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立教池袋中学校 入試対策

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2014年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。
さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。
かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2014年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が10、小問が20。毎年計ったように同じ分量で出題されている。
1問あたり5分で解いていくことを考えると、時間的には余裕がなさそうだ。
テストの構成も、はじめに計算問題があり、文章題は「難易度の低いものから高いものに移っていく」ので、何回も受けてきた「公開模試」のような印象を受けるのではないか。ただ、大手の塾などで主宰しているテストに比べると、最後まで難易度がそんなに高まると言うことはない。全体に難易度「中」程度の問題が並んでいる。
受験生はある分野に突出した力をもつというよりは、どの分野から出されてもまんべんなく手が出るかという資質を問われている。男子校としては、大変取り組みやすいテストと言えよう。

【大問Ⅰ】計算問題

  • 時間配分:5分

最初の計算が最も大変そうだ。計算問題で侮れないのは、案外面倒な作業をやらされる割に、必ず「正解」を要求されることだ。
立教池袋の場合、特に前半は計算力を試される問題が多く出されている。考えられる力は後半まで取っておいて、まずは計算力があるかどうかを試す、というものだ。
もし頭が温まってから計算問題に取りかかりたいという生徒は、【大問Ⅰ】ではあるが、後まわしにしてもよいかもしれない。

【大問Ⅱ】縮図の計算問題

  • 時間配分:5分

「平面図形」の問題ではあるが、考えることはほとんどない。両設問とも、出されている縮尺を使って計算し、単位をそろえることだ。
(2)は意外に正答率が低そうで、それは難度によるものではなくて、ほぼ生徒側のミスによるものだ。
時間があるうちに「面積の単位」をしっかりまとめておこう。

【大問Ⅲ】割合(売買損益)

  • 時間配分:5分

こちらも迷うところは何もない。(1)、(2)ともにていねいに計算していこう。
1個の値段が高いこと、ものの個数が多いことから「ケタ」の間違いや文字通り計算ミスが出るようでは相手の思うつぼだ。
まだまだミスしてよい段階ではない。

【大問Ⅳ】速さの問題

  • 時間配分:5分

ここでは、「速さの3公式」をしっかりと使うことだ、と力むほどの内容ではなく、やはりひたすら計算の正確さが問われるものになっている。
中途の式での計算結果が細かいこと、最後の答えも半端な数になることから、受験生心理としては「あってるのだろうか」と不安がよぎってもおかしくない。
こういう内容のない(失礼!)、ただ計算が面倒という問題で間違えるとショックが大きいので、解いてもあまり賢くなれる気はしないけれども、きちんとあてておきたい。

【大問Ⅴ】規則性の問題(数列)

  • 時間配分:5分

ここらあたりから、受験生を振り落とす設問が現れ始める。
規則はすぐに分るものの、取り組み方次第ではかなり時間を要する問題になってしまう。
数列を見ると、「根性で書き出す」と条件反射のようになっている生徒は、このあたりでもう一度頭を使うやり方を復習しておくとよい。
それにはちょうど適したレベル、内容になっている。

【大問Ⅵ】平面図形(まわりの長さと面積)

  • 時間配分:5分

ここでも、出来不出来の差が出たと思われる。
特に、(1)が即答できた人はよいが、田植えのごとく、1つ1つ丹念に辺をたしている受験生はちょっとテクニック不足。
ここで覚えておかないと、この学校は「図形のまわりの長さ」がかなり好きな上に、問題として出れば工夫して求めるのは当たり前なので、ここで差をつけられことになる。
(2)は、ここまででは最大の難問。等積移動して単純な形に作り替えられることに気づけるかどうか。ただ、ここでの失点はやむを得ないかも知れない。
(1)はあてておきたい。

【大問Ⅶ】立体図形(体積と表面積)

  • 時間配分:5分

投影図で表わされた、円錐と三角柱を組み合わせた図形。ご丁寧にも、ちゃんと形を説明してくれている。
この親切には甘えなくては…これは、はずすわけにはいかない。
(2)の表面積は、求める箇所が多いので注意して式を立て、分配法則を使って上手に求めたい。
制限時間は5分ということを忘れないように。

【大問Ⅷ】割合と比(相当算)

  • 時間配分:5分

かなり条件の細かい問題で、最後まで読まないと(1)もできない。
「弟の取り分」を求めるときに、「割合の合成」が出来るかどうかが決め手になる。
「弟の取り分」を全体に対する割合で表せれば、あとは計算次第。
まだまだ前に進めそうだ。

【大問Ⅸ】場合の数(図形の合成)

  • 時間配分:5分

「ただし、3種類のカードをそれぞれ少なくとも1枚は使えます」に注意して、問題を解きたい。
(1)は1辺1cmのカードをできるだけ使えばよいと言うことで求まる。
しかし、(2)の場合、1辺3cmのカードをただたくさん使っても、1辺7cmの正三角形にはまとまらないので難しい。
5分という時間を考えた場合、(2)は捨て問か。

【大問Ⅹ】規則性の問題(倍数)

  • 時間配分:5分

最後の大問。この図を見たとたん、「あっ、N進法が出ちゃった!(やってないよ~)」とあせった生徒、あなたの反応は正直ですばらしいが、残念ながら「N進法」ではない。
倍数を使えば解けると言うことで、どちらかというと規則性の問題に帰する。それが分れば、最後の問題としてはそんなに難易度は高くない。
問題は、この問題にたどり着くまでにどれだけの時間の余裕を持てているかと言うことだ。時間不足で大問Ⅹが間に合わなかった生徒はもう少しペースを上げるよう努力しよう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
受験者平均点が53.1点で、合格者平均の発表はない。平均点を5点ほど上回れば、最低点は超えられそうなので、算数の目標点はとりあえず60点としておく。
設問1つ、5点なので、全部で12個の正解を得ることがノルマになる。
これは果たして困難なことなのか、それともこれからの努力次第で何とかなるものか。

立教池袋の算数は、形式は定まっているし、問題文もそう長くなく、レベルも中程度で難問の域に達したものは少なく、時間をうまくやりくりすれば60点を取ることは難しくなく思える。同じ立教でも、立教新座はかなり問題も凝っていて、時間的にももっときつく、解いていて味わえる「こってり感」もなかなかのものだ。難易度も安定せず、問題の順番もあてにならない。それに比べると立教池袋のテストは、大変スマートに感じられ、誰でも合格点が取れるのではないか、と思わされてしまう。

設問の難易度を5段階で分けてみた。◎(平易)>○>△>▲>×(超難問)という分類だが、本年度の問題に関しては以下の通りになった。
大問Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ…すべて◎
大問Ⅴ…(1)○(2)△
大問Ⅵ…(1)○(2)▲
大問Ⅶ…(1)○(2)○
大問Ⅷ…(1)△(2)△
大問Ⅸ…(1)○(2)▲
大問Ⅹ…(1)△(2)▲
このうち、◎と○の設問にすべて正解すると13問正解の65点、合格点となる。1つ間違えて60点だと、他の科目次第とはいえ合格可能性は高い。55点だとボーダーか少し下回るくらいか…
こう考えていくと、前にも書いたように、見た目は「取り組みやすいテスト」ではあるものの、さすがに高い難易度を誇るだけのこともあって、ボーダー付近での争いが熾烈そうだ。

つまり、立教池袋の算数で合格点を取るためには、難しいことはいらないものの、基本的な問題は完璧に答えられないといけない。1問でもミスしてしまうと、すぐ合格できるという位置が危うくなるのである。
簡単そうに見えるが簡単ではない。それが、立教池袋の算数ではあるまいか。

では、どのような勉強法がふさわしいか。
決して新傾向の問題が出されるわけではないので、平常は塾や市販の教材で問題量をこなしておこう。その中でしっかりと速く解ける技術も体得しておきたい。
その上で過去問に取り組み、時間配分と問題の難易度を自分のものにしておきたい。形式は変わらないものの、以前よりは問題の難度も下がっているように感じられる。今がちょうどいいチャンスと思い、最後まで気を抜かずにがんばってもらいたい。

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