豊島岡女子学園中学校 入試対策
2025年度「豊島岡女子学園中学校の算数」
攻略のための学習方法
基本的な問題から、高難度の問題までバランスよく出題されている。
序盤の小問集合では典型的な問題が中心となっている。ここでは正確な処理能力とある程度のスピードが要求される。また後半の大問では、分析力や思考力が必要な問題も出題される。また、積極的に手を動かして考える姿勢も重要である。
受験生のレベルの高さを考えると、標準レベルの問題は分野を問わず正解できることは大前提。6年の秋以降は高難度の問題演習(特に立体図形)も必要になるので、夏休みまでに各分野の土台はしっかり固めておきたい。本校の本格的な対策は、それからの話である。
どの分野も高いレベルまで学習しておく必要があるが、いくつかの分野については分野ごとにコメントしておくことにする。
・立体図形の対策
本校の最終問題として、ほぼ確実に出題されるのが立体図形である。大抵の場合、立体切断の問題でときどき影の問題も見られる。
最終問題にふさわしい高難度の問題が多く、「豊島岡といえば立体図形」という印象を受ける。高難度の問題が多いが大問のすべての設問が難しいとは限らず、適度に差がつくレベルの問題もよく見られる。このため、立体の切断そのものを捨てるわけにはいかず、しっかり学習しておく必要がある。
立体図形は少なくとも標準的な問題は正解できるレベルに到達していないと、過去問演習では歯が立たない。6年の夏休みまでに、十分な練習を積み重ねておきたいところ。秋以降は過去問に限らず、高難度の問題演習に積極的に取り組みたい。余力があれば、男子難関校の立体切断の問題にチャレンジしてみるのもよい練習になるだろう。
なお、自分で図を書くということに慣れるためにも、早い段階からフリーハンドで図を書く習慣をつけておくようにしたい。
・場合の数の対策
計算することで求めるタイプの問題も見られるが、手を動かして調べる問題や試行錯誤を必要とする問題も多い。
終盤の問題で出題される場合は、あまり見かけない設定の問題が多く、その場での対応力や論理的思考力も問われることになる。一般的なテキストにはあまり載っていないタイプの問題が多いので、過去問を通してこのようなタイプの問題になるべく触れておくようにしたい。
・速さ関連の対策
速さに関連する問題もよく出題されている。旅人算、点の移動、水そうグラフなどジャンルは豊富だが差がつきやすい難易度で出題されることが多い。立体図形の問題に目を奪われがちだが、速さに関する問題も重要である。また、速さ関連の分野は比較的対策が立てやすく、練習量が成果として現れやすいという特徴もある。やや難レベルを中心に多くの問題に触れておくとよい。
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2025年度「豊島岡女子学園中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度の問題は、概ね例年通りの出題傾向となっている。昨年度は平均点が低かったが、今年度の平均点は、受験者平均点は60.4点、合格者平均点は69.9点と上昇した。例年よりやや低めといったところである。
問題の質・量を考えると、50分の試験時間は適切といえる。
【大問1】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
肩慣らしのような問題なので、全問正解する必要がある。
(1)は計算問題。
(2)は変則8進数の問題。
(3)は差集め算。
(4)は数の性質。
<時間配分目安:6分>
【大問2】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
(1)は食塩水の問題。解法を迷うような問題ではないだろう。
(2)はさいころを転がす問題。丁寧に解いていけば正解できる。
(3)は流水算。速さと比の関係に注目すればよい。苦手な受験生にとっては、やや解きにくいかもしれない。
(4)は調べ上げの問題で、正六角形を4個合わせてできる形が何通りあるかを調べる。いきなり4個合わせるのではなく、まずは3個合わせた形を考えるとよい。
※(3)は見た目よりは難しい問題。難関校を受験するうえでは重要な問題なので、正解できなかった場合は、しっかり復習しておきたい。
<時間配分目安:13分>
【大問3】規則性
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
フィボナッチ数列に関する問題。1番目と2番目の数値のみで、3番目以降の数値が決まるという観点を持つことがポイント。設問が3問あるが、ポイントを押さえることができれば、いずれの設問もそれほど難しい問題ではなくなる。
<時間配分目安:6分>
【大問4】点の移動
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
点の移動に関する問題で、PとQが初めて重なるまでの時間を求める。規則性の要素が強いことが本問の特徴といえる。
(1)では、Qの動き方に注目すると、重なるまでの時間は5の倍数しか考えられないことがわかる。あとは調べてみればよい。
(2)も(1)と考え方に大きな差はない。重なるまでの時間が7の倍数しか考えられないことに気づけば、容易に調べることができる。
<時間配分目安:7分>
【大問5】平面図形
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
面積比に注目する問題である。
(1)ではDF:EGを求める。D、Eの位置から、三角形DBFと三角形EGCの高さの比を考えればよい。
(2)ではBF:FG:GCを求める。うまく補助線を引かないと難しい。
※(1)は類題が少ないが、難関校では時折見かける。正解できなかった場合はしっかり復習しておきたい。
<時間配分目安:7分>
【大問6】立体図形
- 難度:難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
恒例の立体切断に関する問題。立方体の一辺の長さを6cmと仮定して計算すると解きやすい。
(1)では3点F、H、Iを通る平面で切る。立体Xが三角すい台であることは容易にわかるだろう。
(2)では、さらに3点A、J、Kを通る平面で切る。立体Yが断頭三角柱だと見抜けるかがポイント。
(3)は、直線と平面の交点に関する問題。(2)の解き方をヒントにするとよいだろう。
※最後の大問で頻出の立体図形。(2)までは正解できるようにしておきたい。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
解きにくい問題も見られるが、正解すべき問題をきちんと得点していけば、合格者平均点に到達できる。
前半では【大問2】(4)に注意したい。この問題は自信を持って答えにくい問題だが、じっくり取り組むと時間をどんどん失っていくので、ある程度のところで見切り発車も必要である。必ずしも正解しなくてもよい問題なので、時間が余ったら取り組むというスタンスで構わない。
【大問3】【大問4】は、取り組む時間に差が出やすい。本質を見極めて短時間で正解にたどり着きたいところ。
【大問5】以降は、難易度の判断も必要になってくる。【大問5】(2)、【大問6】(3)は、正解できなくても気にする必要はない。
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