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豊島岡女子学園中学校 入試対策

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2016年度「豊島岡女子学園中学校の算数」
攻略のための学習方法

豊島岡の算数は他の女子校と一線を画した仕上がりになっている。
ほとんどの女子校においては、ある程度の「速さ」と「正確さ」があれば合格ラインを超えることは出来る。どちらかだけでも十分、という学校もたくさんある。中堅校の場合は「どれだけ出来るか」というよりは「どれだけ間違えないで進めるか」によって勝負が決まり、初めからミスの数も計算のうちに入っている。相手よりもミスを減らせばよいのであって、ノーミスは眼中にない。
しかし豊島岡の場合、この二つの要素に加えて「深さ」-難易度の高い問題に対処し、しかも正解できるという条件が加わってくる。受験勉強を真摯に続けていれば「速さ」や「正確さ」は身についてくる。本人の学力が落ちていくと言うことはあり得ないからだ。しかし「深さ」だけは最後まで持てない可能性がある。指導の中で時間をかけて問題を解説してもらい理解したとしても、「自分で一から解く力」を身につけるのは非常に大変なことだ。ここが最後の関門となる。普通の学校であれば「ここまでできていれば必要十分」という範疇を超えて解いていかなければいけない。
豊島岡の過去問をやらせてみて、たとえばある生徒が60%くらいの得点を取ったとしよう。基本的にはほぼパーフェクトと言える。スピードも正確さも申し分ない。生徒としては勉強法をたしなめられたり、注意を受けたりする箇所はほぼないわけだ。しかしそれでも合格点には10点以上不足していることと思われる。
なぜか。豊島岡の受験生たちはそれを超えて解けてしまうからである。当たり前のことを言っているようだが、これは相当な厳しさと言える。問題作成者がたまたま手心を加え少しでも問題をやさしくしようものなら、平均点は優に80点を超えてしまう(第2回・第3回のテストを含めると今まで何度も起こっていることだ)。平均が80点と言うことは、90%を目指さなくてはいけないことになる。これはどこの学校にもあり得ないことなのだ。
ただ、算数のテストとしてみた場合、その難度というのはきわめて正統的なものだ。
奇をてらった問題もなければ、途方もなく時間のかかる作業を含む問題もない。算数の入試問題としてオーソドックスに発展した形がそこにある。中学年から真面目に問題演習を積み重ね、数え切れないほどの解法を身につけてきた生徒のみがその問題への解き方を頭に浮かべることができるだろう。たいていの問題は典型題の先にあるものであり、一部の男子上位校のように「センスがなければ解けない」とか「ひらめきが必要だ」と言うことはない。あくまでも受験算数の頂点の一つとして受験生たちの挑戦を待っているのである。
また、豊島岡の場合、その難易度は他の科目にも波及している。やはり「深さ」がどの科目でも必要となる。そんな中で、ある程度実力アップの道筋がわかりやすい算数はましな方かもしれない。
 分野別に二つほど。
「立体図形」は豊島岡克服のための重要な分野である。ここ数年は最後の大問として登場することが多く、そしてどの問題の難易度も高い。普通の学校であればいわゆる「捨て問」として処理してもいいレベルなのだ。しかし、この学校においては、「解くための」問題として存在している。
この分野の問題を手がける場合には、十分な時間をかけよう。「何分で解く」という答えだけを導く要領よりも「解くために必要な技術」を身につける時間を作りたい。
具体的に言うと、与えられた図以外の作図をこなせるようになっておきたい。本年度【大問Ⅵ】においては、斜めから見た断面図が必要だった。これは、模範解答を見て納得したからと言って次に書けるものではない。フリーハンドで図が書けるように練習しなくてはいけない。立体図形の見取り図・展開図などをササっと書けるだろうか。作図できる能力をハイスペックで自分のものにしておきたい。
また、切断問題も多いことから、立体的視点もできれば養っておきたい。切断後に出来る立体のイメージを頭に浮かべて、それを手かがりに解法を考えつくということだ。これも容易ならないレベルの技術であるがいくつもの類似問題をこなしていきながらなんとか身につけてもらいたい。
さらに立体図形の問題にもかかわらず、図が書かれていないものもある。この場合は、一から自分で図を書いて問題を整理することになる。そのとき、最も適切な図を選択できるかどうか。立体図形の場合は、普通は見取り図から書くことが多いが問題によっては断面図で問題が解決するときもある。これも模範解答を見て納得、ではなくて自分自身がその図を選んで書けるよう訓練しておきたい。
繰り返すことになるが、ここでいう最後の大問「立体図形」は通常であれば「捨て問」といえる水準のものなのだ。しかしここを落とすと、他の問題をほぼ正解しない限り合格ラインに届かなくなる。では、他の分野が簡単かというとそんなことはないわけで、最後の設問ひとつに至るまでしっかり目を通して解き方またそのための技術を確認しておきたい。

「しらべる問題(場合の数ふくむ)」ではそつのない手順を繰り出せるかどうか。
しかし本年平成28年度【大問3】では、まさにその逆をつく、愚直に計算することが正解に結びつくというときもある。まさに臨機応変、その場での対応が合否を分ける結果となる。
他にも「速さの問題」「割合と比」など重要な分野ではあるが、十分に解ける範囲であると言うことで割愛したい。
豊島岡の算数ではこれ以外にも、標準的難易度をもつ前半の一行問題を2・3分で完璧にこなしていかなくてはならないというスピード養成が必要となる。問題を解く速さに関しては、自覚的にスピードを上げるよう心がけることだ。マイペース、という耳あたりのよい言葉は捨ててもらいたい。鉛筆を動かす筋肉さえ早く動かすよう脳に伝達し、無駄のない思考で正解に到達できるよう鍛えていくしかない。姿勢を正して問題に相対し、問題文を読み終わったときにはもう正解までの道筋がたっていて、すでに手は作図や立式に入っているくらいに、イメージで言えば陸上の短距離の選手のような切れ味で問題にあたっていってもらいたい。

豊島岡の算数は確かに難しいものである。しかし受験生の相手は大学生や大人ではない。同じ小学6年生の女子なのだ。小学6年生として成熟した学力を持てるよう、残された時間を有効に使っていけば必ず合格までの道が見えてくる。
こころざしを高く持ち、豊島岡の校門をくぐる日を夢見て、難問に挑戦してもらいたい。

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2016年度「豊島岡女子学園中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が6、小問が18。この分量は本年度も不変。
時間に対して適量ではあるが、この適量には若干の説明が必要となる。前半の小問を1問2・3分でこなせたとしての「適量」なのであって、ここに多くの時間を費やすようでは最後まで行き着けない。そういう意味では分量は多く、全般的に見て難易度はかなり高い。
本年度はとりたてて超難問と思われる設問がなく、そうすると受験者平均点・合格者平均点が大幅にアップする。
前半の標準的な問題をそつなくこなし、ほぼノーミスで通過して、後半のボリュームあふれる大問に挑戦していきたい。

【大問1】計算×2・仕事算・小数

  • 難度:
  • 時間配分:6分

ここで問題になるのは(4)くらいか。3÷□が小数第一位になることから商を0.1からあたりをつけていき、30の約数から当てはまるものを数えていけばよい。豊島岡らしい小問といえる。
ここは全問正解のみ!

【大問2】速さのつるかめ算・食塩水・推理・角度

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

この4問をノーミスまたは1問ミス程度で乗り切れるようがんばろう。
(1)は旅人算風味のつるかめ算。この程度の条件では答えをはずすまい。
(2)も頻出の食塩水。面積図を使っての解法もお手のもの、になっているはず。
(3)のように、さらっと解けない問題のほうが現場では苦しむ可能性が高い。3つのベン図の解き方を思い出して、少し時間がかかってもよいので求めていこう。
(4)はア、イの角の大きさをそれぞれ①、④とおいて外角などを利用しながら式を立てて解けるとスムーズに求まる。少しランクが上の問題なので、できなかった場合はこの機会に解き方をマスターしておこう。

【大問3】数の問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

(1)「123×22222222」の計算をすれば求まることは求まるけど、そんなことしたら馬鹿にされるよなあ、なにかいい方法があるに違いない、と質の高い受験勉強を積み上げて本校の受験に臨んだ秀才たちは考えたことだろう。しかし豊島岡の問題には往々にして愚直な解き方が功を奏す場合がある。昨年度【大問2】(3)や同じ【大問3】などがそれだ。考えるのもよいが、まず手を動かそうという問題がしばしば登場するので、ここは頭をシンプルに切り替えて、計算してしまおうではないか。何かいいことがあるに違いない?とりあえず(1)の答えは求まるはずだ(?)。
(2)ポイントはこちらの問い。(1)の計算結果からうまく規則が見つけられるかどうか。また、100の倍数になるところを見つける際、一発では解けないのでねばり強く、しかも手際よく片付けたい。ここが解ければ合格に一歩近づく。

【大問4】平面図形(直角三角形の相似)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

(1)(2)とも、直角三角形「3:4:5」の辺の比を使えばそう苦労することなく求めることが出来るだろう。(2)は答えの数値が細かくなるがそれも想定内だ。ここは確実に解けておきたい。

【大問5】速さと比

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

例年だとこのあたりから難易度がぐっと高くなるところだが、本年度はこの【大問5】が最難関問題となった。ただ、この速さと比の問題は、高度な典型題として塾などで勉強したことがある生徒も多かっただろう。
(1)は作図が出来る生徒はたちまち求まる問題で、(2)への布石に過ぎない。
(2)は本年度の合否を分けた設問。前にも書いたとおり見かけたことがある問題だとは思うものの、それが身についたいたかどうか。また解答にたどり着くまでに多くの作業・計算を伴うのでまさに正念場だ。①が解ければ御の字、②まで解ければ万々歳だ。

【大問6】立体図形(影の問題)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

セッティングでは立体図形を装ってはいるものの、その実は平面図形の影の問題で、与えられた図を見たときに「ひっ!」とおびえてしまった生徒も、問題文を読むにつけ、案外と基本的な問いでほっとしたことであろう。設問の水準は(3)までそれほど変わることなく、少なくとも2問、または全問正解できたことだろう。これでPがA→D→H→Eと動くとか、CからQが動き出すとかすると超難問化する可能性もあったかもしれない。
しかし、豊島岡のラストを締めくくるには、比較的平凡なエンディングとなった。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
受験者平均は約64%、合格者平均は79%!少しでも問題を易しくするとたちまち平均点にはね返ってくる。恐るべき受験生たち!よって合格には75%前後の得点を期待されるが、当然簡単な要求とはいえない。
1問5点ないし6点の点数配分から見て、18問中13・4問は正解したい。
【大問1】・【大問2】はできるだけ速く正確に全問正解を目指したい。本年度だとせいぜい1問ミスまでが限界だ。
【大問3】~【大問6】では【大問3】(2)、【大問5】(2)①②あたりが難関だが【大問6】もあなどれない。あとは全部正解しても少し足りない。侮れない設問でも侮る(?)しかない。
そのための攻略法としては、
・女子校全体に必要とされる「速読即解」の力は普段の勉強の中で身につけておきたい。どんな問題にもていねいにあたる態度、それを忘れてはいけない。
・質の高い問題が解けるようになることは一朝一夕に成立することではない。1歩1歩の積み重ねである。難易度を急に上げるのではなく教えていただいている先生方のアドバイスを聞いて問題を選択してもらおう。
・算数だけに偏らず、どの科目にもまんべんなく時間が注げる余裕と勉強量を誇りたい。

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