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立教池袋中学校 入試対策

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2020年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2020年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が10,小問が20。毎年計ったように同じ分量で出題されている。大問1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がない。

2年続けて標準レベルの問題が中心にテストとなっていて、超難問や時間がかかる問題はない。しかしそれでも時間的余裕はもてないので、問題文をしっかり読んで素早く取りかかるという姿勢が必要だ。合格点(65~75点)をとるには総合力が欠かせない。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

小数・分数・整数の四則混合計算で、逆算もないので手際よく1問2分以内で処理したい。もちろん、正解は必至。

【大問2】約束記号(計算の工夫)

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

約束記号の内容はすぐわかるので(1)(2)とも、計算の工夫を必要とされる問題になっている。(1)分子の11*7=11×10×9×8×7×6×5を全部かけ算する生徒はいないだろう。分母(8*2)*3=56×55×54とうまい具合に通分を駆使すれば簡単に答えられる。
(2)でも分母の積を計算せず、最低限の通分をしてから普通に計算すればこちらも答えまで楽勝。すぐに計算に取りかかるという癖がある生徒はこういう問題で苦しめられると少しこりるかもしれない。

【大問3】魔方陣(計算の工夫)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

2問続けて計算の工夫が求められる問題だ。(1)で○あを求めるにはまず36+54-27で真ん中の数を求める。次に99と27の和から真ん中の数をひけば良い。(2)は積なので、【大問2】同様に割り算を分数の形で処理して約分をゆめゆめ忘れないように。

【大問4】平面図形(角度)

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

ABCとする。図より、角であることがわかる。また図から、角は78度+であることもわかる。あとは三角形の内角の和さえ知っていれば解けると思う。

【大問5】図形の平行移動

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)(2)とも正方形をていねいに平行移動させ答えを求めよう。(1)では、正方形の先頭にある辺が動いた長さに注目する。(2)では7cm移動させたあとの正方形の作図ですべてが決まる。作図が苦手と称する生徒は小一時間図形を書く練習をすれば結構よくなるものだ。図形の問題には絵心も必要なのだ。

【大問6】割合と比

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

割合も比も使うもののかなりベーシックな問題で心が和む。小数に気をつけて計算すれば何の問題もなかろう。

【大問7】速さ(周期)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

この大問はこれまでの問題に比べると手強い。特に(2)は時間を要するのでここまでで持ち時間に余裕がある生徒のみ解いて進むのが良いだろう。

(1)分速95mで15分歩き5分間休むので、20分を1周期として9500÷(95×15)から周期数とあまりを出し、あまった距離を再度95でわってかかった時間(○分とする)を求める。あとは20分×周期数+○分で答えが求まる。ここは正解しておきたい。
(2)では、いきなり4回目に追い越す時間を出すのは無理なので95×15を75でわってたつや君がかいと君が休んでいる場所まで行くのにかかる時間を求めてみる。すると、19分となって、かいと君が休んでいる間(15分~20分)にたつや君が追い抜いていくことがわかる。かいと君が再度歩き始めるとまた抜きかえされるのだがまた休んでいる間に追い抜かれることが予想されるので(ここからが大変だが)、かいと君が休んでいる時間をすべて書き出し、その間にたつや君がそこを通過する(追い抜く)時間を追求していけばよい。だから大変だと言ったではないか。しかしうまい具合に4回目に休んでいる間に4回目の追い越しがあるようである。

【大問8】円錐の展開図

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

図から受ける印象と異なりかなり基本的な問題である。円錐における、母線と半径・360度と中心角の関係を知っていればどちらの設問にも簡単に答えられる。(2)では中心角を使わずに「円錐の側面積=母線×半径×円周率」を使った方が良い。

【大問9】割合と比

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

【大問6の応用編とも言うべき大問で、【大問7に引き続きやや手応えのある問題。条件がたくさん出されているので情報の処理を誤ると時間ばかりかかってしまう。小学生と大学生と保護者の連比をとり、中高生をのぞいた65%を比例配分すれば良い。そうして4つのグループの割合を百分率で表せれば(1)(2)とも容易に求められる。(2)はもちろん比1あたりの人数を求めていく。

【大問10】立体図形(体積・表面積)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

本年度もまた最後の大問が一番の難問となったがさいわいなことにこの立体図形の問題は見覚えがあるだろう。一度は塾や自宅で解いたことがあるはずだ。したがって解き方を理解していた生徒にはさほどの難問には感じられなかったはず。しかし一度解いたことがある問題だからと言って解けるとは限らないと言うのが不完全な人間の悲しみである。その場合は、比較的解きやすい(1)の体積…立方体の体積から直方体のくりぬいた体積と円柱のくりぬいた体積(ただし中央2cm分はのぞく)をひけば求められる。(2)は手順がもう少し複雑なので時間に余裕があるときには取り組んでみるのが良いだろう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。

受験者平均点が60.8点と60点台を回復している。問題の水準は例年並みよりやややさしく、本年度は特に頭をひねらなくてはならない問題が少なかった。平均点プラス10点を合格ラインとして目標点は70点としよう。

全部で14問以上正解すれば良い。
本年度の問題だと、【大問7】(2)【大問10】(2)以外はすべて解けて欲しいというのが望みだ。それだと90点になってしまうので、あと2問程度のミスは大目に見よう。ただしこのレベルではそれ以外の失点は「本番ではやむを得ない」難問スルーではなくて基本レベルでのミスである。

立教池袋の算数の場合、決して新傾向の問題が出されるわけではないので,ふだん塾で使用している教材や市販されているものでよいから全分野をしっかりと行い、典型題の解き方や円周率のまとめ方など基本的なテクニックをしっかり身につけよう。さらに問題を早く解ける技術も体得しておきたい。その上で過去問に取り組み,時間配分と問題の難易度を自分のものにしていきたい。

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