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筑波大学附属駒場中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「筑波大学附属駒場中学校の社会」
攻略のための学習方法

スライド式学習

「筑駒の社会対策」では当然、「地理」「歴史」「公民」全単元・全分野、「時事問題」の「知識」を確実に定着させることが最優先となる。
「基礎的事項」はもちろん、細部にわたる「深知り知識」や「背景の理解」も求められるので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックも忘れずに。

完璧な「知識定着」が欠かせないのだが、残念ながら人は忘れるもの。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。

基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。
塾では通常、本格的な受験勉強が始まる5年生になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、6年生の夏休み前には終える。その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。6年生で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか? 実質的に1年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」での正確な「知識」が求められる筑駒ではなおさらだ。

そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある5年生の冬休みや、その後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておく。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。

さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習をこっそりと続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。

いもづる式学習

全単元・全分野に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独で(要は単なる「一問一答方式」)定着させていても無意味だ。
バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、筑駒の「年代整序」など絶対に無理だ。

そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。
「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。
1つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。
単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。

また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(=「面」)をも理解するようにする。
このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。
無論、筑駒で求められる「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。

手づくり式学習

特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。
塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。
しかし、筑駒などの上位校ではそんな単純な出題はない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。
「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。
その際、「原始」~「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。
さらに、その「年表」には「西暦」だけでなく、「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。
「西暦」と「世紀」や「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。

細部へのこだわり式学習

「問題解説」でも触れたとおり、「筑駒対策」で欠かせないのが「細部へのこだわり」だ。
「多角的思考」をするに当たっての前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということ。そこから「考えるヒント」を見つけ出す。
そのためには「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。当然、トレーニングが欠かせない。
過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」「資料の数字」や「関連事項」などを全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。
導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。
こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。
後は自分の「知識」とつなげて考えればいい。

意識継続式学習

どのような場合であっても、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。漠然と机に向っていても無駄だ。
その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。
そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。
筑駒の入試本番では40分という制限時間の中で、様々な「要素」を考え「条件」をクリアして答えなくてはならない。
だからこそ、「設問形態」を正しく理解しているか? 「要素」は全て確認したか? 「細部へのこだわり」や「他の設問」との「関連」は大丈夫か? 「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。
入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。

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2021年度「筑波大学附属駒場中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「地理」(「時事」「その他」あり)。「航空機の『羽田新ルート』と呼ばれる航路についてのリード文」からの出題。小問は全7問(解答数8)、「選択肢」のみ(「不適切」、「複数完全解答」あり)。

大問は「歴史」(「思考問題」「その他」あり)。「あるテーマに関する3つの課題発表」からの出題。小問は全7問(解答数12)、「選択肢」(「不適切」、「位置・時期特定」、「年代整序」、「複数完全解答」あり)、「寺社名記述」、「説明記述」(「20字程度」指定1問)。

大問は「公民」(「時事」「思考問題」あり)。「自転車事故の責任と損害賠償についてのリード文」からの出題。小問は全6問(解答数6)、「選択肢」のみ(「不適切」、「組み合わせ」、「複数完全解答」あり)。時間配分は、「説明記述」は2分程度で、他は1問で1分半ほどというペース。無論、メリハリのある「戦術」が求められる。

【大問1】「地理」(「時事」「その他」あり)

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

「2020年1月から『羽田新ルート』運用実験開始」という「時事ネタ」を切り口として、「航空機の新たなルートが必要とされる背景や、そのルートのさまざまな問題点を説明したリード文」からの出題。「地理」単元の各分野、そして、「時事」単元、「その他」からの小問が並ぶ。難易度はやや高いが、これが本校の「標準レベル」の大問だと心得たい。以下、いくつか確認してみる。

 [1] 「下線部についての選択肢設問」(5択)。「地理」単元。

「リード文」中の下線部「都心低空飛行ルート」が「一年の中で最も採用される可能性が高い時期」を答える。そんなことは誰も知るはずがない。どうする? 諦(あきら)めるか? 知るはずもないのに「設問」として成立している。であれば、どこかに「手がかり」があるに決まっている。「リード文」をチェックすると、直後に「このルートは羽田空港への着陸時において、南風が吹いていて……採用されます」とある。つまり、「採用の条件」として「南風が吹いていること」が挙げられているわけだ。

各選択肢は、(ア)「春」・(イ)「梅雨」・(ウ)「夏」・(エ)「秋」・(オ)冬。「羽田空港」の場所は「東京都大田区」だということは知っているはず。「関東地方南部」では「夏」に「南東の季節風」が吹きやすいのは常識。よって、「答え」は(ウ)になる。尚、「私が知らない」⇒「誰も知らない」⇒「知らなくても解ける」と考えよ。

                                   <時間配分目安:1分弱>

 [2] 「下線部に関連しての選択肢設問」(複数完全解答/5択)。「時事」単元。

「リード文」中の下線部「観光」に関連しての説明で、「正しいもの」を「二つ」答える。典型的な「時事問題」だ。どこまで正確に定着しているかが問われる良問。各選択肢説明の「要点」「キーワード」で正誤判別していきたい。

(ア)「2019年の訪日外国人旅行者」「中国からが最多」⇒2019年であれば当然=適切。

(イ)「日系外国人旅行者」「パスポートなしで日本へ入国可能」⇒これは悩むか? 「パスポート(旅券)」は政府が発行する「身分証明書」であって、日本へ入国する全ての外国人が提示しなければならない=不適切。

(ウ)「増加する外国人観光客への対応策」「民泊条例」⇒「民泊」については知っているはず=適切。

(エ)「新型コロナウイルス感染拡大」「2020年の国内旅行者数は増加」⇒無論、「減少」だ=不適切。

(オ)「新型コロナウイルス感染拡大」「外国人観光客誘致のためのGo To トラベルキャンペーン」⇒「国内旅行者」が対象だということは知っているはず=不適切⇒2020年7月から実施されたが、同年12月28日から「停止中」(2021年8月現在)なので要注意。

したがって、「答え」は(ア)(ウ)だ。尚、「時事ネタ」は受験前年だけではなく、過去数年間程度の事項を細大漏らさず確実に整理して覚えておく必要があると心得よ。

                                  <時間配分目安:1分半>

 [5] 「下線部についての選択肢設問」(全2問/5択)。「時事」単元。

「リード文」中の下線部「ドイツ」と「香港」についての説明をそれぞれ答える。「国際」関連の「時事問題」。意外と抜け落ちている可能性もある。注意したい。各選択肢説明の「要点」「キーワード」で国名を特定していく。

(ア)「2015年の難民危機」「メルケル首相のもと多くの難民受け入れ」⇒誰もが知っているはずの「メルケル首相」=ドイツ。

(イ)「2016年の国民投票」「2020年末のEU離脱決定」⇒これまた常識=イギリス。

(ウ)「2018年2月冬季オリンピック開催」⇒覚えているに違いない、「平昌(ピョンチャン)オリンピック」だ=韓国。

(エ)「2019年の逃亡犯条例改正案への反対デモ」「2020年に入っても継続」⇒「香港民主化デモ」、押さえていて当然=香港⇒このデモがきっかけとなり、2020年6月には「香港国家安全維持法」が制定され、その後多くの民主化推進派の市民が検挙されていることも押さえておきたい。

(オ)「2020年大統領選挙」「次期大統領にバイデン氏が決定」=もちろん、アメリカ。

「答え」は、「ドイツ」=(ア)、「香港」=(エ)。「時事問題」の習得では、「国際関連」も各実に定着させること。

                               <時間配分目安:全問で1分半>

 [6] 「地図についての不適切選択肢設問」(複数完全解答/6択)。「地理」単元。

「リード文」に付されている「地図」(「羽田空港の新離着陸ルート」を矢印で示した東京都心部及び隣県の地図)について、「新ルートを使った飛行機に乗ったとき、日中の晴天時に窓から見える景色」として「正しくないもの」を「二つ」答える。先ずは、「地図」に示されている「新ルート」を確認する。[離陸(南風時)]羽田空港→<南>→東京湾(神奈川県沿い)を南下/[離陸(北風時)]羽田空港→<北東>→<北>→東京と千葉の都県境付近を北上/[着陸(南風時)]千葉県東部および埼玉県北東部→<東京都に入り南東へ旋回>→練馬区→中野区→新宿区→渋谷区→港区→目黒区→品川区→羽田空港/※[着陸(北風時)]の「新ルート」は存在しない。各選択肢の「景色」を正誤判別していく。

(ア)「南風時の離陸後:右手に横浜ベイブリッジ」⇒羽田空港から神奈川県沿いに東京湾を南下⇒「右手」に「横浜ベイブリッジ」は見える=適切。

(イ)「北風時の離陸後:右手に東京ディズニーランド」⇒羽田空港から千葉との都県境付近を北上⇒千葉県浦安市にある「東京ディズニーランド」が「右手」(=東)に見えるはず=適切。

(ウ)「南風時の着陸前:右手に東京スカイツリー」⇒練馬区から品川区上空へと「北から南」へと進み羽田空港⇒東京都墨田区にある「東京スカイツリー」は「左手」になる=不適切。

(エ)「南風時の着陸前:左手に東京湾」⇒羽田空港は「東京湾」に突き出ているので、左右どちらからでも見える=適切。

(オ)「南風時の離陸後:左手に富士山」⇒羽田空港から神奈川県沿いに東京湾を南下⇒山梨・静岡県境にある「富士山」は「右手」に見えるはず=不適切。

(カ)「北風時の離陸後:左手に東京タワー」⇒羽田空港から<北東>へ向かうので、東京都港区にある「東京タワー」は当然、「左手」になる=適切。

したがって、「答え」は(ウ)(オ)になる。馴染みのない問題で、とてもややこしかった。本校志望者であればこうした問題にも、冷静に与えられて情報を処理していくことが求められていると心得よ。

                                  <時間配分目安:2分半>

【大問2】「歴史」(「思考問題」「その他」あり)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:19分
  • ★必答問題

社会の授業での、「ある題材」をテーマとした3つの「課題発表」からの出題。「ある題材」そのものの内容が設問となっている。「縄文時代から現代まで」のさまざまな歴史的事項に関しての「発表」について、「思考問題」も含めて多角的に問われている大問だ。なかなか手強いものもあるので注意したい。以下、何問かを検討する。

[1] 「テーマについての空所補充内容選択肢設問」(5択)。「思考問題」。「問題文」中の空所部  A  に「入るもの」を答える。空所前後は「社会の授業で『  A  』をテーマに調べて発表する課題が出ました」となっている。当然ながら、問題文に記載されている3つの「課題発表」は全て空所の「テーマ」に即しているはずなので、先ずは共通する事項は何かをチェックしたい。最初の[2班の発表]では「ウシ」、次の[7班の発表]は「ウマ」、最後の[11班の発表]が「イヌ」についてそれぞれ調べていて、「動物(家畜)」が「共通事項」だとすぐに判断できるはずだ。各選択肢「テーマ」の正誤判別をする。

(ア)「家畜の歴史を世界と比較しよう」⇒「世界史」に言及しているのは[2班]だけであるのは一目瞭然=不適切。

(イ)「日本列島の自然環境と動物たち」⇒「日本列島の自然環境」との関連を述べた「発表」は一切ない=不適切。

(ウ)「動物愛護からみる日本史」⇒「動物愛護」という観点は読み取れないと分かるはず=不適切。

(エ)「十二支の動物と日本列島の人々との関わり」⇒「ウシ」・「ウマ」・「イヌ」は全て「十二支」にあり、「日本列島の人々との関わり」についても3つの「発表」とも言及しているのは明白=適切。

(オ)「戦いに利用された動物たちの歴史」⇒[7班]の「ウマ」のみが「戦いに利用」されていると判断できるはず=不適切。

よって、「答え」は(エ)になる。特殊な設問内容だったが、問題文の趣旨を正確に捉えて判別することが肝要だ。

                                  <時間配分目安:2分強>

 [2] 「下線部についての条件付き理由説明記述設問」(「20字程度」指定)。「思考問題」。

[2班の発表]中の下線部「秀吉や家康が牛車(ぎっしゃ)に乗ったのはなぜ?」という「問いの答え」を、「20字程度」で説明する。「条件」は「発表内容をふまえて説明する」こと。無論、「直接的知識」として答えられる諸君はほとんどいないはずなので、「発表内容」をチェックしてみたい。「乗用の牛車」については下線部の直後にいくつか述べられていて、「高位の貴族たちが利用」・「武家で乗ったのは将軍家だけ」・「秀吉や家康は天皇に会う際に乗った」などとある。もう明らかだ。「乗用の牛車」は「高い身分の象徴」であり、「自らの地位を示す乗り物」であったわけだ。そうした内容を「過不足なく」まとめていけばいい。したがって、たとえば、「高い身分の象徴で自らの地位を示したかったから。」(23字)といった「答え」になる。本問は「思考問題」ではあるが、「条件」は大きな「手がかり・ヒント」になると心得よ。

                                   <時間配分目安:2分>

 [4] 「空所補充のできごとの時期判別不適切選択肢設問」(複数完全解答/5択)。「歴史」単元。[7班の発表]中の空所部  B  は「⑰」(=奈良時代)と「⑲」(=「元軍の影響で集団戦法が広がった」時期)の間のできごとだが、「ここに入る文章」として「適切でないもの」を「すべて」を答える。「奈良時代」と「鎌倉時代」との間ということを意識して、各文章の「要点」「キーワード」で時期判別していく。

(ア)「朝廷のウマの管理者から平将門」⇒「平将門」が「関東の有力武士」だということは知っていて当然=不適切。

(イ)「藤原京」⇒「奈良時代以前」に決まっている=不適切。

(ウ)「新たな乗り物として馬車」⇒「馬車」は「明治時代以降」ということは知っているはず=不適切。

(エ)「武士は自分の館(たち)でウマを飼育」⇒典型的な「鎌倉時代の武士の生活」だと判断できる=適切。

(オ)「海外からの侵攻」「騎馬武者は恩賞のために戦った」⇒「元寇(蒙古襲来)」と誰もが結びつくはず=適切。

よって、「答え」は(ア)(イ)(ウ)となる。尚、「複数完全解答」の設問では徹底的の細部にこだわり、慎重に判別することが求められる。

                                  <時間配分目安:2分弱>

※尚、[5][7]はともに「課題発表」の内容全体についての「正誤判別問題」で、前者は「複数完全解答選択肢設問」、後者は「複数完全解答時代整序設問」となっている。一見難解そうに思えるが、「発表内容」を正確に読み取れば確実に正解できるので、チャレンジしてほしい。ただ、時間はかかるので、戦術的には臨機応変に「捨て問」にしても構わない。

【大問3】「公民」(「時事」「思考問題」あり)

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分

11歳の少年による自転車事故の被害者が少年の母親に対して起こした実際の裁判に基づき、「自転車事故の責任と損害賠償について説明したリード文」からの出題。約2000字もある「リード文」で、「過失」「権利侵害」「因果関係」などといった法律の専門用語があふれている内容は、とても難解で面食らうに違いない。だが、決してめげてはいけない。それは一種のフェイントで、小問で問われていることは「公民」単元で習得しているものだ(「時事」単元と「思考問題」があるが)。決して平易ではないが、本校志望者であれば十分に太刀打ちできるはずだ。果敢に挑んでほしい。以下、いくつかを検証しよう。

[1] 「レポートについての空所補充語句組み合わせ選択肢設問」(6択)。「思考問題」。「リード文」中の下線部「自転車事故」に関連して示されている「小レポート」について、文中の空所部(  A  )・(  B  )に「あてはまる語」の「組み合わせ」を答える。

空所前後は「……、責任能力のない(  A  )歳未満の子どもが自転車に乗るときには、……世田谷区のルールには(自転車に乗るときの)ヘルメット着用義務だけではなく、スマートフォン等を使ったり傘(かさ)をさしたりしながら運転することの禁止が明記されていて、私たちの(  B  )ルールだという人もいた」となっている。無論、誰も直接的には知らないに決まっている。前述したが、こうした問題は「知らなくても解ける」のだ。「手がかり」は当然、「リード文」になる。先ずは(  A  )、「責任能力」という「キーワード」を「リード文」で探す。すると、後から4段落目の最後から次段落にかけて「12歳あたりが責任能力があるかどうかのわかれ目……、今回の裁判では、少年が11歳であることから責任能力がないとされ……」という説明がある。各選択肢で(  A  )は「6」・「13」・「18」のどれか、であれば(  A  )=「13」と特定できるはず。この段階で選択肢は(イ)(オ)の2択になった。(  B  )については、前者が「平等を保障する」、後者は「自由を制限する」となっている。これだけで、「答え」は(オ)だと判別できる。尚、「組み合わせ選択肢」では自分の分かりやすい項目で、選択肢を一気に絞り込むことが肝要だ。

                                  <時間配分目安:1分半>

[2] 「下線部に関連しての選択肢設問」(複数完全解答/5択)。「公民」単元。

「リード文」中の下線部「少年の母親に対して約1億590万円の支払いを求める裁判」のような、「民事裁判」の説明として「適切なもの」を「二つ」答える。各選択肢説明の「キーワード」で正誤判別していきたい。

(ア)「裁判員制度が取り入れられている裁判」⇒「裁判員裁判」は「刑事事件」だけだと知っていて当然=不適切。

(イ)「父親がのこした財産の分け方をめぐって争われる裁判」⇒「遺産相続」などの「家族・親族間の争い」は「民事裁判」、これは「常識」=適切。

(ウ)「裁判官をやめさせるかどうかを決める裁判」⇒「弾劾裁判」は「国会」の仕事=不適切。(エ)「過失致死傷罪(かしつちししょうざい)にとわれる裁判」⇒知らないか? 「過失致死」、ニュースなどで見聞きしているはずで、「刑事裁判」だ=不適切。

(オ)「工場が出すけむりが原因でぜんそくになった」「工場の会社を訴(うった)える裁判」⇒これは「民事裁判」だと判断できるはず=適切。よって、「答え」は(イ)(オ)だ。「自らの知識」を「具体的事例」に的確に応用することがポイントだと心得よ。

                                  <時間配分目安:1分半>

 [6] 「下線部に関連しての不適切選択肢設問」(複数完全解答/5択)。「公民」「時事」単元。「リード文」中の下線部「地方公共団体」に関連しての説明で、「正しくないもの」を「二つ」答える。「不適切設問」ということに留意して、各選択肢説明の「要点」「キーワード」で正誤判別する。

(ア)「自転車レーンのように利益がでないために企業が供給しにくいものを供給する役割がある」⇒多分適切だとは判断できるだろうが、確信は持てない……=適切?

(イ)「所得税という会社の所得にかされる税金がある」⇒「所得税」は「個人の所得」に応じて課されるもの、「会社」に関しては「法人税」(利益に対して課される)だということは常識=不適切。

(ウ)「『ふるさと納税』は自分の生まれ育った地方公共団体のみに寄付ができる」⇒どこの地方公共団体にも寄付できるのは知ってのとおり=不適切。

(エ)「国は地方交付税を交付している」⇒「公民」での基本知識として定着しているはず=適切。

(オ)「新型コロナウイルス感染拡大防止のために、東京都などは営業時間短縮や休業要請に応じた事業者に協力金を交付」⇒典型的な「時事問題」=適切。そうなると、「答え」は明らかに「不適切」な(イ)(ウ)になる。ちなみに、(ア)は「社会インフラ」といわれ「道路」などが代表的なものだ。知らなかった諸君は覚えておきたい。

                                  <時間配分目安:2分弱>

攻略のポイント

「複雑な選択肢設問」にどう対処するかが最大の「攻略ポイント」。「設問」を的確に「読解」することが最優先。「何が問われているのか?」「どう考えていけばいいのか?」「どのように答えればいいのか?」などといったことを、正確に読み解く「読解力」が求められている。本校の「合格ライン」は7割弱(過去13年間の「合格者最低得点率」は67.4%、本年度は66.8%)。解答数の多い「選択肢設問」での「正誤」が合否を分けると心得よ

●本校ならではの「意表を突く問題」も対処を要する。「知識」には当然限りがあるので、「細部へのこだわり」と「知らない問題」への「対応策」が重要となる。前者はいかに「細部」に着目して「判断」できるかであり、後者はいかに「知っていること」に結びつけられるかということ。必ず、どこかに「手がかり」「ヒント」が隠されている。特に、「リード文」は「下線部以外」も必読だそして、「設問文」や「設問条件」、「設問どうしの関連」等々と「自らの知識」を多角的に結びつけて考察することで絶対に解くことができる。「多角的思考」ができるよう十分に訓練すること

●「時事問題の攻略」もポイント。「時事ネタ」は、細大漏らさず確実に整理して覚えておく必要がある。日々の「新聞」をしっかりと確認しておくことは不可欠。毎日全て読み通せなくても、「見出し」「リード」は必ずチェックし、知らない「ネタ」があったら「スクラップ」しておくこと。さらに、それらに関連する「あらゆる事項」も全て復習しなくてはならない。

「地理」では「地図」「地形図」「統計資料」「模式図」等、「歴史」では「年表」「史料」などがよく出題されるので、確実に覚え常にチェックしておくこと。もちろん、「統計資料」は必ず最新版を使いたい。テキストとしては「日本のすがた」(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ

●尚、本年度は昨年度同様に「思考問題」が数多く出題された。2021年度に新たに導入された「大学入試制度」を考えると当然の流れだ。来年度以降に向けても十分な備えが求められる。一昨年度初出の「説明記述」も同様だ。

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