サレジオ学院中学校 入試対策
2025年度「サレジオ学院中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題の構成
【大問1】に漢字の読み書き、【大問2・3】に説明的文章と文学的文章の読解がそれぞれ割り当てられるのがここ数年の定型となっている。ことばの知識はほぼ出題が無く、接続詞が出るくらいである。総解答数は20~30問程度。
素材文は計10000字ほどになり、読むスピードが必要である。設問は選択肢と記述問題が主で、書き抜き問題はあまり見られない。2020年度以降では選択肢が4択になった。内容の違いがはっきりしているので微妙な差異に悩むような選択肢にはなっていない。
説明的文章の読解
自然科学・社会科学分野の論説文がよく用いられている。字数は3500字ほど。文章は平易だが、分野によってはやや専門的な内容になり難しい場合もある。
要点・要旨に関わる部分が解答となることが多いので、論説文の読解の技術を高めておこう。
段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
文学的文章の読解
小説が多く使われている。字数は6500~7500字程度。
受験生と年齢の近い人物を主人公にした話が多く、その舞台や状況も馴染みのあるものなので、理解しやすいだろう。問われるのはやはり、人物の心情が中心になる。小説の読解の基本をしっかり身に付けておこう。
人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
記述問題
文中の適切な部分をまとめるか、手がかりをもとに考えて答えられる問題が多い。「自分の意見を述べなさい」といった論述タイプの問題にはなっていない。字数は30~80字程度でまとめるようになっている。
論説文・小説ともに読解がしっかりできていれば答えられる問題になっているので、まずは読解力の底上げを図ろう。
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2025年度「サレジオ学院中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は24問。素材文は計9000字ほど、2020年度以降では選択肢は4択となっている。ともあれ、読む分量は多い。本文を素早く読み終えて、問題を解く時間をなるべく多く確保したい。
記述問題は自分で意見を考えて書く論説タイプではないので、本文を読み取れていれば規定の字数を埋められるだろう。
【大問一】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
① 金棒 ② 古株 ③ 遊覧 ④ (公平)無私 ⑤ 風穴 ⑥ 加護 ⑦ 案(の)定 ⑧ あんばい ⑨ しけ ⑩ ひりき
<時間配分目安:3分>
【大問二】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:21分
- ★必答問題
レシピやノウハウが言語化・システム化され、おいしい料理を作るハードルは低くなっているが、それでもプロになるための修業には大きな意味があると筆者は述べている。
問一
A. 長年の修業が当たり前と考えられていた当時の日本の料理界で、フランス料理のコックさんが最初から料理を教えてくれたのは「現代的・進歩的」なことであった。
B. 当時は、プロになるには修業を通じて得た技術とノウハウが必要という考え方が「一般的」だった。
C. 入門書から専門書までそろい、まだ「補助的」なものだが動画コンテンツもある。
問二 数段落後に書いてある、昔は一般的であった「(おいしい料理を作るには、)プロが修業を通じて得た技術とノウハウが必要という考え方」のことであろう。
問三 「その店出身という肩書が欲しかったから」と現金な理由を自ら述べている。自分の店に「箔が付く(価値が高まる)」わけである。
問四 「言語化しにくい身体的な技術」が必要なものは、実際の経験から体得するしかないのである。
問五 ウ. 「プロの固定観念」「一般の人々の柔軟な思考」といった指摘は見られない。
問六 経験の量があってこそ確実なものになるという意味であろうから、選択肢アが合う。
問七 修業の意味として、まず「経験でしか得られない味の安定やスピード」が挙げられている。さらに調理技術以外の部分として、「トラブルの切り抜け方」や「お客さん・業者さんとの接し方」がさらに大切だと述べられている。こうした本やインターネットで学べないことを、修業という実地を通して知れることに意味があるのである。
〔ワンポイント!――合格者平均点が高いので、選択肢問題をなるべくミスなく答え、記述問題は少なくとも部分点を稼ぐといった作戦が必要になるだろう。〕
<時間配分目安:21分>
【大問三】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:26分
- ★必答問題
水墨画を即興で描く発表会のトップバッターを巨匠である師匠から任された主人公。反対するメンバーもいる中、緊張しながら置いた最初の一筆で失敗してしまう。
問一 湖山が水墨画の大家であることを知っている者は、長年筆を持ってきたせいで右手が変形してしまったことをわかっているのである。
問二 千瑛が訴えているのは、自分が湖山会や業界のために働いて水墨画を盛り上げようとしてきたこと・揮毫会のトップバッターに失敗する可能性の高い主人公を起用する危険性である。
問三 湖山が主人公に一筆目を任せたのは水墨画の発展のためには若い新しい力を取り入れることが必要だと考えているからである。一方、千瑛はこれまでの評判や伝統を守るため失敗を恐れており、この点を湖山は未熟だと評したのだと思われる。
問四 「先達がいつまでも後から歩いてくる人に道を譲らなければ、何も新しくならない。道そのものが滅びる」と湖山は述べている。技量が浅くて失敗しても、若い力に経験を積ませることが水墨画の発展につながると考えて、主人公に一筆目を任せたのである。
問五 水墨画は描き直しができず、失敗したらとりかえしがつかない。その基本となる大事な線が一筆目なのである。
問六 (例) 大事な一筆目の失敗でその作品が台無しになり、揮毫会における湖山会の、ひいては湖山先生の名誉に傷ががついてしまうということ。
問七
ア. 一筆目を描くにあたり、主人公が「安心」している様子は描かれていない。
ウ. 「集団行動に向いていない千瑛や僕」といった内容は書かれていない。
エ. 「白は鼻先まで迫ってくる」はいよいよ一筆目を描かねばならない緊張・不安を表した情景描写である。
〔ワンポイント!――二題合わせて10000字ほどの読解問題になるので、読む時間の速さが考える時間の余裕に直結する。見落としなく、適切に傍線など目印をつけながら読み進める力が求められる。〕
<時間配分目安:26分>
攻略のポイント
本文を速く読み終えれば考える時間に余裕ができ、記述問題にも落ち着いて取り組める。1分650~700字くらいを目標に文を読めるようになっておきたい。
ここ数年はことばの知識はほぼ出題が無いが、語彙の多さは長文読解の基礎を支える部分でもあるので、問題に出ないからとおろそかにしてはいけない。漢字も配点が大きいので、おざなりの練習で済まさないでしっかり取り組んでほしい。
記述問題は、要旨・要約をまとめてみたり、人物の気持ちや物語のテーマを書き出してみたりといった練習が役にたつだろう。
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