)バスAQ駅を初めて発車するのは、4.2÷42 より停車時間の2分も含めて8分後。8分後までにバスBが進んだ距離は、2.8km。その後は出会いの旅人算を利用して、(4.2-2.8)÷(28+42)=1.2 従って、8分+1.2より9分12秒。

   速さとダイヤグラムに関する出題。ダイヤグラムの読み取り、比の利用、旅人算の計算など速さの問題に対する総合力が求められる。

【大問9】立体図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

(1)直方体の水に触れている部分において、左側面の三角形と右側面の三角形が相似の関係にある。左側面の三角形は底辺が9cm高さは6cm、右側面の三角形は高さが4cmなので、底辺は6cmになる。これを利用して、三角形2つ、台形2つの面積の和を求めればよい。

(2)三角すい台の体積を求める問題となる。(1)で考えた大きな三角形から小さな三角形へ伸びる辺を延長させて三角すいを作る。大きな三角すいから小さな三角すいを引けばよい。小さな三角すいの高さは、12×2 より24cm。

   立体図形の出題。水量に関する問題だが、内容としては直方体を切断してできる三角すい台の表面積と体積を求める問題と同等である。(1)で相似を利用して長さを求めることができるかがポイントとなる。

【大問10】ニュートン算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

(1)線分図を描いて整理すること。1分間で1つの受付から入る人数を①とすると、150人+15分で並ぶ人数=㉚・・・1式 182人+7分で並ぶ人数=㉘・・・2式
1式÷15⇒10人+1分で並ぶ人=② 2式÷7⇒26人+1分で並ぶ人=④となる。
この2つの式から消去算を行うと、②=16人、①=8人となる。
  
(2)(1)より、1分間に並ぶ人数は、(8×30-150)÷15 より6人。
13時から13時5分の間は受付が1つだったので、8-6 より、1分間に2人ずつ行列は減っている。332+2×5 より、13:00に並んでいたのは342人。

   ニュートン算の出題。条件が複雑なので、線分図を描くなどして整理する必要がある。ニュートン算の出題としてはややレベルが高めである。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
受験者平均点が61.8点(昨年度は58.3点)と、多少易化はしているが、ここ数年60点前後で推移しており、一定の問題レベルを保っている。合格するレベルとしては、70点以上を目標としたい。

大問1・大問2・大問6は易問、それ以外は標準レベル以上の問題が並んでおり、レベルのやや高い問題も見られる。50分というテスト時間は慌てる必要はないが、できる問題からてきぱきと処理を進めたい。

立教池袋の算数攻略のポイントとしては、決して新傾向の問題や難度の極めて高い問題が出題されるわけではないので,ふだん塾で使用している教材や問題集を用いて問題演習を積み重ねて欲しい。典型題が確実に解けるということが大切になる。特に、頻繁に出題されている「速さ」「平面図形」「立体図形」「割合と比」の学習には力を入れること。

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