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立教池袋中学校 入試対策

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2017年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2017年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が10、小問が20。毎年計ったように同じ分量で出題されている。1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がなさそうだ。

テストの構成は、はじめに計算問題があり、文章題は「難易度の低いものから高いものに移っていく」ので、何回も受けてきた「公開模試」のような印象を受けるのではないか。
本年度は特に徹底されている感じを受けた。実際、大問8・9・10に難問が集中している。
ただそこまでの出題が基本的なものばかりなので合格点をとることは必ずしも難しいことではない。
男子校としては、大変取り組みやすいテストと言えよう。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

小数・分数が入った四則計算。本年度は特に基本的な計算であり、いずれも正解が必要。

【大問2】割合と比

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

百分率と比を用いたかなり基本的な問題。逆比を扱うこともないのですんなり解けてしまっただろう。ここも必ず正解したい。

【大問3】食塩水

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

食塩水としては中程度の問題だが、どらちも典型的なもの。(2)の食塩を加える問題では、食塩水の面積図を扱えるかどうかがポイントになる。ここも正解したい。

【大問4】速さ

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

「速さの3公式」を確認するために出されたような問題。要正解。

【大問5】約束記号(整数)

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

【 】という約束記号の意味をよく理解してから取り組めば難しい問題ではない。(2)(1)とさほど難易度が変わらないので、どちらも正解しておきたい。

【大問6】平面図形(面積比)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

【大問5】まではすんなり解けてきたであろう生徒たちが初めて時間をかけて解くことになる問題で、ようやく点数に差がつきそうな問題が出てきた。

(1)では底辺と斜めになっている辺を高さととらえ、面積比を割って底辺の比を求めていく。

(2)では、三角形AFEの比を4、全体の面積を24とすると正解までたどり着けそうである。

できればどちらもあてておきたいところだが、ここまで全問正解だと早くも合格点に達することになる。

【大問7】割合(単位変換)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

角度の単位変換で、「度」・「分」・「秒」は地図などで使われている単位だ。「東経135度20分34秒」+「北緯40度18分54秒」などと場所をピンポイントで表すときに使う。わかりにくい人は「度」を「時間」に直すと時間の単位変換として扱えることになっている。
(2)の計算はやや面倒くさい。

【大問8】立体図形(中心角と体積)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:5分

問題が一気に難しくなる。(1)だけでも解けていれば御の字か。

(1)では、イとウの長さが1:2であることから、中心角あを含む小さい方のおうぎ形の半径が10cmとわかれば解けることだろう。

(2)は立体図形の形を把握することが難しく、見取り図などで形が確認できればあとは計算のみとなる。ここは失点もやむなしか…

【大問9】立体図形(影の面積)

  • 難度:
  • 時間配分:8分

上部の電球から光を当てて、立体図形の四方にできる影の面積を求める問題。

(1)は簡単な相似を使って直方体の周りにできる正方形の面積(ただし直方体の底面積は除く)を求めればよいが(2)は影の形が変形されて突然難問になる。

【大問10】条件整理(場合の数)

  • 難度:
  • 時間配分:10分

この問題はかつて他校ではあるがほぼ同じ問題が出題されたことがあり、いくつかの問題集にも収録されていることから【大問10】を見た瞬間「しめた!」と思ったかもしれない。しかし、立教池袋最後の問題の方が一回り手強くなっている…

(1)では、「1ヒット」した数が複数考えられるのでそれについて一つずつ調べていかなくてはならない。特に「1ヒット」が「2」だけと考えがちになるので、(もちろん「2」も「1ヒット」の数なのだが)そちらだけで考えると(1)(2)とも不正解になる。

(2)の答えは「2」を使わない数だからである。

かなり考えさせられる問題であり、その前の影の問題と並んで本年度最高難度の問題としておきたい。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
受験者平均点が49.3点とここ5年間では最低であり、62.0点だった昨年度の反動からか問題がやや難化したことを表している。平均点を5点ほど上回れば最低点は超えられそうなので、今回の算数の目標点はとりあえず55点としておく。
設問1つ5点なので全部で11問の正解を得ることがノルマになる。

立教池袋の算数は、形式は定まっているし、問題文もそう長くなく、レベルも中程度で難問の域に達したものは少なく、時間をうまく使えば55点を取ることはそう難しくはない。

設問の難易を5段階で分けてみた。◎(平易)>○>△>▲>×(超難問)という分類だが、本年度の問題に関しては以下の通りになった。

大問1・2・3・4・5…すべて◎
大問6…(1)△(2)△
大問7…(1)○(2)△
大問8…(1)△(2)▲
大問9…(1)△(2)×
大問10…(1)×(2)▲

このうち、◎と○の設問にすべて正解すると11問正解の55点、合格点となる。△の4問のうち2問くらいはあてておきたい。
本年度の場合、やさしい問題と難しい問題の差がはっきりしていたので前半の易しい問題をしっかり当てられていれば十分に勝負になったと思う。

立教新座の算数の場合、決して新傾向の問題が出されるわけではないので、平常は塾や市販の教材で問題量をこなしておこう。その中でしっかりと速く解ける技術も体得しておきたい。その上で過去問に取り組み、時間配分と問題の難易度を自分のものにしていきたい。

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